2004年4月から6月見たライブなど

文体がころころ変わってすみません。ちょっと試行錯誤 してるので…

04/06/26:新澤・後藤・和泉・杉本・松山セッション (戸塚Gクレフ)
タイトルはいい加減です。正確には本来臼庭潤&Jazz Rootsの 予定だったのが,リーダの臼庭氏が都合上欠席ということで, 残りのメンバーによるセッションだったのです。
とはいってもJazz Rootsのナンバーをやるのではなく, 各自持ちよりの曲。結構選曲がすばらしく,タイトルは 失念しましたが,ミルトン・ナシメント,カーラ・ブレイ, セロニアス・モンク,アジムス等の曲をやってました。 この辺なかなか聴けないのでおもしろかったです。あと新澤氏の 曲(即興曲)とか,セント・トーマスとかもありましたね。
一応メンバーを書いておくと
  • 後藤篤(tb)
  • 和泉聡志(g)
  • 新澤健一郎(p,key)
  • 杉本智和(b)
  • 松山修(ds)
です。
わりとポップな選曲なので,熱く盛り上がりながらも,とても 聴きやすかったです。 臼庭氏がいるときと,幾分雰囲気も異り,これはこれで結構 貴重なライブだったかも知れません:-)。

04/06/08:Nervio (目黒ブルースアレイジャパン)
ほぼ一ヶ月ぶりのネルビオです。ブルースアレイは 1月以来ですが。
水戸では新曲を5曲程度やってましたが,今回もやりました。 ですが,結構感じが変わってます。というか今回は従来の曲も なんとなくゆったりした感じがありました。ちょっとはなしを替えて, 音ですが,ブルースアレイだからか,それとも今日がそうだったのか わかりませんが,今回は非常にバランスがよかったです。 各楽器の音が全て良く聴こえてました。そういうわけで,先に書いた, ゆったりした感じというのは,お互いのやり取りがしっかりできている… という感じだったのかも知れません。
それにしても古い曲も含めて,かなりいじるというかすでにCDとは 違った曲になってます:-)。キーボードもソロと一部の曲以外は あまり弾かず(とは言え,弾く場合は結構印象的な音),ほとんど グランドピアノで,ベースもアクゥースティックなので,全体的に アクゥースティック色が強くなっている…という印象を持ちました。 でもリズムとかは斬新なんですが:-)。
新曲も水戸の時とは結構印象が変わってましたが,完成度が より増したという感じです。あと曲順がいつもと結構違っていて, おもしろかったです。アンコールはお約束でしたが,ハッチャケ度は 増してました(笑)。
ツアー前なのに,既に完成度が高く,これでツアーに行ったら どうなって戻ってくるのかが非常に楽しみです。
…ちょっと感想とは違いますが…,今回もライブみていて,「うーん, これは野外とかで聴きたいよなぁ」とか思っていたりしたのでした。 しかもジャズフェスじゃなくて…。余談でした…。

04/05/30:クロスオーバージャパン2004 (代々木体育館)
去年から始まったクロスオーバージャパンというイベント。去年は カシオペア,スクエア,ナニワエキスプレスなどフュージョンブームの 頃の代表グループが多く出演しましたが,今年はわりと新旧織り混ぜての 出演。場所も前回講評だったせいか,代々木の体育館,いわゆる 都心での開催となりました。出演は
  • 角松敏生
  • 佐藤竹善
  • 高中正義
  • ディメンション
  • プリズム
  • 深町純&ジャパンオールスターズ
  • 松原正樹&今剛
  • 藤井尚之
など。もちろんバックも豪華です。
とはいっても,わたしは当時彼らの音楽を,そして現在そんなに 聴いてないので具体的に内容についてはあまり語れないのですが, 純粋に興味深く聴いてました。というか,フュージョンが代々木くらいの ホールでしかも結構な音量で演奏されるのって初めて聴いた気がします。 それだけでも結構新鮮でした。
まぁ音響はあまり良くないというか,細かいところがよく聴こえません でしたが,逆にドラムとかはアレくらいしっかりしたSR通すと 偉く硬い音になって違う材質のようです:-)。変な話ですが, ロックとかに比べ中域に楽器が集まってるから,グじゃ…って しちゃうのかな?とも思いました。 まぁ残響の問題が一番おおきいんでしょうが。
まぁただ,ジャズフェスとかロックフェスとかをずいぶんみている わたしとしては,結構運用の方で気になって,わりと疲れた…という 印象はあります。都市型にして屋内でやるっていうのは, 音響面を除くとそんなに悪い事ではないと思いますが, ずっとホールが暗かったのは気が滅入ります。せめて入れ替えの時くらい 明るくして欲しかったし,そもそも暗幕を使う必要あるんでしょうか?。 もちろん照明の関係もあるんでしょうが,照明といえば,妙に 無意味に明るい舞台照明だった気がします。あとプログラムが 事前にどこにも知らされていなかったのがちょっと不満といえば不満。 飲食スペースの問題とかもあるんですが,チケットが出入り自由なので, 逆にプログラムがわかっていれば,ちょっと合間に代々木公園や 原宿で気分転換も出来たのに…とか思いました。 わたしの体調が良くなかったというのもあるんでしょうけど。
という不満もまぁ8時間近いイベントだったということもあり, チケットの値段を考えるとかなりオトクなイベントだったとも 言えます。
演奏については,ほとんど初めて聴く曲ばっかりでおもしろかったです。 プリズムが一番今の音という感じですかね。あとポンタのドラムは, 最近わたしがわりと詰め込み型のドラムを聴いていたせいか, 音数が少なくしかもグルーブしているのが新鮮でした。
会場運営については不満を書きましたが,こういうイベント自体は いろいろ試行錯誤の上続けて欲しいと思います。

04/05/09:Nervio(水戸バブル)
前回観たのは二ヶ月前,その後 調布でやってましたが,radioheadとぶつかっていたので, いけなかったのでした。いや,4月はライブがぶつかるケースが 多かったです。
ちょっとその辺の欲求不満もあり水戸までネルビオ観戦に いったのでした。この店客のノリがいいので,盛り上がること多いし。
結論からすると行ってよかったです。とても面白いライブでした。 変幻自在って感じ。
新曲が四曲程度あったのですが,それ以外の旧曲も,いつもと違った展開を みせて全てにおいて新鮮でした。ベースが西嶋氏に変わったということも あるのかもしれせんが,それより新澤氏にしても岩瀬氏にしても 旧曲を全然違ったアプローチで攻めてましたから,バンドメンバーそれぞれの 変化なのかもしれません。
演奏メンバー自身も結構そういう意外な(?)展開に興奮しているのか, もう崩壊しそうなギリギリの感じで突っ走ってくれました。 まともに演奏させない…っていう感じのやり取りが緊張感一杯でした。 新澤氏の新曲(エレピで始まるやつ)のキーボードソロに入ったときとか Out of This Mindのキーボードソロの時に岩瀬氏がみせたクラブ系の リズムはなかなかの斬新な解釈でした。新澤氏のサウンドも スペーシーなところとチープなところをうまく使っていましたし, ピアノもしっかり聴かせてくれました。 ベースの西嶋氏はわたしが聴いたのは三回目ですが,今回は しっかり音も出ていた。ウッドベースですが思ったよりしっかりと クリアな音を出す人ですね。新曲も披露してました。
いやぁ,熱い演奏でした。CDではこういう演奏ってなかなか 納められないので,非常に行ってよかったです。 次は来月,都内になります。こちらも楽しみです。

04/05/05: キース・ジャレット・トリオ(神奈川県民ホール)
先日東京文化会館で観たキースジャレットの コンサートがが神奈川県民ホールでもあって,どうやら 当日券があるようだ…ということで,行ってきました。
今回は敢えて3階席をとってみましたが,わりと観やすかったです。 で,今日気づきましたが,このコンサートSRを使ってません。 もちろんモニタ用の転がしやベースのアンプはあるのですが, 客席へ向かっているSRスピーカが無いということです。 つまり我々が客席で聴いている音は生音です。
というわけで,もろ会場の音が問題になるのだなぁ…と思いました。 最初始まったときは,ちょっとピアノの音が篭りがちで, この会場はこういう音になっちゃうんだよなぁ…とか思っていたら, 前半の途中くらいからはっきりとした音になってきました。 これには驚きました。キース自身がピアノの状態を把握して 弾き方を変えたのか,楽器自身が慣れたのかは良くわかりませんが, それ以降は,しっかりとした厚みと輝きがある音でした。
内容的には文化会館に比べるとスタンダード色が強く,ほとんど それでした。観客も横浜のせいかジャズ的な反応をする人が多かったので, そのせいもあったのかも知れません。拍手とかの入る場所で, なんとなくそういう風に思いました。
というわけで,今回わりと落ち着いて聴けましたが,でも数曲, いろいろおもしろそうなことをやってそうな,なんかメンバの間を いろいろ飛び交ってるような瞬間があり,緊張感も感じました。
約10日間で,五回のコンサートをやったキースのトリオですが, 他のところはどうだったんでしょう?。また来年も来ることを期待します。

04/04/29: 大橋イサム HORN CORE ZONE(六本木ピットイン)
六ぴに行くのもずいぶん久しぶりだと思っていたら,去年の6月から 行っていなかったようで,久しぶりです。
というわけで,Core zoneですが,フロント4管編成のHorn Core Zoneと 言うらしい。Core Zoneというと,大橋イサムのバンド。 ハードフュージョンって感じでしょうか。まぁ何度かみてますが, 曲がかっこいいです。
メンバーは
  • 大橋イサム(g)
  • 新澤健一郎(kb)
  • 楠木雅祥(b)
  • 小森啓資(ds)
  • 丸木英治(tp)
  • 糸井恵(tp)
  • 北守一生(sax)
  • 鈴木“大納言”健一(tb)
です。フロントの四管はいつも…というわけではなく,多少入れ替わり。 ペットの丸木氏,サックスの北守氏だけになる場合もあり。 管の方々ですが,みなさん,ソロは非常にメロディアスに吹くタイプ。 聞き応えありました。
大橋氏のギターは非常に切れがいいです。うん,そういう表現が ピッタリ当てはまる感じ。リズム的にもフレーズ的にもそういう感じです。 今日はギター,ドラム,ベース,キーボード,なんか一体となるような 切れの良さ。ぶれた感じが全くなくて非常に心地好かったです。 新澤氏のキーボードもリズム的にも切れがいいし,ソロのグルーブ感, 音色のおもしろさもなかなか良かったです。
気負わず行ったのですが,結構楽しかったです:-)。

04/04/25: キース・ジャレット・トリオ(東京文化会館)
すみません。謝ります(_o_)。実はコンサート前,わたしはそこまで 期待しておりませんでした。いやもちろん全然してないわけではなく, しているんですが,すでに何回もコンサートをみてきたこのトリオですし…。 現在もっとも強力なジャズピアノトリオであることはもちろんですが, キース自身の健康の不安もだんだん無くなってきて,昔のような 元気な演奏を前回辺りから聴いてましたし,CDを聴いてもそういう 印象。もう20年も演奏を続けているので,そういう健康面以外では 不安要素もないし,抜群の技術を持つ三人ですから安心して 極めて質の高い演奏を聴かせてくれます。
実はライブが始まる前,「わたしはこのトリオに何を期待して行くのだろう?」 と考えてました。上記のように何度もみてきています。それと 最近ちょっとトリッキーなジャズピアノを堪能していたりして, そういう部分をこのトリオには求めていない…。「おそらく,これは 高級料理を年に一度食べに行くって感じなんだろうなぁ」とか 思っていたのです。つまりなにか目新しい発見をしにいくのではなく, 最高級の演奏を楽しむと…。
結論からいうと上記の当初の予定は覆されました。実は前半までは わりとスタンダードをしっかりと演奏している…という感じがして, 悪くいうとこじんまりとした感じ,良くいうと極めてバランスの取れた クールな演奏…という感じでした。
…ですが,後半に入って,だんだん変わっていきます。スタンダードを 演奏しているようなのですが,どうもスタンダードぽくない…,じゃない スタンダードぽいんですが,どうも曲のフレームが変化してます。 スタンダードというとだいたいテーマがあって,そのテーマの フレームでソロを取るという感じ。もちろんアレンジを施して, 途中にインタールードを儲るような演奏をする人もいるんですが, そういう感じでもない。なんか組曲のようにスタンダード風な 雰囲気を持ったまま曲が変化していくような感じになりました。
このトリオは以前からスタンダード以外にもインプロビゼーションを 演奏することは多かったのですが,大抵単独の曲として演奏する パターンか,ある曲を演奏していて,曲の終わりに そのままリフとかに引き続けてそしてインプロビゼーションに 入っていくパターンでした。しかし今回は曲の途中がインプロビゼーションに なっているという感じでしょうか?。いやよくわからないのです。 そもそもキースのトリオはあまり他の人が取り上げないような 曲を弾くので,テーマを聴いても(ある)曲なのか,インプロなのか 良くわかりません。今回も「これって既存の曲なのかな?」という 感じのところが何度もあり,よくわかりませんでした。というか 途中でラウンドミッドナイトやストレートノーチェイサーを やりましたが,テーマもソロも全然フレームが違います。後者は ブルースですらありませんでした…。
というわけで,いわゆる通常のインプロとも全然違う感じでした。 数年前,このトリオで即興だけのアルバムを出したとき, 「スタンダードというフレームの中で自由に歌って行く,そうして そのフレームを取ったらどうなるか?」という様な話をキースが していた気がするのですが,まさにそういう感じでした。スタンダードの 中で培ってきたボッキャブラリを使ってそのままスタンダードと いう枠を外したような演奏でした。ちょっと今までとは違った フリーインプロビゼーションの在り方を聴いた夜でした。
終わってみれば,定番の高級料理何かじゃなくみたこともない 新しい料理でした。しかも目先の新しい変わった料理…ってわけではなく, 素材や調理法はしっかり吟味された,新しい料理です。
ちなみにコンサートで売っていたパンフ…,12000円のチケットに サラに3000円は高くないか?…と思ったんですが,買って中身を みるとそうでもありませんでした。結成20周年ということで, 三人のコメントがふんだんに書かれていて,主に結成に纏わる話, あとこのトリオで三人がやろうとしていることが,三人それぞれの 視点から語られていて,非常に興味深かったです。そして 今日の演奏後にそのやっていることを読むと非常に納得の行く, 理解の深まるパンフでした。このパンフに書かれていた事( つまりこのトリオでやっていること)については, また別途書きたいと思います。

04/04/17: radiohead(幕張メッセ)
radioheadは去年のサマーソニックで ライブを見て衝撃をうけました。なので今回の単独公演は 非常に楽しみだったんですが,やっぱりメジャーどころなんで チケットはあまりいい席をとれなかったようです。っていうか 最近ジャズとかで3列目とか10列目とかでみる癖がついているので, 100m以上向うにあるステージを見るのはとてもなれてません。 しかもオペラグラス忘れた_| ̄|○…。
えっとまずは状況説明。会場は幕張メッセ展示場の3つのフロアを ぶち抜いた大きな構成でしたが,ブロックわけは前半分を二つ, 後ろ半分は一つという三分割でした。スタンディングです。 で,わたしは後ろ半分の ブロックです。ですので一つのブロックに数千人が入っているわけで, 前の方に行こうかと思っても無理です。…っていうか前に行くと かえって人が密集していて見えませんでした。というわけで, 最初の一曲目はブロックの前の方にいたのですが,とても 無理だと判断して,結局後ろの方でみました。一応 ステージ横にスクリーンがあったのですが,芸術的な映像なので ステージで何をやっているかは全くわかりませんでした(^^;)…。 あと会場は販売スペースと出入り自由で スペースで買ったジュースとか食べ物とかを買って持ち込めます。 ちょっとイベント形式ですね。
というわけで,最初戸惑ったんですが,ステージで何をやっているか みよう…とかいうのを完全に諦めると楽しめました。
演奏自体は非常にいい。音のバランスもすばらしいし迫力十分。 CD以上の緊張感を出してましたし,あと照明がすばらしく音楽と 合間って,もうちょっとで逝けそうでした(笑)。
サマーソニックのときより旧曲を減らし新曲重視になっていたし, 電子音も増えていた気がします(なのでうち込みなのか手弾きなのか 気になったのですが…,リズムは打ち込みでもシンセは結構 弾いているようでした)。途中日本語のニュースをサンプリング した素材を使ってましたが,それがなんと当日のニュースで, びっくり…。翌日は別の素材を使ったんでしょうか…。ライブで ニュースを知るという珍しい体験をしました(笑)。
やっぱり非常におもしろいことやってるなぁ…と思いました。 ライブ自体は十分楽しめましたが,やっぱりもうちょっと前の方で みたかったです。なんか駅前のダフ屋で買った方がいい席 あったみたいで,ちょっと次に来るときは考えてしまうな…と 思いました。なのでまた来て欲しい…。

04/04/03:e.s.t(オーチャードホール)
すげー,良かった,おもしろかった,すばらしかった…。
というわけで,うまく言葉で表現できるかしら?(^^;)…。
わたしは 「すばらしい演奏能力を持っている人たちが」 「その人(ら)に特有の要素を持つ音楽を」 「ポップで分かりやすく演奏する」 というのが最高にすばらしいと思ってます(まったく逆のものも 世の中にはありますが…)。これは音楽に限らず多くの芸術で そうだと思ってます。あくまでも主観ですけど。
今日のコンサートは本当にそういう感じでした。e.s.t.に ついては以前のコンサート, もしくは最新のCDの 紹介のなかで書いているので,特にデータ的な話は詳しくは 書きませんが,スウェーデンのピアノトリオです。
彼らの音楽を文字で書く場合,どうも特徴的なことを書くと,「それが メイン」であるかのように取られそうで迷うので,最初に書いて 起きますが,そうじゃありません。つまりアクゥースティック ピアノトリオなのですが,グランドピアノにエフェクタをかけたり, ウッドベースにエフェクタをかけたり,テクノ的なリズムをドラムが 刻んだり…というのは彼らなりの新しいピアノトリオの試みですが, あくまでもそれらはちょっとした味付け的に曲の一部に出てくるのみで, それらが彼らの音楽の柱ではないのです。また卓越したテクニックで 時にはトリッキーなプレイもしますが,それもちょっとした表現の バリエーションの一つというだけです。彼らの音楽の特徴は その音楽の美しさにありメロディの良さでしょう。そしてそれを 表現するために上記の技術をうまく活用しているだけともいえます。 そして新しいエレクトリニクスやリズムの導入はバンドサウンドの 幅の広さにつながっていますが,それでも彼らの中に一貫したものを 感じます。
ちょっと理屈っぽくなったので,もっと雑な感想を(^^;)…。
最初オーチャードでやると聞いてそんなに動員出きるのか?…と 思いましたが,まぁまぁ入りました。それにしてもすばらしくサウンドの バランスが良く,結果的にこのホールで正解だったと思いました。 特にウッドベースが篭っていて,そんなに大きくないのにしっかり聴こえます。 これは音量というよりバンドの中でうまくベースの空間をつくっているから ともいえるんですが,サウンド的には響きが十分にありすばらしかったです。 そして,もう三者ともすばらしいです。このバンド,ピアノの人が リーダーでバンド名になってるから,ピアノの人がひっぱてるバンド かと思いきや,とにかく三人ともすばらしいのです。ピアノは 曲も書いているしとにかくしっかりしたピアノを弾き,それでいて 生ピアノにエフェクト音(しかも敢えてチープな音にする)を その場でかけていたりして,いろんなアイディアを持ってます。 で,ベースの人がすばらしい。ウッドで,アルコもすごくきれいですし, ムチャクチャ難しいフレーズも弾きますが,それでいてディストーション をかけてギターみたいな音も出します。ドラムもパーカッションみたいな プレイからテクノ的なサウンドも出しとにかく良く歌います。
とにかく三人ともユニークなプレイでこのバンドができあがっていると 言っていいでしょう。それでいてバンド全体では非常にメロディアスというか ロマンチックな音なんですよ。
曲は最新CDからがほとんどで,あとモンクの曲を1曲,知らない曲 (わたしは最近の3枚のCDを聴いてます)を1曲か2曲やった気がします。 典型的な白人ジャズで,ほとんどブルースの香りはしないんですが, 一曲ちゃんとジャズした曲があって,それでいてかなりテクニカル だったので,ジャズもちゃんと弾けるんだと思ってしまいました(^^;)。 そもそもクラシック的な難しい曲も弾けるので演奏技術はみんな 相当高いですし。それでいて,シンプルなメロディを空間をたくさん 持って弾くのですばらしいサウンドが出るのだと思います。
とにかく大満足。日本は一回きりのライブのようですが,もったいないです。 知名度が高くないかと思ってましたが,まぁそれなりに入りました。 空席も目立ちましたが…。それより終演後にCDを買った人には サインをしてくれたんですが,100人以上並んでました。 はじめて聴いて気に入った人多かったんでしょう。
これに気を良くして,また来てほしいです。
………おまけ……
上で「特徴的なこと」を書くのをためらってますが,せっかくなので 書いておきます。あくまで備忘録がわりです。そういう音楽…って いう意味ではありません。念のため。
まず全体の話。セッティングはオーチャードの広いステージの上なのに 三者の楽器が触れ合うくらい寄せて設置されてました。合図とかの 関係なのかな…。メンバー見つめあって弾いてるシーンも多かったです。 でも(わたしは7列目でしたが)音響的には良くて,被ってる感じも あまりしませんでした。
ピアノ(Esbjorn Svensson)について。
グランドピアノ。マイクは三本立ってました。それ以外にピックアップが あったかは謎です。ピアノは生音が出てましたが,それ以外に時々 エフェクタをかけてました。エフェクタはピアノの上に赤くて丸いのが あったのでLINE 6のPODじゃないかと思うんですが,良くわかりません。 エフェクタは軽く歪ませた音,モジューレション等が多かったですが, 基本的には生音にちょっとだけ混ぜるという感じ。しかも曲の頭や エンディングにかける感じでソロとかにはかけません。効果音って 感じか?。でも軽く弾いた音は歪んで,強く弾くと生音…っていう 感じの時があって,どうやってるのかな?…と思ったんですが,つまりは 強くコンプレッサーかけてたのかも知れません。それ以外には ピアノの上に金属片をおいてびびらせて弾いたりとか手で押させて ミュートさせたりとか,そういうギミック的なことも結構やってましたが, もともとピアノがうまい上に,ちょっとした味付け程度にやるので, 嫌味がないというか,つまり「そのテクニックのために曲つくりました」って 感じがしないのがこのバンドの良いところです。非常に愛想が良くて MCでも一生懸命日本語を喋ろうとするし,サインも快くやってくれました。
ベース(Dan Berglund)について。
個人的には一番おもしろいことやってるように感じました。楽器は ウッドベース。同じくエフェクタをかけますが,これも赤くて丸かったので PODではないかと?…。良く見えませんでしたが。ペダルも使ってのかなぁ…。 いろんな事をしてました。アルコが抜群にうまいです。弓の持ち方も チェロと一緒(フレンチボウというらしい)で,もしかしたら他のバイオリン 属の楽器をやっていたのかも知れません。歪ませたときはギターのような 音も出してましたし,その他にもパーカッシブに楽器を叩いたりとか, とにかくいろいろやってました。でもピアノと高速の四分音符でひたすら ユニゾンする曲とかもあって,普通のうまさもあります。
ドラム(Magnus Ostrom)について。
背が高いのか,バスドラが小さいのか,ドラムはやたら低いセッティング。 スネアが膝より下にあったし,ライドもそれくらいの高さでした。 そのせいか猫背で丸くなって叩いてます。1タムでしたが,タムを 叩いた印象がありません。ほとんどシンバルとスネアだけで変化を つけてました。ただし左側に小さいゴングとか鉄の棒をぶら下げていて, そういう効果音も出してました。ゴングはしっかりチューニングされている 様で,フレーズも出してました。スティックはいろいろ持ち代えてました。 とにかく良く歌います。小さな音で散漫な叩き方をしているときから, 盛り上がっていて細かい粒子をちりばめているときまで,時間的な 変動は大きいです。でも不思議にうるさくはなりません。音量的な 変化をあまり感じさせず十分に盛り上げるところは凄いな…と 思いました。あと片手で既にドラムンベース的なビートを叩けるので, 非常にやれることに余裕がある感じがしました。
というわけで気づいたことでした。
あと演奏曲がわかったので引用します。最近の二枚からが メインでした(_o_)。
  • Seven Days Of Falling・・・・・・アルバム「セヴン・デイズ・オブ・フォーリング」
  • The Rube Thing Nyko"ping・・・・・アルバム「e.s.t. LIVE '95」(日本未発売)
  • Why She Couldn't Come・・・・・・アルバム「セヴン・デイズ・オブ・フォーリング」
  • Mingle In The Mincing-Machine・・アルバム「セヴン・デイズ・オブ・フォーリング」
  • Believe Beleft Below ・・・・・・アルバム「セヴン・デイズ・オブ・フォーリング」
  • I Mean You ・・・・・・・・・・・アルバム「Plays Monk」(日本未発売)
  • Elevation Of Love・・・・・・・・アルバム「セヴン・デイズ・オブ・フォーリング」
  • Carcrash ・・・・・・・・・・・・アルバム「ストレンジ・プレイス・フォー・スノウ」
  • When God Created The Coffeebreak アルバム「ストレンジ・プレイス・フォー・スノウ」
  • Behind The Yashmak ・・・・・・・アルバム「ストレンジ・プレイス・フォー・スノウ」
  • Spunky Sprawl・・・・・・・・・・アルバム「ストレンジ・プレイス・フォー・スノウ」
  • The Second Page・・・・・・・・・アルバム「Winter In Venice」(日本未発売)


見る予定のライブなど(あくまでも予定)

未定…,夏フェスに行きたいんだけど…。


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