- 98/11/12:TV-Jazz( 六本木ピットイン)
- TV JazzのCD発売記念ライブ。やはり前評判も良かったせいか,立 見が出る盛況ぶり。そういえば新澤氏のライブで立見が出たのって 始めてみたような(失礼^^;)。基本的にコミックバンド(というとい いすぎだが,楽しませるバンド)なので,笑いと称賛に溢れたコン サートでした。いやー,楽しかった。
一応,事前の話で「多分これっきりになるだろう」という話を聴 いていたので,そう思ってたし,そういう風に吹聴してました (^^;)。でもわかんないらしいです(笑)。メンバー的にはWYSIWYG関 係を中心にドラムが大坂氏に変わり,古川初穂(kb)氏と八木(sax) さんと牧原(tp)さんのフロントが入る構成。豪華なメンバーで,そ ういう意味でも,またやるにしてもスケジューリングが大変だと思 われます。
曲は1stと2ndの曲を折り混ぜて演奏。JazzらしくCDとはかなり違っ た熱い演奏でしたが,比較的コンパクトにまとめられてて,あまり ジャズを聴き慣れていない人でも聴きやすかったのではないでしょ うか?。まぁアレンジを聴くバンドでもあるんで,長々ソロをやるっ て感じでもないのでしょう。
本番に強いメンバーなので,CDのクオリティを下げることなく, 「CDじゃこれやばいでしょ」というネタまで披露(笑)。より参考曲に近い演奏になっ てます(笑)。特に“ムーミン”は更に発展して,ベースのディレイ ホールドソロをするし,“キカイダー”はスティールパンのオブリ ガードが入る。終始クスクス笑いが会場に溢れ,腹が痛いコンサー ト。
休憩や終演後は参考曲や元ネタがBGMに使われて,更に爆笑。悪乗 りぶりが最高でした。いいんじゃないかなぁ,こんな楽しいコンサー トも:-)
でも,演奏自体のクオリティもCD同様高いです。大坂さんのドラ ム,やっぱりいいですね。あと新澤さんの“みんななかよし”は完 全に新澤さんの演奏になっていて,「あんた,一人で何かを掴んだ ような演奏していて,ずるい(笑)」と思ったのは私だけ:-)。
- 98/11/10:WYSIWYG( 六本木ピットイン)
- WYSIWYGの解散コンサート(笑),というか,メンバーのスケ ジュールの関係上来年の3月あたりまでライブが出来ないらしく, またバンド自体も曲等を増やし仕切り直しをするらしいので,来年 の3月に再結成ということであろう:-)。
その辺の事情もあってか今回は新曲が二曲,また12日にTVジャズ のライブがあるためTVジャズからの選曲はなかった。“けらまじか”, “知恵熱”と新曲の二曲以外はアルバムに入ってる曲(だったと思 う)。新曲以外は何回も演奏をしてきてる曲なので,安定した仕上 がり,ただしちょっとこじんまりしてしまったようなものもあった。 しかし今回はドラムの島村氏が非常に元気で,ソリストをまくって いた。
このバンドが始まった時のような,“さわやか”な雰囲気よりだ いぶテクニカルな演奏が増え,ちょっと“ダーク”な感じの曲も増 えてるように感じる。いずれにせよバラエティー豊かなバンドであ る。ライブの後半からかなり演奏にも熱が入り,アンコールの“フェ アリーランド”は「アンコールして良かった」と思える出来であっ た。
- 98/10/24:JAZZIN' PARIS(神奈川県立音楽堂)
- フランスのジャズミュージシャンを集めたコンサート。何故 か日本で3箇所,しかも小さいところだけで行なうコンサートであっ た。メンバーは
つまり四グループであった。ライブ自体は三時間弱であるから 一つのグループは30〜40分程度の演奏であり,大体3曲程度。ずい ぶんぜいたくな使い方だなぁというかんじであった。
- ステファノ・ディ・バティスタ・クィンテット
- ステファノ・ディ・バティスタ(as, ss)
- フラヴィオ・ボルトロ(tp)
- ロザリオ・ボナコルソ(b)
- エリック・レニーニ(p)
- ベンジャミン・ヘノック(ds)
- ヨアヒム・キューン(piano solo)
- アンリ・テキシエ・クァルテット
- アンリ・テキシエ(b)
- トニー・ラベソン(dr)
- ボヤンZ(p)
- セバスチャン・テキシエ(as,cl)
- ミシェル・ポルタル
- ミシェル・ポルタル(bcl, ss, bandoneon)
- フランソワ・ムタン(b)
- ボヤンZ(p)
- トニー・ラベソン(dr)
最初のステファノ・ディ・バティスタ・クィンテットはメンバー が若く比較的前座扱いであろう。演奏はおしゃれというかなんか映 画に出てくるジャズのような演奏で,「今時アメリカじゃこんな演 奏しないだろうかぁ」って感じの演奏である。まぁアレンジもきち んとしていて,なおかつ泥くささがないところがヨーロッパ的とい うか。でもsaxとtpは音色が安定してうまかったと思う。
ヨアヒム・キューンはピアノソロを三曲。しかし最初の二曲は, もの凄くうまいのはわかるんだけど,演奏的には退屈。変化が凄く 少ないのだ。むちゃくちゃたくさんの音を出しているのであるが。 三曲目はメリハリがある曲でそれなりに良かった。しかしこの人名 前は知ってましたが,テクニックは相当凄いですね。しかも多分ク ラシック系のテクなんでしょう,ブルース感が全くありません。
ここでちょっと休みがあって後半。実はこの後の二つは凄く良かっ た。 アンリ・テキシエは割と年配のウッドベース弾きであるが, 演奏がユニークでしかもハイテクニック。ウッドをギターのように 掻きならしたり,ハーモニックスを混ぜたソロを弾いたりと曲もユ ニークであったが演奏も凄かった。
ミシェル・ポルタルはバスクラ,ソプラノサックス,バンドネオン を使い演奏。バスクラはむちゃくちゃうまい。このバンドはベース もうまかった。
全体の感想として,やはりメロディ感覚がアメリカや日本のジャ ズミュージシャンと異なるという感じがする。ユニークである。ヨー ロッパの民謡や歌謡曲とかって日本であまり聴かないので,彼らが どういう音楽を聴いて育ったかいまいち良くわからないのであるが, アメリカよりメロディアスで素朴な感じがする。
ちょっと期待し過ぎていったため,「こんなもんか」という感じ もあったが,まぁ滅多に聴けない演奏であり,やはりいって良かっ た。
- 98/10/10,11:横浜 ジャズプロムナード
- 横浜で年に一回行なわれる,かなり大きなジャズイベント。 詳しくはリンク先を見て下さい(リンクがいずれ切れたり変わって いたら済みません)。今年で6回目かな?それくらいです。ずっと前 から有名でしたが,実は私はいくのは初めて。それも知人から前売 券を譲ってもらったのでいくというていたらくぶり(^^;)。でもいっ てみて良かったです。
一番の印象は,人手(^^;)。いやーぁ,日本にこんなにジャズを聴 く人がいるのかと,安心しましたよ(笑)。リンクを見てもわかる通 り,ホール等が10箇所,あとライブハウスなんですが,今回は私は ホールしか回ってないのでわからないのですが,どこもそれなりに 人が入ってます。というか,どこも満員でした(^^;)。大体一箇所 で200人前後入ってますから,合計2000人程度はいるはず。で,私 みたいに途中から来て途中で帰る人もいるから,多分ずっとたくさ んいるはずです。
というわけで,結構摘み食いだけしました。見たのはです。実は初日は,坂田明や山下洋輔も見ようとしたんですが,人 が多くて諦めました(^^;)。二日目も早坂紗知とか見ようと思った んですが,これも多いんで諦めました(根性なし)。
- 初日
- Be noit DELBECQ QUARTET & Olivier CADIOT
ブノワ・デルベック(p)ギョーム・オルティ(as,ss)ジョー・カー ヴァー(b)スティー ヴ・アーギュエル(ds) & オリヴィエ・カディオ(詩)- Peter BROEZMAN(reeds),羽野昌二(ds)河野雅彦(tb)
- 二日目
- 小川美潮(vocal) & 渋谷毅(p)
- 羽野昌二(ds)
- ストラーダ/中尾勘二(sax,cla)関根岳郎(tuba)桜井芳樹(g)久下恵生(ds)
初日のブノワ・デルベックは,ピアノに仕掛けをして演奏する人, なんでしたっけ?ありますよね,何とかピアノというやつ。とても ピアノとは思えない音,フランス語の詩,サンプラーなどを使い, 不思議な世界を醸し出していました。意外に気持ちいいです。個々 のサウンドがきれいだからでしょうか?コードやリズムといった枠 は凄く弱いんですが,きちんと心に入ってきます。
一方Peter BROEZMANの方は,「ぶぎょーーーー」って吹く奴。こっ ちは入ってこないですねぇ(^^;)。うーん,フリーでもいい奴と悪 い奴があることがわかりました(笑)。 でも翌日の羽野氏のソロは 凄く楽しめました。一晩経って,辞書が出来たか?(笑)
二日目は用事があって夕方からいったんですが,私がついた時は 小川美潮は最後の一曲でした。でも凄く世界があって良かった。羽 野氏が15分ほどソロをやった後,ストラーダというバンド。すみま せん,このバンドの音楽をうまく形容できません。ジャズというよ り,民族音楽とかフォークとか,たまとか,ゆうかだんとかそんな 感じ。良かったですが,そうかこういう音楽ってあるんだと,ちょっ と世界が広がりました。
二日通し券を買い,ぶらぶら横浜を歩き,適当にホールに入ると ジャズのライブをやってる。飽きたら別の場所へ,途中買いぐいし たり,海を見たりとなんか気持ちいい二日間でした。いいですね, こういうイベント。来年もきっといくだろう。意外にライブ見てな いんですけどね(^^;)。
- 98/10/05: 新澤岩瀬プロジェクト( 六本木ピットイン)
- 新澤健一郎(p,kb),岩瀬立飛(ds),音川英二(sax),箭島裕 治(b)という初顔合せ,本来は新澤・グレッグ・たっぴバンドにサッ クスをゲストで加えるという趣旨だったらしいが,グレッグが多忙 なため,新澤岩瀬プロジェクトという名前に変えたらしい。音川氏 は98/07/30のセッションで新澤氏とは共演しているのを聴いたこと がある。箭島氏は初めて聴いた。
さて今回の演奏を一言でいうと「ポップでしたね」てな感 じ(笑)。
でも形にはまった感じはせず面白かったです。新澤氏もいっていた が,おそらく箭島氏の影響であろう。曲がコンパクト(時間的にも ^^;)で,ベースラインもオーソドックスに支えるって感じ。そうい えば新澤さんというと,グレッグや岡田治郎氏というベースの枠を 越えている演奏をする人(^^;)との共演が多かったので,今回の演 奏はちょっといつもの感じと違っていた。新澤氏自身も戸惑いがあっ たようだが(^^;)。
さて,曲は前半が,新澤氏のM&J,キラーの後に,箭島氏アレ ンジのラテン仕上げのモーメントノーティス,岩瀬氏のミキ,新澤 氏のセブンブリッジの4曲。M&Jはなんかポップで,他のセッショ ン以上に曲調にあってるように思ったが(^^;),なぜか, sax,piano,bass,drumsの編成ながら,ヨーロピアンクァルテットと いうよりPMGという印象を受けた(笑)。
後半は岩瀬氏アレンジのドナリーのあと,岩瀬氏の二曲と新澤氏 の一曲を組曲風に続けて演奏。これは7/30のセッションでもしたが, 非常にいい。最初のはベースが淡々とルートを刻む上に,他の楽器 がカラーリングするような演奏,二曲目が打ち込みのパターンの上 で演奏,三曲目が7拍子で,ぐーっと盛り上げる。三曲目の盛り上 がりもいいが,前の二曲のシーケンシャルな演奏も,軽いトリップ 感を感じる。で,最後が新澤氏の子守歌。
サックスの音川氏はどの曲でも,うまくソロを吹きこなしていて, ちょっとびっくり。サックス入ると,曲が引き締まります。新澤氏 はしばらくサックス入りでやる模様です。あと岩瀬氏の変拍子にお けるドライブ感はほんと凄い。今回も驚かせられました。
非常に新鮮でした。「これもいいな」っていうのが今日のところ の感想です。