live report

2005年7月から9月に見たライブなど

今後の予定

05/09/22:新澤健一郎Piano Trio(大泉学園 in F)
新澤健一郎氏のアクゥースティックピアノを中心としたトリオプロジェクト。 メンバーは毎回変わるようです。今回は杉本智和(b)氏,つの犬(ds)氏と いうことで初顔合わせ。豪華です:-)。
in Fというハコは15名ほど入るとほぼ一杯の小さいハコなのですが, そのせいかウッドベース以外はアンプ無しの生音。各メンバーも お互いの音が良く聴こえるのか,実に繊細な感じでインタープレイが 進められていて,他の場所とはまた違った味わいのある演奏でした。 杉本氏,つの犬がそもそもかなり柔軟な演奏スタイルを持っている せいもあるでしょうけど,あまりラウドにならず進んでいく感じが 良かったです。
前半は新澤氏の曲中心,後半はスタンダード中心。双方結構 趣きが違いおもしろかったです。
メンバーはどんどん変わっていくんでしょうけど,いろいろな 風景を楽しめそうです。楽しみ。

05/09/10: 早坂紗知MINGA(池袋噴水広場)
「池袋ジャズフェスティバル2005」という中での MINGAの演奏。ジャズフェス自体は無料です。毎年やってるのかは 知りません。今回はアメリカの災害への寄付という主旨が あったようですが…。
というわけで演奏は45分くらいの短いもの。MINGAは 8月31日に横浜でみましたが,今回はメンバーが異なり, 早坂紗知(sax),永田利樹(b),新澤健一郎(kb),ワガン・ ンジャエ・ローズ(per),アブドゥ・バイファル(vo,djembe), ウィンチェスター・ニー・テテ(per)。という風にドラムレスで そのかわりパーカッション三人,しかもアフリカ勢…。 ってことでリズムは強烈,しかも一体感のあるグルーブ。 前回の様な違ったノリが混在するのもおもしろかったのですが, 今回のようなものもいいです。いずれにせよ全体としては 非常におおらかというか大きいというかそういうので包まれた 演奏をみんなするのが,このバンドの魅力のように感じます。 自由というか…。
とういわけで,短いながらも楽しめました。そういえば 野外で聴くのも久しぶり,そういう開放感も楽しめました。

05/08/31: 早坂紗知MINGA( 横浜ドルフィー)
個人的な事ですが,新澤健一郎氏のWebでスケジュールのところに MINGAと書かれているのを見たときはかなり驚きました。 …というのは去年の横浜ジャズ プロムナードを見たときにまさにmingaというバンドを見て 気に入ってCDを買って早坂さんにサインもらったりしていたからでした。 ついでに書くと早坂さんはわたしが福岡在住時の学生時代に 生演奏を見た数少ない在京のジャズミュージシャンです。地方にいると 外国人とかはジャズフェスに来ますが,意外に東京のミュージシャンは 来ません。もっとも演奏を聴いたのは早坂さん自身のバンドでは 無いのですけどね(^^;)…。
というわけで,そういうバンドにわたしが普段良く聴いている 新澤氏が加入…というのはカナーリびっくりというわけで, 普段の行動範囲ではない横浜までライブを見に行ったのでした。
MINGAというバンドは早坂さんのバンドですが,どうやらメンバーは 完全に固定しているわけではなく,ライブによって変わっているようです。 共通してるのはパーカッション部隊がいてだいたいにおいて 外国人,特にアフリカ色の強い人をつれているようです。 スケジュールとか見るとベースは永田利樹氏がいつもやっているようですが, トロンボーンが入るときとかもあるみたいです。今回のメンバーは 早坂さん,永田氏,新澤氏以外だと,コスマス・カピッツァ(perc)と, ウィンチェスター・ニー・テテ(perc)の二人のパーカッション。 コスマスはドイツ人,ウィンチェスターはガーナ人とのことです。
というわけで,多国籍部隊の演奏。それぞれがそれぞれの 歌で歌っているという感じです。全体としてガチッと 一体感があるというよりゆるーい広がりがある感じ。だた すばらしいのがそういう一体感とは違ったレベルで各人が しっかり歌を持っていてうたっている…そしてそれがきちんと 融合しているという感じです。かっちり組み上げるとのではなく, もう一つ上のところからゆるーりと歌っているというか… 音楽です:-)。
そういう状況ですからそれぞれの演奏も存在感があり 良く歌ってます。早坂さんは良く抜けるでかい音ですが, 濁りがなくダイナミックスのある演奏で,フレーズがすべて 歌ってます。テーマからソロまでが切目無く歌うという感じ。 ベースも永田氏もしっかりその中で歌いながら骨格押えるという感じ。 もっとも今日は最後にトラブルがあって永田氏は大変そうでしたが…。 二人のパーカッションもそれぞれ独特のノリがあります。 かっちりしてるようでしてないようで…。そして新澤氏は ピアノ主体でメロディアスな演奏。リズムが強いバンドですが, ダイナミックスを良くコントロールして結構繊細な演奏を していてました。
というわけで,MINGAの演奏楽しめました。結構即興主体の バンドだとは思うのですが,非常にポップで良く歌ってます。 そしてとても自由な感じ。演奏者もそんな感じで,聴いてる わたしもそういう感じが伝わってきてとても楽しかったです。
また聴きに行きたいと思います。

05/08/21: 東京Jazz2005(東京ビックサイト)
昨日に引き続き行ってきました。とはいっても 夜の部だけ,しかも結構遅刻して着いた時には TKYのほとんど終わり…というか30分くらいTKYを 聴いたような…。…ところでTKYが終わったのが 予定よりも1時間弱遅れてたんですが,始まったのも遅かったのでしょうか?。 でもそのせいでセッションが15分くらいしかありませんでした。 まぁそれが良かったという話もありますが(^^;)…。
というわけで,TKY…。聴いたこと無かったのですが, 結構おもしろかったです。でも若いですね。音楽が若い。 TOKUのホルンやペットはざらつきがあるのですが,妙に軽くて 抜けが良く,こういうトランペットの音ってあまり聴かないなぁ… 思いました。小沼ようすけは初めて知ったのですが指で弾くんですね。 で,出てくるフレーズはピックの並み…ってことで,驚きましたが, あんまり指だから…っていう感じのフレーズはあまり出ず, その辺は残念。まぁでもこういうフィジカル面って 自分のスタイルを作っていく上で重要なのでおもしろそうです。 …というあたりをTKYでは感じました。
でその後は昨日と同じくヘッドハンターズ05。感想は昨日と 同じなので略します。やっていた曲はほとんど同じでした。
最後にセッション…。どうも東京ジャズのセッションってハンコックが メンバーを集めすぎて曲が終わらない…という印象があるのですが, 今回はメンバーも結構絞っていて,また時間の制限があったせいか 曲も短めに終わって良かったです。でも曲も決めずに音出してるだけ なんですよねぇ…,あれは…。うーむ…。だからソロを回すって 感じでもないし…。ただゲイリーバートンの時はみんなしっかり 音量を下げてバイブを引き立てたのが,妙におかしかったです。 大御所ですからね:-)。

05/08/20: 東京Jazz2005(東京ビックサイト)
去年に引き続き行きました。 っていうか結局毎年行ってます,東京ジャズ…。実は今年は 行くつもりなかったんですが,とある筋からチケットを 頂いたので…。個人的にはビックサイトは開放感がなくて…。
とある筋から…ってことであまりジャズを聴かない知り合いと 行った関係もあり,ちょっとぬるい聴き方をしてしまいました。 すみません。…ってことで簡単に書きます。
上妻宏光東京スペシャルジャズユニット…。三味線奏者上妻氏に 依るバンド。三味線,和太鼓,唄…がいますが,それ以外は 四管のジャズバンド。アレンジはピアノをひいていた笹路正徳氏って 事でちょっとロック色の強いフュージョンとなっていて結構 かっこ良かったです。
Jazztronikって事で野崎良太氏。まともに聴いたのは初めての 様な気がします。今回はサンディーがゲストという事で, ポップな歌ものが主体でした。
MATERIAL featuring Nils Petter Molvaer。個人的には 昼の部で一番期待していたセット。モルベルをフィーチャーするから テクノ系か?…と思いきやドラムもパーカッションもアフリカ系, しかも途中からアフリカの楽器か良くわかりませんが,妙な 竪琴をひきながら詠う男が登場し,注目をかっさらって 行きました。前の東京ジャズのセッションの時も思いましたが, モルベルのプレイって繊細すぎてちょっとセッション色の強い 演奏には向かない気がします…と思ってましたが,途中から PAがボリューム上げてくれたので,なんとかなりました。
ビルラズウェル…って演奏家としてはどうなんだろう?…。全然 何ひいてるかわからない重低音でグルーブしてるだけという…。 でも彼のつくるユニットはやっぱりおもしろいんですよね。
イヴァン・リンス。ブラジリアンポップスでした。 本物…という感じでした。安定していて逆にコメントしにくいです(^^;)。
で,夜の部…。
チャリート・ラテンジャズファンクバンド。井上陽介氏の ベースプレイがすばらしかったです。
で,最後ヘッドハンターズ2005。
ヘッドハンターズを名乗ってますが,ヘッドハンターズのオリジナル メンバーがいるわけでもありません。まぁでも一曲目はウォーターメロン マンだし,ファンクだし…ってことでこの名前をつけたのでしょうか。 というか,テリリンキャントンにマーカスミラーでヘッドハンターズ ナンバーをするというかなりぜいたくな演奏でした。しかも この二人バッキングに徹してましたし。実はフューチャー2フューチャーの 曲とかもやったので,個人的にはなぜにヘッドハンターズ?…って 感じはしたのですが…,まぁそれはいいでしょう。
ソリストとしてロイ・ハーグローブ(tp)とリオネール・エルケ(vo/g)が いて,それなりに見せ場がありましたが,全体的にはハンコックを 大フィチャー…ってことで,ハンコックがひきまくる演奏でした。 それがとても良かったと思います。変に大物だからといって 全員に見せ場をつくるより統一感がありました。
あとエルケですが,先日のサンタナにも出てた気がしますが, ハンコックって相当この人気に入ってるんですかね?。去年も 東京ジャズでフィーチャーしていたし。正直去年は「???」な 感じもしたのですが,今回はバンドにうまく溶け込んでいて, 成長を感じました。
つーわけで初日終わり。明日行くかどうかはまだ決めてません。

05/08/16:Nervio (仙川キックバックカフェ)
6月の横浜以来のNervioの ライブ。ついでに書くとこのキックバックカフェについては今年の3月に同じくNervioで 見に行ったのがはじめてです。この会場の特徴はピアノが 生ピアノじゃないこと,あとVJがつくこと,そしてお酒が 飲めないことです(^^;)…。
とはいえ,演奏が始まるとわたしの体温は上がりました:-)。 なんでしょうねぇ…。うまく言えないのですが,今回の演奏は かなり良かったです。演奏の一体感があるし,無駄や冗長性を 全く感じない,グルーブやサウンドのほころびが全く見えず, わたしを「あちら側」に連れていってくれる。そんな演奏でした。
もうちょっとテクニカルな書き方をすると曲の流れというか つながりが良かったです。特にリズムアレンジがどの曲も 軽く・細かくなる傾向があり,普段だとゆったりした曲も何となく テクノ風(^^;)…とまでは言わないにしても細分化された グルーブに載っているという感じ。なので曲が変わることによって 流れが止まることがなく,特に前半は実に見事に繋がって 行きました。エレピだったせいもあるかと思いますが, リズムも含めて今回は若干ボトムレスというかトップの方に 重心があるような軽いサウンドになっていて,岩瀬氏の リズムも非常に細くしかもしまっている感じになっていました。 あと各メンバのソロも比較的コンパクトいうか冗長にならず 綺麗に変わっていったというのもあり,聴いているこっちも 緩むこと無くテンションが持続していたというか。
わたしが座った席がステージの両スピーカと等距離という いい場所だったからかも知れませんが,サウンドのバランスも 大変すばらしく,特に新澤氏のシンセ等の左右の広がりが すごくよくて,最初の曲が始まる前の音からすでに扉が 開いたという感じでした。ついでというかついででもないのですが, VJも大変曲とマッチしていて良かったです。
というわけで大満足,今年見たNervioのライブの中では わたし的にはBest,お酒がなくても十分酔いしれました。

05/07/27:サンタナ,ハンコック,ショーター (横浜アリーナ)
えー,最初にいいわけ。会社の仕事の関係で,18:30開演の コンサートだったのに会場についたのは20:00。40分くらい しかみれませんでした。終わったあとにセットリストが貼り出された のですが,全体14曲程度,わたしが入ったのは10曲目くらい だったようです。
なので,ライブの良し悪しはわたしはわかりませんでした。 ただ幾つか感激したことや思ったことがあるので書きます。
サンタナ,ハンコック,ショーターという組合わせは はじめて観たし,聴いたのもはじめてです。ただ,サンタナと ショーターは10年以上前にちょっと活動を共にしていた 時期があるはずで,その時のライブをラジオで聴いた覚えが あります。あとウェザーのアルバムにもサンタナ参加してました。 というわけで,サンタナとショーターの関わりは理解できて ました。あとハンコックとショーターはこれまで何度も 共演してます。ただハンコックとサンタナはこれまで あったのかな?…という気も…。
で,おそらくバンドはサンタナのバンドです。サンタナバンドに ショーターとハンコックが参加するという形だったと 思います。ただしメンバー紹介が聞き取れなかったので 間違ってるかも知れませんが,東京Jazzでハンコックが 連れてきたリオーネル・ルエケ(g)がいたように思います。彼は どっちが連れてきたんでしょう?。他のメンバーはギターが 更に一人(サンタナいれると合計3人),ベース,ドラム,パーカッション, トランペット,トロンボーン,そしてキーボードがもう一人 という構成です。
わたしが会場についたときIn A Silent WayからSHHH…をやっていて, 「うぉー。。。」と気分的に盛り上がりました。でもこの曲では サンタナはほとんど演奏せずショーターとトランペットの人が ソロなどを演奏。サンタナはバンドコントロールに徹してるのかな?と 思ったら続く曲からはラテンロックでサンタナも演奏。 これが「本物」,本物のラテンロックです。ラテンのリズムで どう弾けばロックギターが一番かっこいいか?…の最適解がここに。 さすがラテンロックの創始者。ただこの辺の曲ではショーターや ハンコックはほとんど目立たず。そして最後のアンコールは なぜか「至上の愛」。この辺はサンタナとしてショーターや ハンコックをフィーチャーするためにこれを選んだんでしょうけど, サンタナってかってマクラフリンと至上の愛をアルバムにしてますので, その辺のこともありこの選曲だったんでしょう。
ただ客の乗りは明らかにサンタナナンバーの時に盛り上がっていて, あとバックがやっぱりロックのためなかなかショーターの 良さが出ないなぁ…とう気はしました。ハンコックとかは ほとんど目立たなかったし(わたしが来る前に二人のデュオが あったようですが)。
それで思ったのが,あぁーサンタナってスターなんだよなぁ…って ことです。それも3年前に活動30年目でグラミー賞を取るという様な 化け物じみた偉業をやってのけた…。ハンコックやショーターは おそらく音楽のイノベーションからするとサンタナより遥かに 格が上でサンタナ自身もそれはわかってるんでしょうけど,どうも あまりゲストとして登場してもサンタナの方に華が立ってしまう 感じがしました。これがまたデビュー10年以内の若僧だったら, 「単なる人気じゃん」と割りきれるんですが,サンタナ自身も ロック界に大きな貢献をしてきた歴史があるだけに,わたしの方も そうも思えずちょっと複雑な気分でした。サンタナがもうちょっと マイナーな時期だったら結構マニアックな演奏で 楽しめたんだろうなぁ…とか。
…というか最後の曲でサンタナがスタッフにギターを預け, 一人最初に曲が終わる前に華々しく去ったのにたいし,ショーターが 自分で二本のサックスを抱え,曲が終わってから他のバックの 人と一緒にステージを下りる様子が,ちょっと引っ掛かった のでした(^^;)…。まぁ細かい話ですけどね…。
でも,その辺の引っ掛かりを除くととてもすばらしいというか サンタナってすごいな…と実感したライブでした。でも 「ヨーロッパやってくれないかなぁ」とか「ブラックマジック ウーマンやってくれないかなぁ」と思ったわたしはダメですか?(^^;)。

05/07/13: Visual trYst( 高円寺ジロキチ)
Visual trYstというプロジェクトははじめてみたのですが, 小川竜朗氏というVJの人がステージに映すVJに合わせて, メンバーが即興を演奏するというプロジェクトのようです。 リーダーはドラムの鶴谷智生氏ですが,その他のメンバーは 結構流動的なのか実は今回昨日と明後日…という風に 三回のライブを予定してるとのことですが,それぞれ メンバーは微妙に異ります。今回は鶴谷氏,小川氏以外は, 住友紀人(Sax,EWI,Syn),仙波清彦(perc),納浩一(b), 今堀恒雄(g),新澤健一郎(p,kb),松本圭司(p,kb),ヤヒロトモヒロ(perc)と なっております。映像に合わせて即興…というコンセプトもさることながら, メンバーだけを見てもかなり豪華でめったに見られない 組合わせです。
演奏は狭いジロキチなのでステージの奥の壁に映像を映し, それを観客もメンバーも見るという形。なのでメンバーによっては 観客席と並んでいる人も(笑)。映像はもちろん小川氏が つくっていくのですが,CGもあれば,DVDをターンテーブルで 回すというものもあり,その場合外国の風景とか…というのも。 最初はいきなりケチャの画面から始まり,それに喚起されてか, ちょっとアブストラクトなトライバル感じか?…と思いきや 途中でいきなりラウドになってりして,結構変化があります。 すこし驚いたのがVJの方も時々音を出すこと,あとキーボードの 住友氏もSEぽい音をだしており,時々演奏なのかビデオなのか わからなくなる場面もありました。
曲自体は延々と続けるのかと思いきや,割と5〜10分くらいで 区切りをつけてMCなり…。そこで気分も変わるので,即興では ありますが比較的ついていきやすい。というか映像に合わせて 即興をしてるせいか,バンド全体が一体感があり,またその 意図らしきものがこちらにも伝わってくるため,結構 わかりやすかったです。譜面で共有しなくても,こういう 一体感が出るのだ…と感心しました。ただ,映像と音楽は 一致してるのですが,わたし的には両方を見て聞くと情報量が 多すぎて,むしろ映像を昇華した音楽だけを目を塞いで聴くくらいが 丁度いいと感じました。まぁこの辺は人によって違うかも知れません。 わたしには今回の映像は「言語的」と感じて結構情報量が 多いと感じたので…。
サウンド全体的には結構ヘビーな感じか…。ハードになってる ところに新澤氏のピアノやヤヒロし仙波氏のパーカッションという アクゥースティックがうまくブレンドされていて,なかなか 楽しかったです。
こういう試みは結構おもしろくて出てくるサウンドも多分日や, メンバーによって変わるのでしょうから,また見たいです。 というか,いろんな人にこういう試みをやってほしいなぁ…とか 思いました。
余談ですが,最後(アンコール前)に流したVJは「Powers of Ten」 でした。懐かしい…。

05/07/03:ジェフベック(東京国際フォーラム)
ジェフベックの来日というとたぶん 2000年のライブ以来。歳をとると恐ろしいもので5年ぶりが, 「つい最近」という感覚になっていて,そこまで無理して 見に行かなくてもいいか?…と思ってましたが,メンバーに ヴィニー・カリウタとピノ・パラディーノがいることを知って 急遽見に行きました。…しかし今回のライブ,なんでこんなに チケット捌けてるんでしょう?。発売当日に買ってほとんど最後尾。 そして実際会場は満員でした。
演奏内容についてはりおさんのセットリストを参考にしてください。 ただし,今日のアンコールは一回でした。たぶん他の曲は ほぼ一緒だったと思います。
二階の最後尾ということで細いところはほとんど観れず,残念でしたが, 上から観たためステージの床は良く見えました(^^;)。っていうか ベックのギターは物凄く長いシールドでなぜか一旦ステージ袖の方に 行ってました。で,もしかしたらエフェクタ無し?と思ったのですが, 転がしのモニタの前になにかスイッチがあるらしくたまに踏んでました。 そのケーブルも舞台袖から…。あとアンプはマーシャルがありましたが, それも舞台袖からのシールドで…ってことで,どういう風に配線されているのか は良くわからず…。もしかしたら舞台袖に卓とかあったんですか?…。
とにかくそれは良いとしてベックは長いシールドでステージ上を 結構動き回りながらの演奏。足下のスイッチは,ほとんど操作しませんが, たまに操作。わたしが気づいた限りでは「歪み」と「ワウワウ」くらいだった 気がします。あとブルーウィンドではフランジャーかなぁ…。
というのもエフェクタのスイッチによる音の変化より,明らかに 手で音の変化を作り出してる幅の方が大きいので,あまり関係 ないのです。これは以前のライブの時に実感しましたが,ここまで くるとイクィップメントってほとんど関係ないというか,肉体から 作り出される表現の方が遥かに大きい。いや相変わらずすごく, いったいどうやったらああいう音が出るのか良くわかりません。
曲は古い曲が多かった気がします。前回の時は新曲もあって, わりと新しいことにトライしてる感じがありましたが,今回は 弾きなれた曲を演奏してるという感じ。しかもバックも超テクニシャンですが, みんな余裕で弾いているため,なんかすごいことをやってるように 聴こえないのですが,実際はそんなこと無いという…。この辺って キースのスタンダーズとかにも通じるんですが,耳障りが良いけど, ムチャクチャすごいことやってる…っていう次元に入っちゃってます。
特にベックはこれらの曲を何度も演奏してるし,おそらくいろんな 風に弾いている…ということで昔レコードではソロだけしか 弾いてなかった曲も,しっかりキーボードやベースのパートまで 身についてしまっているようで,どこからでもどういう風にでも弾ける という感じ。また変拍子だろうが関係ない。曲全体を見渡せるように なると,合わせるとかそういうのは関係なくなって,あんまり 拍子とか関係ないのですよね。おそらく一人で演奏してもすごい 演奏になる…っていう感じで曲を展開してる感じでした。
なんか今回のライブはベックの30年続けてきた意味というものを 感じました。歳をとって枯れちゃって,懐かしい曲を余裕を持って 演奏をする…っていうのとも違う。30年間とんがり続けて 行くことでより高度な異質なものへと進化してしまって, そこまでくるともう,何も奇をてらわないでも,普通に 演奏しても,他に誰も弾けないようなサウンドを,しかも 「音楽として」作り出すことができるんだなぁ…っていうのを 感じました。
うーん,わたしもかくありたいなぁ…と思ったのでした。音楽に 限らず何事につけても。




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