文体がころころ変わってすみません。ちょっと試行錯誤 してるので…
- 00/12/20: 世界聖なる音楽祭・広島 2001プレイベント, LAST PARTY FOR THE NEW MILLENNIUM(草月ホール)
- 「世界聖なる音楽祭・広島 2001」というは来年6月に広島で 行われるイベント。詳しくは上記にリンクしているWebPageを みてください。近藤等則が日本の世話役,ビル・ラズウェル等も 出るようで,ちょっと期待してますが,DJとかもあるようなので, 基本的には最近の野外レイブの様なイベントになるのかも知れません。 まぁ良く分かりませんけど。
というわけで,最近その近藤氏が,プレイベントということで, あちこちでライブやったりトークやったりビデオ上映会をやってる 様です。先週も東京であったんですが,行き損ねたので,今日こそはと 力んで出掛けました(^^;)。といってもファンとかというよりも,どういう イベントで,また近藤氏がどういう演奏をするのかに興味があったという ことです。
さてホールのライブ(?)なのですが,若干毛色が違います。まず「5時 開場,5時開演」って書いてたので不思議に思ったんですが, 席に着くとビデオが流れているし,また会場の外のホール部分では フリーマーケットが出て,手作りの麻製品とか,ジンベとか, インテリアとかアロマとか綺麗な石とか売ってます。 この辺の雰囲気は野外レイブと似てます。とは言っても, もちろんメインは演奏。4組のバンド(?)が30〜45分程度ずつ 演奏しました。後はダライラマ14世のインタービュービデオ:-)。
最初は伊藤公朗という人のグループ。男2人女1人の三人で,一人がシタール, 一人がタブラ,真ん中の女性がいろいろしてました。 二曲演奏しました。一曲目は真ん中の女性が小さいシタールで通奏音を ならしっぱなしに,後はタブラがリズムを刻み,シタールがインプロ(?)を 弾くもの。二曲目は真ん中の人は鳴り物をならしながら,歌ってました。 良く分かりませんでしたが,たぶんシタールを弾いていたのが伊藤氏でしょう。 日本人によるインド音楽の演奏でしたが,結構本格的なのか, いい雰囲気でした。あとわたしはタブラの音が好きなんですが, うまくて細やかな演奏でした。
次がINDRA GURUNG(だったと思う^^;)。横笛を 吹く人の様ですが,こちらもグループで,タブラやボイス,そして 踊りを交えての5,6人のバンド。こちらも,かなりネイチャーというか 民謡のような音楽。ひたすらモーダルで,日本の民謡にも似てる部分が 多く感じました。良く分からないですが,バンドには日本人も いたのではないかしら?
次がKOH-TAOというグループ。こちらはマリンバ(親指ピアノ)を 中心としたグループ。こちらも男女二人ずつボーカルがいました。 他のもそうだが,ボーカルと言っても言葉というよりは,良く分からない 感じの言葉を歌っています。このバンドは日本人が主だと思うが, 歌っていた男性はどうも,アジア系の人だった気が。
さて…,ここまで三つは,生の民族楽器を使った演奏。 パーカッションもいるが,それほどリズムが強調された音楽ではなく, 踊るというより,浸るって感じの音楽でした。
そして,最後が主催の近藤氏。近藤氏は椅子に座り,ラックに入った エフェクトを片手でいじりながら,トランペットを吹く。 このトランペットがもう不思議な音で。一音しか出ないトランペットの はずですが,コードになってるし,それ以外の音もでます。どうやら シンセにもつながっているようです。サンプリングやリバーブなども 強烈にかけています。そして近藤氏は一人ではなく, DJを一人従えての演奏。ただDJはドラムンベースとかのリズムより むしろアンビエント系の音をメインにしていて,DJがいてもワリと 空間的な演奏でした。。
DJとインプロビゼーションというのは,私自身結構興味あったので, 一つの表現手段として,こういうのもあるのだという事で, 結構興味深かったです。メロディやコードなどはなく,ワリと 前衛的な演奏でしたが,そんなに入りにくい音楽という わけでもなかった気ががします。ただ理解しようと聞くと, 結構大変かも知れません(^^;)。
最後は全員出てきて,演奏。これもDJも入っていて,メロディも 特にないのだが,それなりに音楽になってました。
なんか淡々と書いてますが,結構楽しかったです。 ライブが終わったあとホールに出たら,フリーマーケットの人が いきなりみんなで太鼓を叩いて踊り始めてました。 こういう雰囲気もいいですね。
イベントの主旨からして宗教色を想像するかもしれませんが, そういうことは全然なかったです。ただやはり「愛」とか「平和」とか そういうキーワードが充満している音楽であり,イベントですね。
民族楽器というローテクなものとDJというディジタルなものが 渾然一体となってる今のレイブの感じがやはり感じられました。 違うものなのに,どちらも「手作り」という感じがするのは 不思議です。
来年の本番にはいくかもしれません。ワリと好きな世界なので:-)。
- 00/12/09: 矢野顕子(NHKホール)
- まず,最初にお断り。矢野顕子のコンサートに行くのは初めてです。 熱烈なファンが多いんでしょうけど,わたしはそうではないので, たいした予備知識もなく行きました。もし不適切なところがありましたら ご容赦ください(_o_)。
さて,そういうわけで,初めて矢野顕子のコンサートに行きました。 ファンではなくても,さすがに曲は聴いたことはありますし, パットメセニー関連でCDもちょっとだけもっていたりします。
コンサートは二部構成。一部がピアノの弾き語り,二部は 矢野顕子に加えて,アンソニー・ジャクソン(b),クリフ・アーモンド(dr)の 三人での演奏です。コンサートはCS-TVで生放送されていたようで, そのせいか,かなり時間的にきっちり進行した気がします。
一部は弾き語りですが,特に曲とかを決めてないのか, 譜面をめくりながら次にやる曲を探しつつ進行していきます。 なんとなくわたしがもっていた矢野顕子のイメージのままです。 ピアノも品がありリラックスした演奏。ジャズともクラシックとも 違ういろんな要素が入ってます。歌は独特の矢野節なのでしょう, 個性的な声で歌います。歌とピアノのバランスは絶妙で,ピアノは 存在感がありつつ,そんなにでしゃばらない演奏でした。
二部は一旦休憩しセットを組み直しての3人での演奏。一部では ピアノだけだった矢野顕子も,オルガンやシンセも弾きつつ歌います。 キーボードトリオですが,アレンジのしっかりしたポップな 曲も多く,もうちょっと即興ぽい演奏を予想していたわたしは びっくりしました。ここでは,ベースのアンソニー,ドラムの クリフをフィーチャした曲も行い,それぞれ長めのソロなども 披露,この二人を目当てに来た人もいるでしょうが,聞き応えの あるライブだったと思います。わたしは特にアンソニーに 興味があってでかけた口なのですが,やはりすばらしく,ベースとも ギターとも言えないような奏法や音域で独自のソロを弾いてました。 クリフも,シンセドラム等を多用し,ラテンからテクノ的なビートまで 幅広く弾いていました。
一緒にいた知り合いに,「ジャンル的には何だと思いますか?」と 聞かれて答えられなかったんですが,やはり矢野顕子独特で なおかつ幅広い音楽性だった気がします。基本的には矢野顕子の 声(もしくはキャラクタか?)が柱になっていて,それを中心に ピアノ,そして他のメンバーの演奏が成り立ってる気がしました。 実はもうちょっと突拍子もない演奏をするかな?,とも予想していたんですが, 意外にポップで優しい演奏のように感じました。 非常に質がいいコンサートという感じでしょうか。 すごく都会的で,且つ,品のある音楽な気がします。
それから…,お客さんが非常に行儀正しかったです。演奏中は 音を出さす,曲間では拍手。実は演奏中にぐっと来て,声を 出したくなった時が何度かあり,ちょっと我慢するのが大変でした(^^;)。
- 00/12/4: Jeff Beck (東京国際フォーラム)
- 去年の6月に来日公演を行った時, 「今世紀最後だろう」と言われていたジェフベックが,またもや 来日してしまった。しかも新譜を引っ提げてである。メンバーは
の四人。去年はドラムが別の人だったが,それ以外は 同じである。
- Jeff Beck(Guitar)
- Jennifer Batten(Guitar)
- Randy Hope-Taylor(Bass)
- Andy Gangadeen(Drums)
さて,このツアーに先立ちジェフベックは11月に新譜を出している。 この新譜がわたしの知人の間では,ちょっと物議を醸し出していた。 簡単に言うと,新譜ではアレンジ面ではテクノ的な手法( 切り張りや,リズムパターン)を多用しており,またギターも 長いフレージングというより,断片化した細かい音の コラージュ的なソロ(そういう意味ではTribal Techとも 似てるが…)を多用している。この辺は,従来のスタイルとも 異なり,ある意味ベックの良さを削ったという感も否めないのだが, 私自身は,新しい手法(特にテクノ)を自分の音楽に取り入れているという 姿勢に強く共感したので,このアルバム自体は,そんなに 悪い印象はない。まぁ絶賛とは言わないけど…。
さて,そういうわけで,この新曲がライブでどうなるか?…というのが 最大の興味であった。また去年は二回席だったのに,今年は 一回の20列目ほど。この辺は嬉しい。
そういう状態でライブ開始。いきなり新譜からである。MCはほとんどなく, 一時間半ほどの演奏。15曲以上たて続けに演奏。 ただしソロは思ったより短め,かつベックしかとらないので,だいたいの 曲は5分程度で終わっていた気がする。ステージの後方には 円形のスクリーンがあり,変な模様のCGが映っている。この辺 クラブとかのVJが映しているスライドとかと似てる。やはり ベックはクラブカルチャーに影響を受けているのか?(^^;)。
演奏自体は,去年の延長という感じで,ジェニファーが, 実にいろんなプレーをして,キーボードのパートまで弾いてしまう。 打ち込みもいくらか使われていた様で,キーボードレスでも かなりCDと近いアレンジを見せていた。ただし,ドラムが やはり生ということで,どうしてもテクノ的な雰囲気が出ない。 というか,そういうドラマーなのだろう。ドラムのスタイル的には わたしにはロック的ですごく重たいビートに感じた。タム回しとかも 重たいし,ハイハットも良くて16ビートくらいしか感じない。 しかもテンポは正確にキーブしているようだが,曲が進んでも あまりパターンが変わらないため,演奏が盛り上がってる感じがしない。 そのせいなのか,観客も立ってみているが,体を揺らすことなく,妙に 静かであった。
しかしベック自身のプレーはやはりすばらしく,アームを駆使し, また右手で実に不思議な音をたくさん出している。マジックとしか 言い様のない不思議なプレイである。
そういうわけで,1年ちょっとぶりのベックのコンサート, 正直いうとはじめてみた去年の感動に比べるとかなり冷めた目で みてしまった。とはいっても去年の感動がわたしにとって, すごすぎたっていうのもあるので,別に駄目だったというわけではない。 やはりベックのギターを見ると感動してしまう。バンドとうか コンサート全体としてちょっとおとなしかったかな?っという 感じである。まぁ望んでいる及第点が高いので,誤解の無いよう お願い致します(_o_)。すみません。ちょっとネガティブな レポートで。それと,ちょっとここ数日体調が悪いので, それで私自身の感性が鈍くなってる可能性もありますので, よろしくお願い致します(_o_)。
今回のアルバムのような曲だと,いっそのこと生バンドにこだわらず DJとか連れてきて,打ち込みとかをメインに押し出して,そのうえで 縦横無尽にギターソロを弾くっていうのでも良かったんじゃないかなぁー…, と,テクノ好きのわたしは思ったりもしました。
- 00/11/29: 布川俊樹セッション( 六本木ピットイン)
- 布川セッションと呼ばれるものはいくつかパターンがあるのでしょうけど, 今回のは布川氏と大高女史の組合わせのもので,8月の布川セッションおよび5月の大高セッションとかの 一連の流れの上に行われているようです。毎回微妙にメンバーが 変化していて,セッションらしく,そのメンバーの組み合わせから 生じる,毎回違ったそれぞれの面白さのあるセッションが出来てるように 思います。そういう意味でも企画としては結構毎回楽しめるものに なってるのではないでしょうか?
今回はドラムに木村万作氏,ベースに佐藤慎一氏, そしてゲストボーカルにChakaさんという組み合わせで行われました。 佐藤氏とChakaさんはこの組み合わせに加わるのは初めての 様です。
1stセット2ndセットともに,まずインストで2曲ほどやって, それからボーカルが加わり3曲ほどという形式。最初はテクニカルな ファンクというか,一発ものっぽい感じで,布川氏も大高女史も 思いっ切りソロを取ります。布川氏はいつもながら表情豊かな ソロ。白いストラトの弦の響きが伝わるような音色を活かし, エッジが立ちながらも暖かい音で様々なフレージングで盛り上げます。 大高女史も長いソロながら,メロディアスなフレーズから, メカニカルなフレーズまで実に多彩に織り混ぜ,ずっと上昇感を 保ったままのソロ。こう書くと失礼ですが(^^;),確実に成長している って感じがします。
ボーカルが入ってからは,ファンクあり,ジャズあり,ポップスありで 実に多彩で楽しいライブになりました。Chakaさんは,ファンクでは シャウトし迫力のある声,ジャズでは素朴なようで繊細な歌い回し, ポップスでは,詞とメロディの良さを活かした歌い方と,実に 多彩ですが,いずれもChakaさんの声を活かし,十分個性的に歌います。
そして,シンプルなリズムでグルーブし,テンションの高い曲でも テクニカルなリズムを作り上げていく,木村氏と佐藤氏のリズム。 今回はあまりフィーチャされませんでしたが,安定し,楽しい リズムの空間を作り上げてました。
今回は実に多彩な曲で,あっという間にライブが終了した感じ。 聞き応えあり,且つ楽しいライブでした。楽器演奏を聴いても, ボーカルを聴いても,どこを聴いても楽しめる,すごくバランスの いいライブって感じでした。アンコールはその場でさくっと決めたようで, ウォータメロンマン。Chakaさんと布川氏の掛け合いがなかなか 楽しかったです。
緊張感もあるのに,ナゼか暖かい感じのするライブでした。 いや,すばらしい。
- 00/11/26:Tribal Tech (渋谷エッグマン)
- 去年久しぶりの来日で初めて 見たライブから約一年,Tribal Techのライブを見るのは これで二回目である。一ヶ月ほどまえにRocket Scienceという 新譜を出したばかりで,それを引っさげてのワールドツアー である。とはいってもTribal Techは本国アメリカよりヨーロッパや 日本での評価のほうが高く,今回の新譜も日本とヨーロッパで 発売が決まった時点ではアメリカでの予定が未定という状態。 そういうわけで,日本でのライブにも力を入れてくれると期待して ライブにでかけた。
前回のライブを見たとき,そのあまりにもグレードの高い音楽性や テクニックに圧倒された。今回は二回目であり多少は覚悟が出来ては いたのだが,やっぱり圧倒されてしまった(^^;)。 いや,すごい。本当はだらだら文章を書く気が起きないというか, どう書いても表現しきれないほどのライブであったが,やっぱり すごいっと思ったことだけでも書かねばと思い書いている(笑)。
場所がエッグマン,ここは普段ロックなどもやってるところなので, 結構大きな音が出せるようで,今回のライブでも結構すごい 音量だった(^^;)。
演奏した曲は全部は把握できてないが,新譜からの曲も多かった と思う。一曲目は新譜の一曲目Saturn 5。イントロでシーケンサーを 使う。かなりテクノを意識した曲だが,そのテクノ的リズムを 再現するドラムのカークコビントンとベースの ゲイリーウィルスのリズムはすごい,そして切り込むように テーマというかコードというか,そういうわけ方ができないような 音の断片を弾いていくギターのスコットヘンダーソン,そして キーボードのスコットキンゼイ。ギターとドラムのタイミングが ジャストであったときの音圧のすごさといったら,頭がくらくらする(笑)。
前回のライブに比べて比較的アレンジがあるというか,ソロの時に ギターやキーボードが多少バッキング等をしていた。ブレイク等も 結構多いし,音量のダイナミックスもバンド単位でコントロール されていて,かなり息のあった演奏,まさにバンドという感じであったが, ソロなどの緊張感はすばらしく,特にスコヘンの剃刀のように ギラギラとして,単音や和音,ピッキング,チョーキングや アーミングを瞬時に切り替え,まさにフラグメンツをちりばめていくような ソロは,他のギタリストではほとんど聞けない独自の空間的ギター ワークという感じである。
スコットキンゼイもオルガン,エレピ等の少ない音色であるにも かかわらず,フレージングやタイミングが多彩で,またリズム等の テクニックがすごい。
ゲイリーはフレットレスベースであまり輪郭がはっきりしないが, 重低音で,実に安定したグルーブを作り出している。またシーケンス パターン的なプレイでは正確且つ高速なフレージング,そしてソロでは ハーモニクスやワウなどを使用し多彩なプレイをしていた。
そして,カークコビントンは,単純なリズムでも十分にグルーブする すばらしいドラミング,そして盛り上げがると,細分化された タムワークで,今のTribal Techの新しいリズムをつくって行く。
先日新譜を聴いたとき,「すごいアルバムが出た」と思った。 しかし,今回のライブを見て,「アルバムの何倍もすごい」と 更に思った。アレンジもCDから更にかなり進化しているが, その迫力やリズムの圧力,そして各楽器の音色がわたしの身に まとわりつく感じ,これはライブでしか感じられない彼らの 今の音楽の肌触りなのかも知れない。
二回目でありながら,圧倒されヘラヘラ笑いながら会場を 後にするしかない様なライブ。こういうバンドが日本で,しかも 手に届く場所で見れることが非常に幸福である。
なおメンバーはとてもフレンドリーでライブ終了後, 客席に下りてきて,サインなどをたくさんしておりました:-)。
- 00/11/24: fragile( 六本木ピットイン)
- 96年にCDでデビューしたfragileは結成からいうと8年程経ってる らしい。CD発売前から何度かライブに足を運んでいた私に とってもずいぶん長い付き合いのバンドである。 そのfragileがライブ活動を休止するとの発表をし,今回の ライブは東京で行われる最後のライブということになる。
とは言っても別に解散というわけではないし,CDもこれからも だすだろうし,イベントなどでライブをする可能性もあるとのこと。 各メンバーが忙しくなり,それぞれの活動を優先することとか, まぁいろんなことで一年はライブを休止するという話である。
そういうわけで,今回のライブは「リクエスト大会」。 あらかじめメイルやホームページで募っていたリクエストに そって選曲をしている。その投票の9〜1位の曲をやるという 実にシンプルな構成。ただし,リクエストということで レコーディング以来やってない曲もやるという形になった。
fragileはツアーとかもやっているので,ライブは数多くやってるので あろうが,そういうわけで今回はいつものライブとはおそらく 違う雰囲気があったのではないか?。私もしばらく fragileのライブに行ってなく,CDで聴くことが多かったが, CDの分厚いサウンドをトリオで生で再現していくところはさすがとしか 言いようがない。ギター,ベース,ドラムという構成なので, ギターのソロの部分ではほとんどコードがなくなってしまうのであるが, そこは矢掘氏のメカニカルなラインでコード感を出し,菅沼氏の 手数がムチャクチャ多いドラムで厚さを,そして水野氏の 不思議なベースで音の浮遊感を出していく。
最初,多少,そのコード感が薄い部分で,サウンドのすきまを 感じたが,曲が進むにつれ,また曲の中でも演奏が進むにつれ,緊張感と 一体感が増していく。構築されていくという感じである。 もちろんソロの時のインタープレイや盛り上がったまま, 次々とすごい技を繰り出していくところ等はライブならではである。
そういうわけで,昔の懐かしい曲が比較的多いライブであったが, 現在のfragileのサウンドとして進化したそれを楽しむことができた。 しばらくライブが見れないことは残念であるが,1年ほどしたら またライブもやるだろう,またCDも出すだろうとのことで, 残念ながらそれを期待するしかない。待ち遠しいものである。
- 00/11/23: 香取良彦 JAZZ ORCHESTRA( TOKYO TUC)
- 香取良彦 JAZZ ORCHESTRAのライブを見るのは初めてです。 CDは「Riverside Music Garden」というのを既に1997年に 出していまして,それはわたしも聴いたことがある,というか もってます。このオーケストラ(というかビッグバンド), 11年前の11月22日に初ライブをやったそうで,今回は11周年記念ライブ ということでした。
ビッグバンドを聴くのは久しぶりですし,初めて聴くバンドなので, とにかく最初の一音を聴くときというのは,ちょっとした 緊張がありました。で,最初の一曲目,思わず圧倒。
文字でどう説明していいのか良く分からないので,とりあえずメンバーを 書きます。です。13管編成です。初めて演奏を聴く方もいらっしゃるんですが, それぞれ有名な方ばかり。最初に出てきた音はその13管の 音の厚み(?)とうか…,圧倒されました。結構緻密にアレンジ されているのでしょう,浮遊感のある不思議なハーモニーですが, 決して濁らず,そして各プレーヤの演奏力でしょうが,タイミングが バッチリあってますし,ダイナミックスも細かくコントロール されてるようで,非常に表現の幅が広いアレンジです。 リズムもビッグバンドと言っても,スィングじゃなく,もちろん 16ビートの曲やポリリズムの曲が主体です。
- Eric Miyashiro (tp)
- 西村浩二 (tp)
- 奥村晶 (tp)
- 菊池成浩 (tp)
- 松本治 (tb)
- 佐藤春樹 (tb)
- 北原雅彦 (tb)
- 内田光昭 (tb)
- 吉田治 (sax)
- 佐藤達哉 (sax)
- 多田誠司 (sax)
- 川村裕司 (sax)
- 小池修 (sax)
- 布川俊樹 (Gt)
- 納浩一 (Bass)
- 大坂昌彦(Dr)
- 香取良彦(Vib,Pf)
二部構成で,前半は割とコンパクトな曲が多く,曲数も多少多めでしたが, 後半は割と長めの曲が多かったです。アレンジも実に複雑なものが 多いです。
メンバがこれだけ多いので,各メンバーがたっぷりとソロをという タイプではないのですが,それぞれの曲で1人か2人ほどソロを取り だいたいほとんどの人が取りました。後半は割と長くソロを取る 曲もあったんですが,ほとんどは割と短めですが,その分,各ソリストの そのソロの集中力がすごいのか,いずれもすばらしいソロを聴かせて くれました。
ソロの最終のアレンジも,管で盛り上げるものもあれば,ドラム, ベース,ギター,ピアノだけになるものもありましたが, ベースとか結構ラインを書かれているのでしょうか?,シンプルな リズムセクションだけになっても,妙なコード感が全体を包んでいて, そこにも香取氏のアレンジの妙が伺えました。
複雑で不思議な曲,そしてそれを確実に,いやそれ以上に再現する すばらしいプレーヤ,非常にクオリティの高いライブを聴くことが 出来ました。これだけの大所帯だとそんなにライブが出来ないのでしょうけど, また是非聴きに行きたいと思いました。
- 00/11/15: WYSIWYG( 六本木ピットイン) 追記あります
- まず最初にお詫びというか,今回ちょっと風邪気味でライブに 出掛けたので,ちょっとボーッとして聴いた時も結構あり, ちゃんとレポートできるかどうか分かりません。すみませんが, そういうつもりでお読みください(_o_)。
さて前回から3カ月ぶりのWYSIWYGの ライブ(だったとおもいますが^^;)。今回は新曲も投入し, なんか事前リハーサル(バンド練習らしいが)もしたらしいです。 とはいっても今回で今世紀最後,ついでに新澤氏は自己のバンドでは 今世紀最後ということで,なかなかの意気込み。前半5曲,後半5曲, アンコールと合計11曲も演奏を行いました。
最初矢堀氏のちょっとまえからやっている,トライバルテック的な曲から 始まりました。新澤氏のエレピもリズミカルでテンションを 扇ってます。その後新澤氏の曲を二曲。 後の曲。新曲らしく,なんか結構テンポを落した空間的な 感じの曲。結構不思議な感じで,新極面です。 次に嶋村さんの新曲「きみはにいがたと書けるか?」。タイトルが ナイス(笑)。嶋村さんらしい曲で,独特の雰囲気をもつメロディと こったリズム…,そう嶋村さんのメロディはなんか「ロマンティック」と いう感じでしょうか?(^^;),そういう表現をしたくなります。 しかもやはりドラマーなのかリズムが一捻りしてます。 そして前半最後は矢堀氏の曲。
後半は,新澤氏の曲と嶋村氏の曲。新曲もありました。 以前の曲もアレンジが変わっており,だいぶ変化しています。 新曲は(タイトルついてました,ちょっと失念しました^^;),リズム的に かなりこって,やはりテクノ的なテイストを取り入れた細分化された リズム。新しい要素をどんどん取り入れて進化しているようです。
各メンバーのプレイに注目すると,矢堀氏はアンプやエフェクタを 替えたから,と本人はいっていましたが,以前よりかなり太い音になった 気がします。もちろんプレイのせいもあるんでしょうけど。そして チョーキングや空間的なプレイとメカニカルなラインの巧みに 切り替える独自のプレイを段々確立していってるように感じます。 新澤氏はエレピのコードワークはリズム的にシャープに,モーグの プレイは相変わらずの面白さ:-),そしてピアノはサスティンを うまく意識した響きの綺麗なサウンドを作り出してます。 岡田氏はいつも通り安定しなおかつメロディアスなベース。 嶋村氏は以前からスピード感のあるドラミングですが,今回は ちょっと以前より更にリズムが細分化されてる気がして,ちょっと 新極面な感じがしました。
まさに,バンドとして熟してきて息が合いつつも,新しい 要素を更に取り入れつつ前進している,そういうことを 実感したライブでした。次のライブは2月, CDも早く実現して欲しいものです。演奏曲目と,どうでもいいわたしのつっこみ:-)
新澤氏が 自己の掲示板でこの日の演奏曲目を書いてらっしゃるので, ここにも引用させて頂きます。
1st:2nd:
- 1. Into the Trash (矢堀)
- これは以前からやってた曲。3回くらい聴きましたが, 段々シャープさが増してる気がします。
- 2. うねうね98(新澤)
- そういえばいつもよりスローテンポだったような気がします。
- 3. Double Rainbow(新澤-New)
- 空間的な新曲。
- 4. 君は新潟と書けるか?(嶋村-New)
- …って漢字で書いてるんですが(^^;)。嶋村節ですね。 いいテイストです。
- 5. 9909(矢堀)
- 「ククレク」と読みます:-)。
Encore:
- 6. かにやしろ(新澤)
- あっ,ひらがなだったんですね。「蟹やしろ」か「かに八代」か 悩んでました。
- 7. 合わせ鏡(新澤-New)
- リズムが絶品。テクノ的テイストをうまく取り入れてます。
- 8. Ice on fire(嶋村)
- WYSIWYGスタンダードな逸品
- 9. Song for ...(新澤)
- 矢堀氏お気に入り。是非CDに入れたいそうです。
- 10. Long Time Ago(新澤)
- 曲名がつきました:-)。これも一年くらいまえから(もっとまえか?) やってる曲。今のWYSIWYGからするとちょっとフュージョン色が 強い曲の気もします。でも(って言い方も変ですが)いい曲です:-)。
情報,どうもありがとうございました。
- 11. Smile(新澤)
- これもWYSIWYGスタンダードですが,いつもちょっと違った 感じでした。進化してるってことですね:-)。
なんと全部曲名がついてます(しつこい^^;)。
- 00/10/25:佐野智英子(Miles' Cafe)
- ジャズボーカリストの卵(?)の知り合いから声をかけられ, ライブに出かけた。その知り合いの知人のライブとのこと。
ちなみにMiles' Cafeというこのライブハウスもはじめて 行った。場所は池袋。今年4月にオープンしたまだ新しい ライブハウスだがスケジュールをみると積極的に 毎日ライブをやっているようである。
さて出演者の経歴は良く知らないが,メンバーは4人。ライブハウスのスケジュールでボーカルの佐野智英子女史が 筆頭で書かれていたが,バンド的にはピアノの安井さち子女史が 仕切ってる感じもした。ちなみにこの安井女史が知り合いの 知り合い。彼女は一年ほど前にアメリカからジャズの勉強を 修め帰ってきて以後日本で活動をしているようである。
- 佐野智英子 (vo)
- 安井さち子 (p)
- 石田健司 (b)
- 須郷史人 (dr)
さて,演奏は一曲のみ安井女史のオリジナルであったが,他はすべて スタンダード,私がみたのは2セットだがいずれのセットも二曲ほど ピアノトリオで演奏後,ボーカルの佐野女史が加わり,5曲程度? 演奏する。演奏およびアレンジはベーシックなジャズという感じである。 4ビートおよびボサノバ,軽いラテンのようなものもある。
私のライブレポートを読んでる方はわかるだろうが,私はあまり こういうバンドは聴きに行かないのである意味新鮮でもあった。 ただし,やはりまだ駆け出しという感じもつよくあり,演奏も アレンジも,結構ベーシック。もちろんアマチュアというレベルは 越えているが,個性という意味ではこれからであろう。
もちろん,特にピアノの安井女史はさすがにアメリカで勉強しただけはあり, 基本的な部分はしっかりできてる。ただし女性的な(?),力強い 演奏であった。良くわからないが,メンバーも若いようだし, これからどういう風に成長していくかは注目しておきたい。 がんばってほしい。
ちなみにいっしょに行ったボーカルのCoco女史も一曲だけ 飛び入りで歌った。
- 00/10/07-08:横浜ジャズプロムナード
- まず最初に上記リンクは横浜のライブハウス エアジンのところにあるリンクです。 たぶん正式なページは横浜市のページに ある方だと思うんですが…。とりあえず,先にエアジンの方のを 紹介してしまったので,修正しないでおきます。
さて…,横浜ジャズプロムナードは毎年横浜で行われる ジャズのイベントで,いわゆる大きな会場で有名なジャズミュージシャンが 次々と行う形式ではなく,横浜市内(特に関内)にある数十の会場で 同時にいろんなミュージシャンがライブを行うという形式である。 観客は通し券(バッヂ)を買い,スケジュール表を見ながら, 興味を持ったところに行っていろんな演奏を見聞きすることが 出来る。この手のジャズ祭としては他にも全国で何カ所か あるが規模的にはこれが一番であろう。そして今年で8回目と いうことで,そこそこ順調に行われている。
わたしは一昨年, 去年と行っているが, 今年も二日間行ってきた。いつものライブハウス通いよりは かなり軽い気持ちで行ってるので,レポートも簡単に書くことにする。
まず初日(10/07)に見たものは,の6セット。途中で抜けたのもあるので全部を通して見たわけではない。
- Rod Williams(p), 高木慎二(sax),上村勝正(b),つの犬(dr)
- SECOND STEP
- 工藤邦明 Music Works Edit
- ふちがみとふなとカルテット
- フェダイン
- Stich WYNSTON'S Modern Surfaces
- 明田川荘之(オカリナ,p),津村和彦(g)
Rod Williamsのセットは,割と現代的なフリージャズであったが, やはり黒人特有のポップな感じがピアノにあり,音の抜けがいい。 あとつの犬のドラムが非常にセンスを感じさせた。
SECOND STEPはドイツのバンドで,ギター,ドラム,ベース, サックスの四人。今回はゲストで石を使ったパーカッションを 演奏するタナカエリという女性が加わっていて,非常に 面白いサウンドを使っていた。ただし彼女のパーカッションが 加わってないときの演奏は,やはり国柄なのかECM的なフリージャズという 感じ。パーカッションが入ると石の甲高い音でミニマム的な サウンドになった。意外に面白い。
その後のMusic Works Editは,SECOND STEPと時間がかぶっていたので, 二曲だけ。HARU(g)がゲストで参加。
時間が余ったので入ったふちがみとふなとは,ジャズなのだろうか?。 女性の日本語の歌。バックはピアノとウッドベースとサックス。 確かにJ-Popというには違う気もするが…。決して嫌いなサウンドではないが, こういうのって日本特有だよなぁーとか感じてしまう。
フェダインは川下直広(sax, vl),不破大輔(b),大沼志朗(dr)の トリオによるフリージャズ。サックスを二本加えたり,電機バイオリンに ディストーションかけたりで,非常にラウドなフリージャズでした。 日本人でフリージャズというとこういう印象が強い。
一方その後のMordern Surfacesは,ギターとサックスとドラムという セットでのフリー。こちらは非常に沈美なフリージャズ。 カナダのミュージシャンであるが,ヨーロッパ的というか 非常に白人的なサウンド。拍子やコードが存在しないという 意味ではフリーではあるが耳あたりは非常に優しい。 ちょっと曲の雰囲気が似てるのが難ではあったが,好きなサウンドである。
最後にオカリナで有名な明田川氏の演奏。これもちょっと用事が あったので,二三曲だけ。オカリナの演奏はさすがである。 ピアノはすごく熟成しているという感じの演奏であった。
さて,二日目であるが,二日目はちょっと用事があったので, ニセットのみしか見なかった。見たのは,
の二つ。どちらも一度だけ見たことがある。
- 赤松敏弘(vib) Next Door
- Infinite circle
Next Doorは去年のジャズプロムナードで見た。今回はユキ・アリマサ(p)が ゲストで参加,後バイブだけのソロがあったりとか,デュオだったりとか で,編成がころころ変わったので,1時間のステージはかなり短く 感じた。赤松氏のサウンドはポップなジャズという感じ。聴き心地が良い。 最後に新澤健一郎(key),養父貴(g)を加えユキアリマサ氏と四人で 演奏した曲は,うち込みを大胆に使っていて,面白いサウンドだった。 以前はこういう機械的なサウンドというのは非常に薄っぺらに 感じていたのだが,やはりクラブとかのサウンドに触れる機会が 増え,自分自身が慣れたというのもあるし,また作る方も サウンドの作り方にいろんなノウハウが得られたとううのもあるのだろうが, ジャズのような中でもうまく消化されてる気がした。
Infinite circleは六ぴで先日見た。 CDも買ったのだが,やはりこのバンドは生のほうが断然生き生きした サウンドになっている。場所も今回はエアジンという非常に 小さなライブハウスでやったため,サウンドのバランスがいつもと 全然違い,最初音が出たときは,非常に新鮮であった。 こちらは,二時間たっぷりの演奏であった。
- 00/10/02: Nervio( 六本木ピットイン)
- 極細の粒が空間中にばらまかれたとき,それは既に粒ではなく, 液体または気体のように充満し,アンビエントな空間を作り出す。 例えば水滴,それは粒であるが,空間上で光を受け,キラキラと輝き, ある時は幻想的なカーテンとなって,ある時は雲になり風に揺られ, ウネリや流れを,感じさせる。粒(パルス)は空間を 分断(量子化)するのではないのだ…。
さて新澤健一郎氏が水野正敏氏と立ち上げたNervio(ネルビオ)の 旗揚げ公演である。メンバーはドラムが新澤氏とのコラボレーションで お馴染みの岩瀬立飛氏,サックスもお馴染みの音川英二氏,そして おそらくこのバンドの一つのキモである,ヤヒロトモヒロ氏が パーカッションで参加である。ドラム,パーカッション,ベース, キーボード,サックスという編成。これはウェザーリポートと 同じ編成である。過去のバンドと比較するのも何だが, 本人たちが盛んにMCでウェザーの名前を挙げていたので, ここでも書くが,ウェザーサウンドをジャンルとしてとらえ, 再構築しているというのがこのバンドの一つの主旨らしい。 といってもウェザー節みたいのが満載というわけではない。 いわゆるドラム・パーカッションというリズムでサウンドの 枠を構築し,そのうえにシンプルなスケールを載せ,ソリスト達は 比較的自由に演奏する,というのがウェザー的方法論である,との 解説をMCで水野氏がやっていた。 というわけで,このバンドも比較的そういう方法論で演奏を行っていた。
曲は新澤氏,岩瀬氏,水野氏が書きよったも。一部,新澤・岩瀬両氏の 別のバンドGlidephonicの曲も再アレンジしてしていたが,ほとんど 書き下ろしの新曲。しかも全曲曲名がついているという気合いの 入れよう(笑)であった。
はじめての演奏(全メンバーが揃ったのは今日がはじめてだったらしい) ということで,最初多少手探り的な雰囲気もあった。ウェザー的方法論と 言っても,新澤氏や水野氏がつくる曲はいつも通りかなりの難曲で, 構成はそれなりに複雑。加えて,それぞれの曲のサウンドを 曲の頭で探っているような感じがあった。しかし,それぞれの曲, そしてライブ全体がすすむにつれ,各メンバーのサウンドが 複雑に絡み合い,グルーブをはじめる。特に岩瀬氏,ヤヒロ氏の コンビネーションはすごい。二人とも「空間的な演奏」を するドラマーとパーカッショニストである。空間的といっても, 「間」で空間をつくるのではなく,パルスを空間上にばらまくことにより, その中でグルーブやカラーをつくっていくのである。二人とも 16分や32分音符の細かいパルスを刻むが,決して時間を縦に 切ってしまうことはない。むしろ時間軸方向に充満しているような, そういうリズムが特徴である。更にこういう細かいリズムであるので, 相性が悪いと最悪な結果になりそうだが,この二人はお互いに 呼応し合い,空間上にきらびやかなサウンドをちりばめていく。 特に前半の最後の水野氏の曲,後半の新澤氏作曲で,岩瀬氏が 人間ドラムンベースで観客を驚かせる「ムーブ」という曲は, そのリズムの盛り上がりで最高潮の演奏であった。
そういう非常に強力なリズムの上で,各パートが縦横無尽に 演奏をする。もちろん,静かめの曲もあり,ライブ全体の バランスもいい。新澤氏はシンセ,アクゥースティックピアノを 駆使して,バンドのカラーをコントロール。特にピアノの 演奏はすばらしい。水野氏もいつもよりはちょっと高域を 多めに演奏し,リズムにアクセントを加えていた。音川氏は こういう複雑な曲でも朗々とソロを奏でる。
きらびやかなパルスを空間にばらまく美しいアンビエント。 そして強力なグルーブ。更にかっこいいコード・メロディがその上に載っかる。 これはすごいバンドだ。