live report

2005年4月から6月に最近見たライブなど

今後の予定

文体がころころ変わってすみません。ちょっと試行錯誤 してるので…

05/06/26:Nervio (モーションブルーヨコハマ)
わたし的には4月のライブ以来の Nervio…。ですが,実は先月CD発売ツアーをやっております, 見てませんけど…。
というわけで,ざっという感想は「かなり変化し,完成度が上がった」 というものだったりします。
さて,今夜のNervioはモーションブルーで…。以前他のライブでも 思ったので,今夜に限った話ではないのでしょうが,モーションブルーって バランスが良いですね。楽器が聴こえない…という印象を持ったことが ほとんどないです。ただちょっと響きすぎるかな?…という ところはありますが,許容範囲。Nervioは音数が多いバンドですが, しっかりすべての楽器が良く聴こえました。ただしこれは バンド自身のサウンドの変化も関係ある気がしました。
ツアーで4つか5つのライブをこなしているので,完成度は上がっている だろうなぁ…とは思いましたが,従来の曲が大きく変化してる…って いう感じはほとんどの曲で。あとリズムが結構タイトになっている, ある意味無駄な部分とかグシャという部分(これは必ずしも悪い部分とも いえないのですが)が抜け落ち音数は多いのですが,空間を十分に 感じさせるものになってます。Heart Of Fleaとか以前はロックだったのに どこかファンクを思わせるタイトなリズムになってました。
他にもかなり印象が変わっている曲がほとんどで新鮮な気持ちで 楽しめました。
今回はファーストステージが結構曲多めで1時間半くらいやっていた 気がします。MCもそんなに長くなかったので,たっぷりとした 演奏でした。セカンドもそれなりに長かったです。選曲も 結構統一感があり,かつ長い曲,短い曲でメリハリも 合った気がします。夏のジャズフェストかでやると良いラインナップ なんだけどなぁ…とか思いますが…,まぁそれはそれで。 というわけで,また次のライブも行けることを楽しみにしてます。 こんどはどういう風になるか…。

05/06/25:e.s.t(オーチャードホール)
去年の4月の公演からほぼ 一年ぶり,三度目の来日公演です。去年は東京公演のみでしたが, 今年は大阪公演と横浜公演が行われており,一昨年まで ほとんど日本では知る人がいなかったこのバンドも,着実に ファンを増やしているのでしょう。
というわけでオーチャードも7割程度の着席か?。広いステージ上の 中央にほとんどくっついてコンパクトにセッティングされた 三人のセット,ピアノの上にはPODが載っていたりします。
さて演奏小さめのピアノの音からテーマを繰り返して いく,そして徐々に音の輪郭がクリアになる感じ。引き込まれます。
エスビョルン・スヴェンソンのピアノは時には繊細に時には 大胆にダイナミックの広い演奏ですが, あくまでもメロディアスでリリカル。とにかく無駄な音がない, 安易に出されている音がありません。 そしてベースのダン・ベルグルンド,この人がe.s.t.の曲を 他のバンドが真似できない独自の物にしてるところも強いのですが, とにかくすごいテクニック,だけどかなり過激。ただ過激さが テクニックを見せるためにやってるわけじゃなく,あくまでも 曲の表現としてやっているところがすごいです。これは 他のメンバーの演奏もそうなんですが,とにかくベーシックなところの 技術がすばらしく,正確なリズムや音程,高速なフレーズを 何の無理もなく弾いてしまう…そういうところに物凄い 技術を感じるのですが,それとは別にベースにエフェクタを かけて,サウンドに変化をかけている,なのであくまでも それは音楽的に必要なこと。ドラムのマグヌス・オストロムも ソロとかは非常に音数が少ないのですが,シンバルレガートや スネアのワークややたらリズム単位が細かく正確。
e.s.t.のすごいところは,今まで聴いたことがない新しい ジャズという感じがビンビンにするのに,アクゥースティックな フォーマットであるところ,技術を見せ付けるわけじゃないが 非常に高度な演奏であるとろ。とにかく音楽的で 美しい。その音楽が生まれる瞬間をまたこの目でみれて とても幸せでした。また来日して欲しいしもっといろんな 人にみて欲しいバンドです。

05/06/03:Coco(渋谷PLUG)
結構長い付き合いであるジャズボーカリストのCocoさんの ライブ。専業歌手じゃないのでここに書こうか悩みましたが, まぁ歌ってるときはプロでしょう…ってことで…,さり気に…
ライブは歌もののカップリングの3組で,ジャズばかりじゃな く女性の弾き語り…ともあったようですが,わたしはCocoさんの ライブのみを見ました。
メンバーはCoco(vo),齋藤尚(g,b,uk),林柄哲(key)の三人。 リズムレス…ということになります。曲はスタンダード,ボサノバ, そして知り合いが作った曲…とかいう感じでした。ですが, アレンジが結構新鮮でおもしろかったです。ギターの人は 曲によってベースを弾いたりウクレレを弾いたりという感じでしたし, キーボードの人は音数の変化をうまくコントロールしてました。 Cocoさんの歌もだいぶ久しぶりに聴きましたが, 結構うまくなってました(^^;)。
というわけで,知り合いって事でいったんですが,かなり楽しめました。

05/05/07:ザビヌルシンジケート(ブルーノート東京)
今回もサイコーです。チョーすばらしい。
ザビヌルシンジケート今年も来てくれました。前回は 一昨年ですが,その前に 数年来てなかったことを考えると,とてもうれしいです。 日本,気に入ってくれたのでしょうか?。どんどん来て欲しいです。
さて,ライブですが1st.と2nd.の両方をみました。演奏曲は 一緒だったように思いますが,結構やり方は違ってました。 特に1st.は途中ギターの弦が切れたりしたせいか,その対処を やってるときにすこし演奏が散漫になった感じがして,2nd.の 方はもっと安定した感じと…。
メンバーは
  • Joe Zawinul(key,vo),
  • Sabine Kabongo(vo,per),
  • Alegre Correa(g),
  • Linley Marthe(b,vo),
  • Nathaniel Townsley(ds),
  • Jorge Bezerra(per)。
ザビヌル以外だと,ボーカルのサビーヌ,ベースのリンレイが 前回と同じメンバ(ですよね?),ドラム,パーカッション,ギターは 変わって新しいバンドとのことでした。 基本的にはアフリカンですが,ギターはブラジル人とのこと。前回の ライブに比べるとリズムがドライになった感じがします。
それにしてもすばらしい,前回同様の音楽の方向性で,とにかく 怒涛のリズムと色彩。一曲目からいきなりアクセル全開でドライブ。 細分化されたリズムの上に縦横無尽にザビヌルのシンセがうねりまくります。 ザビヌルの場合,ソロや曲自体を一つのベクトルで徐々に変化 させていく…というより,スイッチのように切り替えていくという 感じです。メインをラウドにやっていて,変化としてキメや 部分的に音量を落す…という感じ。とはいえ,ずっとラウドな リズムが続いてもそのテンションの強さに単調な感じはなぜか しません。
今回ザビヌル以外に気になったのがベース。前回と同じだと 思うのですが,とにかくバンドのサウンドの変化に大きく寄与してるし, 右手の多彩な奏法やとにかく音の多さにびっくりしました。こんな ひとだったっけ?…。前回のライブではザビヌル対リズム隊と いう感じでしたが,今回はザビヌルとベースが全面に出てるという 印象を受けました。それとボーカルのサビーヌ姉様。やっぱり この人すばらしい。
興奮の1時間半×2本でした。1st.は花道沿いの席だったので, 全員と握手できました。うれしい…。2nd.は終電の関係で 最後の曲が始まったところで帰りましたが…。
とにかく現在最高の即興集団ですね。またの来日をお待ちしてます。

05/04/22:Pat Metheny Gourp(東京国際フォーラム)
前行ったのはいつだっけ?…と調べたら 2002年の9月ということで2年半ぶりですか?。意外に時間 経ってますね。
さて,もう何度目だろう?…というくらいのPMGの来日とそれに対する わたしの観演。今回も最高でした。もうケチつけるところなんか ありません。この演奏にケチをつけたら他の演奏なんて なんて書けばいいかわからないくらい…。クオリティも演出も 訴える力も音楽内容も演奏内容もいずれもすばらしい,人気で チケットが取りにくいくらいか(^^;)…。
というわけで,絶賛して終わり…という感想にしてもいいのですが, 幾つか思ったことがあるので,それを書きます。演奏のすばらしさは 上に書いた…と言うことにして(^^;)…,ちょっと「へー」って 思ったことのメモ書きみたいな感じで。
実は今回のライブはThe Way Upという新譜の発売記念ツアーと なるのでしょうけど,実はこの新譜The Way Upというアルバム, 実はわたし評価をペンディングしておりました。このアルバムの 売りというか特徴の一番目…というのはCD1枚70分が一つの 組曲になっていて,切目がないこと…。実際はトラックは4つに 分けられていて,そこでモチーフが変わったりはしてますが, 演奏は切れてません。実はこのアルバムを聴いたとき「どうして こんなことをしてるのだろう?…」というのがずっとわからなかった のです。もちろん演奏はすばらしいんですが,どこを切っても メセニーだし,今までの曲を単に切目なく演奏するだけじゃ だめなのか?…とか,テーマとかが余りない分,かえってアルバム 全体にめりはり感がないなぁ…とか思っていたのです。
ところが実際にコンサートでThe Way Upのアルバムまるまま70分 ぶっ通しで演奏してるのを聴くと「あぁこの為にあのアルバムは つくったんだ…」と実感したのです。これ…,うまく言葉で 言いにくいんですが,逆にThe Way Upの演奏をした後,過去の 名曲を一曲ずつ演奏するのを聴いていて,逆にこっちがこじんまり してるというかせせこましい印象を感じてしまい,そういう意味でも そう感じたのでした。短い曲を一曲ずつ演奏すると,曲が始まって 盛り上がり,中間部のソロとかがあって,また最後に終わって喝采… というのが7〜10分間隔で繰り返されていく…っていうのが,どうも The Way Upの様な曲を聴いたあとだとなおさら落ち着きの無い様に 感じてしまうのです。
このことは実は最近クラブとかにいくと,1ステージ1時間とかを ぶっ通しで演奏しているのを体験したりとかするとなおさら感じて しまうし,逆に歌もののライブに行って5分単位で曲が変わっていくのを 聴くと,やっぱりなんかそこでいちいちブツブツ…と切れた感じが する…っていうか…。自分の家でアルバムを通して聴くときと, ライブで聴くときはその曲の合間でのココロの変化がやっぱり 違っていて,自宅だと曲の合間に前の曲の余韻を感じつつスムーズに 次の曲に行くような流れでも,ライブだとなかなかそうはいかないの だな…と。
そういうわけで,The Way Upは敢えてライブで70分ぶっ通しで 演奏するためにわざわざつくった作品だったのではないかと 今になっておもうわけです。最初にこのツアーでThe Way Upを するらしい…と聴いたときは驚きましたが,むしろ当然の 流れだったという…。もちろん従来の曲を繋げて70分 演奏するというのもありなのかも知れませんが,敢えてしないと いうか,曲の選択とか統一感…とかいう意味でやりにくかった のかも知れません。
というわけで,前半はThe Way Upをやった後,休憩なしで 後半突入。こっちはThe Way Upの反動か曲の統一性も なくヒット曲を一つずつ演奏していきます。その反動で 感じたのかも知れませんが,だからことまるで「別のバンドの演奏」 の様に感じてしまいました(^^;)。…というか後半は まるでセッションをやっているか,それとも前座のような 演奏のようにも聴こえてしまって,そこだけが引っ掛かって しまいました。本当は後半にやったような演奏を頭にやって, 休憩をいれた後にThe Way Upをやる…という方がいいのでは?…とも おもったのですが,一曲目にThe Way Upをやっちゃうという 意味もわかります…。正直前半のシリアスさに比べて 後半はすばらしいながらもこっちもどこか楽しめていて, 後半は本当にエンターティメント。 これだけのすばらしい曲と演奏をエンターティメント的に やってしまうところがメセニーのすごいところだなぁ…と 感じるところです。
まぁでも後半の選曲はなかなか興味深かったし,現メンバーに よる演奏は,新しい側面をたくさん見せていてとても 良かったです。特にクンブーのサウンドと新加入のハーモニカは すばらしい。現在のPMGはペットとハープとギターがフロントに なるわけで,このフロント構成っていうのはお互い邪魔せず, しかも新しいなぁ…と感じました。
あともう一つだけ気づいたこと…。The Roots of Coincidenceって 曲,発表された当時は単純にドラムンベースへの回答…と思って いたのですが,今聴くとそれもあるんですがそれだけじゃなくて, ブリティッシュのバンドが良く使う壁ギターの要素もあるんですね。 先日ちょうどradioheadのライブでメンバーが「どれだけ音を 詰め込めるかを勝負した」というコメントを聴いていたので, つながりました。それでライルが敢えてギターを弾いているんだ…, 今回もサビのところだけギター三本で歪ませてましたし…。
…という風に今回のライブではこういうことを考えましたが, 最後に書いたようにメセニーの曲って数年経って「あれは そういう意味だったんだ…」ってわかることが多々あります(We Live Hereとか)。なので今回わたしが感じたことは,また 変わるかも知れません。でもすばらしい演奏とともにいろいろ 発見もさせてくれる,とにかくすばらしいライブでした。

05/04/16:臼庭潤JazzRoots(戸塚Gクレフ)
お馴染のGクレフでのJazzRoots。メンバーは
  • 臼庭潤(ts)
  • 佐野聡(tb)
  • 新澤健一郎(kb)
  • 永井充男(g)
  • グレッグ・リー(b)
  • 松山修(ds)
です。グレッグと永井氏がすごくいい味を出していて,今回は ちょっと大人な演奏でした:-)。クールにかっこいい。
永井氏はちょっと変わったギターですね。弾きまくらないし, ポイントポイントで印象に残る音をいれてくるという感じ。 こういうの好きです。その分,バンドのカラーをつくっていたのは 新澤氏のキーボードという感じで,しっかり空間を つくってました。
佐野氏はギャグが…じゃなくて(^^;)。最後の指笛に驚愕。 大変楽しかったです。
というか今回はかなりいい感じでした。

05/04/03:Nervio (調布GINZ)
実はこの日は昼間にいろいろやっていたため,遅れて(3曲目)いき, しかもちょっと上のそらで聴いていたところもあったので, 感想を書くのが申し訳ないのですが,ちょっとだけ簡単に。
本日はメンバーの一人である新澤氏の誕生日ということで, バースデーライブでした。というわけで,前半は今月末発売の新譜の 曲メインでしたが,後半はケーキのイベント,ゲストでNORIKOさんが 参加しStingの曲を歌いました。あとQuiet Leavesでよくやっている 「2001,April 3」という曲をNervioでやったりとか,ちょっとした サプライズがあり,なかなかおもしろかったです。
演奏は新譜の曲については,だんだんこなれてきたというか, 表現の幅が広がってきてる気がしますし,古い曲に関しては かなり進化してるように思いました。既に何でもできるバンド…て 感じになっていて,今回は割とタイトな感じに曲を いじっているという感じがしました。
というわけで,いつも通り楽しいライブで,早く新譜を 手にしたいと思います。Nervioの音って上から降ってくる…と いう感じな場合が多いんですが,GINZの環境だとさすがに, そうは行かず,下から浮き上がってくる…という 感じでした:-)。




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