live report
2008年10月〜12月に見たライブなど
- 08/11/26:
Niklas Winter(g) &
Jukka Eskola(tp) meets 新澤健一郎(p)Trio
(新宿ピットイン)
- 半年振りに来日した二クラス・
ウィンターの公演。今回はユッカ・エスコラというトランペットと
二人で来日し,新澤トリオとの競演となりました。ユッカは
アルバムBEAUTOPIAにも参加しているトランペッターですが,
生で聴くのは初めてでした。
わたしは前半だけ鑑賞したのですが,二クラスの熱い演奏と
ユッカの繊細な演奏の対比が非常に印象的,さらに新澤氏のピアノの
美しいメロディやコードなど非常に高いレベルで融合してるように
思います。北欧ジャズという印象もありますが,二クラス自体は
フルアコの音色でありながら,ストレートアヘッドともちょっと違う,
ドライブするフレージングで結構熱い印象です。ドラム,ベースも
含め全体の印象として,美しいサウンドでポップでありながら,
既存のジャズであまり聴かないような独自の音楽性に仕上がって
いました。
この後このメンバーはしばらく関西方面へ演奏に行き,また
関東に戻ってくるそうです。もっと聴きたいと思わせるすばらしい
演奏でした。
- 08/10/04:Radiohead
(さいたまスーパーアリーナ)
- 現在最高のロックバンドと思うのはわたしですが,異論がない人も
それなりに多いだろうと思われるRadioheadの来日ライブにいってきました。
Radioheadは一応全部アルバムを持っていて,好きなバンドで,ライブを
観るのもサマーソニックを含めると三度目になります。前回は
幕張メッセでのライブ,今回はスーパーアリーナと,そういえば
アリーナ形式のライブが多いですね。今回の来日は追加公演が後で
決まって国際フォーラムでもやるようで,そちらはシートでしょうから
そっちでもよかったなぁと切符を買ったときは思いましたが,
いずれにせよすばらしいライブで,アリーナ,つまり立ち見でも
大満足でした。
17時の開演と同時に前座が始まり,30分,その後休憩を入れRadioheadの
演奏は18時からでした。前回前々回とこれまで二回のライブは
あのアルバムでのサウンドが実際に生演奏で再現されているのに
驚くばかりでしたが,今回はその辺はちょっと落ち着いて聴けました。
でも本当に5人であの多彩なサウンドを生で作れるのは本当に
すばらしいです。ベースとドラムがしっかりフレームを作って,
その上にさまざまなサウンドをコラージュしていくような感じ。そして
トムのボーカルが音楽としての芯を作るので,実験的なサウンドなのに
ポップです。選曲的にはKid A以降の演奏が多く最新作のin rainbowの
曲も多くやってました。
そういうわけで演奏は安心して楽しんでいたのですが,今回驚いたのは
むしろ舞台の視覚効果。セットとライティングが実にすばらしかったです。
最近の巨大ホールでのライブは大抵スクリーンがありますが,今回も
ステージの後ろは大きな横長のスクリーン。横に五分割されてますが,
各メンバーのアップを固定カメラで撮ってます。それが舞台袖とか
したからなので,すこし変わった映像。しかもわざと画質を荒くして,
色も単色にしてます。その単色の部分が,舞台の照明にあわせて
赤や青と変わるような仕掛け。ですから実際にその場の映像なのですが,
まるでPVと一緒に演奏をしてるような感じ。映像だけで十分作品性が
あります。普通に人が狙ったカメラよりこっちの方が観ていて楽しいと
思いました。
そして舞台上からはアクリルのバーがたくさんぶら下がっていて,
照明がそれに照らされて色がいろいろ変わります。文字や光も
映せるようでした。バックの映像とあわせて非常に幻想的な
視覚効果を作っていたと思います。
それと驚いたのがその照明がすべて舞台袖とか舞台後ろとか舞台天井から
なのか,客席のほうには天井も含め全然ライトがなかったことです。
つまりメンバーの正面を照らすライトはまったくなかったと,
そういう舞台映像は始めてみました。それでもメンバーの顔は
よく見えましたし,客席にライト用のやぐらとかないし,
野外ライブも含めると非常によく考えられた照明なのだと思いました。
ムービングライトもないのに非常に効果も高く,今回の視覚効果は
きわめて芸術性が高いと思いました。売れているバントのライブというのは
音楽だけではなく,こういう演出効果も世界最高水準のものが
集まってくるのでしょう。そういう意味でもすばらしい体験でした。
- ライブは結局20時過ぎまで続き,たっぷりと楽しめ,実に
いいライブでした。ちょっと驚いたのはカメラの持込や撮影を
明に禁止してなかったことで,入り口には「動画の撮影」と「
プロ機材の撮影」「フラッシュの使用」をやめてほしいとしか
書いてませんでした。これはネットで音楽を販売するというような
Radioheadのメンバーの意向なのか,
それとも禁止しても取り締まれないから,やむなくやったのか
良くわかりませんでしたが,実際ライブではデジカメで映像を
使っている人は結構いました。こういうのは苦言を言うべきなのか,
新しい楽しみ方と思うところなのか良くわからないなと,ちょっと
思ってます。
終わってみればすばらしいライブ。実は最新作を聴いたときに,
ネットでの販売方法とかそっちの話題性の方が大きくて,音楽性
自体はこれまでの延長の範囲かな…と少し思っていたのですが,
ライブが終わって帰ってアルバムを聴きなおすと,新作もすばらしい
曲だと再認識しました(^^;)。アリーナはきついけど,ぜひまた
行きたいです。
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