Title
Luminessence / Music for String Orchestra and Saxophone
Artist
Keith Jarrett / Jan Garbarek
Label
ECM

Songs
  1. Numinor
  2. Windsong
  3. Luminessence

Members

内容と感想

ECMのプロデューサ,マンフレッド・アイヒャーがキースに, ヤン・ガルバレクとの共演を持ちかけたとき,バンドとしての 活動(belonging)の他に, ヤンのためにオーケストラを作曲するというアイディアは キースから出たようである。belongingとこのアルバムは,ほぼ 同じ週に録られといえるほど,続けて録音されている。二人の 共演は,スタート前から望むところだったようだが, このアルバムは,キースがヤンのサックスにいかに, 惚れ込んでいたかがわかるアルバムである。

アルバムは全部で3曲。キースは作曲でしか参加してない。 しかしオーケストラはキースが譜面をかいたものである。 ヤンのサックスはどれくらい書かれたもので,どれくらい 彼のアドリブなのかは,良くわからない。キースは この曲を書くに辺り,ヤンのラインを研究したらしいので, ヤンらしいフレーズであっても,もしかしたら書かれたものかも 知れない。それくらい,ここでのヤンはテーマを含め, 彼らしい演奏をし,それがオーケストラとマッチしている。 キース自身,ヤンのサックスをすごく気に入ってる証拠だ。

もっともヤンはフレーズはもとより,音色抑揚自体に特徴があるサックス吹きなので,仮に譜面を なぞるだけでも,彼らしさはいくらでも出せるであろう。 ここでのヤンの演奏もすばらしい。

さてキースのオーケストラのための作曲は, これ以外にもIn The Lightという アルバムなどもあるが,感じられるのは, すごくシンプルであるということである。 ラインがほとんど一本しか感じられない。 これはこれで,いいのであるが,ピアノソロで 複数のラインを一瞬で生成していくキースからすると ちょっと意外である。キースが頭の中で考える音楽と 演奏中に生成される音楽は異なるのであろうか?

いずれにせよ,このアルバムのキースとヤンのコラボレーションの 例の漏れずハズレではない。キース自体はこの数年後に,自ら ピアノを弾きヤンとオーケストラとのアルバム( Arbour Zena)を 録音し,それでツアーまで行ってるようだ。キース自身, このアルバムは有意義なものだったらしい。 あまり注目されないアルバムであるが,大事な二人の 記念的なアルバムである。

総合評価(一言でいうと)
キースのヤンへの思いが良く表れてるアルバム
購入日
不明

99 Aug. 8th


(C) 1999 TARO. All right reserved