02年10月から12月に見たライブなど

02/12/23:Nervio (GINZ)
今年最後のNervioライブ。ちなみにこの前日水戸でもライブを 行っていたのですが,わたしは行きませんでした。ちなみに 前日先日のNHKでの収録がFMで放送されてました。
その効果があったのかどうかはわかりませんが,非常に観客が 多くて盛り上がったライブでした。GINZはステージが 客席より低いという特殊な環境なので,人が多いとちょっと 見辛いのですが,プレーヤ自身は内側を向いて,お互いが 見える状態なので,演奏しやすいみたいです。というわけで, ちょっと見る分には見えにくいんですが,演奏自体が 極めてすばらしく盛り上がり,こちらも十分楽しめました。
特に演奏が進むに連れて,盛り上がりがすごかったです。 アンコールでのボイルコイル等は非常に激しいバージョン。 CDやこれまでの演奏とはかなり違った細分化されたなリズムの 上で暴れまくるという演奏でした。 二回目のアンコール時にはクリスマスらしく サンタの服を着たりしてクリスマスソングを演奏したり, 大いに盛り上がりました。
もう演奏自体は非常に安心してみれるのですが,それでも 毎回何か違っているところはさすがです。 新曲も「クオークダンス」という曲が披露されましたし, 次のアルバムに向けて,また変容していくのでしょう。 多いに期待します。
ところで…,今回のライブは 全体のバランスもすばらしく良く,全ての楽器が際立って 聴えました。ちょっと話がそれますが,前日FMで 演奏を聴いていたので,「どうしてこの感じが電波に乗ると でないのかなぁ」などと考えてしまいました。もちろん NHKの収録時の演奏の問題ではなく,収録時に感じたものが 電波からは感じないと…,まぁこれについては,後日 先日のNHKでの収録について書いたところに 加筆します。
というわけで,FMやCDを聴いているばかりではなく,やはり 現場にいないと,このバンドのすばらしさはなかなか 伝えにくいな…と思ったりします。もちろんCDもすばらしいんですけどね。 是非,一度は見に来て欲しいです。

02/12/15: TribalTech(新宿MARZ)
Tribal Techです。三度目の来日です。 「PMGと並んで世界一のフュージョンバンド」というのは某サラリーマン サクサーの言葉…。たしかにそう思います。とはいえ,サウンドは 全然違いますが(^^;)。
というわけで,やはり見落とすわけには行きません。今年も 行きました。毎年来てるんだっけ?,と思ってましたが一昨年からほぼ二年ぶりの来日 の様です。ちょっと間が空いてましたね。
とはいえ,その間Tribal Tech名義では新譜を出しておらず, 演奏の曲目的には前回同様Rocket Scienceからが多かった気がしますが, ハービーの「Actual Proof」やアンコールで「FACE FIRST」を やったりとかもしました。
PMGの名前を出して誤解されるとなんなので敢えて説明すると, こちらはとてもハードなロック的フュージョンです。メロディアスとは 言えないような摩訶不思議なラインのテーマとかがあって, 後はソロを弾きまくるって感じですが,不思議とみていて愉快に なってきます。あまりにすごさになんかユーモアを感じてしまうのが 不思議です。っていうかメンバーもすごくリラックスしていて, 冗談を言い合いながらニコニコしているからかも知れません。 で,キメとかがビシって決まるところもすごいんです。ピリピリした 感じがなく,こっちもなんとなく狂乱的な感じに(笑)。ロックの 箱でやる事自体は賛成ですが,もうちょっとゆったりしたところが よかったですねぇ…。騒ぎたい気分だったので…。
演奏の内容を細々書こうかと思いましたが,やめておきます。 とにかく一度,生でみた方がいいでしょう。
メンバーは日本が好きらしいので,また是非来て欲しいです。

02/11/30:Lars Jansson Trio(吉祥寺サムタイム)
ライブなんですが,通常のライブかと思っていたら,イベントでした。 ラーシュ・ヤンソンのAT EASEというCDが最近出ていて,買ったら 整理券が入っていたので,まぁ近所だし…って事で行ったら チャージもなくCD発売イベントということで,午後3時から1時間 弱の演奏でした。
とかいいながらラーシュのCDを買ったのもはじめてですし, ライブを見たのもはじめてです。CDを買ったのは,元々 わたしが北欧のジャズミュージシャンが好きだからで,買って 聴いたら期待通りだったので,ライブへ…というわけでした。
とはいってもCDは日本のレーベルから出てます。今回の トリオはピアノのラーシュの他はドラムのアンダーシュ・シェルベリ, そして森泰人のベースというトリオ。森氏は北欧を中心に 活躍しているベーシストで,このアルバムも森氏の スカンジナビアコネクションという企画の 一つのようです。
というわけで,ライブはCDから4曲演奏,最後に一曲ラーシュの 有名な曲(らしい)をやりました。
CDを聴いても思いましたが,ヨーロッパ人らしい非常にリリカルというか メロディアスなピアノでピアノの音も大変すばらしかったです。 アドリブを取っていてもメロディが綺麗ですし,それに絡んでくる ボイッシングも美しいしタッチ繊細です。かといって静かなだけではなく 盛り上がるときはドライブします。ヨーロッパ人のジャズを 聴くと良く思いますが,なんというか和音感覚がすばらしい気がします。 別に人種の違いが音楽性に現われる…というつもりはありませんが, 国によって音楽環境は異なるわけで,そういう違いなのかなぁ…とか 思ってしまいました。聴いていると完成度の高さからクラシックの様な 印象を受けるときもありますが,これもインプロビゼーションなんだよな… と思うと,ヨーロッパは結構いい形で,ジャズが根付いているようにも 思えます。
イベントなので,さらりと終わりましたが,メンバーの息のあった 演奏が聴け,大変お得でした:-)。こういうこと,もっとやって くれないかなぁ…。
最後にメンバーはお客さんを笑わせたり, 皆人懐っこくていい人たちでした:-)。CDにサインしてもらいました:-)。

02/11/24:Nervio (NHKセッション505)
NHK-FMのセッション505という番組の収録のための 公開ライブです。この番組はほとんど録音したのを編集せずに 流すので,ライブ自体がきっちり1時間という形になります。 で,今日収録したNervioのライブの放送は12月22日と12月27日に なります。
というわけで,5時からきっかりはじまったライブです。 お約束ですが,この番組は誰が出演しても一曲目はCジャムを 軽く演奏します。Nervio版Cジャムはシンセのブギリフから はじまる結構アグレッシブな演奏。カッコイイ!。で,テーマを サックスが吹かないところが実にNervio的というか(笑)。
その後は,もちろん自分達の曲の演奏です。演奏した曲は, 「Pa・ra・bo・la」,「Quaff」,「Treasure Hunt」, 「まりも」,「偶然の風の中」,「Chimerical Chime」でした。
放送用なのか危なげのない演奏でしたが,でもコンパクトにまとめるかと 思いきや,「Pa・ra・bo・la」のピアノソロや「まりも」の サックスソロなど,じっくりと演奏,そして「Chimerical Chime」の ドラム・パーカッションソロなども弾けて, いつものライブの様なダイナミックな演奏がたんのうできました。 スタジオなので,ライブハウスより音響も良く,各楽器が いつもより大きく聞えるのに,それぞれクリアで細部まで 聴きとれる感じ。そう言うところは,なかなか普段とは 違っていてよかったです。
というわけで,意外にのびのびやってるように聴えました。 それぞれのソロとかが,どんどん歌い回しが進化しているようで, バンドとしての成長も感じられます。
今回の選曲で,改めてNervioって非常に多面的というか, いろんなサウンドを持ってるバンドだなぁと再認しました。 番組だとはじめてNervioを聴く人もいるでしょうから, どういう反響があるのか,ちょっと楽しみです:-)。司会の 小川もこさんは「音のジャグジーを浴びたみたいだ」と言ってましたが, わたしも全くの同感。あの感じが電波に乗るかが,心配だったり 興味はあるのですが,まぁとりあえず,放送を楽しみに待つと しましょう:-)。

02/11/19: Prince(日本武道館)
殿下です。6年ぶりの来日です。 ちなみにわたし,プリンスは大好きです。どれくらい好きかと いうと,高校生の時から聴いていて,大学生の時にライブ 見に行きました。でもここ数年CD買ってません。今年CD出てたのも 知りませんでした(^^;)。まぁ,おじさんにありがちな「むかし 熱狂した」というタイプのファンでしょうか(笑)。
まぁ…とは言っても6年来日していなかった事からわかるように, 日本でプリンスがあまり話題になっていなかったというのもあります。 通販のみでCDを出したりしていた時期もあったり, 名前を変えていて,情報引きにくかったのもありますし,まぁ, そういう意味で久しぶり…という感じの人はわたし以外も 多かったんではないでしょうか?。
さて,プリンスというとファンクでしょう。10年以上前とかの ライブというとファンクらしく,きらびやかな衣装に, 沢山のメンバーがしっかり振り付けやキメを合わせてやる エンターティメントという感じで,今回もそういう感じなのか?…と 期待していったら,違っていたのに驚きました。
まずメンバーは,プリンス以外は,ドラム,ベース,キーボード, サックス,トロンボーンのみ,非常にシンプルです。プリンスは ギター,もしくはキーボードを弾きますが,これだけの編成なので 自らかなりしっかり弾きます。それが結構聴かせる演奏です。 カッティングとかムチャクチャうまい。とにかくリズムが良く, 歌いながら演奏しているのに,全然リズムがぶれません。 また曲調もいきなり4ビートではじまり,途中でバラードや, ファンク等を織り混ぜて行く演奏で,かなりバラエティがあり, しかもプリンスのギターソロやサックス(メシオ・パーカー)のソロ, キーボードのソロなどをかなりフィーチャーして,つまりは 歌や踊りだけじゃなく演奏の部分をかなり前面に出している 気がしました。更に観客をステージに上げて,踊りまくったりと こちらもびっくりした演出。プリンスというと結構気難しいという イメージがあったんですが…。
曲は半分くらいしらない曲があったので,最近のアルバムの 曲でしょう。以前のヒット曲も結構演奏しましたが,上記編成 なので,アレンジも結構変わっていて,おもしろかったです。
まぁ確かに数年前にWOWWOWか何かでプリンスのライブを見たときは, 同じように小編制でやっていたので,最近はそういうスタイルなのかも 知れません。
わたしがプリンスの音楽が好きな点として,いろんな要素が おもちゃ箱を引っくり返したようにつまっているという点があるんですが, やはり今回もファンクをベースとしながらもジャズ的な側面, ロック的な側面R&B的な側面等を沢山見せ,プリンスという ミュージシャンの懐の広さを感じさせました。とか書きますが, でもファンクをやってるときのすごさはすごいですけどね。 やっぱりファンクってリズムが命だよなぁ…とあらためて思いました。
と,小難しく書いていますが,実はそんなことはどうでも良く, 単にプリンスカッコイイ,とカリスマ性にやられていたのも 事実で見ていて,久々にぞくぞくし,プリンスの挙動一つ一つに 反応している自分がいるのがおもしろかったです。 「アオー,アオー」とか(笑)。
最近,そういうミーハーにライブ見るのが少なかったので, 楽しかったです。でもマジに演奏のクオリティの高さは, ジャズファンとかでも楽しめたんじゃないか?…と思いました。

02/10/30:Keith Jarrett (東京文化会館)
キースジャレットは2年前の復帰以来,だいたい一年半に一度の ペースで来日公演をしているようです。 去年のTRIO Jazz以来の来日ですが,ソロという意味では,その前の 復帰コンサート以来と言った方が いいかも知れません。最近の海外での活動を把握していないので, 間違ってるかも知れませんが,キースはあまり演奏活動を しておらず,そういうなかで日本には定期的にやってくるのは とてもうれしいことです。基本的には 鯉沼氏との関係の賜物なんでしょうが…。
今回は日本での150回目のコンサートという事でした。
ソロピアノ演奏ということで,99年の演奏を当初思い 出してました。あのときは,ソロインプロビゼーションとはいえ, かっての数十分という長尺な演奏は行わず,5〜10分くらいの ショートピース的な演奏で,「体力的な問題もあるのか?」とか 思ってましたが,今回はちょっと違ってました。
一部二部ともに50分程度でしたが,ほとんど続けて演奏してました。 ただし,明らかに演奏が終わる…というシーンが途中にはいり, ただ,そのときに会場から拍手が出ないため,そのまま,モチーフを 切り替えての演奏を再開という感じ。この辺は多分拍手が 入ったら,雰囲気は大きく変わっていたのでしょう。現に一部の 二回目の切り替えの直後演奏をはじめたときに,会場から誰かが 物音を発てたため,キースが演奏を中断,気分を整えて,また ちょっと違ったモチーフを弾きはじめるというシーンがありました。 明らかにキースは会場の雰囲気を吸収しながら演奏を行っていて, こちらも非常に緊張感を持って演奏を聴く感じになります。
とはいえ,二部の途中では,キースの方から会場に合いの手を求める 様な(?)シーンもあり,結局うまく行かなかったのだが(苦笑),意外に 観客とリラックスして演奏をしたいという様な気分も若干あったような 気もする。いずれにせよ,ピアノに集中しているというよりは, 会場全体を楽器として捕らえているという感じはした。
さて,演奏についてもう少し詳しく書くと,50分程度と書いたが, だいたい15〜20分程度の単位で,演奏を止め,再スタートという 感じの演奏であった。演奏は非常に緩やかに変化しており, ちょっと抽象的ではあったが,結構細かい単位で音を敷き詰めて, そこでサウンドさせていきながら,徐々にそこから変化や メロディ(の断片?)が生成されていくような感じ。とにかくピアノの音が 繊細で,弾き倒しているという感じは全くしない。なっている音の すべてが制御されているという感じがする。コード進行や メロディをあまり感じさせない様な演奏も結構あったが,それでも 引き込まれる位凄い演奏能力だと感じた。とはいえ,半分くらいの モチーフはそういう混沌としたところから, 徐々にメロディが浮き上がってきて,キースらしいロマンチックな 演奏もあった。そういう時はモチーフの切目で客席から拍手が 入ったりしたが…。
アンコールは99年の時と同様3曲も演奏。 演奏毎に引っ込むので観客の方も粘り強くアンコールをしたとも言える(笑)。 アンコールはスタンダードも交えながら短めに。
というわけで,無事演奏は終了。とにかくすばらしいソロコンサートで あった。そして,聴いている方も緊張感がありながら,一体感が あるコンサートであった。アンコールの時とかの感じを 見ていても,やはりキースは日本で演奏をすることが結構 好きで,今回のコンサートも機嫌が良かったのでは?…と思ったりもした。 たしかに聴くのにもある程度の覚悟がいる演奏家ではあるが, これだけすばらしい演奏を聴けるのである。来年も また来日してほしいと思う。

02/10/09:Nervio (六本木ピットイン)
仕事の関係で遅刻し,後半からの観演となりました(_o_)。
本人たち曰く,まったりした演奏だったそうですが, いや,こちらはなんか盛り上がりました。というか,特に新澤氏の ピアノソロやシンセソロの「弾き倒してる」感じが凄くて その展開に持っていかれた:-),という感じでしょうか?。 プレーヤとしてなんか一本突き抜けた感じがします。
バンドとしては,このバンドはもうなにも言えないくらい, すばらしい演奏をしますが,今回もその通り。かつ, 本人たちも非常に楽しそうです。アンコールのBoil Coilでは 変拍子なのに会場から手拍子という,なんとも不思議な 状態になりました:-)。
従来の曲も,いろいろ新しい景色になってきてますが, 今回は新曲もありました。前半もあったらしいですが,後半も 一曲ありました。小刻なリフでメカニカルなのかトライバルなのか 良くわからない,ちょっとユニークな感じ。新しいNervioの 色が見えました。セカンドアルバムの予定もあるようですし, 今年もあと3回ほどライブもあるようですし,どんどん新曲が 披露されていくのではないかと楽しみです:-)。




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