2003年10月から12月に見たライブなど

今後の予定

文体がころころ変わってすみません。ちょっと試行錯誤 してるので…

03/12/14: BILL LASWELL/大友良英/芳垣安洋( 新宿ピットイン)
ピットインのスケジュールを見るとビルラズウェルが最初に 来てますね。セッションリーダは誰だったんでしょう?…と イマイチ良く把握せずに出かけました。
先日ROVOのライブを見ましたが,その時に ドラマーをやっていた芳垣安洋という人が気になったので, 当日配っていたチラシにあったこのライブに来たのでした。とは言っても 最近新宿で遅くまで…というのは辛いので1stセットで帰りました。 会場に行って気づきましたがこの三人のメンバーでのアルバム「SOUP」と いうのがどうやら最近出たようで,それに関してのライブだった 気がします。
とりあえず1stの話だけ書きますが,この三人でつまりベース,ギター, ドラムのトリオでした。ただし大友氏は椅子に座り,多少 エフェクタとかもいじっていたようです。もしくはギターシンセなのか ホーンの音とかを出したりもしてました。 ビルラズウェルは通常のベースを弾いてましたが,モジュレーションの エフェクタがかかっていて,結構何を弾いているかわからない感じ。 そういう中で芳垣氏はずっと激しく叩いてました。ROVOの様な大きな グルーブ感はないのですが,やはりこの人のドラムは物凄い手数を 入れておきながら,非常に大きなうねりを感じさせていて, 今回の音楽はかなり前衛的な感じでしたが,それでも体をゆらすことが 出来ました。
ちょっとわたくし事ですが,実は前日に自分がやはり同じような 編成(ギターにエフェクタをかけまくるところとかも含めて)でセッションを やっていたので,「へーこういう感じになるんだ」とかいう風に なんとなくそういう耳で聴いてしまったライブでした。
それと,先日のROVOのライブと観客ってかぶってるのかなぁ?…とか そういうことが気になったりもしました。でもこのライブじゃ誰も 踊りませんでしたが…。
2ndセットはゲストが来るって言ってましたが,誰が来たのかはわかりません。 ただ,スケジュールを見ると菊地成孔氏,勝井祐二氏だったんですかね?。 現地には(15日のみ)って書いてましたが。勝井氏といえばROVOだし,菊地氏 といえばDCPRGや東京ザビヌルバッハ…ってことで, この辺の人脈っておもしろいなぁ…と最近は思っております。ちょっと しばらくこの辺,聴いて回るかも知れません。

03/11/23: MAN DRIVE TRANCE ALL NIGHT(新宿リキッドルーム)
わたし的には一昨年あたりから急にCDを聴き出して,気に入っている バンドです。CDを聴いていて,実際にどういう風にやっているのかが とても気になったので,出かけました。正直オールナイトの ライブって辛いんですが(^^;)…。
初めて観るライブの場合,観客もいつも自分が行くライブと 違っていて興味深かったりするんですが,今回もそうです。 リキッドルームのライブっていうと,だいぶ前にMM&Wの ライブを観てその時も思いましたが,ジャズとかのライブハウスで 見る客層と全然違います。オールナイト,オールスタンディングの ライブですから,まぁ「聴く」というより「踊る」のを 目的で来ている人が多いんでしょうが,一応IDチェックもあって 未成年は入れないはずなので…,………わたしの印象では 極めて狭い年齢層が集まってました(^^;)。見るからにおじさんおばさんって 感じの人は皆無で(すくなくとも見た目は)20代ってばかりです。 さすがのわたしもちょっと気が引けるくらい(笑)。こういう場所って 野外のレイブとかもそうですが,来ている客の格好も結構おもしろくて, そっちの方でも楽しめました。
それで,ライブ…。11:30からでしたが最初DJが二人やってました。 まぁこの辺はお客さんもロビーで喋ってたり,会場の隅で座っていたりとかで, 踊っている人もそれなりにはいましたが,各自自由に…という感じです。 わたしも夜に備えて(笑),床に座ってちょっと寝てました…。
さて2:00からROVOの登場。ホールに客が全員入り込むと,立っていても 周りの人に接触するような感じです。そして一曲目が始まったら, 全員激しい縦揺れの踊りをはじめました。いや,正直言って, リキッドルームの床が大きく揺れていたんですが,怖かったです(笑)。 床抜けるんじゃないか…という感じで…。というわけで ちょっとビビって端の方で移動して踊ってました。
内容的には先日出たCD(日比谷のライブ)とそんなに変わりません。 ただしやっぱり生なので非常に迫力あります。なんというか, 全部グルーブなんですよね。バンド構成としては,キーボード2人, ドラム,ベース,パーカッション,ギター,そしてバイオリンで, キーボードはシーケンスパターンと,SE,バイオリンはリフと メロディ…ですが,実際はほとんどリフを繰り返していることが多く, バンド全体のサウンドはつまるところパターンを全員で繰り返している 感じです。しかしそのグルーブが非常に強烈で,サウンドもゆっくりと 変化していきます。ちなみにCDでも思いましたが,ギターの音は あまり聞えません。というか個々の楽器の音はバイオリン以外は あまり浮き立たず全体のグルーブとしてサウンドしています。
まぁそういう音楽だから,やっぱり体で感じて踊るのが気持ちいいわけです。 しかし,観客が非常に熱狂的に踊っていて,凄く人気があるんだなぁ…と 思いました。正直時間帯的に辛くて,踊りながらも眠たかったんですが, 歳の所為かと思いきや,周りにもそういう人結構いたので, よかったです(笑)。あと初めて経験しましたが,眠たくても 踊ってると踊りながら夢見るんですね(^^;)…。
正直こういう音楽が若い人に熱狂的に受け入れられているのを見ると, なんとなく音楽の本質ってこういうことなのか…とか思ったりします。 やっぱりグルーブとサウンドなんですよね。わたしとかはジャズとかを 聴いて長いので,こういうインストで,かつかなり演奏クオリティの 高い音楽は聴いて語ろうとしていまいますが(^^;),それ以前に 体に訴えかけるものは理屈じゃないんだよなぁ…とか思います。
なかなかこういう時間帯のライブに行くのは勇気がいるんですが, 非常に楽しかったです。あっ,ROVOの後にも,まだ続いていたようですが, わたしは4:00にROVOが終わってから始発電車で帰りました。
野外とかでやんないかなぁ…。

03/11/03:コートニー・パイン ( Motion Blue Yokohama)
コートニー・パインという人はずいぶん前から有名ですが, 今一つ正体が掴みづらく,気になってました。CDを2枚ほど 聴きましたが,テクノリミックスだったり,フュージョンぽいな?…と 感じさせるものだったりと。まぁイギリスで10年以上前から 名前を聴いていたので,有名なんでしょうが,なぜかアメリカの ジャズミュージシャンとの交流を聴いたことないのも, その正体を掴みづらい理由の一つでしょう。
というわけで,モーションブルーに来るというので 行ってきました。入れ替え制だったので1時間半弱の ステージでした。音楽的にはポップで明るい感じのフュージョン。 そう,フュージョンという感じです。CDでも感じましたが…。
イギリスのジャズシーンって今一つ良くわからないのですが, 10年前っていうとアシッドジャズとかが盛んだった頃ですかね?…。 CDではクラブテイストも取り入れた感じがありましたが,ライブは あまりジャカジャカのクラブテイストはなくフュージョンという感じ。 そう…,フュージョン,それも日本のフュージョン的な感じなんですよね。 なんかメロディアスでポップで,なんかアメリカのジャズとか フュージョンとは違う感じ…。もしくはなんかゴーゴーって 感じなんですよね(^^;)…。少なくとも(こういうことを書くと 人種差別と思われるかも知れませんが)アメリカの黒人がやりそうな 音楽ではありません。その辺が,なんとも不思議な感じでした。
でも,ライブ自体はサービス精神旺盛で客席を煽って, 最後はみんなスタンディングで踊らされました(笑)。
イギリスジャズシーンって謎だなぁ…,やっぱり日本もそうだけど アメリカとは一線があるんだろうなぁ…とか思いました。

03/10/11-12: 横浜ジャズプロムナード
このイベントに行くのは何回目かなぁ…。もう5年くらい毎年行ってる 気がします…。ちょっと今年は「去年までと違うな」と 思うところがあり,いろいろ運営自体に言いたいことがあるんですが, それは最後に書きます。まずは演奏の感想から。
土曜は開港記念会館であったNervio に間に合うように出かけました。 Nervioがこのイベントに出るのははじめてですが,もっとも 重要な会場である,開港記念会館に出たというのは, なかなかすばらしいです。ここ天井が高いので,ちょっと 音が濁るんですが(^^;)…。今回は水野氏が最後という事で, これまでの2枚のアルバムから曲を取り上げて演奏してました。 ちょっといつもよりは短めに演奏してましたが,コンパクトで 良かったです。まぁ一般のお客さんも多かったし。TVでも録画されてましたし どこで放送されるんでしょう?…。いずれにせよ 水野さんお疲れ様でした。
そのあとは,ちょっとぶらついて赤煉瓦倉庫に行き, ミシャ・メンゲルベルク(P)&豊住芳三郎(dr)のデュオ。前衛的というか まぁそういうフリーのピアノでした。半分くらい聴いて退場しました。 そのあとは,人と会ったり,昨日書いてますが,ザビヌルのライブを みたので,このイベントはここで終わりました。
さて,二日目です。ちょっと家を出るのが遅くなりましたが, 最初は関内小ホールで「ギラ・ジルカ+井上淑彦カルテット」 最初二曲ほどインストで演奏し,そのあとボーカルが入りました。 立ち見だったので3曲ほどみて退場しました。ストレートなジャズでした。
そのあとちょっと食事してラーシュ・ヤンソンスペシャルグループを みようと開港記念会館に開演15分前くらいに行ったら, 一杯とのことで断られました。それで赤煉瓦に行き,QUADRAという サックスカルテットというかサックスだけの4人のアンサンブルです。 なかなか珍しい編成でおもしろかったです。インタープレイも ありましたが,ホーンアレンジはしっかりしているという感じです。
立ち見だったし,このバンドも半分くらいみて退場。あとは 19時からkings barというところで,かず土村というベーシストの ピアノトリオの演奏。実はこのバンド2ndからボーカルのcocoさんが 入って,彼女が知り合いなので見に行ったようなところもあったのでした。 まぁスタンダードとかそういう感じで,終わりました。ちょっと ボーカルの音量が小さかったのかなぁ…。彼女は声量で押すって タイプじゃないので,ちょっと辛そうでした。
というわけでだいたいこんなところでした。長い時間いたわりには なんかあまり観てないという感じです。まぁガツガツ観るつもりも なかったんですが…。
ちょっと今年から毛色が変わった気がするので,勝手な記憶を 頼りに書いてみます。当然勘違いかも知れません。その場合 ご容赦を。
まずこのイベントはジャズクラブ小さい会場ととホール等の大中規模の 会場にわかれますが,今回は後者の会場が少なかった気がします。 山手あたりの会場も使われてなかったし,県民(小)ホールとかを 使ったときもあったように思うのに。また以前はこういうホールの 会場のスケジュールは開始時間がバラバラだったのが,今回は 合わせてありました。もしかしたら去年, そういう苦情が出たのかも知れませんが,実際にそういう風にやると, たしかに観たい演奏を観た後に会場を移動するとだいたいはじまる…という 風になってるんですが,そうなると人気がある会場に人が押し寄せてきて 入れなくなっている…というのが今回の印象です。開始時間が 分散すると途中で抜けたりとかあるんですが,そういうのもなかったです。 個人的には去年までのやり方の方が良かった気がします。 入れないとか座れない会場が非常に多かったので…。
それから,出てる面子が変わった気がします。今年はアバンギャルド系の 人が非常に少なかったし,海外からの招致も少なかった気がします。 最近ジャズが一般層に受けているので,そういう風にしたのかも 知れませんが,わたしとしては残念でした。
まぁ入場料も安いのでいいんですが…,是非観たいという演奏が 少なくて,しかもそういうのに行ったら会場が満杯で入れなくて…って いう感じなので,何だかなぁ…という感じでした。
このイベント自体はすばらしく来年もやって欲しいとは思いますが。。

03/10/11: ザビヌルシンジケート( Motion Blue Yokohama)
すげーーーーー,きたーーーーーー,そういう感じで 大興奮。もう…なんといったら,こんなに 圧倒されっっぱなしで興奮したライブは久しぶりでした。 もう言葉にするのが馬鹿らしいくらい。とにかく,すごかった。
…だと読んでる人には何のことだからわけわかんないので, とにかく文章にするのを試みてみます。でもどう書いても現実よりは 陳腐にならざるを得ないくらいライブはすばらしかったです。
さて,モーションブルーでのザビヌルシンジケートのライブ, 4日間あって,今日が最終日2セットの入れ替えせいでしたが, 両方見ました。2セットはやってる曲は多分結構同じですが, なってる内容はかなり違います。4日間見てる友人も言いましたが, 結構毎回違うとのことです。それくらい自由度の高い演奏を してます。
ステージは左側にザビヌルが陣取り右半分にドラム,パーカッション, ベース,ギター,そしてボーカルが固まって陣取るという, シンジケートではお馴染,普通のバンドだとちょっと変な形です。 メンバーは常に右側のザビヌルを見つめて,ザビヌルは左側を見て という対峙する形,メンバーが一体となって作るリズムに ザビヌルが乗っかったりコントロールするという感じです。
ザビヌルシンジケートのライブは去年のノーシージャズフェスで, ちょっとだけ見掛けたのを除くと前回の来日以来2回目。前回のは このページに載ってないので98年以前だったようです(^^;)…。 その時もバンドのコンセプトというか感じは似ていて,とにかく ザビヌル以外のメンバーがパルスを出しまくってグルーブを作る, そしてそのうえでザビヌルが自在に弾く。なのでバンドの方は ギターも含め和音らしいものをほとんど弾かない,圧倒的な 量のパルスを出して,全体としてグルーブを作るという感じでした。
ですが,今回はボーカルがいたりしてちょっと雰囲気も違いました。 メンバーに関しては公式ページに載ってますが再掲すると,
  • Joe Zawinul (vo, key)
  • Sabine Kabongo (vo, per)
  • Amit Chatterjee (g, vo)
  • Lindley Marthe (b, vo)
  • Stephane Galland (dr)
  • Manolo Badrena (per, vo)
です。Manolo Badrenaは前回も一緒に来日してますし,ウェザーにも 参加してます。ギターのAmit Chatterjeeはインドの人, ボーカルのSabine Kabongoはアフリカ系の人のようです。この二人は アルバムface & placesにも参加してます。特にこの Sabine Kabongoの声は凄かったです。こんな凄いボーカルはじめて 聞きました。声量,音程の正確さと幅,そしてその制御, 圧倒的です,人間じゃないみたいでもしっかり声してます。 いや,本当に凄かったです。是非なまで聞いてください。
あと,戻るとギターの人は通常はアフリカに多い単音での ミュートした音でのバッキングですが,ソロだとちょっと インド色のあるスケールで変なうねうねしたフレージング, ザビヌルシンジケート伝統のギターというか(笑)。 …というと初期に参加してして某偉大なギタリストを思い出しますが,たしかに このバンドではいわゆるロックギターとかジャズギターじゃなくて ちょっとこういう変則的な奏法が向いてます。
バンドが一体となってと書きましたが,メンバーの中では このボーカルとギターがちょっと前面に出る部分が多かったです。 とはいえ他のメンバーも凄かったです。 Manolo Badrenaは要所要所で的確にアクセントを入れるし,バンドの パルスを細かくするのに凄く重要な役所。Lindley Martheは あまり重いベースでバンド全体のグルーブを作ってました。 Stephane Gallandは若い感じのドラマーでしたが,凄く反応が 良く,曲の展開のところでしっかり切り替えのきっかけとなる フィルをたたき出してました。演奏自体が同じリフを 延々繰り返すところが多いので,こういうドラムは非常に 重要です。
2セット見ましたが,そういう風に実際にリフを繰り返しながら, ザビヌルが指示を与えて替わっていくので,結構生物な 演奏で,2セットともかなり違ってました。
いや,やっぱりとにかく圧倒的なリズム,うねり,そしてボーカルが わたしをどこかに連れていってくれるという感じで,体は うずうずするし頭はボーッとなりそうな感じ,凄かった。 アルバムの何倍も凄いライブで,今年みたなかでは迫力 一番です。DVDでライブが出るといううわさも聞くので, ちょっと楽しみです。またみたいです。ちょくちょく来て欲しいです。 メンバーも全員すばらしかったので,彼らの今後の動きにも 注目したいと思います。




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