2018年に見たライブなど

18/12/4:Eero Koivistoinen meets 新澤健一郎「Perspective」 (赤坂B flat)
新澤氏がオリジナルを演奏するピアノトリオPerspectiveを結 成したのは聞いていたのだけど,11月の初ライブは私の私用が あり行けなかった。それで今回のライブは楽しみにしていた。 しかし,今回はフィンランドのサックス奏者Eero Koivistoinenをフロントに向かえての特別スタイルで,おそら くPerspectiveの真の姿とは違うのだろうなぁと思いつつ観賞 したが,とても良質なライブだった。
Perspectiveのメンバーは新澤健一郎(p),飯田雅春(wb),石川智 (ds)の三人。
おそらくKoivistoinen氏の曲がメインだったと思うが,新澤氏 の曲,また新澤氏の定番のジスモンチの曲もあり,アンコール はステラだった。Koivistoinen氏の曲は結構多彩で,メロディ アスな曲もあれば,ラテンかアフリカンなスタイルを取り入れ た,リズミカルなものもあった。
さて演奏だがKoivistoinen氏は北欧のプレーヤだが,サックス の音自体は素朴で抜けの良い音。メロディアスだったり,音を 敷き詰めるようなプレイだったり,そんな感じ。新澤氏は先日 六本木や南青山で聞いた時よりは,きらびやかな感じが若干押 さえ目で,響きを重要視ししたやわらかい音色で,残響をうま く感じながら演奏してる感じだった。飯田氏はスタンダードの トリオの時も聞いたが,反応が良く,暖かい感じで低音を支え る感じ,ドラムの石川氏は以前聴いたことがあるかは記憶が無 い,ドラムセットの中に自然にパーカッションが含まれており, すべてのドラムとシンバルがすべて水平でほとんど同じ高さに セットしているという面白いセッティング。演奏もパーカッシ ブにサウンドを埋めていくが,時には手のひらで叩いたりもす る。しかもスティックの時と,音量や音色が連続してるのすご い。
北欧のジャズらしく素朴なメロディに,空間的なサウンド,そ してリズムでドライブするのではなく,浮遊した中で,お互い の音が混じり合うようなそういうサウンドだった。
北欧の巨匠を向かえた良質な演奏を楽しんだ。Perspectiveの トリオの演奏も,いずれちゃんと聴きたいなと思う。

18/7/6:新澤健一郎ピアノトリオ (新宿ピットイン)
私自身ライブ観賞が前回以来半 年ぶり以上なのだけど,それも新澤トリオだったので,同 じトリオを続けてみてることになる。
さて,前回のレポートでも書いてるのだけど,このトリオ,前 回のライブ後にレコーディングを実施,4月くらいにCDを発売 している。今回はその発売記念のライブということになる。
場所は新宿ピットイン,立ち見が出そうなくらいのお客が入り 大盛況。その中で演奏,大いに盛り上がる。
改めて書くと,メンバーは新澤健一郎(p),飯田雅春(b),Gene Jackson(ds)。演奏は新譜のCDからがほとんどだけど,In a Sentimental Moodはやらず,代わりにジスモンチの7 Aneisを ソロで弾いた。組曲風の壮大なアレンジで素晴らしい演奏だっ た。
ちなみにアンコールはこの日にちなんで七夕。だいぶ昔にこの アレンジの演奏で聞いたことがあるが,なんだったっけ?。
全体の印象としては前回同様。比較的古い曲が多いが,コンテ ンポラリーやフュージョンの経験も多い新澤氏らしく,メロディ アスで明るい感じのメロディを繰り出している。ピアノの音も やっぱり新ピでもかなりエッジのたったきらびやかな音になっ ており,新澤氏のタッチによるものなのだな,という印象。プ レイの幅の広い飯田氏のベースとジャズらしい落ち着いたドラ イブで曲に彩りを与えるGene Jacksonのドラムで現代的であり ながら,落ち着きがあり,深みを感じる演奏になっていた。
新澤氏ピアノトリオの演奏,なかなかないが,ぜひまた聴きた いものである。



(C) 2018 TARO. All right reserved