live report

2008年4〜6月に見たライブなど

今後の予定

08/05/26:新澤健一郎 Trio meets Niklas Winter (丸の内コットンクラブ)
フィンランドのギタリスト・二クラスウィンターをフィーチャーした 新澤トリオのライブです。二クラスと新澤氏の組み合わせは 以前の来日のときに観てるのですが, もう2年半も前になるのですね。前回の来日のときに録音したアルバム BEAUTOPIAが今年発売になったので,そのプロモーションも兼ねて でしょうか。ただし今回は新澤氏のトリオに二クラスが加わるということで, 前回とは結構雰囲気が違いました。
コットンクラブはわたしは始めていったお店で,ブルーノート東京と ステージとかのつくりが似てますし,料理も高級な感じですが, ミュージックチャージは通常のライブハウス並みなので,結構 お得な感じがします。まぁそれでも二人で行って,食べるのにも 力を入れればそれなりの値段になりましたが(^^;)。
それは良いとして演奏。非常に安定感のある新澤氏のトリオに 二クラスが乗っかる感じですので,音楽のフレームは非常に 明確でかっこよかったです。やはり新澤氏のバンドということで, 新澤氏の存在感というかコントロールはすごかったです。実に 厚い音なのにメロディがクリアな演奏でした。二クラスは フルアコらしい音で太いシングルノートで演奏するジャズらしい サウンド。今回は二クラスの曲ばかりでしたので,その 作曲センスのすばらしさも堪能できました。大槻氏,鳥越氏の リズムも的確にグルーブを作り出していてとても良かったです。
海外からのゲストということで,なかなか聴けない演奏ですが, また来日して,この面子で演奏してほしいものです。

08/05/23: キース・ジャレット solo2008(東京芸術劇場)
気がついてみたら二ヶ月ライブに行ってなかったのですね。
というわけで久しぶりのライブはキースのソロコンサートです。
キースのライブは来日するたびに少なくとも一回は行っているし, ソロも何度も観てるので,ちょっといまさら間があるのですが, 病気から復帰して以来のキースのライブは,体力の復帰や表現の 新しい追求みたいな,新しい面の発見も多いのでやっぱり見逃せません。 今回は日本公演の最終日の芸術劇場に出かけました。
今回は1st.セットが35分くらいの長い演奏のあとブルース。 2nd.がたぶん3曲,そしてアンコールが3回でした。1st.の一曲目は これまで聴いたライブの中ではずいぶん長い演奏で,変化もさまざまで キースの集中力や演奏表現の豊富さのすごさを感じます。ちょっと 一曲目で緊張が途切れたのか,それとも客席の緊張を和らげるためか, ブルースはちょっとサービス的な感じもしました。
最近のキースのソロはCDとかの演奏を聞いてもわかりますが, コードやメロディを解体してしまったような,アブストラクトな 演奏が多く,ピアノの演奏表現を追及してるような感じがあります。 今回の一曲目,2nd.の二曲もそんな感じで,聴いているほうもかなり 緊張を強いられます。でも2nd.の三曲目はそういう始まりから, いつの間にか美しいメロディの曲に変化して行き,その解体された 音の断片から,メロディやコードが構築されていくところが すごい…そういう感じでした。 以前はここまで曲を持ってくる前に結構息切れしていたような 演奏も多かったのですが,今回のはすごかったし,逆に一曲目の 様な,解体された中で変化をしていく演奏も,すごいです。
アンコールはスタンダードとかを弾いたりしましたが,やっぱり 本人も,こういう演奏は楽なのだろうな…という感じはします。 それはそれでリラックスできていい演奏ですけど。
芸術劇場は,以前キースが観客に苦言を呈するという事件が あったところですが,観客もそういうのを知っているのか, 今回は,咳払いも皆さんものすごく我慢しているし,演奏後の 拍手も,キースがペダルから足を離すまで我慢するとか,観客の 理解もすばらしかったです。まぁでも,キース自身も,客席の そういう緊張感をちょっと感じている感じはしました。キースが 観客にリラックスを促すような感じもありましたし。
というわけで,1stの最初の長い演奏や,2ndの最後の演奏とかは, これまでのソロ演奏の中ではひとつの到達点という感じで,ぜひ CDに入れてほしいなぁ…と思いました。
でも,一般の観客の中にはああいうアブストラクトな演奏よりも バラードとかスタンダードとかそういう演奏を良いという人も, 多いようだなぁ…とちょっとmixiとかを読んでいて,うーん,と 思いました。まぁこの辺の演奏に対してキースがどう思ってるかは, ちょっと気にはなりますが。
というわけで,キースのソロはますます進化してるなぁ…ということで, 大満足,最高の音楽を聴けた日でした。


見る予定のライブなど(あくまでも予定)



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