文体がころころ変わってすみません。ちょっと試行錯誤 してるので…
- 01/09/29: Nils Petter Molvaer( TLG)
- 私事ですが,ここ数年音楽という面にとどまらずRAVEという ムーブメントにいろいろ触れてきて,そういう中で使われている (という表現が私には合います)音楽から,ジャズへどういう風に フィードバックされるか?って言うのが,ここ2,3年私が もっとも関心があることです。ジャズファンやフュージョンファンが 減ったとか言われてますが,実際には,ジャズライブハウスではなく, RAVEやクラブに行くと,聴いたこともない人たちが,インストの インプロを演奏していて,それに熱狂して(聴いてるわけじゃ ないのかも知れませんが^^;)いる人たちも大勢います。
こういう状況を観察していると,ジャズやフュージョンが廃れた というわけではなく,単に他にシーンが移って自分が置いていかれてる だけなのでは?,と思ったりします。「そういうのを廃れたって いうんだよ」って言われるかも知れませんが,私は別にインプロの インストであれば,「フュージョン」という名前には何の 思い入れもないので(ジャズはちょっとありますが^^;), むしろ,その新しいシーンで何が起っているか?を知りたくなります。
そういう,旧来のジャズファンからは分かりにくいクラブシーンですが, このNils Petter Molvaerは,ECMという(今や)ジャズのメジャーレーベルから 出てるミュージシャンで,この人自身も元はジャズミュージシャンで あるため,ある意味情報のきっかけとしてはつかみやすいものでしょう。
さて,今日のライブはTLGというわりと高級な場所というのもあるのでしょう, それとも,注目している人がやはりジャズ系ってことなのかもしれませんが, 来てる客は結構ジャズファン的な人が多かった気がします。 しかしMolvaerの意向で,オールスタンディングにして, 観客は立ってみるしかありません。つまり,Molvaer自身も, 座ってじっくり聴くより,立って踊ってっていうのを観客に 期待しているようです。
編成はデータから読むと,です。DJというのは打ち込み系をやってる人で,turntablesは 本当にアナログのLPを回してました。そしてギターもベースも 単に楽器の演奏だけではなく,目の前にエフェクタを置いて, つまみを回して演奏してるというシーンもかなりありました。
- Nils Petter Molvaer (tp)
- Eivin Aarset (g)
- Darkhorse (DJ)
- Rune Arneseen (dr)
- Audun Erlien (b)
- DJ Strangefruit (turntables)
ドラマーとベースがいますが,演奏自体はほとんど打ち込みがベースに あって,そのうえで演奏しているという感じです。実際に 聴いていてどの音がドラムでどの音が打ち込みなのか?,ベースも 同様で,どこまでが手引きなのか?,良くわかりませんでした(^^;)。 その辺もあって,最初こちらも戸惑っていたのですが, 曲が進むにつれて,だんだんグルーブが上がってきて, あまり気にならなくなりました。というか,やはり最初の数曲は なんとなくぎこちなさやバランスの悪さがあったように思います。
ギターやペットはフレーズと言うよりは,音の断片をペースト するような演奏です。ペットはマイクが二つあり,一つは サンプラーとかに入っているようで,実際に吹いてからしばらくして 音が出たりとか,吹いてるのかどうかわからないような状態が たくさんありましたし,ギターもノイジーな音を載せていくという 感じが多かったです。e-bowをステージで使ってるのって, 初めてみましたし(笑)。
スピーカの前にいたせいもありますが,かなり音がでかかったです(^^;)。 CD(Solid Ether)に比べると,かなり破壊的でした(笑)。とはいえ, やはりクラブらしい,からだがもっていかれるような部分が 特に後半多かったです。ジャムバンドと違い,リズムがストレートという 感じも良くわかりました。
まぁ,正直演奏者のプレイをどうこういうより,出てきている音を どう感じるか?…っていう部分が大きい気がします。そういう 意味では,なかなか良かったんですが,もうちょっと若い お客がいるところで,もっと会場の一体感が感じられる状態で, 聴いてみると,もっとすごかったのかも知れません。
- 01/09/14: 布川俊樹VALIS( ブルース・アレイ・ジャパン)
- Valisのレコーディングライブです。昨日と今日と二日間かけて, ライブを行い,録音をしたようです。さらに今日は光ネットでの 映像配信の実験をやっていたようです。ショールームで 見られたらしいんですが,インターネットでは見られなかったのかしら?。
さて,私は今日のみの観演となりましたが,昨日行った人からは, よかった…,との話を聴いていたので,期待も膨らみます。 とはいえ,もしかして,主要な録音は済んでしまったのかしら?, というのもありました。ところが,実際にライブが始まってみると, メンバーは今日の方が本番のつもり。でも,なぜか今日の方が リラックスしていたそうです(^^;)。Valisがブルースアレイで ライブをするのは初めてらしく(私もここに来ること自体初めてですが), 昨日感じた問題点などを,今日はさらに改善して,取り組むという 事でしょうか?:-)。
さて,ライブですが,中継やってるので,もしかしたらぶっ通しか?, とも思ったんですが,いつも通り二部構成。ただし,録音を しているため,曲間である程度インターバルをとる必要が あるとのことで,意外にMCが多いライブでした。
で,その各前半,後半と5,6曲やったような気がします。 つまりいつもより演奏曲数が多いライブです。演奏時間も 各メンバーのソロをいつもよりはコンパクトにまとめ,ちょっと 録音を意識したような構成でした。
そういうわけで,六ぴとかで見られるいつものライブとは, ちょっと感じが違うライブでとても新鮮でした。 もちろん,録音を意識しているからといって,こじんまり としているという意味ではなく,非常に瞬発力のある キレたソロも連発しました:-)。それでいて,キメのところ 等は,非常に緊張感の高さがこちらまで伝わってきました。
いつものゆったりと練り上げていく演奏もいいですし,今日の 様に引き締まった演奏もいいです:-)。
そういうわけで,いつもより多い演奏曲,緊張感の高さ, 演奏の内容,すべてにおいて,とてもお得な:-)ライブでした。 もちろん,今日の演奏はCDに入るので,後から何度も聞き直せる わけで,そっちの方も楽しみです。しかし,たぶん時間からして 半分くらいしか入らないんでしょうから,そういう意味でも その場所で体験できた事に幸運を感じます。
さぁー,後はCD発売を楽しみに待つだけです:-)。
- 01/09/03:Roppongi PitInn Special Session Request again(六本木ピットイン)
- さてだいぶお馴染になってきた六本木ピットインセッションです。 お客さんのリクエストによって,メンバーを組むというもの。 なかなか珍しい顔合わせになることもあります。
それと…,わたし的には今回は8月25日に改装開店して以来の, 六ぴということで,どういう風に変わったか?…も興味ありました。
さて, 本日のメンバはです。セッションリーダは新澤氏です。ボーカルのKAZKOさんは, ステージ上では「カズコ」と呼ばれてましたが,名字は つけないのが正式なんでしょうか?(^^;)。
- 新澤健一郎 (kb)
- 大橋イサム (g)
- 須藤満 (b)
- 小森啓資 (ds)
- KAZKO HAMANO (vo)
さて,まず会場の方から…。見た目でいうと内装の色が 変わってほとんどの壁がグレーに塗られてます。塗られたて からか,ムラがなく綺麗です。ステージ上の壁は板張りに なっていて,以前とはかなり違った感じです。天井は 以前あった風車…,じゃない扇風機とか吸音用のクッションが とられてました。若干天井が下がっているので,間に 吸音材でもいれて天井を張り直したと思われます。ちなみに 天井材もステージ上は板(模様?)でした。
そういうわけで,防音工事も済んで出てくるサウンドは, 以前より大音量:-)。迫力ある音でした。でもちょっと低音が ブーミーな気もします。ただブーミーなわりには,出ている 音の分離は良く,各楽器は良く聴こえました。
前半はボーカル抜きで各メンバーの曲を一曲ずつやり, その後,サラズタッチを。 後半はKAZKO女史を加え,ポップスからと,彼女のオリジナルをと…, いう感じ。最後の大橋氏の曲はインストのはずでしたが, KAZKO女史のスキャットも加わりました。
各メンバーの演奏は,それぞれ安定してました。 特に大橋氏は,非常に表現の広いギターで聞き所が 多かったように思います。この人はほとんどロック的な フレージングしかしない,つまりジャズ的なフレージングは 出てこないのですが,タッチやダイナミックスのコントロールの幅, また,そのフレーズの出てくる順序やタイミングが秀逸で, ギター一本でバンドのサウンドをぐいぐい引っ張る事が 非常にうまいように思います。結構ベタベタなフレーズを 弾くこともあるんですが(^^;),それはそれで非常にいいところ だったりします。
須藤氏も相変わらずスラップからピチカート,親指弾きと 多彩な演奏を非常にハイクオリティでやりますし,小森氏は 聴くのは二回目ですが,ヘビーでドライブするドラミングを します。新澤氏はよりピアノの音はクリアに,ムーグの ソロは激しく…という感じでした:-)。
ボーカルのKAZKO女史は初めて聴きましたが,R&Bというか ファンクとういか,非常に力強くファンキーなボーカルでした。
六ぴセッションもだいぶ行ってるので,今回のメンバーも ほとんど聴いたことがあったのですが,今回はやはり ボーカルが入ったという事で,演奏の雰囲気も,そして 選曲もいつもと大きく違って,とても興味深いものと なりました。最近六ぴセッションのおかげで普段あまり 聴くことのない,フュージョンセッションのボーカルと いうのを聴く機会があるのですが,なかなか楽しいし, いいものです。歌声の良さというものを再認識しました。 そして,うたが入ることによって,楽器の方もポップに なるようですし:-)。でも,この日のライブは結構 弾けてましたが(笑)。楽しいライブでした。
- 01/08/29: WYSIWYG( 調布Ginz)
- WYSIWYGは,もう何度ライブを見たかわかりません。 でもずいぶん変わったなぁー…と感じることが最近は多いです。
さて…,Ginzでやるのは三回目とか言ってました。 いきなりベースの岡田治郎氏の曲でスタート(だったと思います^^;)。 以前はWYSIWYGで唯一曲を書かない岡田氏でしたが,最近提供 しているようで,はれて「メンバー全員が曲を持ち寄るバンド」 になりました。最近別のところで聴いた岡田氏の曲とは違い, 非常にポップな曲でした:-)。
それから,今回はギターの矢堀孝一氏がレコーディングを 終了した直後ということで,そのレコーディング用に書いた曲とか, やった曲とかを幾つか演奏。レコーディングはギタートリオですので, おそらく,そっちとはまた違った感じになったのではないでしょうか?。 以前やっていたエレベーションって曲も(なぜかタイトル#3とついている 様ですが)また違った感じに進化してました。この辺の曲とか, あと,新澤健一郎氏の「合わせ鏡」とかを聴くと,わたし的には, 「ジャムバンドの様だ」と感じます。ファンクとはまた違った, なんというか,乾いたグルーブというか,かっこいいです:-)。
ドラムの嶋村一徳氏の新曲もあり,これは嶋村氏独特のカラーのある なんというか,メロディアスなテーマ。新澤氏の新曲も, かなり実験的で,おもしろい曲です。
四人の曲は各々作曲者独自のカラーがあるんですが, バンドとしての統一感もなぜかあり,その辺が,このバンドの おもしろいところでもあると感じます。
それから…,今回は矢堀氏にしても新澤氏にしても, 非常にソロがポップというか,メロディアスというか, なんか聴いていて楽しくなるような感じの演奏が多かったようです。 もちろん曲とかでそういうの(アンコールとか)もあったんですが, 全体的にそういう感じがしました。つまり良く歌ってると言うか…。
そういう風にいろいろ変化してきて,かつ,結構今の状態は かっこいいという感じです。CDが古いのしかなくて,人に 伝えられないのが残念です(^^;)。とういうことで,早期に レコーディングが実現することを願って…。
- 01/08/28: POTALAKA special( 音や金時)
- とある筋では,「ガムラン」というとその音質が話題になる楽器です:-)。 以前CDでその音を聴いたりしてたんですが,実際にプロが 目の前で演奏しているのを一度は聴かないといけないでしょう…, という理由で聴きに行きました。たまたま近所でやっていたので(^^;)。
というわけで,音楽的と言うよりは,ちょっと音響的興味で 行ったライブなので,レポート書くのもなんですが, まぁメモ程度に…。
ちなみに,このライブハウスURLを見て頂くとわかりますが, エスニック系のライブが多いです。料理もネパール料理だそうで, 結構美味しかったです:-)。テーブルが6,7個ぐらいしかない 小さいハコでしたが,満員でした。しかし,お客はほとんど女性 だったんですが,女性ってバリ舞踊とか好きなんでしょうか?。
で,ライブは楽器が3人,舞踊が1人の4人のステージでした。 3人のうちの一人は実際にバリから今回来た デワ・アリット氏というガムランの名手らしいです。 ステージ上にはゴングのようにぶら下がっているもの, なべの蓋のようなものが並んだもの,そして鉄琴のようなものの それから,太鼓の四種類の打楽器,それから弦楽器が置いてあり, 3人は入れ替わり各々の楽器を演奏します。 金属で出来たものはもちろん倍音が豊かなきらびやかな 音を出しますが,意外にマイルドな音でした。音階的に 少ない音を使うので非常にエスニックでミニマムな感じの音を 細かく叩きます。
で,今回は舞踊というので踊りかと思っていたら,劇でした(^^;)。 しかも踊ってるのは日本人なので,日本語でお話(一人芝居)を するというもの。従って音楽もちょっと劇伴的でした。 まぁ踊ってるときは,せりふなどは入りませんが。
あまり良くわかってないのですが(^^;),バリとかもこういう 劇伴の演奏が多いのでしょうか?。であれば,こういう見方も 正しいって事なのでしょうね。話はシンプルでしたが, 二日に渡るようで,話の結末はとりあえずは見れませんでしたが, それより舞踏の踊りと言うより,お面の方に結構感動しました。 顔の半分くらいしか覆わないんですが,顔に非常にマッチして, シンプルながら表情があるというお面でした。すばらしい。
というわけで,音を聴きにいったのですが,結構楽しめました。 劇なので,見ている…って感じでしたが,踊り出すような演奏というのも あるのか興味があるところです。また機会があったら, ガムランのライブ,いってみることします。
- 01/08/19: 赤松敏弘 Group The Next Door meets Friends (NHK session 505公開収録)
- ちょっと,フラりと行ってきました:-)。 NHK session 505の収録を見るのは二回目。 前回はQuiet Leavesのでした。一曲目をCジャムブルースでやるのは, お約束だったんですね。今回気づきました(^^;)。 ちなみに Next Doorのライブを見るのは三回目だと思います。これまでの, 二回はいずれも横浜ジャズプロムナードです。つまり六ぴとかでの たっぷり2時間とかいうライブは見たことが無いので,いつもとの 違いがどうなのか?…っていうのは良くわからないのですが, とはいえ,このNext Doorってユニットはわりとゲストを良く入れる, というか,基軸となるバイブ,ギター,ピアノ&キーボードという 三人以外は結構流動的なのかも知れません。
で,今回のメンバーは,そして,ゲストで,大嶋吾郎(vo,g),MIHOYO(vo)という風になります。
- 赤松敏弘(vib)
- 養父貴(g)
- 新澤健一郎(kb,prg)
- 安田英司(b)
- 佐藤武美(ds)
最初はゲスト抜きの5人で演奏を始めましたが2,3曲やった後, 赤松氏,養父氏,新澤氏の三人で,その後, 赤松氏のソロ,続けて大嶋氏とデュエット,先の三人と,MIHOYOさん という編成,最後に全員出てきて…っという風に,一時間という 限られた時間無いながら,結構メンバーを入れ替えて 演奏をしました。
さて,この番組はFMラジオの収録ですが,後でほとんど編集を しないので,生みたいな感じです。ですがやはり収録という のが頭にあるのか,はたまた電波に乗るっていうのがあるのか, 出だしはちょっとかためな感じ,まぁソロとかもわりとコンパクトに 進んでいく感じがしました。 まぁ会場とかは前回と同じですんで,改めて書くのも何ですが, いわゆるスタジオで,しかも収録用にセッティングしているので, 会場にも音はながしますが,ちょっと小さめ。特に今回は フロントの三人の音が少し弱い気がしましたが,それは仕方ありません。 ラジオの方を聴いてもう一回確認したいと思います。
とはいえ,演奏自体はおもしろかったです。Next Doorの基軸に なる三人はいずれもメロディアスなソロを取ります。 曲自体も結構メロディ指向な感じもします。良く歌う曲でした。 新澤氏の打ち込みをいれた曲も二曲ほどあり,とても ユニークでおもしろかったです。それからボーカルの大嶋氏の ギターがこれまた,ボーカリスト的なギターで非常に良かったです。 非常にグルーブしているというか。
というわけで,一時間の中でカラフルな演奏。もうちょっと 同じ編成でじっくり聴きたいなぁ…って思ったりしましたが, そういうのは,またライブでも見に行って,確かめたいと思います。 ちなみに今日のライブの放送は9月29日(土曜日)午後9時から10時に NHK-FMであるそうです。
- 01/08/14: 花の祭り (代々木公園野外ステージ)
- とある情報筋から急にこのコンサートのことを知り,行くことにしました。 たしか去年もやっていた気がしますが,去年は行きませんでした。 といっても,今日は仕事しに会社に来ていて,とても 全部見れるような状態でも無かったので,やめようかとも思ったんですが, 「喜納昌吉&チャンプルーズ」を一度,生で見たいというのもあり, またこの祭り自体を見たいというのもあり,出かけることにしました。
会場についたのは既に7時過ぎで,原宿から代々木公園に 向かって歩いていると,「ドンドン」という低いタイコ?の 音とワウのかかったギターの音が聴こえてきます。 たくさん出ているテントを抜けて会場につくと,赤いシャツを着て チジレタ長髪の男性が,エレキを書きながらしながら, 叫んでました。良く聴くと,それはそうらん節でした。 そうらん節ですが,まるでステージはジミヘンの様。 一昨日のライブではないですが,ここでも「うぁ70年の 頃のようだ」(実際に当時見たわけではありませんが^^) と感じました。まぁこの手のボランティアとか,平和活動とかの 関連のライブはそう感じることは多いんですけど(だから 行ってるって話もありますが)。で,この時やっていたのは, 朴保さんでした。韓国の人。聴いて思ったのは, 「ロックは叫びなんだなぁ」って事。結構ぐっと来ました。
さて,その後,ステージのとりを努める喜納昌吉&チャンプルーズの ステージ。喜納昌吉は昔からTVとかでも見てましたが,生で 見るのは始めて。以前沖縄に行ったとき,彼の店に行ったのですが, 丁度不在でステージを見れなかったので,なおさら楽しみです。 しばし,平和への思いをトークした後,ステージの準備が 終わり始まりました。ちなみにステージの横では音楽に合わせて, ペインティングのパフォーマンスが行われてました。
喜納氏の音楽は彼独特の沖縄的旋律,リズム,そして彼の立場からの メッセージから成り立っていて,それを電気楽器を使い, 沖縄のおハヤシを使って演奏します。沖縄のハイテンポの裏打ちのリズムは 観客を扇るようで,皆手をあげて踊ります。テンポは どんどん速くなり最後はほとんどハチャメチャな感じになる…という 感じ。グルーブとかというよりは,爆発というか狂乱の様な 感じです。しかしその狂乱に身を投じる事による得られる 気持ち良さのようなものが,じわじわと感じられ,この会場に いる観客はそれを楽しみに来ているようでした。
先日の寿町のコンサートではいくつかのバンドが沖縄の 旋律を使っていて,疑問に感じたこともあるんですが, 喜納氏の場合は非常に必然性があります。というか,喜納氏は 何だかんだいって沖縄の人としてここに来ているのだと思います。 ですから,彼が沖縄の音楽を演奏することは非常にアイデンティティを 明確にすることです。
ちょっと,彼の音楽というかステージから感じたものを書くと…, 彼のメッセージは基本的には「怒り」の様です。「どうして, 沖縄には基地があるの?」という「怒り」。ただ喜納氏は 怒りを戦う力に転化していません。奪われたものを奪返す ために歌ってるわけではないようです。怒っているから 踊ろう,怒っているから感謝しよう,というものでしょう。 踊って感謝したら,そこに一つの幸せのリアリティが浮かびます。
で,最後に今日ステージに上がった他の人(BEGINとかも)が ステージに上がって,「すべての人の心に花を」を歌います。 平和とかの政治的?メッセージ色が強いイベントなので, 昨日の靖国問題の話も出ましたが,それでも朴保さんは, 「我々は兄弟」と言ってました。でも良く考えると, このステージに上がっているのは沖縄の人である,喜納氏やBEGIN だったりして,実は日本(本土)のミュージシャンは ほとんどいない。一体だれがだれに向けたメッセージなのか, そしてそのメッセージを会場にいた人たちは受け取れたのか?, ちょっとそういう事を考えたイベントでもありました。
でも「踊れた」ので良かったです。
- 01/08/12: 寿町フリーコンサート (横浜市寿町職安広場)
- 寿町という横浜のどや街で行われる無償の野外ライブです。 詳しくは上記のリンクを見てもらえば,わかると思います。 そして音楽とは関係ないコンサートの雰囲気については, 日記の 方にも書いてあるので,興味があれば読んでください。
さて,ライブは3時くらいだったのですが,私が 行ったのは3時半頃,そして6時前に帰ったので, 全部で6つの出演バンドのうち半分しか見てません。見たのは,という三つ,この後
- 寿
- 友部正人
- ソウル・フラワー・モノノケ・サミット
の三つがあったようです。
- 渚ようこ
- ハシケン
- 南正人&マイペンライバンド
寿というのは男二人女一人のユニットで,男は三線とジンベ, 女性はボーカルです。三線からわかるように,沖縄的な 旋律の歌を歌います。友部正人はフォークギターにハーモニカを 弾き歌うという非常に伝統的なフォークのスタイル, ソウル・フラワー・モノノケ・サミットというのは, 三線や太鼓の様な民族楽器にベースなど電気楽器が まざったという形態でした。
ライブに行って思ったのは,まるでここが70年代の フォークの頃の会場の様だ…ということです。若い人達が ステージ上の音楽に合わせて歌ったり踊ったりしています。 出演者はギャラも交通費も出てないそうですが, 演奏自体も庶民的で客席に近い感じです。 出演者に固定のファンがいるのかどうかわかりませんが, 会場は人があふれるほどで,そしてみんな踊ってました。
正直いうと,こういう音楽がこれほど若い人に支持されている というのは普段生活しているとなかなか実感できず,一体 どこで聴かれているのか?…とおもうとわからなくなってしまいます。 沖縄的色が強い音楽が多かったんですが,メッセージ性も 強く,TVでかかっているような音楽ではありません。 ただ,確かにこういう音楽層・ファン層があることは, いろいろ知り合いのつてで知っていたのですが,これほど 多くの人が来るほどとは思ってませんでした。
ただし,ちょっと気になったのは,なぜこういう層には 沖縄の音楽が受けるのだろう?…というのが疑問です。 確かに最初の寿は自分の音楽として沖縄をやってる気がしました。 二番目の友部氏はフォークなので,違いますが,三番目の は和服をきて三線をもって沖縄的な旋律を歌ってましたが, しゃべりは関西弁でした。それ以外にもお富さんとかを やっていて,いわゆるテイストとして沖縄なのだろうか?,と 考えてしまいました。
まぁ,いずれにせよ音楽のこと自体より,ちょっと文化とか その地域の事とかを,知りたくて行ったイベントだったので, 音楽についてはこれくらいにしておきたいと思います。
- 01/08/05: Newport Jazz Festival in 斑尾 2001 (斑尾高原内特設会場)
- 斑尾ジャズフェスティバルは結構歴史があるジャズフェスで 今年が20回目だそうです。途中数年,ない時期もありましたし, たしか最初は「Newport…」はついていなかった気がします。 しかし,私は今回初めてこのジャズフェスを見に来ました。 昔から結構独特の人を呼んでくるというイメージがあって, 行きたかったのですが,なかなか機会がなくて,今回に なったという感じです。とはいっても今回行くことが 出来たのは三日間のジャズフェスのうちの最終日の 今日だけ。そういう意味では十分に味わったとは 言えないのですが…。
さて,今日の分だけですが,内容を簡単に…。セットとしては 5つ。順番に書くと,です。
- Karl Denson, Brian Jordan, John Pattituci, Brian Blade
- Kurt Elling Quartet
- Karl Denson's Tiny Universe
- Wayne Shorter Quartet
- Arturo Sandoval Sextet, 熱帯ジャズ楽団 together onstage & Special Session
最初のKarl Densonのがアクゥースティックなセットです。 Karl Densonは始めて聴きましたがなかなかブリっとした感じの サックスを吹く人です。
Kurt Ellingという人も全然知らなかったのですが,ボーカルの人で やはりスタンダードというかアクゥースティックな感じで歌ってました。 すごくピッチがしっかりしたうまい人で,ジャズボーカルも これだけうまいと思わず聞き入ってしまう…って感じなのだな…と 思ってしまいました。普段あまり聴かないので(^^;)。ピアノ人とか ヨーロッパ的なリリカルな演奏をする人だったり,ベースも すごくアグレッシブで演奏的によかったです。
次のKarl Denson's Tiny Universeというのはファンクを演奏する ビッグバンドの様なもの。Karl Densonも歌ってました。 会場もスタンディングで踊ってました。
で,今回の目玉Wayne Shorter Quartet。Wayneはなんか動きが 緩慢で体調が悪いのか?…と心配しましたが,演奏を始めると やはりすごい。よくわけがわからない変なフレーズを吹きます(笑)。 バックも物凄くアグレッシブでよかったです。MCも全くなく 曲もとぎれることなくの演奏,なんか昔のマイルスバンドみたいです:-)。
最後のはスペシャルセッションということで,お客さんもたちがあって 踊るのを待ってました。Arturo Sandoval Sextetと熱帯ジャズ楽団が 交互に演奏したのですが,Arturo Sandoval Sextetはラテンなのに, なぜか観客が踊れないというなんか変な感じでした(^^;)。
まぁ でも最後は盛り上がって終わったという事で無事,斑尾は 終了。最近ジャズフェスもめっきり減って,野外でジャズを 楽しむのが難しくなったのですが,とりあえず,お客さんも 来ていたので少し安心しました。儲かったのかはわかりませんが。
貴重なジャズフェスなので,ずっと続けて欲しいものです。
- 01/08/04: シャクティ( すみだトリフォニーホール)
- いやはや…,なんというか,久しぶりに圧倒されまくりの ライブでした。確かに何年もレコードで聴いていたバンドを 生ではじめてみる場合,そう感じることが多いんですが, これほどとは…。
さて…,このバンド正確にはリメンバー・シャクティという バンド名です。もともど1975年くらいにギタリストのジョンマクラフリンが 作ったシャクティというバンドがあって,そのときの メンバーであるマクラフリンと,ザキールフセインが さらに二人を加えてリメイクしたバンドです。
シャクティというのは,わかりやすくいうとマクラフリンが インドのミュージシャンを集めて,インド的な音楽をすると いうもの。インド音楽自体がもともとアドリブ主体の 音楽ですので,スケールなどはジャズと異なるものの, いわゆる即興音楽としては,ジャズと親和性がいいのかも しれません。
さて,メンバーはの四人です。たしかオリジナルはバイオリンとかいたように 思いますが,今のメンバーはこういう構成です。ちなみに ギターはエレキでした。以前はアクゥースティックだったような。 それから,タブラは割りとよく知られてますが,インドの パーカッション,ガンジーラもタンバリンの様なパーカッションです。 ガータムは壷の様なパーカッションです。
- ジョン・マクラフリン (ギター)
- ザキール・フセイン (タブラ)
- ウッパラブ・シュリニブァス (マンドリン)
- ブァナヤカラム・セルブァガネッシュ (ガンジーラ・ガータム)
インド音楽はモーダルというか,すごくトナリティが しっかりしていて,ほとんどワンコードというか, ワンスケールというか,一つの音があって,それを中心として すすみます。したがって,タブラもガータムも,その音に しっかりチューニングされます。つまりパーカッションが しっかり音程が合わせていて,パーカッションだけでも しっかりと調整がでます。
タブラという楽器は私は以前から大好きで,パーカッションの 中ではシンプルな構成でもっとも表現力のあるものだと 思ってます。指先で叩くので片手でローリングというか32分音符とうか すごく細かいリズムが刻めて,しかも手首とかで低い音なども 出せます。だいたい二つか三つくらいの太鼓がセットなのですが, ベースなみに低い音から,金属的な高い音まで(というか 両極端)を鳴らし,曲の骨格をつくります。それは, だいたいそういう構成なんですが,このフセインが叩くタブラは これまで聴いたタブラのどれよりも,ダイナミックで,音が 細かく表現力も豊かでとにかく圧倒されました。
このバンドの演奏の形態というか,曲としては,高速の ユニゾンのテーマがあって,それからはアドリブ合戦に なるのですが,だいたい一人一人の見せ場があります。 がーっと盛り上がり,見せ場が終わると静かになって, 次の人へ…という感じ。そのたびに会場からは大歓声が 上がるような盛り上がりでした。私も思わずゾクっとするような テンション,ほとんど一人でぐいぐい持ってくるという感じでした。
ガンジーラの方もタンバリンの様な簡単な楽器ですが, いろんな音程がでて,細かいリズムを刻んでました。
このパーカッションの二人が物凄くてある意味ギターと マンドリンはそれに色彩を加えると言うような感じでしたが(^^;), もちろんインド特有のスケールで,物凄いスピードで速弾き してました。
しかし改めて思いましたが,インドの音楽はルートというか, トナリティを表す音が高い音にあって,ほとんど高域の 音を使って曲を組み立てます。しかもほとんどがムチャクチャ 細かいリズムであり,考えてみると西洋の音楽とかなり 音域というか骨組みが異なる気がします。しかしスケールは すごくキャラクタがしっかりしてるので,音楽としては わかりやすいです。グルーブとかの音楽ではないので, 踊るような音楽ではないのですが(このバンドがそういう 音楽なだけなきもしますが),すごく幻惑的。不思議な魅力が あります。
10年くらい前に,軽くはまった事があり,今回の来日は とても楽しみだったのですが,想像以上の すばらしい演奏でした。いやぁー,これは一度絶対に 見ることをお勧めします。
- 01/08/03: PRISM(六本木ピットイン)
- 先日CDを発売したばかりのPRISMのライブでした。申し訳 ありませんが,CDをあらかじめ聴いていませんでした(_o_)。 というわけで,今日はほとんど新譜からの選曲でしたが, 原曲がどういう感じなのかは今一つよくわかってませんでした。 すみません。 で,MCによりますと,前半はほとんど新譜の曲順で,後半あたりから それ以外の曲もやっていたようです。
さて,演奏が始まっていきなりの音量にびっくりしてしまいました(^^;)。 明後日から工事の始まるピットインですが,既に以前以上の 大音量。サウンドのバランスもすばらしく,すべての 楽器がしっかり前に出ます。ミキサーの腕というのも多少あるのでしょうが, そもそもこのバンドの人達は,みんな非常に存在感のある 音を出す人ばかりだと思います。
今回も前回同様,レギュラーの三人にキーボードの新澤氏が ゲストではいる形でした。結構新澤氏もフィーチャーされていて, 生ピアノのソロなども沢山ありました。
曲はやはりフュージョン的というかキメが多くて,なかなか トリッキーです。なんか聴いていてよくわからなくなる 場面もあったのですが(^^;),相変わらず和田アキラ氏の ギターの存在感はすごいし,岡田氏のベースの安定感もすごい。 まだ粗削りな部分も結構ありましたが,演奏の気合いは十分でした。 明日もまたライブがあり,ツアーもこれから続くようです。 次回はどうなっているか楽しみです。
- 01/07/31: 須藤 満 Presents『ざ・せっしょん!』( 高円寺JIROKICHI)
- 最近ちょっとライブに行っていて,そろそろ行きたいなぁー,と 思っていたところ,このセッションをやってるのを知って, フラりと行ってきました。他にも行きたいのがあったと言えば あったんですが(^^;)。
まぁこのメンバーというか,例えば大高女史等は久しぶりなので, 聴いてみたい…っていうのもあったりしましたが,行く気になった 一番の理由はJIROKICHIというハコがはじめてなので,どういうところか?, という興味があったのです。最近せっかくこの近辺に越してきたので, どうせなら近くのライブハウスには積極的に行きたいので…。
まぁ,それは単なるきっかけで,もちろんメンバーにも期待は あります(笑)。あっ,違うか,無意味にフラりとライブに行くのが いいんですよね?(謎)。
さて,須藤氏主催のセッションですが,メンバーは,の五名です。ドラムの小森氏以外は一応ライブで 演奏を見聞きしたことはあります。といっても最近の六ぴセッション でですが…。
- 須藤満(b)
- 小森啓資(ds)
- 矢堀孝一(g)
- 松本圭司(p)
- 大高清美(org)
ちょっとハコの話を…。JIROKICHIはあまり広くないので, 開演10分前にフラりと行った時点ですでに席は無く立ち見でした。 椅子は30くらいでしょうか?。ステージもこじんまりしてますが, 意外にSRはしっかりしているのか,ドラムやベースがしっかり 出ていて,新鮮でした(笑)。ちょっとブーミーな気もしましたが。
さて,今回はセッションらしく,曲は各人が持ち寄ったもののようです。 特に矢堀氏と大高女史が持ち込んだ曲は,ジョンスコ,マイクスターン, トライバルテック,ニールラーセンの曲で,なかなか普段は聴けない 選曲。いやぁー,オリジナルとはまた違った感じで,すごくかっこ良い 演奏。須藤氏も自分の曲の他にマイクマイニエリの曲をやったり していて,まさにセッションという感じです。
結構初顔合わせの人たちもいたようですが,終始リラックスした感じの 演奏です。須藤氏はすごく芯のあるしっかりした重低音を 聴かせますが,基本的にポップ。小森氏のドラムは 初めて聴きましたが,ヘビーでそれでいて,ポイントでの アクセントの付け方が秀逸です:-)。松本氏は生ピアノのみの 演奏でしたが,非常にリズミカルで,なおかつ,どこか変わった フレージング,おもしろかったです。矢堀氏のギターは こういう大音量だと,すごくエッジがはっきり出て, うまくサウンドしますね。六ぴとは結構印象が違いました。 セッティングもシンプルで,ソロもちょっとロック的でしたが, しっかり矢堀サウンドしてました:-)。大高女史は 以前に増して,メロディアスかつ芯の太いソロに磨きが かかってました。以前より音が前に出るなぁー…と久しぶりに 聴いて思いました。すごく歌心のあるオルガナーですね。
と…,こういう感じで,二セット立ち見でしたが,楽しく 体を揺らして聴けました。ほとんどいつものメンバーって 感じだったんですが,ハコのサウンドの違いか,それとも 本日のメンバーの状態のせいなのか,いつもと違い 迫力のある演奏で,おもしろかったです。またここでやってください。
- 01/07/11: ラルフ・タウナー( TLG)
- ラルフ・タウナーのソロのライブ。ソロという点も 場所も去年のライブと 同じです。やってる曲は結構違った気もしましたが, 基本的には去年と同じような印象をもちました。 というか,去年ははじめてだったし,席もステージに 近くて,結構感動したんですが,今年は席も後ろの方で, ちょっと冷静に聴いていたというか,むしろ他のことで 気が散っていて,あまり演奏に没頭できなかったかも しれません。すみません。
というわけで,あまり突っ込んだ感想はちょっと書けないのですが, 全体の印象としては去年のライブよりは若干クラシックというか ヨーロピアンテイストな曲が多かった気がします。 まぁこの人の場合,生ギター一本での演奏ですが,バックグランドの 広さからか,クラシック的な曲以外にも,ロック(ポップス)的な曲, ジャズ的な曲など,いろいろあって変化はたのしめます。
演奏は非常に高度なテクニックというか,完全なソロで しかも即興を織り混ぜながら,しっかりとした曲に仕上げていくのは さすがにすごいのですが,曲の歌心やサウンドの美しさから 決して,テクニック主導の演奏にならず,たぶん, 楽器のことをあまり知らない人が聴いても,非常にリラックスして 楽しめるのではないでしょうか?。そういう意味では, もっといろんな人に聴いて欲しいミュージシャンです。
- 01/07/08: Nervio( 調布Ginz)
- 別にずいぶんライブに出かけてないわけでもないのですが, 行こうと思ってたライブに急用で行けないことが, 数回続いていたので,「やっと行けた」という感じで, 出かけました。
というわけで,Nervioのライブ。丁度二ヶ月ほどぶりになります。 今回は調布のGinzでのらいぶといことで,ここは,ステージが 客席より低い。店の真ん中が,1m程湯船のごとく陥没していて, そこがステージです。客席もその周りを囲むようになっていて, メンバーは比較的ステージ内側を向くような感じでセッティング されてますが,なんせ客席の方が近いので,メンバーの 手元までしっかり見えます:-)。
前回の六ぴのライブの時も思ったんですが, このバンドは,メンバーの相互作用とかで演奏が目まぐるしく変化するので (まぁ普通のセッションでもそういう面はあるんですが, このバンドの変化はすごいです,化学反応というか…), ある程度メンバー同士が顔を見合わせるようなセッティングは 非常にいい影響をおよぼすような気がします。 メンバーが音でも会話しているのですが,顔を見合わせて 楽しそうにしている姿を見るのはこちらも楽しいです。
さて,音楽性については,今までなんども書いているので 改めては書きませんが,グレードは物凄くアップしていると いうか,進化してます。 ヤヒロ氏と岩瀬氏が作り出すリズムの粒子はいうまでもなく すばらしいグルーブつくりだし,その一体感や, ダイナミズムの相互作用は,ますますパワーアップしてます。 いや,非常にぜいたくなリズム隊です。それぞれが ムチャクチャ粒が多くてしかも音楽的なのに, なぜか一緒に叩いても反発しないし。
そして,そのグルーブの上で,さらにグルーブを 重ねたり,色を置いていくような,キーボード, サックス,ベースのプレイ。このバンド,ある楽器が ソロを取っていても,他のパートの色付けが,非常に おもしろくて,そちらにも耳が行ってしまいます。 単にソロを扇ってるとか合いの手を入れていると いうのとは違い,あくまでバンド全体が変化するような 化学変化がそこで起きているという感じです。
曲も非常に変わっている曲,そしてきれいな曲等, このバンドならではという曲で,なかなか他では 聴けないような曲が多くおもしろいです。
今回は,ベースの水野氏,サックスの音川氏, キーボードの新澤氏の三人の音も非常に「立っていて」 存在感がある音になってました。ソロ時にもバンド全体の サウンドがおもしろいと書きましたが,もちろん, そういう中での各ソリストの演奏も化学反応で より発展します。
つまり,曲良し,グルーブ良し,各パートも全くスキがなく, バンドが非常にいい状態だと思います。 オリジナリティが非常にあるバンドですから,全国の人が 聴けるように早くCDにして欲しいものです。
グルーブがすごいので,野外ライブやクラブとか で踊りながら聴くのもいいかも知れません。 うー,また聴きたし。