2004年1月から3月に見たライブなど

今後の予定

文体がころころ変わってすみません。ちょっと試行錯誤 してるので…

04/03/13:John Scofield Uberjam Band(ブルーノート東京)
ジョン・スコフィールドはジャムバンドを従来のジャズファンの 琴線に響くようにコンパイルした…というの最近の彼の業績だと 思っているのですが,そのコンパイルで大きく話題になった 「ウーバージャム」というアルバムの名前を引っ提げたバンドで 来日であります。最新譜は「Up All Night」なんですが, ウーバージャムをバンドに冠するあたりは,やっぱりこのアルバムというのは 大きな位置を占めているのでしょう。ジャムバンドサウンド自体は その2作前の「A GO GO」でとり入れているんですが…。
メンバーは
  • John Scofield (g)
  • Avi Bortnick (rhythm g, samples, loops)
  • Mark Kelly (b)
  • Adam Deitch(ds)
の4人,ベースはアルバムと違うようですが,他のメンバーは 一緒です。曲はUp All Nightとウーバージャムからがほとんどだった 気がしますが,未発表の曲もあったようです。
サウンド的には上記2枚のアルバムを継承してます。アルバムは いろんなゲストが入ってましたが,こちらは4人。しかしサンプラーとか 打ち込みとかを使って実に多彩な音を出してました。 リズムギターのアビ・ボートニックはギターよりほとんどPowerBookを いじってる時間が長く,そちらでいろんな音を出してました。 一曲ゲームボーイを使ってソロをとる曲とかもあって,おもしろかったです。 ドラムのアダム・ダイチ,小さいセットで非常に手数が多い… まぁ人間ドラムンベース的なドラミングをアルバムとかではやってますが, もろそんな感じ…のはないにしても,やはりスネアやハイハットで 非常に高速なドラミングをするという演奏でした。この辺の人って タムとかシンバルでバリエーションを出すのではなく,スネアや ハイハットだけでかなりのバリエーションを出してきます。 ベースのマーク・ケリーは,そういう中で安定したグルーブを つくってました。
という若い連中に囲まれて,御大ジョスコ,実にいろいろやってました:-)。 サンプラーとか使って,更にそれにリバースかけたりとか…。 ジョンスコの凄いところは何をやってもジョンスコに聞えてしまう ところですが,しっかりジョンスコしてました。だいたい ジョンスコというと昔はディストーションとコーラス以外 全然使わないので有名だったのですが,今回はLine6の緑と紫とか Bossのloop stationとかワーミーとか使って,エフェクターボード二つも 使ってました。驚き。でもしっかりジョンスコなのです。
というわけで,最先端のサウンド,いつも前進しているジョンスコは 非常にすばらしいと感じたのでした。MCはほとんどありませんでしたが, Watch out for POPOという曲では,客席に「PO PO」と歌ってくれと 要求して,いろいろ喋るっていう面を見せ,なかなか楽しかったです。 おもったより冗談をいう感じで:-)。
ジョンスコは既に巨匠級だと思いますが,若い人のサウンドを とり入れることで,常に時代の先端にいると思います。そして 若い方からみると彼がとり入れることでジャムバンド自体が 非常にインテリジェンスな感じがする,そういう意味で新旧の ミュージシャンがうまく機能しているバンドではないでしょうか?。 さすがという感じです。

04/03/10:Nervio (モーションブルーヨコハマ)
先々月ぶりのNervioですが, ベースが変わってからのレギュラー構成では,初めての鑑賞となります。 先週銀座の方でもライブをやっていたらしいのですが, わたしは今回が初めてとなります。
新メンバーの西嶋氏は全曲ウッドベースで演奏してました。というわけで, 一曲目はベースもアルコとかをとりまぜたなんとも内省的な感じの 演奏から入り,そしてForestAirへ…という感じで始まりました。
基本的にMCは少なめにさくさくと進み:-),1st. 2nd.それぞれ6,7曲ずつ くらいやった気がします。新曲も数曲ありました。とはいっても 新メンバーということで,今までの曲もずいぶん違った空気を もった感じになっていて非常に新鮮でした。ベースは全曲 ウッドで,サウンド的に非常にズーン…という落ち着きがあり, バンド全体のサウンドとして帯域が広がったというか,その分 透明感が増している気がします。ちょっと北欧系ですね(笑)。 非常に好みです。
あと,立飛がパワーアップしてました。なんか声が綺麗になってます:-)。 いや,それ以外もいろんな音をあちこちからだしていて, ますますダブルパーカッション状態という感じ。
去年の非常に曲のキャラがクリアになった状態から,再び 広がっていく感じになっているようです。またしばらく目が離せない 感じです。
今年は結構ライブの予定も入れているようで,今後も いろいろ楽しませて貰えそうです。

04/02/25: ヤン・ガルバレク・グループ(すみだトリフォニーホール)
このライブの広告がDMで来た時のわたしの感激といったら ありませんでした(^^;)…。ヤン・ガルバレクは以前から表明している様に わたしのもっとも好きなミュージシャンの一人ですが,わたしが 知る限り来日は6回目。しかし自己のグループとしては2回目,その 最初の来日は既に15年以上前,わたしが地方在住者で観に行けない時 だったのでした。 なので,今回のライブはまさか…という感じだったのです。
自己のグループでの来日で一番うれしいのはベースのエバーハルト・ ウェバーが来日すること。この人の生演奏は初めて観ることになりました。 この人も非常に好きなベーシストでレコードはほとんどもってます。
というわけで,大期待をしてライブに行きました。それでもって, その期待を遥かに上回る感動をして帰ってきたのでした。こういうの 珍しいです:-)。
さてメンバー。
  • Jan Garbarek (T.Sax, S.Sax)
  • Eberhard Weber (b)
  • Rainer Bruninghaus (p, key)
  • Marilyn Mazur (dr,per)
の四人です。ガルバレクというかECMレコードのアルバムは 企画ものが多いので,ガルバレク自身,いろんな人と共演の形で アルバムを残してますがこのメンバーはグループぽい形で 録音されたなかでは最近の作品にあたるTwelve Moonsや,Visible Worldと近い構成になります。
…とまぁデータ的な話を書いてもしょうがないなぁ…と実は思うくらい すばらしい演奏で,存分に堪能できました。ガルバレクは もうどこを切ってもガルバレクという感じで,完全に自分のスタイルで 吹く。独特のフレージングですが,表現力がすばらしいので,全然飽きません, というか,非常に良く歌ってます。あとエバーハルト・ウェバーは とにかく初めて生で聴いたせいもありますが,感動と驚きでした。 5弦のエレクトロアップライトという特殊な楽器を使ってるんですが, 出てくるフレーズがまるでベースっぽくない。良く歌うし, 早いフレージングから,アルコまでとにかく今まで聴いたことがある ベースの中ではもっとも表現の幅が広く,かつ全く破綻がない テクニックをもってます。ソロとかでお馴染のディレイプレイを やりましたが,今までみたベースやギターのディレイプレイの中では もっとも音楽的でした。というかこのかた,アルバムを聴いていると, 単なるベース弾きというよりは音楽家なんですよ。でもプレーヤとしても 破格でした。ちなみにボウの持ち方がコンバス方ではなく,バイオリン〜 チェロ方,あと楽器もどうもスケールが短く,指使いがわたしの 感じだと違和感を感じたので,もしかしたらチェロ的なチューニング (5度間隔)なのでは?とおもったのですが,どうでしょうか?>ご存じの方。 この方,もともとはチェロ弾きだったので,その可能性あるかと 思うんですが…。
サックスとベースに大興奮でしたが,他の二人もすばらしかったです。 ライナー・ブニューイングハウスはピアノの音がメインでしたが, シンセが必要な曲ではエレピ(というかサンプリングピアノ)を弾くという感じ。 全体的にアクゥースティックですが,彼のソロになると,少しサウンドが ジャズっぽくなるのがおもしろかったです。この方も美しいコードから 速いフレージングまで全く破綻無くリラックスして弾けてるのが,すごいなぁ という感じでした。
ドラムのマリリン・マズールはドラムというよりパーカション。 バスドラとかありましたが,ほとんど立って手で演奏してました。 金物の鳴らし方とか巧みで,多彩でした。
とにかく全体としては曲がしっかりとしたカラーをもっています。 各メンバーのソロになると色彩がグググゥっと変わるのがすばらしいし, 曲自体も思った以上幅がありました。でも全体としては統一感があります。 とにかく「本物」って感じです。念願のライブでしたが,最高の 体験になりました。また来ないかぁ…。ヨーロッパに行ってでも, また聴きたいなぁ…という感じです:-)。
参考まで,一緒に行ったS氏に協力頂いて演奏した曲を挙げておきます。 です。最後の2曲はアンコールでした。

04/02/11:新澤健一郎 Acoustic Night(戸塚Gクレフ)
戸塚は近くて大変助かります:-)。というわけで,出かけてまいりました。
今回は新澤氏のアクゥースティックナイト,もしくはソングブックと いう感じでアクゥースティックカルテットで新澤氏の曲だけをやる…と いう企画です。メンバーは新澤氏(Pのみ),音川英二氏(T-saxのみ), 高瀬裕氏(b),池長一美氏(ds)の四人です。音川氏はソプラノももってきて いたようですが,結局使いませんでした。ベースとドラムの二人は たぶんわたしは初体験です。バンド的にも初めての組み合わせだった そうで,セッション色がちょっとある感じでした。
曲は前述の通り新澤氏の曲,かなり昔にやっていた曲とか QuietLeavesの曲とかNervioの曲とかもありましたが,しっかり 新曲もあって,なおかついい感じの仕上がりでした。
ドラムの池長氏が非常に繊細なドラミングをする人で,ピアニシモの 表現がすばらしいです。そのせいか全体としても非常に音の 見渡しが良く,ピアノの音も綺麗にハーモナイズしてました。 いい意味で品が良い演奏という感じです。ベースの高瀬氏も アルコの音がすばらしい。音川氏もいつもの通り,多彩な演奏, 今回はずっとバッキングという演奏もありました:-)。
QLの曲とかはだいぶ以前に聴いたっきりの曲が多かったのですが, いい感じに熟成しているか,もしくはまた違った感じに発展…と いう感じで,とても楽しかったです。サウンド的にはベーシックですが, 曲自体が多彩で飽きることなく楽しめ,新澤氏の作曲の妙を楽しませて もらった感じです。
またこの感じでやってみたいということで,楽しみです。

04/01/27:Nervio (目黒ブルースアレイジャパン)
前回のライブから3ヶ月 くらいぶりになります。今回からメンバーがかわって ベースが西嶋徹氏に変わりました。ですが,今回はドラマーも ゲストで鶴谷智生氏となってます。
それはいいんですが,わたくし事ですが,今日は会社で飲み会が あったので2nd. setからの観演となりました。なんか1st.では 新曲が2曲ほど出たらしく,聴けなかったが残念ですが, 2nd.の従来の曲もメンバーが一新しているので,なかなか 興味深い感じでした。
新加入の西嶋氏はウッドベースでしたが,ちょっとSRの関係で, あまり聴こえずちょっと残念でした。しかししっかり演奏を 支えていた気がします。ドラムの鶴谷氏も今までの岩瀬氏とは異る, わりと空間を活かした感じです。そのせいもあって,いままで Nervioというと怒涛のようなリズムが特徴の一つな感じもあったんですが, 今回は割とフロントが前に出て引っ張るという感じ。でも 「鼓動」とかはそれがかえっていいというか,リリカルな新たな 魅力を引き出していたような気がします。
新メンバーが入ったということで,しばらく成長していく 過程が楽しめるのだと思います。こういう過程は演奏しなれた メンバーのセッションとは異る緊張感があってなかなかおもしろい 発見があったります。次回は三月,また違った感じになるのでは ないでしょうか?。今から楽しみです。




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