03年1月から3月に見たライブなど

文体がころころ変わってすみません。ちょっと試行錯誤 してるので…

03/02/18: ディレクション・イン・ミュージック(東京国際フォーラム)
ディレクション・イン・ミュージックとは一昨年にマイルス・ディビスと ジョン・コルトレーンの生誕75周年を記念して組まれたユニットです。 2001年に北米ツアーが行われ,そのライブは同タイトルのCDになってます。 ですが当時日本にはやってこず,今年の来日が実現したわけです。
ちょっと関係ありませんが,2001年と今年じゃ結構日本のジャズマーケットって 変わった気がします。より広くなったと言うか…。
今日のライブのメンバーは,
  • ハービー・ハンコック (p)
  • マイケル・ブレッカー (sax)
  • ロイ・ハーグローブ (tp)
  • ジョン・パティトゥッチ (b)
  • ウィリー・ジョーンズ三世 (dr)
です。ちなみに, このライブのことを知ったのは去年の 東京Jazz2002の時で,当時配られたチラシには予定としてCDと 同じメンバー(ドラムがブライアン・ブレイド)が書かれてました。 まぁ正直書くと,生ブライアンがまたみれるのか?…と期待して チケットを買ったので,正直,今日のメンバーを知ったときは, がっかりしたのですが…。まぁその話は置いておきましょう。
いずれにせよ豪華なメンバーです。トリビュウートバンドなので 彼らの通常のバンドとはたぶんコンセプトも異なるのでしょうが, これだけの面子の顔合わせをみれるのも少ないので,それはそれで 希少なライブでしょう。どういうわけか客も多く,国際フォーラムの Aホールはたぶん満杯だったと思います。日本にこれだけたくさんの リスナーがいるかと意外でした。それも結構中高年の人が多かったです。
さて,演奏はほぼアルバムに沿った形で行われました。曲を全部 把握してないので,間違ってる可能性もあります。アンコールは ピノキオをかなり変なアレンジにしたものでした。
全般的に良くアレンジされているな…という印象を持ちました。 もちろんソロはアドリブでしかもその場で発展している感じが しますが,テーマなどは結構複雑なハーモニーになっている感じがして, 2管編成がうまく生かされてました。ただ,マイケルは普段はハイトーン プレーヤなのにアレンジの関係でテーマは結構低い音域を吹いていて, ソロになるといきなりオクターブ上がるって感じが,ちょっとらしくない 感じもしました。
たぶん大きなホールでやってるせいでしょうけど,比較的行儀のいい 演奏…という感じで,熱くて先が読めないようなところはあまり ありませんでした。ピアノの音が今一つ大きくなく,もしかしたら あまりメンバー感でのやり取りがうまくいってなかったのかも知れません。 しかし逆にその分か,サウンドの美しさは絶品で,さすがに巨匠の 演奏だなぁ…という感じです。もちろん曲によっては大きくドライブしましたし 休憩なしで2時間以上の演奏でしたから,別に冷めて演奏していたわけでは ないと思います。総じていうとレッドゾーンには入らず, 余裕の技巧を楽しめたというところでしょうか?。それとも ホールの音響のせいなのかな?。わたしが疲れていて, 演奏から熱気を感じる感覚が落ちていたからかな?(^^;)。。
まぁ,しかしこの面子でいつもみれるわけではないし,企画ものなので 曲目もマイルスやコルトレーンにゆかりがある曲が多く,やはり みておくべきだったライブでした。

03/02/08:鈴木よしひさ&新澤健一郎 (調布GINZ)
ギタリストの鈴木よしひさ氏,ピアノキーボードの新澤健一郎氏の デュオ,時々GINZでやってます:-)。自分の他のバンドの曲を 持ち寄ったり,他人の曲をやったりとわりとリラックスした感じで やっているようですが,最近はゲストを招いて…というパターン みたいです。
というわけで,今回は事前に音川英二氏がテーナーサックスで参加, ってことだったんですが,実際に行ってみたら,なんと布川俊樹氏が いて,スーパースペシャルゲストとして二曲参加とあいなりました。 なんでも,このライブの前に新澤氏,音川氏とリハをやっていて, フラりと寄ったら出ることになった…とのことです。
その他は3人での演奏。新澤氏はNervioの曲や,Quiet Leavesの曲や WYSIWYGの曲を持ち込んでましたが,これらのバンド,ギターと サックスが排他的に存在しているバンドなので:-),どの曲もいつもと 違った感じになったのでした。
他には音川氏の曲,鈴木氏の曲いずれもすばらしかったです。 リズムがいないバンドですが,鈴木氏のしっかりしたリズム,そして 新澤氏のドライブするピアノやキーボードで少人数ならではの変化に富んだ インタープレイが楽しめました。メンバーもリラックスした演奏で, 非常に楽しかったです。
わたしも週末らしくリフレッシュできました:-)。

03/01/25: 大橋イサムSession (六本木ピットイン)
休日ブラブラしていたら,夕方になったのでふと六本木ピットインに 寄ってみました…。今日,大橋イサム氏と 新澤健一郎氏の セッションがあるのは知っていたのですが,それ以外の メンバーとかは特にチェックもしておらず,まさにフラりと寄ったという 感じで行きました。
大橋氏のライブをみるのは一昨年の 年末以来ですので,久しぶりです。
で,そういう予備知識もなく聴いたんですが,びっくりでした。 っていうかとても面白かったです。メンバーはギターの大橋氏と ピアノキーボードの新澤氏以外は,佐藤大輔というドラムと, 鳥越啓介というウッドベース。佐藤氏と鳥越氏は20代の若いプレーヤで ジャズ・フュージョンというより,「クラブ系」のミュージシャンとの ことです(^^;)。鳥越氏はphatというバンドで活動してます。 というわけで,フュージョン(?)とクラブのミクスチャーセッションと なったのでした:-)。
特に佐藤氏のドラム,セッティングが凄いです(笑)。タムがフロアも 含めて一つもなく,そのかわりスネアが二つあったみたいです。 ストレイナーがオンになったのとオフになったので…。でシンバルも 一枚。どんなドラムを叩くかというと,まさにクラブ的でした。 いわゆるテクノ・ドラムンベースの様なパターンとか。もちろん 非常に細かい粒子的なハイハットとかもするんですが,エコーまで スネアで作り出していきます(^^;)。で,実に多彩。ハイハットと スネアだけで良くアレだけのバリエーションというか色彩感を だせるものだ…と感心してしまいました。
で,ベースの鳥越氏もウッドベースらしいというからしくないというか(笑), なんとも不思議な感じです。たしかにJazzlandとかジャムバンドとかでも なぜかベースはウッドが多いんですが,そういう意味でのクラブ系です, 4ビートとかではなく。ウッドなんで,バンドの音が非常に どっしりするわけです。で,フレーズ的には非常に細かいフレーズも 弾く,ウッドなので一音一音がくっきり出るわけではないんですが, 重心の低い音でぐいぐいとドライブするわけです。
大橋氏と新澤氏もそういう若い人たちのリズムとサウンドに触発されて, 非常に楽しそうに,そして色彩感豊かなプレイをしてました。 今まで聴いたことある曲も,違った景色になり,新鮮でした。 大橋氏の曲はロックぽいというかフュージョンぽい色が強いんですが, そのコードとテクノぽいリズムとかのミクスチャーがとても 新鮮でした。
わたし的に新しい音楽を聴いたという感じで,ぜひこういう メンバーでまた演奏を聴きたいです。フラりと寄った六ぴでしたが, 思わぬ拾い物でラッキーでした(^^;)。

03/01/23:Quiet Leaves (新宿ピットイン)
Quiet Leavesのライブを見るのは 久しぶりです。 更に今回は新宿ピットイン。新宿ピットイン(新ぴ)でやるのは 初めてとのことです。ピットインというと新宿と六本木ですが, 私が思うにこの二つはカラーが違っています。フュージョンが 多い六本木に対し,新宿はアクゥースティックというか…, むしろ前衛とかフリーな演奏が多い気がします。
で,一言で今日のライブを言うと新ぴらしいQLでしょうか?(^^;)。 やっぱりハコの影響ってあるんですね。「自在」という 言葉が似合う演奏でした。
Quiet Leavesは活動も長く非常に息が合っているメンバーですので 毎回非常に自由度が高い演奏をするので,日によって 演奏の雰囲気も変わります。今日はいつもと違い非常に繊細な 演奏という感じがしました。ハコのサウンドがいいのか 各楽器のバランスが良く,そしてそのせいかプレーヤも しっかりサウンドを確かめながら演奏しているという感じ。 ぐいぐいドライブする演奏は少なく,内省的な演奏がなかなか マニアックで良かったです:-)。でも,その反面ドライブする曲での 爆発力もひときわで,演奏としての幅を楽しめました。
特にタッピ氏のドラミングなんかすごいですね。いつもは手数とか パルスの細かさとかの方で感心することが多いんですが, 今日はタムとか叩き方を細かく変えていき,サウンドをコントロールする っていう演奏が多かったです。タムをリズム的には単調に 叩いていても,スティックの角度や押さえ方,戻しのタイミングを 一つ一つ変えて,メロディのように演奏します。 実に様々なバリエーションに圧倒されました。
新澤氏のピアノも分厚く,かつ繊細な感じ。非常にサウンドしてました。 まさにピアノを十分に弾き倒すという感じ。
バンドのメンバーの化学反応がハコの影響をうけて, また新しい側面を見せたという感じでした。また新ぴでの 演奏を見たいです。

03/01/14:Nervio (目黒ブルースアレイジャパン)
あけましておめでとうございます…というわけで, 今年最初のライブ観戦はNervioの初ブルースアレイライブとなりました。 このハコは以前VALISのライブから二回目になります。 ピアノやフロントの音がとても良く聴えますね。最前列でしたので バランスというか音量的にはずれがありましたが,各楽器が 埋もれることなく良く響いてました。
さて,演奏の方ですが,初ブルースアレイだからって わけでもないでしょうが,かなりテンションの高い演奏でした。 もちろん今月2ndアルバムのレコーディングがあるらしく, その影響も大きいんでしょうが,古い曲に関してもハイテンション, 前半終了時に新曲ゆえの勢いか?…と思いましたが,後半さらなる 勢いに圧倒されてしまいました(^^;)…。
というわけで,若干状況説明を(^^;)…。一曲目はお馴染の Forest Airからはじまりましたが,それ以外はアルバム未収録曲。 それも前回も演奏された「クオークダンス」 以外は初めて聴く曲です。クオークダンス以外に新澤氏の新曲2曲と 音川氏の1曲で,合計5曲が1stセットでした。
クォークダンスと新澤氏の新曲のうちタイトルがまだ無い方は メカニカルなリフぽくはじまりますが,実際演奏がはじまると ぐいぐいと行きます。ソロとかも強烈にドライブする感じです。 もう一つの新曲「マグネット」はシンセをつかってぐいぐい 行く感じ。音川氏の曲は初めて聴きましたがスローテンポの曲。 バラードというよりファンタジーというかオデッセイっていうか そんな感じの曲です,壮大というか。
前半は新曲主体で,しかも初演奏という感じだったので, 曲自体がまだ暗中模索な部分があって,みていておもしろかったです。 1stレコーディング前のNervioもそういうところがあって,曲の キャラを模索してる部分もあり,またその反動か,勢いがあるところは やたら勢いがあるような演奏でした。
さて後半は今度は趣向がかわって,なんとノンストップ。Pa・ra・bo・la, まりも,Treasure Hunt,偶然の風の中,Chimerical Chimeを 続けてやりました。いやぁー,これはすごかったです。長かったし(笑)。 それにしてもみなさんすごい集中力と体力。 そして,いつも以上に弾けた演奏で,新曲が勢いがあるって 書きましたが,こちらはもっと別の意味での勢いがありました。 なんというか骨格はしっかりしていて,更にそれを解体するような。
というわけで,後半は演奏だけで90分以上あったようです。 アンコール(Boil Coil)を入れて11曲のライブ,すばらしい 勢いで圧倒されました。この勢いでレコーディングでしょうか?。 こちらも6月位発売のようで楽しみです。




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