live report

'01年1月～3月に見たライブなど

文体がころころ変わってすみません。ちょっと試行錯誤してるので…

01/03/22: Roppongi PitInn Special Session Request 4 ( 六本木ピットイン)
昨日に引き続きピットインセッションです。
今回のメンバーは，

山口真文 (sax)
小野研二 (tp)
新澤健一郎 (p,kb)
大橋イサム (g)
岡田治郎 (b)
村石雅行 (ds)
です。
新澤氏，岡田氏のライブは何度もみてるのでお馴染，大橋氏は先日初めて見たので二回目となります。他の方は初めてです。あっ，小野氏はピットインのマスターだから顔は知ってますが…。
というわけで，なにも予備知識無く，フラりとでかけたんですが，いきなり一曲目が，パットメセニーのJames，びっくりしました。これは管抜きの4人でしたが，続いてSo What，Foots Printとか続きます。これはサックス，トランペット付きで。基本的にはこういう割と王道な曲中心。ジェフベック( というか作曲はミンガスですが)のGoodbye Polk Pi Hat(綴り自信なし)とかありましたが，いずれも有名な曲が中心。こういう曲をライブで聴くのは実に久しぶりだったので，なんかすごく新鮮でした。自分達でセッションやってた頃は，良く聴いていたんですが…。
というわけで，わりと古めの曲とかもあったんですが，リズム隊がポップと言うかリズムの単位が細かいので，サウンド的にはずいぶん，今っぽいと言うか洗練された感じになってます。
サックスの山口氏のソロが非常にしっかりしていて，全体的にすごく芯のあるような仕上がりになってました。小野氏はトランペットにエフェクトをかけていて，なかなか面白いサウンドをつくってました。大橋氏は二回目ですが，前回とも違った印象を受け，結構懐が深いと思ったりもしたので，他のセットの演奏とかも聴いてみたくなりました。新澤氏もソロもですが，バッキングを結構生き生きとやっていたのが印象に残りました。
なんとなく安心というか，楽しいライブでした。こういうスタンダードを今っぽく聴くのもいいですね。

01/03/21: Roppongi PitInn Special Session Request 3 ( 六本木ピットイン)
今月の六本木ピットイン・スペシャルセッション，第三弾です。メンバーは

和田アキラ (g)
是永巧一 (g)
永井敏己 (b)
榎本吉高 (ds)
新澤健一郎 (p,kb)
です。実は新澤さん以外の方は初めて聴きました，すみません。新澤さん自身もすべて初顔合わせだったらしいです。
そういうわけで，いつもわたしが聴くインストより若干ロックよりな印象がありましたが，みなさん実にうまいし，またサウンドに気合いというか「気」があります。演奏している曲も非常にテクニカルな曲ばかりでとてもセッションと思えるような選曲，および演奏ではなく，聞き応え十分の緻密さでした。
和田氏は，やはり評判通り非常にテクニカルだし，速いフレーズを存在感のある音で見事に弾きます。ソロとかでも細かいフレーズが結構混じっていますし，音色の変化の付け方も細かいですね。
是永氏は更に音色の変化を非常にたくさん使うギターでした。エフェクタも結構駆使してましたし，演奏自体でもかなり音に変化をつけたりしてました。
永井氏はフレットレスながら，ソロとかではすごいはや弾き，バッキングでもブリブリとしたサウンドで安定したグルーブをつくります。
榎本氏はこのすごいフロントをしっかり支えて，しかも，音の粒だちのいいビートをつくってました。
新澤氏もムーグ，ピアノ，そしてシンセのリフ等，存在感でもギタリスト二人に負けてませんでした:-)。
実は最初始まる前に，「音がでかいんだろうなぁ…」とか「バランス大丈夫なんだろうか?」とか思ってましたが，始まってみると実に見事で，ギター二人いても全く音がぶつからず，はまってました。二人ともバッキング時とソロ時の変化も非常にメリハリのある感じでやってましたし，他のパートも含めて，音が過剰になるという印象はなく，やはりみなさんの技術と経験を実感しました。お見事です。
非常に贅沢なライブを見たという感じで，またその内このメンバーでやるらしいので，また是非見にいきたいと思います。

01/03/19: Monday Night Special 小松雄大バンド(エアジン)
ギターの吉沢氏と知り合いということで，フラりとでかけたライブです。知らなかったんですが，エアジンはチャージ無しのライブを時々やっているんですね。これもそういうライブでした。
メンバーは小松雄大(ts,ss),吉沢純一(g),工藤邦明(Ba),安藤正則(Dr)の四人。2セット構成でしたが，ちょっと所用のため1stのみを観させて頂きました。1stはスタンダードのみでしたが， 2ndはオリジナル中心(のみ?)だったそうです。
スタンダードとは書きましたが，スティーブ・スワローとかジョニ・ミッチェルの曲もあり，いわゆるスタンダードとは選曲が違いました。
吉沢氏以外は初めて見たというか名前も知らなかったのですが，リーダの小松氏は歌心のあるサックスを甘い音色で吹く人，ベースの工藤氏はアコべですが非常にしっかりと粒のある音色でブリブリ弾く人，ドラムの安藤氏は結構音数が多い人という印象を受けました。吉沢氏もいつもながら，安定したソロをとってました。
フラりと行ったライブでしたが，結構面白かったです。

01/03/15: 帰ってきたウルトラマンジャズ( 六本木ピットイン)
「さていつだったか?」と考えると2年も前のことで時の流れる速さを実感します。
約2年ほど前に「ウルトラマンジャズ」というCDが出まして，そのCD発売記念ライブに行ったのが一昨年の1月でした。今回は2年ぶりに(というか次があるとか思ってませんでしたが^^;)「帰ってきたウルトラマンジャズ」という企画CDが発売され，その発売記念ライブということで，前回同様，非常にレアなライブとなりました。
メンバーは，

布川俊樹 (g)
小池修 (sax)
福田重男 (p)
新澤健一郎 (kb)
納浩一 (b)
岩瀬立飛 (dr)
大坂昌彦 (dr)
。ツインドラムにツインキーボード，更にビブラホンとかなりの大所帯ですが，CDの方は本当は更に矢堀孝一氏や岡田治郎氏も参加しているため，CDとはまた違った編成の演奏もたくさん聴かれました。
いきなりウルトラセブンの主題歌(いわゆるTVでかかってたやつ)をテープで長し，メンバーの入場，そして演奏となるような，愉快なオープニング。他にも「これが，こんな風になります」とばかりに最初にTV版を流しての演奏開始の曲いくつか…。といっても，いずれも(少なくとわたしの世代には)お馴染な曲です。
さて，CDもそうなのですが，ライブも演奏曲によってメンバーが入れ替わる構成。なんと布川氏も抜ける曲とかもありましたが，とにかく曲(というかアレンジ)のバリエーションが豊かで，本格的なジャズピアノトリオの演奏もあれば，サンバやテクノ風のジャズもあり，ギターソロもありと，メンバーの入れ替わりもともかく，アレンジの変化も楽しめました。
CDの方は新澤氏のテクノパートが非常にアルバムの幅を広げていましたが，ライブで打ち込みを駆使して，しかし演奏中にシーケンサを止めたり動かしたりと，ライブならではの即興性を保持したままテクノサウンドを導入，ジャズの未来を予感させます(笑)。
他にも大坂氏と岩瀬氏という非常にハイレベルなドラマーをツィンで使う等贅沢な曲もあり，二人とも演奏表現の幅が非常に広いドラマーなため，そのバトルには耳を奪われました。音の粒子をばらまく岩瀬氏に対して，一打ちのスネアや，シンバルの鳴らし方など一つ一つに巧みに変化をつける大坂氏，どこか似ているようで違ったスタイルが非常にいい感じになってました。
他のメンバーも一夜限りのライブながら気合いの入った，それでいて楽しげな演奏，慣れ親しんだメロディを見事にジャズに昇華して行きます。メロディはウルトラマンでも演奏自体は非常に本格的です。フレーズの歌わせ方等，それぞれのメンバーが独自の方法で聴かせどころをつくってくれます。
ライブでは前回もやったクイズコーナもあり，お客さんを巻き込んでの楽しいライブでした。最後のアンコールでは新澤氏がウルトラマンの被り物を被って演奏。サービス満点のステージと客席が一体となったライブでした。

01/03/12: Roppongi PitInn Special Session Request 1 ( 六本木ピットイン)
六本木ピットインは最近「スペシャル・セッション・リクエスト」というのをやっていて，客のリクエストに合わせて，メンバーを募る…というライブが月に4～6回程あります。こういうライブだと普段のライブやセッションではなかなかあり得ないメンバーの組み合わせとかが実現し大変新鮮です。今回はそういうセッション。もちろん，初組み合わせです。
さて，今回のメンバーは

新澤健一郎 (p,kb)
大橋イサム (g)
須藤満 (b)
菅沼孝三 (ds)
です。新澤氏がセッションリーダとのことですが，曲は持ち寄った様で，各メンバーの曲が1～2曲ずつ，他の人の曲が2曲でした。ちなみにわたしはこの中で生演奏を聴いたことがあるのは新澤氏と菅沼氏のみです，須藤氏はラジオとかで聴いてる可能性もありますが意識したことはありません。
というわけで，わくわくしながらのライブ開始，なんと一曲目は Jeff Beckでお馴染のLed Boots，私事ながら自分も良く演奏した曲ゆえ感慨もひとしおですが，とにかくそのパワーに圧倒されました。ちなみにセカンドセットの一曲目もJeff Beckでした。
Jeff Beckの曲を演奏するというのは，この組合わせのカラーに実によくあってる…って気がしましたが，実際は各メンバーが持ち込んだ曲はそれぞれ独自の特徴があり，実にバリエーション豊かなライブでした。
新澤氏はこのメンバーの中では一番ジャズ的な色が強く，WYSIWYGやQuietLeavesで演奏している曲からピアノをフィーチャしたメロディアスな曲(Long Time AgoとSong for ... )を演奏。このメンバーだと実に音に迫力というか気合いが入ります。グルーブとかも全く違ったものになり，まるで別の曲のようです。氏の演奏自体もいつもよりパワフルでよりエッジの効いた感じになっていて，ちょっと新鮮でした。
大橋氏の演奏は初めて聴きましたが，フレージング自体はフュージョンというかロックぽさがありますが，ソロのバリエーションの多さは素晴らしいです。というか，なんとも存在感のある音を出す方で，エッジが効いているのですが，太い音。それに何と言っても指板から指がなかなか離れないのが印象に残りました。リズム感も素晴らしく，「こういう音だと，ギターソロもサックス並みに単音ソロが映えるなぁ」とか思ってしまいました。持ち込んだ曲はじっくりソロを聴かせる曲と，ノリノリで各メンバーの見せ場をつくる二曲でした。
須藤さんは，やはりその音の太さと存在感が素晴らしく，更にリズムというかグルーブの強烈さ，そしてスラップにしても，ピチカートにしても指数の多さというか，テクニカルさに舌を巻きました。二曲持ち込みましたが，こちらはJ-Fusionぽい感じが，氏らしい(?)(^^;)。
菅沼氏はフラジャイルでもお馴染ですが，さすがの手数王。手数やネタ(笑いも含めて^^;)の多さには脱帽ですが，一つ一つの音の気合いは素晴らしいです。持ち込んだ曲はポリリズムのちょっと変わった曲。これはかなりおもしろい演奏になりました。
と，メンバー毎に書きましたが，各メンバーとも一つ一つの音の重みがすごくあり，粒がはっきり出ているんですが，うるさすぎず，そして他のパートを邪魔することもない。セッションなのに，安定した演奏をしていて，音の重みと相成って，説得力がある演奏でした。というのもあるんですが，曲のバリエーション，グルーブ，新鮮味，クオリティ，いずれをとっても素晴らしく，非常に楽しいライブでした。初めて聴いたメンバーの他の演奏も聴いてみたいですし，この企画セッションの他のもすごく期待させる内容でした。またいろんな組合わせで聴かせて欲しいです。

01/03/08: コンピュータミュージックシンポジウムⅡ( 津田ホール)
コンピュータミュージックシンポジウムⅡというのがあって，それに付随したコンサートです。純粋に音楽を聴くというよりは，研究会の技術を使ったコンサートという性格上，音楽の内容を音楽的に評価するものではないのかもしれませんが，敢えてやります。従ってちょっと辛口になるかも知れません。
シンポジウム自体について…というか音楽情報科学という研究分野については別途書いたので，ちょっと読んで頂けると幸いです。
演奏した曲のデータは，以下の通りです。

「ピアノとコンピュータのための「Connected piano」」
作曲:Brad Garton
演奏:山原麻子(p)
「声の力」
作曲:榊原健一
演奏:テラシィイ(声)
「尺八とコンピュータのための「垂直の歌」」
作曲:金子仁美
演奏:三ツ橋貴風(尺八)
「クラリネットとコンピュータのための「Transfiguration」」
作曲:莱孝之
演奏:佐久間順(クラリネット)
「尺八とコンピュータのための「射千玉」」
作曲:小坂直敏
演奏:三ツ橋貴風(尺八)

ステージに上がるのは演奏者だが，実際は作曲者が裏で，いろいろ操作しているので，作曲者も演奏者と言えます。ただし，実際にコンピュータから出た音が，どの程度のリアルタイムの操作なのかは良くわかりません。
基本的には，演奏者が出した音に，コンピュータの音が絡むというタイプ。ジャズやポップスを聞き慣れたわたしの耳には，現代音楽という感じの音楽に聴こえますが，本当のところはわかりません。あらかじめ録音しておいた音を加工して，楽器に絡ませるようなものもあれば，今ステージ上で出ている音を加工しているようなものもあったように思います。一曲目，二曲目，三曲目は特に前者の感じが強かったように思いますが，二曲目と三曲目，そして最後のものは，ステージで演奏している人の音をあらかじめ録って加工しているので，もしかしたら将来的にはリアルタイムでやりたいとかいうのがあるのかも知れません。ただし，いずれにせよこれらの曲を聴いて残念に思ったのは，「説明を聴かないとすごさがわからない」ということです。音楽としてより理論で伝わってくるものという感じでした。
ただし，四曲目は音を聴いただけで，いいと思いました。これはクラリネットの音に対して，次々とコンピュータが音を返すものだと思うのですが，その見た感じでは，リアルタイムでコンピュータがいろいろ音を加工したり反応したりして，返しています。正直いうと他の人の曲は，コンピュータじゃなく人手とエフェクタを使えば同じようなことが可能なのでは?とは思ったのですが，四曲目に対しては，コンピュータが反応しているという特徴が音楽に良く出ていたと思います。使っているシステムとかコンセプトが，そういう風に聴こえる…ということなのかも知れませんが，しかし意外に，「良く聴こえる様に仕上げる」そういう能力なのかも知れません。実際に四曲目と最後の曲は作曲経歴がたくさんある人のせいか，技術抜きで，どこか聴きやすいところがあったように思います。
というわけで，好奇心を刺激するコンサートではありました。一方で，音のみで人を感動させるのは難しいのだな…とも思ったりするコンサートでもありました。

01/03/03: 渡辺亜由美, 八重樫祐子, 井上ゆかり ( 代々木ナル)
この代々木ナルというライブハウスにははじめていきました。二月に「ボーカルオーディション」というのをやったらしく，今回はその上位二名のライブということらしいです。
そういうわけで，渡辺亜由美さん，八重樫祐子さんの二名のボーカルが半分ずつ歌うという，ちょっと変わった形式のライブでした。井上ゆかりさんというはピアノで伴奏をします。
ライブは3セット，1セット45分くらいで，まずピアノで一曲弾いた後，二人のボーカルが3曲ずつ歌うという形式。どちらが先に出るかは，セットによって，変わりました。
オーディションということですので，まぁ二人ともそれほどキャリアがあるボーカリストではなく，どちらかというとほのぼのとした感じのライブ。まぁ八重樫女史は，わたしの知り合いということで，行ったというわけです(^^;)。
二人同じパートがいると，どうしても比較という感じになってしまうので，あまり突っ込んだことを書くのは止めます(^^;)。選曲は渡辺女史の方が，ポップスとの曲を混ぜてたのに対し，八重樫女史はスタンダードということで，ジャズとしてはこっちの方が本格的という感じはしますが，普通のお客さんがどっちを好むのかは良くわかりません(^^;)。二人とも最初のセットではちょっとこじんまりしてるな…と思ったんですが，セカンドから段々盛り上がり，各セットの最後の方とかは，お客さんものってきていたので，単に最初は緊張していたのでしょう:-)。
ピアノの井上女史はこのライブハウスで，よくやってる人らしいですが，歌伴奏に慣れているのか，実にお見事な演奏でした。あとで聴いたらリハとかやってなかったらしいのですが，アレンジが実にしっかりしたピアノを弾きます。安定していて，コードとかも綺麗ですね。
二人のボーカリストは，これからいろんなところでやっていくのでしょう，頑張って欲しいものです:-)。

01/02/17: Medeski, Martin & Wood ( 新宿リキッドルーム)
Medeski, Martin & Wood (MMW)のライブと書きましたが，正確には Organic Groove Featuring Medeski, Martin & Woodというクラブイベント(?)です。5時開場と同時に開演で， DJが皿を回しはじめます。45分単位で交代。二人DJが終わった後，ステージ場でTOKYO ZAWINUL BACH (TZB)というバンド(?)が，演奏(?)，そしてもう一人DJがやった後，最後にMMWが90分のステージ。
あっ，最初に断っておきますが，私，このてのクラブイベントってほとんど行ってないので，何が普通で何が今回特殊なことだったのか?，いまいち良くわかってません。勘違いやしょうもないことを書いていたら，すみません(^^;)。
さて，そういうわけで何を書くべきか良くわかってないのですが，とりあえず場所はオールスタンディング。結構広いホールで，客はかなり入ってました。最終のMMWの頃には体を大きく揺らすと人にぶつかるくらい。2，300人以上いたのではないでしょうか?。ラウンジにも結構人あふれていたし。床が抜けないか心配でした(^^;)。結構びっくりしたのが，時間通りに進んでいくことで，何時に終わるのだろう?と思っていたらしっかり10時前に終わってしまいました。
順に書きましょう:-)。最初のDJは開場と同時に始まってるので，本当に前座というかBGMという感じ。ホールの人もまばらで，踊ってる人も10人もいない。大抵仲間と喋ってるか，座ってます。みんな淡々としている感じ。このDJは，ジャズをモチーフにした音源を使ってる感じがしました。二人目のDJ，こちらはフュージョンをモチーフにした音源を使ってるようでした。徐々にホールにも人が増えてきましたが，いい加減立ちっぱなしもつかれたので，私も床に座ってました(^^;)。ところが，残り15分位になって，ふっと踊りたくなって，立って踊ったんですが，なぜかそうしたら，急に自分の周りの人も踊り出しました。これはかなり不思議でした。自分が踊ろうっと思ったのは確かに音楽のせいですが，どう変わった?って聞かれると困るくらい，ちょっとしか変わってないのに，みんなも同じように踊った。変な話ですが，そこのホールにいる人と想いを共有したという感じをうけ，なんか自分的にも盛り上がりました(^^;)。
次はTZB。これは生演奏DJという感じでしょうか?。メンバーは3人。サックスとトランペットを持った人がそれぞれいて，もう一人はキーボード。しかしサックスの人はCDを回したり，サンプラーを使ったりがメインで，時々サックスを吹きます。リズムはリズムマシンとCD，サンプラで，かなり機械的なリズム…。ちょっと私には「止まりそう」と感じられ，実際これを聞きながら踊る人は結構少なかったです。後半盛り上がって踊り出しましたが。サックスやトランペットはいますが，かなりエフェクトをかけて，効果音(SE)的に用いるという感じで，メロディがあるわけではないという感じです。
そのあともう一人DJが入り，これも割とうまく盛り上げていたようですが，まぁMMW迄のつなぎという感じもしました。
というわけで，ここまでの印象を書きますと，クラブの音楽というのはヒップホップにしても，テクノにしても…，って今回のがどっちか?って言われると困るんですが(^^;)，リズムと音色の音楽という事。GrooveとColor (toneとかtimberとは違う)という感じです。何が普通の音楽と違うかというと，メロディとか唄がないわけです。リズムがひたすら繰り返される。しかしそれでは変化がないから，サンプリング等で色を変化させて行く，そういう音楽だという気がします。その「色」というのはコラージュというかコンクレートというか，いろんな音を非構造的に乗せていく，そしてやたらノイジー…，そういう印象を受けます。しかし不思議なもので，そういうのにもやはり，いい，悪いってものがあり，そして，いいものというのは，会場が妙に一体感を感じます。ステージというより，ホール全体から客である私がなんかエネルギーを受け，妙な一体感を感じる。クラブが客が主役というのが，何となくわかった気がしました。
さて，やっとMMWです(^^;)。実はMMWははじめて見たんですが，編成はキーボード，ドラム，ベースの三人。そうサンプラーとか DJはいません。キーボードはシンセも使いますが，オルガンがメイン。ベースは何とウッドも使います。エレベも使いますが。ドラムは，普通のドラム以外にパーカッションとして，鳴り物も使う。もちろんエフェクタはベースとかオルガンも使ってましたが，つまり何を言いたいかというと，かなり生楽器だという事です。でも不思議なことに，これまでの前座の流れには乗ってるし，お客もかなり盛り上がってます。つまり，音楽的には，「リズムと音色だけ」…というその特徴が同じなわけです。ただし，その実現方法が，生人間リズム，オルガンやベースによるColoringに変わったわけです。
そう考えると，キモであるリズムが人間がやってるって事で，実はリズムマシン+生上物より，生リズム+シンセであるMMWの形態の方が，実はうまい…と思ったりもしました。どうせ上物が人間でも，効果音的な演奏しかしないわけですから。
とはいっても，MMWの三人は楽器の使い方が，かなり幅広く，ドラムやベースも色付けに貢献するようないろんな使い方をします。そして，バンド全体で観客をコントロールするというのを良くわかってるって感じがします。明確なメロディがほとんどなくグルーブ主体ですが，リズムの止めやキーボードで，明確に客が盛り上がる場所をしっかりつくってる辺りはさすがで，ホールをコントロールしているという感じがします。しかし，オルガンはかなりノイジーで，どうしてこんなにノイジーにする必要があるんだろう?(^^;)って思ったりもしました。
グルーブして，止めて，そして爆発させる…そういう音楽って感じはします。そしてその爆発で観客は盛り上がる…。そういう意味では，ロックにしても，ジャズにしても，そして祭りにしても，盛り上がるというのはそういうことなんだなぁー。そして，MMWにはそれ以外の要素はほとんどなくそこだけ取り出している。そういう意味ではジャズ的なサウンドもあるんですが，やはりジャムと言うか，初期のロックのような，踊る音楽という感じがしました。
しかし，あそこに来ていた数百人のお客さん…。ああいうのをいいと思うんだったら，ジャズ・フュージョンのライブハウスとかに行ってもいいと思うんだけどなぁ…，ただし踊らないと嫌なんでしょうけど…。
ある意味，結構難解な音楽なわけで，そういう音楽を熱狂しているお客さんがあんなにいるっていうのは，ある意味，日本の音楽ファンもすごい潜在能力があるな…って思ったりもしました。
とはいえ，立ちっぱなしとたばこの煙には参りました(^^;)。

01/02/09: ビル・ブラッフォード・アースワークス (TLG)
アースワークスというバンドはプログレッシブロックで有名なビル・ブラッフォードというドラマーがジャズをやるために組んだバンド…，と私は認識してるが(^^;)，あまりプログレに詳しくないので，間違っているかも知れない。 10年程前に，興味本位でCDを聞いたおぼえがあるが，すっかり忘れていた。来日の話を聞いて正直「まだやっていたのか?…」と思ったのだが，最近ヨーロッパ人のジャズ(ブラッフォードはイギリス人)…というのに興味があることもあり，見に行った。
10年以上前からあるバンドだが，メンバーがブラッフォード以外，結構若かったので，メンバーの入れ替えはおこっていると思う。とりあえずメンバーをあげると，

Bill Bruford (dr)
Patrick Clahar (sax)
Steve Hamilton (p)
Mark Hodgson (b)
である。ブラッフォード以外知らないのだが，サックスはインコグニートの人らしい?…。
さて，サウンドであるが，かなり興味深かった。ピアノはグランドピアノのみ，ベースはウッドベース，そしてドラムとサックスと完全にアクゥースティックだが，なぜか出てくるサウンドがフュージョンぽい。うまく表現できないが，70年代後半のマイクマイニエリとかブレッカーとか，メセニーとかのサウンドに近いコード感覚を感じる。それはおそらく，ピアノとかのコードボイッシングからそういう印象を受けるのかも知れない。また，ブラッフォードゆえかも知れないが，ほとんどの曲が変拍子を用いている。しかしやはり何十年も変拍子を演奏しているからだろうが，ブラッフォードのドラミングからは「いかにも変拍子」という感じがあまりしない。実に自然に流れるように，演奏している。しかし変拍子ゆえに，バックビートとかジャズ特有のグルーブが全くなく，編成がアクゥースティックジャズなのに，なぜか全然ジャズに聴こえない。フュージョンぽいとは書いたが，その辺の雰囲気も手伝ってか，全然古くさい手垢のついた，サウンドではなく，独自の雰囲気を感じる。正直言って，懐かしいフュージョンのサウンドを新鮮に現在進行形のサウンドにしているといえるかも知れない。
ちょっとだけ，各メンバーの演奏の印象を書くと，ブラッフォードはマッチドグリップでスティックを握ってるせいか，すべてのタム，スネアがすべて水平に同じ高さで並んでいるというちょっと珍しいセッティング。グルーブするというより，細かく細分化して，音の粒子をばらまくようなドラミング。サックスはやたらうまい。変拍子だったり，変なフレーズのテーマを非常に安定した音色ですらすらと吹くのにはちょっとびっくりした。サックスにちょっと深めのリバーブをかけてる辺りも，ちょっとヨーロピアンな感じがする:-)。ベースは変拍子が多いせいもあるが，ウッドなのにランニングベースをひかない。オブリガード的なフレージングが主体であり，この辺もジャズっぽくないと思わせる原因なのかも知れない。ピアノは，上述の通り，現代的なコードワーク。タッチも結構繊細だった。
というわけで，期待以上に，ヨーロッパ的ジャズ(?)というのを，聴いたという感想。正直にいうと，非常に私ごのみのサウンドで，いままでちゃんと聴いていなかったのを後悔した。 CDを買おう:-)。
わたしよりプログレに詳しい漆黒斎先生のレポートもあります。勝手にリンクしてすみません。

01/02/09: 八重樫裕子4(JAM)
先日と同じく同じ人を見に行ってきました。どうせなので，ちょっとプロフィールを。八重樫裕子(Coco)さんは去年までバークリーでジャズボーカルを習っていて，帰国して，ポツポツとライブをはじめるというか，まぁ今後のやり方を模索しているところです。
そういうわけで，今回のメンバーも決まったものではなく今回のセッション用に集めたメンバーらしい。
まぁセッションリーダのCocoさんも，まだデビューしたてだし，バンドもそういう感じなので，こう書いては失礼なのだが，そこまで演奏には期待してなかったが，意外や意外，面白かった。メンバーは，もし後日わかったら書きます。上記URLのやつは違う気がします(^^;)。
ベース，ギター，ピアノというドラムレスのトリオにボーカルという編成で，ギターとピアノとコードを弾く楽器が二本あるが，演奏者の嗜好か，はたまた初顔で様子を見ていたのか，あまりコードを弾かず，非常に弾いたバッキングだったのが，妙な空間を作っていた。すごいというような高度なテクニックを披露するような演奏ではなかったが，結構味のあるサウンドになっていたと思う。
ボーカルのCocoさんは，最初緊張していた(バンドも?)様だが，徐々に調子を上げてきて，しっかりと歌に，彩りを吹き込んでいたと思う。
アットホームで暖かいライブだった。

01/01/26: Kazu トリオ(JAM)
今週はライブが多いなぁー。月曜に続いて，「知り合い」系のライブですが，レビューは書きます。
ちなみに上記リンクからライブ情報を見ることが可能ですが，どうもメンバーに変更があったようなので，ご注意ください。
このJAMというライブハウス，私ははじめていったのですが，大宮にあります。今回はピアノトリオということで， Kazuというピアナーのライブですが，個人的には知り合いの八重樫裕子(Coco)というボーカリストのライブを聞きに行きました。ボーカルの彼女は4曲のみの参加。テーマとスキャットで歌ってくれました。頑張ってるなぁーという感じで，また何回か見に行くと思います。
大宮と言うわりには…とかいうと失礼ですが，綺麗なお店で，ちゃんと演奏してました。ピアノがかなりきらびやかな音で，ちょっと驚きました。

01/01/24: 布川俊樹トリオ( 六本木ピットイン)
布川氏のライブは何度もみていますが，今回の組合わせをみるのは初めてです。もっとも聞くところによると， 7年ほど前くらいは，結構こういう組合わせは良くやっていたらしいです。
そういうわけで，今回のトリオは布川俊樹(g)，納浩一(b)，大坂昌彦(ds)の三人。大坂氏のドラムというのが，久しぶりということです。とは言っても去年の11月にあった香取良彦 Jazz Orchestraのライブでも，この三人が含まれているので，まぁみたことはあると言えば，あることになります(^^;)。
大坂氏は，普段はフュージョン・電気ジャズとかより，もうすこしアクゥースティックなジャズの方で活躍されている方で，日本のジャズドラマーとしてはかなり有名な方です。 (なのにナゼか私は，TV-Jazzとか比較的，氏の本来とは違った活躍の場ばかり聴いてる気がしますが(苦笑)。) そういうこともあってか，今回のトリオはぐっとジャジーなサウンドを狙っているようでした。布川氏も，フルアコ，セミアコ，ゴダンのガッドの三つのギターを使ってましたし，納氏もウッドベースのみ，楽器的にもそういう感じでした。
やはり普段あまり聴いていない大坂氏に，耳が行ってしまいまして，そちらばかりつい聴き込んでしまいました(^^;)。大坂氏のドラムはドラムセットは実にシンプルなんですが，表現力がすごいです。一つのタムや，スネアやシンバルを叩くときのその音色や音量の変化が実に変幻自在で，まるでドラムだけでも旋律を奏でているようです。かなりミュートの効いたチューニングになっているのか，比較的硬質なサウンドなんですが，それもあってか，粒だちが良く，また，音符の切り替え(例えば4分音符から急に16分音符や 3連符とかに変化する，)の時のその切味の良さとに，驚きつつ聞き惚れたりしていました。フレージングの変化や間の取り方も実に音楽的でした。
布川氏は「ジャズ」と言ってましたが，オリジナル主体で，曲は結構多彩な印象を受けました。というか，いつもの曲をよりジャズ的に，アクゥースティック的に展開しているという感じ。しかし新曲を3曲もやったりして，このトリオならではのサウンドも模索しているという感じでした。
布川氏のソロは，結構長いソロを弾いても，ナゼかダレないし，聴いてる方はなぜか飽きないので，トリオの様に楽器が少なくても，非常に聞き応えがあります。サウンド，フレージングなどいろんな部分に表現力を持っているからでしょうか?。
納氏もウッドベースながら，安定した音程やリズム。安心して聴いていれるのですが，それに加え，重音奏法をやったり，いろいろ新鮮な演奏を聴かせてくれました。
布川氏自身は「ジャズのトリオ」と表現してましたが，いわゆる伝統的スタイルのジャズのサウンドではなく，そのフォーマットから生まれる，新しいサウンドのジャズでした。まぁジャズとは本来そういうものだと，わたしは思ってるので，そういう意味では，布川氏の言う通りなんですが(^^;)。このトリオしばらく続けるつもりらしいので，非常に楽しみです。
ちなみに余談ですが，実はこの日は，3月15日に行われる，帰ってきたウルトラマンジャズの前売り開始日でした。まぁそのチケットを買いに行って，軽い気持ちで見たライブでしたが，すごくいいライブだったので，お得でした。ちなみにそのウルトラマンジャズの方もこの三人が演奏しているので，楽しみです。

00/01/22: milky chunky chocolate(GARAGE)
えっと，あまり本気で読まないでください(笑)。
知り合いに紹介されロックというかそういうバンドのライブを見てきました。久しぶりなせいもあってか，また下北沢のロックをやるようなライブハウスっていうのが新鮮だったせいもあってか?，私自身はかなり楽しんだんですが，どうもこういう音楽をうまく批評する自信がないので，コメントはほとんど無しってことで…。
一応わたしがとらえたこのバンドの音楽の特徴を書くと，パンクというかグランジぽいサウンドでしたが，メロディはやはり日本人のメロディって感じがしました。意味不明か?(^^;)。詞とかがいいのかも知れませんが，どうもサウンドに最初に耳いってしまう質なので，今回は詞を聴くってところまでいきませんでした。すみません。ギターの人はバークリーに行ってた人なので，技術はあると思うのですが，いかんせんそういうスタイルのなので，どれくらいなのかは良くわかりません。でも，安定してるしフォームも綺麗なので，やっぱりうまいのでしょう。ベースはうまいと思いました。
「この人たちはこの音楽でなにを伝えようとしているのだろう?」なんて聴きながら考えていたのですが，良く考えてみたら，普段自分が良く聴くジャズやフュージョンですら，なにかメッセージを具体的に受け取ってるわけでもないので(いや感じるものはあるんですが^^;)，ロックだからってそういう風に思ってしまうのって，なんかフェアじゃないですよね。すみません。
ちなみにライブ見てるときは，「結構オルタネィティブだなぁ」とか感じていたんですが(批評するなって^^;)，帰りにCDを配っていたので，聴いていたら，結構ポップでした。はっ，もしかして気に入ったのか?(^^;)。

01/01/19:新澤健一郎( 大泉学園 in F)
大泉学園inFで新澤氏のライブを見るのは二回目です。前回は去年の7月で，その時はQuietLeavesのライブでしたが，今回はドラムの岩瀬氏の都合がつかず，ドラムレストリオでのライブとなりました。このin Fという店は20数人くらいしかお客さんが入れない程度の小さい店ですので，ドラムレスとなりますと，マイクを全く使わなくても，演奏可能となります。そういうわけで，新澤氏のグランドピアノ，音川英二氏のテナーサックス，安ヵ川大樹氏のアクゥースティックベースというまったく電気を使わないライブとなりました。
こういう編成ですので，スタンダードを多発するか?と思いきや，半分くらいオリジナル。しかも三曲も新曲をするという，かなり意気込みを感じます:-)。オリジナル以外もキースジャレットの曲とかをやったりとかで，かなりわたし好みでもあります。
各メンバーの演奏はいつも通りではありますが，やはり音川氏はどんな曲でも歌いこなす素晴らしいメロディ感覚。今回はサックスも新調していてご機嫌:-)。安ヵ川氏はいつも通り，粒だちのいい音を出すタッチとフレージングの多彩さが素晴らしいです。新澤氏は今回の編成をうまくいかし，いつも以上に全体でなっている音をうまく紡いでいく様な，繊細なのにダイナミックな演奏でした。ここしばらく，プレイがどんどん変容しているようにも感じていた新澤氏のピアノですが，しかししっかりとした一貫性が感じられて，やはり個性だなぁー…とか思ってしまいました。
ライブが進むにつれて，どんどんトリオの音の絡み方や音の空間のバランスなど巧みな感じになって着たのですが，残念ながらわたしは終電の関係で最後の曲が始まった時点で帰りました。あとで聞いたら，その後アンコールもあったそうなので，二曲聴きのがしたことになります。
だいぶ聴きなれている，いつものメンバーですが，フルアクゥースティックということで，いつも以上に音が立体的で，更に細かい音の絡み方が良く感じられて，大変素晴らしく，且つ新鮮でした。こういう演奏は逆に大きなライブハウスではなかなか聴けないので，でかけていった甲斐がありました。
横浜とかでやってくれると嬉しいんですけど(^^;)…。

01/01/15: Nervio( 六本木ピットイン)
今日はとても寒い日で，風邪をひきかけたような気がして，ちょっと風邪薬などを飲んででかけました。さてさて…。
Nervioの結成以来二回目のライブになります。前回ライブからは二ヶ月ちょっとになります。このバンドは岩瀬立飛(ds,perc)，ヤヒロトモヒロ(perc)，両氏の実に個性的，かつ強力なリズムに，新澤健一郎(p,kb,moog)，水野正敏(b)，音川英二(ts,ss)のフロント陣が不思議なサウンドを絡ませていくような感じになってます。
これだけ個性的・多彩なプレーヤが集まってますので，他のバンドの曲をやっていても，全く違ったようなサウンドになってしまってます。しかし今回はこのバンドに合わせて書いた曲を数曲新曲として演奏し，更にその不思議な音空間は広がりを見せているようです。
岩瀬氏，ヤヒロ氏の強力なリズムは，まさに会場に音の粒子をばらまくかのようなきらびやか，かつ細かいパルスとなって我々の体を包みます。二人の粒子は混ざりあって会場を埋め尽くしますが，二人の個性の違いはその一つ一つの粒子においてもしっかり現れていて，岩瀬氏は金属的かつスペーシーな粒子，ヤヒロ氏はアースカラーでトライバルな粒子，この一つ一つの粒子に異なる色がついているのに，決して反発し合うことはなく不思議な広がりとなり，神秘的なのにナゼか暖かい音空間をつくっていくようです。そして曲が進むにつれて，この粒子の量が増えて輝きをました時の，このバンドのサウンドは実にすごい。圧倒的なグルーブになります。
そして，そのエンジンの上に縦横無尽にウネリ回るフロント陣。まぁベースは本来リズムなんですが(^^;)，このバンドでは重低音で土台を支えるとともに，不思議なフレーズで，サウンドカラーを変化させていきますので，フロントともリズムとも言えない様なところがあります。そういう水野氏のベースの上で，今回はソプラノサックスを主体に，いろんなラインを繰り出す音川氏のサックス。そして，シンセおよびピアノでカラーを調節していく新澤氏のキーボードという形になります。
と書きましたが，今回は新澤氏のキーボードもシンセでパルッシブなパッセージを弾き，リズムとカラーを同時に出したり，サックスのバッキングもコードではなく，単音のラインで，まさに複数の蛇のようにウネウネと絡み合う様な( 干支だから?(笑))そういう演奏も多く見られました。またピアノの時はがらりと叙情的な演奏，音数を極力減らし，空間をつくりながら，全体をコントロールしていくようなそういう演奏です。
リズムがすごいと書きましたが，微妙なテンポで，かなり内省的でありながら，曲の枠がはっきりと見えないような，ちょっとヨーロッパチックなフリーっぽい演奏になることもあり，それがまたリズムの独自性と絡み合って，ちょっと今まで聴いたことのないような雰囲気になる瞬間が何度かあり，ちょっと聴く方も気合いがいる時もありましたが(ちょっと風邪気味だったので^^;)，曲の最後の方で一気に収束するような曲もあり，かっこよかったです。
今回は二回目のライブであり，いろいろとサウンドを試しているという感じもありました。しかしそのサウンドは聴いたことのないような新しい要素を含んでいて，まさに実験場にいるような感覚。安定はまだまだしてないのですが，とてもすごいものを聴いているという感じです。
うーん，もうちょっと体調整えて来るべきでした(^^;)。一回目と二回目で，かなりサウンドが変わったところからおそらく今後もしばらく変わっていくように思います。ますますすごくなるように思いますが，その過程もしっかりと聴いていきたいと思わせるようなライブでした。

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