- 99/03/27:大高清美(稲毛コルトレーン)
- 稲毛にあるコルトレーンという喫茶店でのライブ。ここは 30人も入れば満員な感じの店だが,なんとB3(という有名なオルガン)が ある。とうわけで,先にオルガン演奏を主体にしたアルバムをだした, 大高清美のライブがここで行われた。
1月に六ぴでもあったのだが,この時は行けなかったので,今回は ちょっと無理をして(うちから遠い^^;),聴きにいった。メンバは 矢堀孝一(g),島村一徳(dr),岡田治郎(b)というWYSIWYG-(新澤)+大高 というメンバ。大高氏のライブは実は始めてみたが,積極的に オルガンを弾く。オルガンのプレイには,ランニングベースを弾きながら ソロを弾くというベース要らずな演奏があるが(^^;),その辺もやっていて, すごくドライブのあるベースラインを弾く,かっこいい。
さすがに,他のメンバの胸を借りてるという感じが多少あり,主に 矢堀氏が曲の雰囲気を作ってる感じだ。矢堀氏はWYSIWYGより かなりリラックスした演奏で,初期のWYSIWYGの様だ:-p。 しかし大高氏も技術は十分,あとは演奏の説得力か?
キーボーディストながらオルガンにこだわって,オルガンのみで 演奏をすることは非常に好ましい。このままこの路線で続けて いってほしい。今後に期待が持てる。またやってください。
- 99/03/26:布川俊樹 ( 六本木ピットイン)
- 布川氏が出したばかりのDepartureというアルバムのレコ初ライブ。 ちょっと仕事がバタバタしていて,開演には間に合わなかった。 ファーストステージもやがて終了,というタイミングになってしまった。
ライブを見た時点ではアルバムを買ってなかったので,確信は持てないので あるが,ほとんどアルバムからの曲だったようだ。アルバムの方は NY録音でメンバーも違うが,こちらのライブも,納浩一(b),小池修(sax), 岩瀬立飛(dr),古川初穂(k,こちらはアルバムも参加)と強力なメンバ。
なんか似たようなメンバーの演奏は最近良く聴いてるような気がするが(^^;)。 布川氏のオリジナルリーダライブというのは初めての様な気がする。サウンドは フュージョンぽい曲とジャズっぽい曲が降り混ざった演奏。比較的聴きやすい 気がする。布川氏のギターは他のライブと同様,シンプルだけど,太くて 良くとおる。立飛氏のドラムは実に柔軟というか打楽器ぽくない不思議なドラム。 他のメンバーも実に緊張感を醸し出しながら,聴いていて安心な演奏。 すばらしい。このバンド全国ツアーに出るらしい。実に多くの人に 聴いてほしい。
- 99/03/19:納浩一(B B Groove Collective)( 六本木ピットイン)
- 事前ではGroove Collectiveという名前だったが,同様の名前のバンドが あるということから,「B B Groove」という名前に変更してのライブ。 「B B」とはベースとバリトンサックスのことらしい。
このバンド納氏の新しいバンドで,メンバーはである。小池氏はBBの名が示す通り,ほとんどバリトンサックスを吹いている。 音楽的にはファンク。小池氏のサックスはほとんどファンクっぽいリフである。
- 納浩一(b)
- 小池修(sax)
- 布川俊樹(g)
- 矢堀孝一(g)
- 岩瀬立飛(dr)
- 岡部洋一(per. SE)
このバンドの特徴の一つである。ツインギターであるが,師弟関係の二人, 一聴似た印象があるが,こうやって同時に聴くと,違いが良くわかる。 布川氏はわりとベーシックなフレーズが多いが,音が非常に良く, ソロを盛り上げるのもうまい。矢堀氏は逆に多彩である。
もう一つの目玉はパーカッションの岡部氏だ。パーカッションというよりSEである。 サンプラー等の,DJ用の機材を持ち込み,次々と人の声やフレーズを サンプリングしたものを流す。ドラムの岩瀬氏,そして納氏はそういうものを しっかり支えるサウンドをつくっている。
音楽的には,踊れるようなファンキーで楽しいサウンド。ライブの演奏は 10時過ぎまであったが,不思議と長くは感じなかった。
- 99/03/17:WYSIWYG( 六本木ピットイン)
- ほぼ半年ぶりのWYSIWYGのライブ。前回のライブで「次回は再結成」 といった通り,新曲ラッシュのライブであった。 別にメンバーが変わった訳ではない(^^;)。
半分以上が新曲,更にアレンジも難しい曲が多いため,今回はわりと 「す」というか(^^;),冷静な演奏であった。かといって,決して たどたどしいとか言うわけではなく,丁寧に弾いているという感じ。 新曲はライトなフュージョンがあるかと思えば,変拍子のプログレ風の曲, ウェザーかTribal Techの様な不思議な空間の曲,アクゥースィックで コード進行が美しい曲などバリエーション豊かであった。
今回,特筆すべきは新澤氏の生ピアノの音色である。本人も奏法を改造している 最中と言っていたが,物凄く抜けのいい音になっていた。決して音量感が 上がったわけではなく,輪郭がはっきりして,アンサンブルの中でも 存在感が増した感じ。音色を一つ一つ確認しながら弾いているようであったが, エレクトリックバンドの中においてもピアノの音色コントロールが 非常にいい効果を出すことを実感させた。
新曲が多いせいで,ソロの時に「いってしまう」といったような, 勢いはなかったが(^^;),バリエーション豊かな演奏で,不意のアンコールも 発生し,盛り上がった演奏であった。サウンドも試行錯誤がいい方向に いってるようで,シンプルなセッティングでいい効果を出している。 またライブを重ね,新しいアルバムを出してほしいものである。
- 99/02/21: 日野元彦セクステット(ドルフィー)
- 日本を代表するジャズドラマーの一人,日野元彦の グループ。メンバーは
。 アクゥースティックな編成で,もちろんベースはウッド, ピアノも生ピである。しかも会場は100人入れば足の踏み場も ないほどの広さなので,マイクもベースとピアノとMC用にしかない。
- 日野元彦(dr)
- 川嶋哲郎(s-sax,t-sax)
- 多田誠司(a-sax)
- 岡崎好郎(tp)
- 今泉正明(p)
- 荒巻茂生(b)
さすがに日野元彦は有名で,その会場は足の踏み場のないほどの 客の入り。実は当初,兄の日野皓正氏がゲスト出演する予定だったせいも あるかも知れないが,とたんのキャンセル。しかしだからといって, 帰った客はほとんどいないようであった。
元彦氏は最近2枚CDを出したので,それ関連の曲が多かったのであろう, ほとんどメンバーによるオリジナルであった。しかしいずれも曲がいい。 まぎれもなくジャズなのに新しい。そして演奏がすごい。
最初の1,2曲はメンバーも様子を見てるだけだったのか, 「うまいな」と印象であった。さすがにみんな一流ってことで, 3管は全くずれを感じさせないほどのピッチ,個々の音も安定して, 美しい音。しかし3曲目辺りから徐々に熱い演奏になる。だれかの ソロにオブリガードを入れたり,即席管リフを現場でつくっていったり, とにかく反応がすごい。ベースの荒巻氏も独創的なベースであった。
久しぶりにインタープレイを聴いたような気がする。ジャズ畑の 人なのかフレーズはオーソドックスというか,例えばブレッカーなどの 様なアウトフレーズはあまりでない。しかしそれぞれの演奏に対する 反応はすばらしく,この手のジャズも現在進行形なんだな, と感じさせた。
元彦氏は病み上がりではあったが,それを感じさせないドラミング。 リズムも複雑な曲が多かったが,さすがとうならせる演奏であった。 CD買っちゃいました(^^;)。
- 99/02/10:小池修バンド( 六本木ピットイン)
- メンバーは
。
- 小池修(sx)
- 石川雅春(ds)
- 青柳誠(p)
- 中村康就(kb)
- 新澤健一郎(kb)
- 納浩一(b)
- 田中倫明(perc)
キーボードが3人もいるという,ちょっと変わった編成である。 私は初めて聴きにいった。
「小池修バンド」なんて名前から,もうちょっとセッション的な曲が 多いバンドかと思ったら,ちゃんと構成があるバンドでちょっと驚いた。 テーマのメロディもメロディアスなものが多いし,アレンジも,ちょっと 洋楽ジャズの影響を感じられるような(^^;),凝ったアレンジ。
リーダの小池氏はスタジオのキャリアが長いそうで,ムチャクチャに ピッチがいい。ボリュームも安定している。「うまいサックス」 というのはこういうのなんだ,というのを改めて実感した。EWIも 吹いていたが,ギミック的な感じはせず,必然性を感じた。
3キーボードはわりと役割分担がしっかりしていて,中村氏はほとんど PAD,青柳氏はピアノで,数曲エレピも弾く。新澤氏はムーグとローズで むしろソリスト的な役割が多かった。
前半は曲の構成がしっかりしてるのもあって,「こじんまりしている」と いう印象があったが,後半からはドライブ感が加わり,熱い演奏になった。 新澤氏にあとで聞いたが,やはり3キーボードだと,サウンドが決まるのに 時間がかかるそうだ。
曲がしっかりしていて,「安心して聴かせられる」(^^;)演奏であった。 変則編成であるが決して,マニア向けでなく,曲の良さと,演奏の 巧みさを感じさせるバンド。今後も楽しみである。
- 99/02/01:PitInn Special( 六本木ピットイン)
- メンバー
小池修(sax)
によるセッション。が,実は企画自体はメンバーではなく,六本木 ピットインの人らしい。- 平井景(ds)
- 新澤健一郎(p,key)
- 武田桂二(b)
- 養父貴(g)
- 竹上良成(sax):ゲスト
実は私は遅刻して,後半(5曲)しか見てないので,それでのレポートと なる。
セッションということで,メンバー以外の有名な曲を半分くらいやった。 Jeff Beckで有名な "play with me"や,STEPSで有名な"Pools"などを やってるのを聴いた。ほかにも,メセニーやチックの曲を前半に やってたらしい。
新澤氏はシンセも持ってきていたが,主にピアノ,ベースも縦べということで, 思ったより,アクゥースティクなサウンドになった。が,選曲は,わりと Fusionよりでった。サックスが2本ということで,結構テーマなどが, 迫力がある。またアクゥースティックなせいか,サウンドのバランスも わりといい。メンバーもリラックスしているようで,楽しいライブであった。 新澤氏関しては,かなり力の抜けた演奏なのだが,音の通りがすごく良く, 新たな進歩を感じさせた。
ただ,ちょっとリズムは切れが悪かったようにも思う。まぁ曲が,タイトな リズムなわりには,ピアノや縦べとちょっと重い系の楽器だったのも 関係あるかも知れない。
- 99/01/26:ウルトラマンジャズ( 六本木ピットイン)
- そういえば、CDを買っておいて、批評を書こうと思い、忘れていた(^^;)。 というわけで、説明すると、誰でも知ってる:-)ウルトラマンシリーズの 主題歌挿入歌をジャズ風にアレンジして演奏してしまうという、企画ジャズである(^^;)。この手のやつはTV-Jazzをはじめとして98年日本ジャズ界の大流行であった。ほかにも、 クリヤマコト氏や新澤氏によるジャズカバー集が出て、私の所感としては いずれもクオリティが高く、しかも、普段・久しくジャズを聴かない人達に ジャズを聴いてもらうのに、いい形で貢献をしたのではないか?と 思っている。そして、オオトリとも言える形で出てきたのが、 「ウルトラマン」である。プロジェクトのリーダは布川俊樹氏。 日本を代表するジャズ・フュージョンギタリストの一人である。
さて、ライブである。ライブはCD同様、アクゥースティックな編成。 エレキギター以外は、ピアノ、ウッドベース、ビブラホン、ドラム、 サックスである。演奏の仕方もほとんどCDと同じでっあったが、 もともとジャズのフォーマットなので、やはりライブの方が、 独自の緊張感やドライブ感が出る。CDの時は「メロディを 生かして美しい曲に仕上げている」という印象が支配的で あったが、ライブだとそれにプラスして、ジャズ独特の緊張感が生じていた。
わたし的には、ジャズワルツでメロディの綺麗さを再発見させられた 「科学特捜隊のテーマ」、イントロからテーマにはいる部分が、 まさにウルトラQのタイトル(混沌から形が生じる)を想像させられる 「ウルトラQ」、ホーンクァルテットでやったウルトラマン(の挿入曲)が 曲もそうだし、ライブもすばらしかった。
曲・アレンジもそうなのであるが、アクゥースティックなせいか、今回は 物凄くサウンドバランスが良かった。特に布川氏のギターは、優しい 音色なのに、物凄くとおる音で、さすがとうならせるもの。音聴いただけで 平伏ものでした。
「今回限り」と連発し上機嫌でライブを行った布川氏、最後は フォークコンサートさながら、会場と合唱でおわるという、なかなか ユニークなライブでした:-)。