'01年4月〜6月に見たライブなど

今後の予定

文体がころころ変わってすみません。ちょっと試行錯誤 してるので…

01/06/26:Roppongi PitInn Special Session Request(六本木ピットイン)
リクエストセッションながら,そのメンバー構成から, 偽ジャイルとか,偽フラジャイルとか,zavagileとか いわれていたライブです:-)。
残念ながらわたしは用事があったため,後半から 見ることになりました。しかも結構お酒を飲んで からライブに行ったので,ちょっと細かいところを どうのこうのいうのは今回はやめておきます(^^;)。
メンバーは新澤健一郎(p,kb),矢堀考一(g),水野正敏(b), 菅沼孝三(dr)。見てわかる通り,新澤氏を除くとまさに フラジャイルです。フラジャイルは今年はほとんど 活動をしていないため,フラジャイルファンにとっては 待望のライブだったのではないでしょうか?。 選曲もほとんどフラジャイルのものだったようです。
とはいえ,新澤氏も矢堀氏,水野氏とは,自分のバンドで やってますし,菅沼氏ともセッション経験があります。 わたしの記憶が確かなら,以前フラジャイルのライブに ゲスト出演したこともあったはずです。そういう意味 もあってか,なぜかこのメンバー構成に全く違和感なく, 結構リラックスした雰囲気で楽しめるライブでした。
フラジャイルはトリオですが,しかし今回のように キーボードが入ることにより,サウンドのカラフルさ (重厚さは元々あるので^^;)がまし,その上での 隙間というか,自由度が増すようで,各楽器のソロとかも 非常にのびのび弾いているような印象を受けました。 そういう意味ではいつもは演奏の方に耳が行きがちですが, 今回は楽曲の良さとかが改めて際立って感じられた 気がします。
とはいえ,やはり高度なテクニックと芸の多さを誇る(笑) メンバーだけに,各メンバーの演奏もすばらしかったです。
大いに盛り上がった演奏で,わたしとしては後半しか 見られた無かったのが非常に残念です。またこの顔合わせで 是非ライブをやって欲しいものです。

01/06/15: マークターナ(武蔵野スィングホール)
武蔵野市が主催のコンサート。180人限定のホールライブですが, なんといって3500円という安さ。見に来てる人は, 周囲の人が多く,いつもジャズライブを見に行く コアな人以外も多く見受けられましたが,それにしても この人選といい,内容いい,かなりお得です。
さて,メンバーは
  • マーク・ターナー (ts)
  • カート・ローゼンウィンケル (g)
  • リード・アンダーソン (b)
  • ナシート・ウェイツ (dr)
一曲のみ原朋直氏(tp)がゲストで参加しました。
「フィーチャリング,カート・ローゼンウィンケル」と 銘打ってましたが,確かにかなりカートの演奏の 中での役割は重要で,コード,サウンド,ソロ いずれに置いても,曲の中で重要な役割を演じてました。
さて,リーダのマーク,わたしは名前も聞いたことありますし, 彼が参加しているCDも何枚か聴いてますが,実は あまり印象に残ってませんでした(^^;)。若いテナー吹きで, 比較的内省的な演奏をする人のようです。ほとんど ブロウすることもなく,ゆっくりとしたパッセージで, 演奏していきます。空間的なサックスと言えばそうなんですが, まだちょっと粗削りな感じもします。でも,こうやって 聴くと,コルトレーン〜ブレッカーに続くテナーの系譜が 決して最適解というわけではなく,あくまでも一つの流れであり, それ以外のテナーの捉え方が出てくるのはいいことなのだろう, と思ってしまいます。音楽性的にもユニークだし,今後が 期待できます。
さて,今回の目玉のカートです。わたしはこの人も何枚か CDで聴いていて,誉める人の意見も聴いていたのですが, はっきり言うとやはり印象が薄かった気がします。 しかし,今日は違いました。はっきり言って,びっくりというか 感動しました。今回はピアノレスですから,ギターが 一人でコードを作ってましたが,そのコードのボイッシングが 非常にユニークです。不協和音や浮遊感のある音を 基本的に出すのですが,それがまたかなり厚い音。 ビルフリやアバクロとかのコードワークと似ているんですが, ビルフリが二音で作ってるところを四音にしているような 感じです。それがまた絶妙なバランスで,浮遊感を 作ります。ソロの時もコードを織り混ぜながら, 演奏し,決して薄くなることもありません。驚いたのは, ほとんど3フレットから7フレットぐらいのポジションで ソロを弾くことが多く,しかも常に親指で6弦あたりを 押さえてるようなポジションニング,よほど手が大きいのでしょうか?。
ディレイを使ったプレイや,リバーブの使い方は, 先人の影響も強く感じられるんですが,それにしても, そのうえに自分の個性をしっかり載せてきている人だと 思いました。新世代のギタリストでやっと期待できる人が 出てきたと実感しました。
リズムの二人は,そこまでは目立ちませんでしたが, 結構複雑なアレンジやポリリズムの曲を柔軟に演奏してました。 すごくドラムとベースの息が合っていたように思います。 ドラムのナシートはちょっとビルスチワートとかの 系統に近いものを感じましたが,最近の若手ジャズドラマー自体が そういう系統になってきている気もします。 それをいうとブラメとかのバンドの演奏ともカラーが 似てる気もします。最近のNYのジャズのシーン自体が こうなっているんでしょうか?。スムースやジャムバンドとは また違った動きですね。
最初は自治体主催のライブで,軽くスタンダードでも やって帰っていくのか?…,という気分でいたのですが, 全然そういうこともなく,ほとんどオリジナルで, 斬新な演奏をやってくれました。期待していなかったせいもあるのですが, かなりお得で,いいものをみたという感じでした。

01/06/05: WYSIWYG( 調布Ginz)
調布のGinzというライブハウス(?)にははじめていきました。 5月にもWYSIWYGはここでライブをやってますが, 私は当日個人的な用事で行けず,さらにすばらしいライブだったと 後から聞いて,ジタンダを踏んだものです(^^;)。 そういうわけでもないのですが,最近非常にいい感じになってきてる WYSIWYGということで楽しみにライブに出かけました。
私がGinzについたときは二曲目でFairylandをやってました。 その後,エレベ─ション,レインボー,合わせ鏡(だったかな?^^;)と 非常に珍しく(笑)MC無しで進行。この辺の曲は最近演奏を はじめた曲ですが,グルーブとかサウンドとか空間の感じが 立体的で,わたし的にはジャムバンドというか,クラブとかで やってみたりするとすごくおもしろいんじゃないか?,という 曲です。MCがなくてぐいぐい進んでいくところも,まさに そういう感じでした。かなりかっこいいです。
前半はこういう感じで進みましたが,後半は今回は特別企画, ドラムの嶋村氏の曲ばかりを集めて演奏するというもの。 嶋村氏は矢掘氏や新澤氏とは全く違ったカラーの曲を 書くので,WYSIWYGのライブでは,非常にアクセントに なるんですが,今回の後半はそれだけを集めた演奏ですから, アクセントというより,「いつもと違った展開」という 感じです。ポップでメロディアスでありながら,ドラマーらしく リズム的にかなり凝った曲が多いです。ちなみに 後半はMCふんだんでした:-)。
アンコールは再び新澤氏のLong Time Agoでした。
いつもは,三人の曲がちりばめられていて,変化に富んだ ライブですが,今回は明確に前半と後半とで,曲相も違いましたし, ライブの進め方も違ってましたので,違うバンドを 続けて聴いたというような感覚も味わえて,何かお得でした。 前半はかっこいい,後半は楽しいという感じ。 しかし,もちろん,一貫性もあり,散漫になった感じは ありません。
最近のWYSIWYGはライブの度に割と異なった趣向で選曲を やっているようで,それなりに新曲とかがたまってきている ということでしょう。新しい曲も揃ってきて,最初の アルバムの頃に比べるとカラーも変化して,さらに 進化しているわけですから,今の状態でもしっかりと CDに残して欲しいものです。まぁわたしとかが 言わなくても,メンバーもそれを意識してるようでは ありましたが(^^;)。

01/06/01: 世界聖なる音楽祭(宮島厳島神社)
これはとりあえず,テキスト版ですが, 写真付きバージョンも,あります。
ダライ・ラマ14世が提唱した,って事になっている 音楽祭。なんで日本なんだろう?,ともおもったんですが, 別に今回が初めてというわけではなく,毎年どこかでやって いたようです。
もちろん日本では初めてで,日本開催のプロデューサとして 近藤等則氏が最高責任者だったようで,去年から近藤氏は あちこちでプレイベントと称してライブをやってました。 現にわたしも一度だけそのイベントに行ったことがあります
聴きたい音楽を聴けるとか,趣旨に大いに賛同というわけでも ないのですが,こういう動きに最近ずっと興味を持っている私としては, ついつい広島まで行くことにしました。厳島神社を 見たかったというのもありますし,ついでに福岡まで行って 別の用事も消化できたので。 そういうわけで,本当は6月1日から3日の三日間だったのですが, 初日だけ見るということになりました。
宮島は世界遺産にも登録されている場所で観光客も多いのですが, 今回会場に向かう船の中には,やたら外人が多く,しかも いかにもそれっぽいというかバックパッカー的な人が多く, また島にいる観光客もネイチャー系の感じの若者が多く, これのために来た人は結構いたようです。
とりあえず,開演は18時からですが,サブステージと称して 島の4,5カ所で,いろんな人が演奏をしてます。 一カ所「楽器を持ち込んで自由にセッションしてください」って 場所もあって,この辺は今までのジャズやロックの野外ライブとは かなり雰囲気が違っていて,やはりレイブ的な感じです。 現にジャンベやディジリドゥやパチカを持ち込んでいる人は たくさんいました。
島にはたくさんのボランティアがいて,開場してからも 思ったんですが,観客より多かったかも知れません(笑)。 しかも,ボランティアなせいか,非常にフレンドリーでした。
会場は干潟のうえに作るという物。昼間は干上がってましたが, 開場した頃には潮が満ちていて,海の上のステージと客席に なります。すごくここにはお金がかかってるって気もしたんですが, でもすごくきれいなステージでした。
さて,18時開演ということで,まずはチベットの僧と真言密教の僧が 総勢20人以上出てきて,般若心経を読みます。なんかラッパと 太鼓のような物を演奏して,僧が?舞うというのもやりました。 たぶん宗教的なものだとおもんですが,あまりうまくなかったです(笑)。 っていうか,あれが正しいのかナァ?,ちょっとわかりませんが。
いずれにせよ,やはりチベット仏教が強く絡んでいるという 感じはしました。僧のパフォーマンス(?)がおわった後は, 開会宣言として,チベットの僧がダライラマのメッセージを 読み上げます。
この辺のメッセージはこのイベントのページに載ってるのと ほとんど同じ趣旨ですから,興味があるなら, 読んでみてください。
そして,参加ミュージシャンが全員出てきて,一斉に音を出す というファンファーレ。10分以上やっていたと思いますが, 今日演奏しないはずのビルラズウェルとかも出てきて,ある意味 参加ミュージシャンは非常にまじめに参加しているという 気がしました。
さて,そうしてはじまるわけですが,ステージのセッティングを やってる間に,なんと客席に次のミュージシャン達が 降りてきてパフォーマンスをする等一幕もありました。
参加ミュージシャンは民族音楽をやるやる人たちとして, オーストラリア,インド,インドネシア,ラオス等の 環太平洋地域からグループがやってきていて, 最初は割とそういう人たちが,ワールドミュージックを演奏。 途中で近藤氏がDJとラッパをふくというパフォーマンス。 このときダライラマのビデオが流れてました。
そしてこの後に,白人のグループが出てきて,プログレみたいな 音楽をやってました。これがシステム7なのかもしれませんが, よくわかりません(^^;)。
そしてこの演奏をやっている間に,船の時間が厳しくなったので, 盛り上がってましたが,私は帰りました。最後まで見た人って 島から出られたでしょうか?。やっぱり島に宿泊すべきだったんだなぁ, とちょっと思いましたけど。まぁそれはそれで仕方ないです。
しかし海の上の会場というのはなんかいい雰囲気で,途中 夕焼けがきれいなときがあって,そのときはみんなステージに 背を向けて空を見てました。もちろん演奏に体を揺らしているので, ちゃんと聴いているんですけど。自然志向の人が多いので, そんな感じなのだなぁ,って感じでした。
で,演奏も民族音楽とクラブ音楽とかで非常におもしろくて, しかしやっぱり民族音楽もクラブ音楽も根は一緒なのだなぁ。。 と感じるところがありました。というか基本的に踊る音楽 って事なんでしょうけど,音楽を踊るために使う場合, 国境はなくなるのだな,って気はしました。
一方こういうライブのやり方っていうのも,ちょっと おもしろいと思いました。野外ライブですが,昔の ジャズライブとかと違って非常に手作りというか 商業化されてなくて,私とかは出店とかもっとあってもいいのに, って思いましたが,ビールくらいしか売ってなくて, あとは元々ある自販機ぐらい。演奏したミュージシャンや僧も 演奏後は観客席に降りてきて,一緒に踊ったり話したり, 一応チケットには写真持ち込み不可だったんですが, 演奏者も混ざってとってました(笑)。
しかし,観客はやっぱりいっぱいだったという感じではなく, もちろん土日はもっと入ったのかも知れませんが, こういう形態で果たして野外ライブが続けられるのかは, ちょっと難しいのでは?と思ったりもしたのでした。
もっともこの音楽祭自体は来年は他の国でやるんでしょうけど。
ダライラマというと,最近はアメリカが中国問題のために 利用しようという感じがして,ちょっと政治的にも 渦中の人なのによくこういうイベント出来たなぁって 気もしました(^^;)。
宗教色というか政治色というか,思想というか そういうものが結構強いイベントですが,ある意味70年代に ラブ&ピースで集まったフラワームーブメントと 同じ系統だといえます。
以前のジャズ野外イベントと違い,客が客としてなくて, スタッフがスタッフとしてなくて,そういう意味では 気持ちがいいライブでした。 願わくばこういう形で新しい海外の音楽を野外で聴ける 機会をこれからもどんどん増やせるようになればいいなと, 思います。

01/05/11: Nervio( 六本木ピットイン)
漆黒斎氏のすばらしいレポートもどうぞ:-)。
結成三回目となるNervioですが, 前回のライブの後(時?)に今後は定期的に活動をしていく, という話を聞きました。1月以来の4ヶ月ぶりのライブですが, そういう意味では,本格始動というところでしょうか?。
さて,ご存じの方はご存じでしょうが,最近の六本木ピットインは 緒事情のため,セッティング的に客席の中にステージがあるという 形態になっていて,SRの音はあまり大きな音ではなく,ほとんど 生音や楽器のアンプの音で,お客さんも聴くという感じになってます。 バンドによっては,その状態があまり良い方向に向かない場合も 多いんですが,Nervioに関してはそういう不安を全く打ち消し, むしろプラスとしてしまうようなサウンドでした。
セッティング的には各メンバーが円になり内側を向くような 形態,ベースの水野氏が最も客席の方に陣取り,つまり 後ろ向きに立ちます。左右が岩瀬氏とヤヒロ氏が向かい合うように 座り,そして一番奥に新澤氏と音川氏が立ちます。 私はヤヒロ氏の真横の手が届きそうな場所で,ヤヒロ氏の いろんな音を作り出す現場を細かに見れるという,ラッキーな 場所でした:-)。
一番奥にいるキーボードとサックスはSRから出るため,ドラムと パーカッションのサウンドの壁の向うから聴こえてくるという 感じでしたが,このバンド,この二人の作り出すリズムの粒が 重要なポイントとなるサウンドのため,パーカッションの真ん前で 聴いても決してバンド全体のバランスを壊すような感じは 受けません。というか,このバンド,ソリストとバックという様な 聴き方ではなく(もちろんソロのパートはあるんですが), あくまでも全体がつくりだす,不思議なNervioサウンドが 聞き所なので,ソリストを集中して聴きたいと いう感じにはあまりなりません。むしろ音の粒が 作り出すグルーブと色彩感に体をトリップさせるような そういう聴き方が気持ちいい気がします。
二人の強力なリズムが作り出す,細かな音の粒が 今回もひときわ光っていた気がします。メンバーが 顔をみる状態で弾いているのが,良い方に効いたのか, それともバンドの完成度が上がっているせいなのか, 各曲での各メンバーの瞬発力と言うか,音の粒の中に 切り込んでいく感じが実にダイナミックでした。
曲による雰囲気の違いもバリエーション豊かで, 東南アジアを感じさせるリズムの時もあれば, 北欧の感じがすることもあり,またアフリカ西海岸:-) のサウンドも,そしてNY的なサウンドもあります。 新澤氏や水野氏の作曲も巧みですが,それをバンド 全体でサウンドにしていくのがすごいと思いました。
最近テクノとかでも,電子音を多用しながらも,どこか エスニックなサウンドの音楽がある気がしますが, このバンドもシンセを用いながらも,ネイチャーな 感じで,そしてリズムも非常に細分化されながらも, 決して機械的な感じがせず,むしろ自分の脳細胞の 潜在的な部分を刺激して時間感覚を拡張させるような そういうトリップ感が得られます:-)。
すごくオリジナルな新しいサウンドが生まれて 来ている気がします。もったいないので,早く CDにでもして欲しいところです:-)。 今後もライブは定期的に行うようなので,今の 状態も是非。

01/05/02: 渋さ知らズ(エアジン)
完全な偶然と思いつきだったんですが,渋さ知らズのライブに 行きました。実はこの日は自分の引っ越しの関係で, 横浜に泊まったんですが,泊まる引っ越し元は, すでにTVもラジオもない状態で,部屋にいても 退屈だったので,いろいろ調べていたら,たまたま 渋さ知らズのライブがエアジンであるという事を知り (これも別の情報を検索していたのですが…), ちょっとバタバタしているせいもあって,前半だけ…, 見てきました。
渋さ知らズは名前だけしか知らなかったのですが, いろんなところで名前を見るので,一度どういうものか 見てみたかったのです。
で,フラりと行ったのですが,エアジンは満席で, かなり押し込まれました。といってもエアジンは小さい店なので, 人数的に何人入っていたのかわかりませんが(^^;)。
ホーンが8人もいるかなり大掛かりなバンドで, フリー・アバンギャルド的なサウンドですが,テーマやリフは ホーンでバッチリあっていて,かなりの迫力。どこかしら, 歌謡的な雰囲気もする,レトロでコミカルなホーンアレンジな 気がします。すごく和風ジャズという感じもします。ソロとかに なると,かなりフリーになるのもそうだと言えばそんな気もします。
とはいえ,ウッドベースやドラム,パーカッション,キーボード, ギターのリズムもかなりぐいぐい来る感じで,ドライブ感があります。 わかりやすい…というか,なんか懐かしくてしっくり来るけど, 新しいと言うかかっこいいサウンドで,人気があるのもうなずけ ました。
前半で帰ってしまったので,ちょっと残念と言うか,今度はもうちょっと ゆっくり,そしてもう少し広い場所で体を動かしながら 聴ける場所で聴きに行こうと思います。

01/05/01: プリズム( 六本木ピットイン)
フュージョンファンには怒られるかも知れませんが, じつはプリズムのライブをみるのははじめてです。 しかも,CDも聴いたことなく,したがってメンバー チェンジ前のサウンドはしりません。今回は新澤氏が ゲスト出演ということで,見に行ったような部分もあり, そういう意味ではプリズムファンには顰蹙を買いそうな 気もしますが,あれだけ長くやっていて,以前から 名前を良く知っているバンドだと,なにかきっかけが ないとライブに足を運ぶ様なこともないので, そういう意味では,いいきっかけでした。ご了承を。
というわけで,プリズムのサウンドうんぬんというは 良くわかりません。とはいってもギターの和田アキラ氏は 先日のピットインセッションで,はじめて聴いて, そのときの印象でした。後,ドラムの木村万作氏は いろんなセッションで既に聴いてますし,ベースの 岡田治郎氏も良く聴きます。 そういう意味では,このプリズムという構成をはじめて 聴いたことになります。
今回はゲストでピアノ・キーボードの新澤健一郎氏が 参加。新澤氏抜きの曲も3曲ほど演奏しましたが, 残りはすべて参加。新澤氏の曲も一曲(合わせ鏡)演奏しました。 そのほかの曲は,レコーディング中の新曲が多かったようで, そういう意味で言うと,いつもみてる人にとって どういう感じだったのか?…というのは良くわかりません。
とはいっても,やはり長年キーボードレスでトリオで やってきているバンドなんだなぁーと思う点はたくさんありました。 和田氏のギターはコードワーク,ソロ,リフなど,音色や フレージングを細かく切り替えて,ギターでバンドの サウンドをつくっているようです。今回はキーボードが 入っていたのですが,それでもかなり多くのコードワークを してました。従って新澤氏も,無理にコードをたくさん 重ねることはせず,あくまでもそういうトリオのサウンドを 補強したり,新たなカラーリングを混ぜるようなバッキングを したりして,いい感じにスパイスになってました。 ピアノの音も良く出てましたし,シンセやオルガンなどの 使い方もポイントを押さえていて,少しだけど,すごく 美味しい場所で弾いていたと思います。
岡田氏は,やはり安定してますし,実にフレーズが 良く歌ういつものプレイ。ただ,このバンドに合わせてか?, 六弦のベースでアルペジオをやったりとか,ちょっと いつもとは違った側面も見せてました。
で,一番聴いて気持よかったのが,ドラムの万作氏。 すごく安定していて,グルーブしてます。音数が ムチャクチャ多いとか,トリッキーとか言うのは, そんなにないんですが(それでも結構テクニカルでも ありますけど),たとえばシンバルレガートでも,すごく グルーブしてますし,安定感という意味では,骨格が 見えるようなそういうドラムでした。和田氏のギターとかは わりと「奔放」に弾いているというイメージがあるんですが, ドラムでこれだけ骨格がしっかりしていれば,そのうえで 多少いろんなことをしても,全体として,すごく 安心して聴けるサウンドになるんだなぁーというのを 強く感じました。
まぁ最近私自身が,手数とかフレージングとかより, グルーブとか,バランスとか,そういうベーシックな 部分に耳が行くようになってきていて,まぁこの辺, 歳の所為なのかなぁ…とか思ったりしてるんですが(笑)。
というわけで,グルーブに乗って,非常に心地好く 聴こえたプリズムサウンドでした。
現在レコーディング中とのことで7月辺りに発売予定とのこと。 ライブは来月,再び新澤氏のゲストを向かえて 行われるようです。楽しみです。

01/04/30: Earth, Wind and Fiber (吉祥寺 Star Pine's Cafe)
知り合いが何人かいるバンドで,一応シロートの 集まりで,アースウィンドアンドファイアーの コピーバンドです。ステージがおもしろいので, シロートながら非常に集客力があります。
たぶん結成から5年以上経ってると思いますが, 今回が8回目のライブだそうです。 私はたぶんライブは二回目。ビデオとかで みたこともあるので(笑),もうちょっとみた気分には なってるんですが…。
勝手に書くと,こういうバンドはステージングとか 見た目の楽しさ・おもしろさがポイントでしょうから, とりあえずメンバーのページにリンクを張っておきます。 この写真から想像できるように(笑),愉快で楽しいライブでした。
後は推して知るべし…,ということで,私が書くことは, あまりないんですが…,とはいっても,知り合いであるところの, ドラマーの日記(2001/04/21のところ)が 書いていることも,なんとなく 良くわかってしまう様なところもありました。
まぁ,この辺は,バンドに何を求めるか?…って話でも あるんでしょうけど…。 と若干ケチをつけてしまいましたが,見たこと無い人は 楽しいライブなので,一度見てみるといいでしょう。

01/04/23: キースジャレット(オーチャードホール)
当日の曲目を書いた鯉沼 ミュージックのページ
私が現在もっとも信奉するミュージシャン, キース・ジャレットの来日公演です。したがって, だいぶ片寄ってるかも知れません(^^;)。
私はたぶんキースの来日公演を生でみるのは,4回目だと 思います。今日と同じメンバーで来日した,よみうりランドの 雨の公演が最初で,そのあと96年(?)のオーチャードホール, そして一昨年のソロが今までみた公演でしょう。
よみうりランドとオーチャード(皇太子夫妻が来た日)は, 偶然にも両方ともLD(DVD)になっています。そういえば, キースの日本公演は映像化(LPも)される確率が極めて高い 様に思います。まぁそれと今回はあまり関係ないですが…。
さて,今回の来日メンバーは,もうお馴染の,キース・ ジャレット(p),ジャック・ディジョネット(dr),ゲイリー・ ピーコック(b)の三人です。このトリオは,私が言わなくても, すでに一般的に「現在最高のピアノトリオ」と言われています。 言われていますが…,実はこの形容自体は全く同感なのですが, しかしこういわれることの意味と効果を考えると,必ずしも 私としてはうれしいわけではありません。
つまり,コアなジャズファンのみならず,一般の人にとっても 「最高の…」と形容されているということから,ある意味, 観客席に来る人たちも何かしら,そういう高級な確立された 音楽を聴きに来ているような,そういう危うさを感じていたのです。
キースジャレットが現在のメンバーで(自分名義で)録音したのは 1983年。もう20年近く前です。このアルバム(Standars Vol.1)は 今聴いてもすばらしいできで,なおかつ当時は新しいジャズの 表現法として斬新なものでした。しかし,それから20年,キースは このメンバーで「キース・ジャレット・スタンダーズ」という バンド名(かならずしもそうではないけど)で活動を続け, その表現される音楽は基本的には,Standarsの延長に少しの インプロビゼーションを加えたものでした。
もちろん,この間のキースの研ぎ澄まされていく,演奏表現 能力はすばらしく,音の鳴らし方,左右…いや各指のバランスや タイミングなど,どんどん完成度が増してきて,決して音楽的に 立ち止まっているわけではないのですが,演奏する曲をほとんど スタンダードに限定している作品群のみでは,それ以前の,斬新な 曲をたくさん書いたキースの時代をCDで聴く度に感じる, 感動とはまた違ったものであり,その昔の時代を懐かしくも思った ものでした。
さて,というライブをみるまでの思いを,胸に秘めながら, 今回のコンサートにいったわけです。オーチャードホール ですから,非常にライブでクラシック向きの設計, そして観客も「最高のジャズトリオ」を聴きに来た人たち, 私自身,「いつもの最高の完成されたスタンダードを 聴かせてくれるのだろう」という思いでした
しかし,この日は違いました。
今考えると,兆候はずいぶん前からあったのです。今回の コンサートは「キースジャレットトリオ」でも「キースジャレット スタンダーズ」でもなく「トリオジャズ」というバンド名です。 最初単に「三人を同等に扱ってほしい」というキースの思いなの か…,と思ってました。
が,違いました。コンサートは7時開演のところを約10分程遅れて スタート。 キースはいきなり,細かい調性のはっきりしない断片的な フレーズを弾き始めます。ジャックもそれに合わせ, 断片的にたたき,ゲイリーが効果音的な音を鳴らします。 キースのスタンダーズはイントロはこういう インプロビゼーションが多いので,いつどの曲になるんだろう?, と思って聴いていたのですが,なかなかテーマが始まりません。 そのうち,だんだん曲の雰囲気が変わっていきます。 基本的に,珍美なフリーの様な演奏。10分程続いた時点で, 「もしかしたらこのまま行くのでは?」という気がしてきました。 そして,各楽器が絡み合ったり,止まったり, 突き放したりしながらフリーなインプロビゼーションが続きます。 30分程たったところで,演奏がいったん止まりますが, またすぐに綺麗な静かなピアノソロを始め,5分くらい経つと, また止まり,今度は三人でまた即興演奏が始まりました。 こういう演奏が50分程続き,また止まったところで,観客席から 拍手が入ったため,ここで演奏はおしまい。前半の終了と なりました。
そう,今回のトリオがスタンダーズじゃなかったのは, スタンダードを演奏するバンドじゃなかったからだったのです。 そこには三人によるジャズ(インプロビゼーション)がありました。 あぁ,あの最後に拍手が入らなかったら,まだ演奏は 続いていたのではないか?と思うと残念です。
しかし,いままでこのトリオで丸々ハーフセット全部を インプロビゼーションで,ストップせずに演奏したというのは とても大きなことです。キース自身がこのトリオによる, 新しい即興演奏を始めるのではないか?,また,キースの トリオが違った方向に発展するのではないか,という そういう期待を思わずしてしまいました。
20分程の休憩の後,後半。こちらはスタンダードでした。 まぁ何となくそんな気がしました。 しかし,やっぱりスタンダードを弾いてもすごい。特に キースの左手の絶妙なタッチは,ほかのどのジャズピアニスト もかなわないでしょう。キースの左手をいったん聴くと, ほかのジャズピアニストは,なんて雑に弾いているんだろう, と失礼ながら,思ってしまいそうになるほど,絶妙です。
こうやって,前半は即興で音楽の新しい方向性を, そして後半はスタンダードで,完成された美しさを 十分味合わせてくれました。
アンコールも二回も答え,病み上がりということもあり, 多少期待していなかった面もあったんですが, 全然そんな心配はないコンサートでした。
キースが,バンドの即興演奏をしてくれたという, 非常に記念すべき瞬間に立ち会った気がします。 とても幸せな時間でした。
余談ですが,やっぱり観客には,ああいう即興を 期待していなかった人がいたようで,休憩中に 「現代音楽みたいね」とか喋ってる人たちが 何人か耳につきました。なんだかなぁー…。

01/04/19: Roppongi PitInn Special Session Request 5 ( 六本木ピットイン)
六ぴセッション。今回は「アクゥースティックナイト」です。 まず編成ですが, です。ボーカルが二人という編成です。 見ての通りドラムレスですし,ベースもウッドでした。 新澤氏はシンセも弾いてましたが,半分くらいはピアノ, 是永氏もエレキギターですが,クリーンな音を結構多用し, そしてボーカルの大嶋氏がガッドギターもしくは, ブズーキ(oudとマンドリンの中間の様な楽器…って言っても わかりませんね^^;。大きめのマンドリンの様な楽器で, 12弦ギターのような音がします)でカッティングをすることもあり, タイトル通り,アクゥースティックで進みました。
今回はボーカルものということで,三分の二くらいの曲が カバーとなります。六ぴというジャズ・フュージョン的な 場所ですが,カバーした曲は,バン・ヘイレン,クィーン, ポリス,レッド・ツェッペリン,スティービー・ワンダー等の曲。 あとスタンダードもありましたが,ポップスの曲が多かったです。 しかし,上記のような 編成ですから,原曲とはかなり違い,しっとりとした感じに やっていて,もちろん原曲は知ってる曲が多かったんですが, 全く違った感じになっていて,その曲の違った魅力を作り上げて ました。
大嶋氏は割とハイトーンの方,久保田女史は割とシャウトする 感じのボーカルで音域が結構近かったんですが,二人とも 非常に声量があり,しかもハモリもすばらしく息が合っていました。 ボーカルものは声質により好みが出てしまうのでしょうが, そういう以前に感動的な歌だったと思います。
さて…,私ごとですが,この歳になると,すなおに好きなものを 好きと言えるのがなかなかいいって気がします(笑)。 楽器を始めた頃はロックからすぐジャズに興味が行ったせいも あるんですが,当時は今考えると変ですが,なぜかインストに 凝っている時期は,妙にボーカルものをすなおに「すばらしい」とは 言いにくかった気がするんですが,この歳になるとそういう偏見?は なくなり,すなおにいいと言えます:-)。歌から訴えて 来るものにすなおに感動し,じーんと浸ることが出来ました。 しかも,今回のメンバーですので,しっかりアレンジしたという わけではなく,演奏自体かなり自由度がたかく,そして, それぞれが,それぞれの音を良く聴いて,一緒に曲を作り上げていく 感じになっていて,もちろんバックというか楽器の演奏も すばらしかったです。

01/04/17: Roppongi PitInn Special Session Request 3 ( 六本木ピットイン)
先日の六ぴセッションが ギター3本という変則編成だったのに対し,今回は キーボード3本という,これまたちょっとない編成です。 もちろん,キーボード以外はベースとドラムという 編成です。メンバーは, という編成。
ギターと違い,キーボードの場合,ピアノを 弾いたりシンセで音を積極的に変えたりとかも出来るので, 同じ楽器が3台あっても,違いを出すことは可能です。 ですが,意外にも実際3人の演奏は,そこまで積極的に サウンドを変えないのに,ちょっと驚きました。 具体的に言うと3キーボードとは言いますが,実際は3オルガン。 つまり3人ともオルガンのサウンドで演奏している曲が 結構ありました。大高女史はキーボーディスト というよりオルガナーなので,オルガンを弾くのはわかるのですが, 新澤氏と松本氏もシンセではなく,実際にオルガン(ただし 電子ですが)を持ち込んで3オルガン体制でした。
といってもずっと3人でオルガンを弾いていたわけではなく, 松本氏はなぜか(笑),結構ギターも弾いてました。 普段はほとんど人前ではギターを弾かないという松本氏 でしたが,意外と言っては失礼ですが,結構個性的な ギターで,SE的なプレイとかが多かったです。結構 聞き入ってしまいました。新澤氏はピアノやmoogを 弾くこともあり,一番キーボードを使い分けてました。 そして,オルガン専門家の(?)大高女史は非常にファンキーで メロディアスというか,さすがはオルガンの音色に しっかりマッチしたプレイです。。
おもしろかったのが,ドラムとベースなしで3オルガンで ブルースをやったやつで,なんとソロの度に楽器(というか 人間)を入れ替えてのソロ回し。ちょっとしたお遊びだった様ですが, とてもおもしろく,特にソロを弾くときは順番の関係で, 皆同じ楽器だったんですが,それでも出てくる音は全く 違っていて,それぞれのメンバーの個性が引き立っていた様に 思います。それにドラムとベースレスでも,非常に グルーブしていて,オルガンという別に減衰音ではない 楽器で,しかもキータッチで強さがそんなに変わる楽器 ではないのに,なぜかすごくグルーブします。オルガンというのは 不思議な楽器です。
先日のギターセッションと同じく,同じ楽器の絡みあいで それぞれの個性はあるのですが,楽器の音が解け合ったような 色彩豊かなサウンド。ギターの時が線の絡み合いだったのに 対し,今回はなんというか,透き通った水の様な,なにか 透明なすがすがしくて涼しいものが場に満ちてるような サウンドだった気がします。
今回も個性的な編成だった六本木ピットインセッション。 いろいろと楽しませてくれます。

01/04/11: Roppongi PitInn Special Session Request 2 ( 六本木ピットイン)
恒例の六ぴリクエストセッション。今月二回目のセッションは, 養父貴氏をリーダとして, なんと3人のギタリストを擁したセッションでした。
さてメンバーですが,
  • 養父貴 (g)
  • 布川俊樹 (g)
  • 矢堀孝一 (g)
  • 須藤満 (b)
  • 榎本吉高 (ds)
の五人。見てわかるようにギタリスト3人にベースとドラム,キーボードは いません。というか,ギタリストがこれだけいると,キーボードはもちろん 不要でしょうけど,いずれにせよツインギターはともかく,トリプルギターと いうセットは結構珍しいのではないか?と思います。布川氏と矢堀氏の ツインギターというのはB.B.Goorveをはじめ, いくつかのセッションで見たことが ありますが,これに養父氏が入るというか,率いることでいったい どうなるのか?興味深々です。
それぞれのメンバーの演奏はほかのバンドやセッションですでに何度か 見たり聴いたりしてます。こういう変則バンドでどうなるか 興味深いところです。
実は最初,いつもの私のレポートみたいに各メンバーの演奏を個々に表現して みようかとも思っていたのですが,さすがに同じ楽器が3人いて,しかも同時に 弾いていると,個々のプレーがどうだ,とかいうより,その3人の音が絡み合う 不思議なサウンドの空間のほうに耳が行ってしまいました。
曲としては養父氏の曲と布川氏の曲が中心でしたが,大体,ファンクっぽい 曲と,アクゥースティックぽい(カントリーっぽいというか) 曲が多かった気がします。
いずれもギターのサウンドが生きる曲だと思うんですが, それゆえにキーボードが 作り出すコードとはまったく違う音が出ていたと思います。ギターの場合, カッティングも そうですが,和音を白玉で弾いても,音が固まりというか,面にならずに, むしろ複数のラインが絡み合うような,なんといっていいか, いわゆる隙間があるというかそういうコードサウンドになる気がします。 したがって今回もコードが出る楽器(ギター)が3本あるにもかかわらず, 厚いサウンドではなく,色とりどりのラインが空間で重なり合うような, そういう音が六ぴ内に満ち足りていて,非常に心地よかったです。
というのも,須藤氏と榎本氏のリズム隊が実にしっかり骨組みを作っていて, その上で3本のギターが自由に舞っていたからかもしれません。須藤氏は, 手数とか技もすごいですが,とにかく太い音でしっかりとした硬いグルーブを 作り出しますし,榎本氏も同じくすばらしいグルーブです。
3人のギタリストについても,そういうグルーブの上で絡み合っていますが, もちろん,それぞれの持ち味も非常によく出ていて,よく歌い, ギター音色にもすごく深みがある布川氏,変わったコードサウンドと 独特のフレージングで以前にもまして個性が引き立ってきた矢堀氏, そして若いというか,勢いが非常にある養父氏の3人が, 自分の個性を出しながら,なおかつ,同じ楽器ということで, それぞれの隙間を非常によく意識しながら,有機的に結合した ギターサウンドを作っていました。
私自身がギターを弾くせいもあり,こういうギターが複数で,自分の個性を 前面に出さざるを得ない状況で,いったいどういうサウンドを各メンバーが 作っていくのか?というのは非常に興味を持って,聴いていたのですが, 個性を出しつつ,うまく絡み合い,そしてギターだから出来る独自のサウンド 空間をうまく出せていたと思います。
こういうセットのライブも非常に刺激的です。 ちょっと変則セッションだったようですが, また似たような編成でやってほしいものです。

01/04/03: Quiet Leaves(新大久保サムディ )
たった二日前にNHKでの収録を見たQuiet Leaves(QL)の 今度はサムデイでのライブです。あらかじめ新澤氏から, 内容は違うものになると聴いていた気がするが,予想通り, 全く違うものになりました。
収録はCD主体であったのに対し,この夜のライブは,かなり 実験的なアプローチ。新曲もいくつか登場,CDに入っていた 曲はだいぶ減りましたが,それもかなり違ったアプローチでした。
といってもQLライブ自体は,かなり久しぶりな気がします。 QLはサムデイ以外でも,六ぴやin F等でも見たことがありますが, 割とハコの雰囲気で演奏を変えてくる傾向がある様に思います。 ここでのQLは,アクゥースティックながらも,実験的な サウンドが多いように気がします。とはいえ,長く いろんな場所で一緒にやってるメンバーだけあって, 息の合いもバッチリで,メンバー同士の演奏に,お互いが 有機的に反応,神経がつながっているように息があってます。 新澤氏はソロもそうですが,バッキングとかでの,絡み方なども, いろいろおもしろいことをやっているようです。たっぴーの ドラムも内省的なプレイが多かったように思います。 音川氏のサックスも,ブリブリと吹く曲と,一つ一つ確かめ ながら吹く曲とそれぞれありました。安ヵ川氏もいつもながら 安定したベースと,そしてフリーの曲での自由な発想での 音の出し方など,多彩なプレイをしてました。
この日は新澤氏の誕生日という事で,いつもはたっぴーが 司会をするサムディですが新澤氏の司会で進みました。 見る度に違った局面を見せるQLのライブ,なかなか 最近ライブが少なくて残念ですが,是非また近いうちに やって欲しいものです。

01/04/01: Quiet Leaves( NHKセッション505収録)
私事ですが,中学2〜3年の頃にFMの収録見学にはまった時期が ありまして,地方というと週末のリクエスト番組位しか 公開収録する番組がなくて,毎週それに行ってました。 地方のせいか,毎週行って最前列に座っていたらアナウンサーに おぼえられたりして,それはそれで楽しかったです。
さて,今回はFMの収録用のライブ。しかも全国放送の セッション505用の収録。そんなかんだで,20年ぶり 位の収録見学。でも大学に(NHK的な)録音スタジオがあったので, ちょっと懐かしい気分もよみがえります。
天井がやたら高くて,しかしかなりデッド,そして公開収録とは 言え,録音するのが目的ですから,観客席側にはそこまで 大きな音量で出ないという,いつものライブとは全く違った 音環境。初めてのセッション505出演ということで,ライブで 聞き慣れたQuiet Leavesも,いつもとは違った緊張感で 演奏しているようでした。
最初はアナウンサのタイトルコールとともに,1,2分の 短いCジャムブルースでスタート。アレンジしなおして, Quiet Leaves的な現代的サウンドでご挨拶という感じです。 後はアナウンサーのトーク,インタビューとともに, 演奏も進行。CDに収められている曲がほとんどで,新曲 主体の最近のQuiet Leavesのライブとはだいぶ違った 感じ。しかしもちろんアレンジは進化してます。
収録用のSRだったんですが,バランスはよかったです。 しかも,結構生音がよく聴こえる感じになっていて, アクゥースティック主体で,楽器の響きが美しいQuiet Leavesの には結構あっていたSRだったんではないでしょうか?。 ピアノもいつも以上によくなってます(楽器もいいんでしょうけど)。 メンバーも緊張しているのか,多少手探り的な演奏…, という感じもありましたが, サンシャインやサイトシーイングの様な盛り上がる曲では, いつものようにアドリブと煽りの爆発,そして こもりうたの様な静かな曲では,いつも以上に 内省的な演奏になっていました。
全国放送向け…ということもあってか, よくまとまってたコンパクトな演奏になっていたと 思います。CD的と言うか。今度の土曜に放送の 様なので,是非エアチェックしたいと思います。 いつもとちょっと違った感じのライブ。楽しかったです。 これからどんどん電波に乗るような活動もして欲しいです。



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