2001年を振り返って

はじめに

約一年前に20世紀の総括20世紀についてという文章を書き, 20世紀を振り返ってみました。その中でも書きましたが,本来 一日一日は毎日絶え間なく流れていて,別に世紀の切目であろうがなかろうが 一日一日を過ぎていくものだと思います。ですから,去年20世紀を 振り返ってみたとしても,だからといって去年21世紀になって 何かが大きく変わるものではない,と正直思ってました。

しかし去年一年の感想とは「新世紀というのはこんなにも 劇的にやってくるものなのか?」です。もちろん,たまたま の様な気がします。もしくはアメリカと日本でたまたま 政権が変わったとか,それだけなのかもしれません。しかし, 今年多くの人が,時代の変化を感じたと思います。

ですから,あらめてわたしが書くほどのものではないのでしょうが, わたしはわたしなりに21世紀最初の年に起きたことに対する, 自分の考えを書いておきたいと思います。

社会

社会情勢についてはいうまでもないでしょう。 日本では小泉内閣の誕生,そして世界ではアメリカの 同時多発テロに始まる一連の事件です。 これらはある一つの事件ではなく,明らかに 後世,ある始まりとして語られるものだと思います。 もちろん他にもニュースはたくさんありました。しかし これほど大きい事件は他に…,いや,数十年のオーダで みてもそんなにないことでしょう。

これらの事件をあらためて説明するまでもないと思うので, それに対してのわたしの考えだけをのべておきます。 日本での小泉内閣の誕生は,日本の不況や行政のいろいろな 歪みの蓄積から生まれたものだと思います。しかし,現在の あまりの人気の高さをみていると,小泉内閣によって 日本が良くなることを社会が期待している様にも思います。 しかしそれは過大というか,ちょっと方向の違う評価な気がします。 小泉氏は,確かに今までの仕組みを変えるために 現れた人でしょう。しかしそんなにうまく行く方向が すぐに見つかるはずがありません。おそらく現在の小泉氏の 改革は旧来の仕組みを打ち壊すためのものでしょう。 そしてもし今回の改革が後世まで続くものであれば, 小泉氏に限らずこれからずっと何年にもかけていろいろな 試行錯誤が行われるでしょう。ですから,「痛みを伴う 改革」というのはそんなに2,3年で終わるものとは思いませんし, 小泉氏が決めた政策により,よりひどい状況になる可能性もあります。 しかし,何十年もか続いてきた日本の固着したシステムを 揺るがしたという評価が将来されると思います。

そしてアメリカの同時多発テロから始まるアフガンでの アメリカの戦争。これは現在も続いてます。これは冷戦が 終了した後の新たな21世紀に残された紛争として始まったものでしょう。 再三書いてますが,わたしは今回のテロはアメリカには とても不幸なことですが,これはアメリカが世界で行っていることを 受けて起きたことであり,単純にテロ犯を捕まえても終わる話ではないし, そのためにアフガンを攻撃したことに対しては,異論を持っています。 もちろんわたしの中に,なにかいい解決策があるわけではありません。 しかしアメリカ自身が自己の中にも原因があることに気づかない のであれば,決して終わらないものだと思います。

スポーツ

経済・戦争等とTVニュースをみればくらい話題の中で, 日本人にとって明るいニュースというとスポーツぐらいしか 思いつかないと思うくらいの一年でした。その中で目立っていたのが イチローと新庄の話題でしょう。他にも高橋尚子のマラソン, サッカーの事など,世界に対して日本人が頑張るというものが 多かった気がします。

わたしは熱狂的なスポーツファンではありませんが, これらのニュースを聴いて,わたしもとてもうれしかったという感覚 自身が新鮮でした。良く南米などの世情が不安定な国の人が サッカーにかなり熱中するという事が,わかった気がします。

そういう意味では複雑な感じですが,それでもスポーツニュースを 聴いてわくわくして楽しい思いを出来たという意味では感謝 したいと思います。

わたしにとっての…

去年はわたしにとっても,いろいろ大きく変わった年でした。 住まいが変わりました。職場が変わりました。 ある意味,社会人11年目にして,これから自分が向かうべき 仕事の方向付けをもう一度再挑戦するチャンスを 得た気がします。昔就職した時から何年も置かれてきた 状況を,そのありがたさを当時はうまく理解していないで, たぶんそのチャンスをたくさん逃してきた,そしてそれに もう一度真摯に向かい合えることをうれしく思います。 正直いうと,人は自分が置かれている状況の幸福さというのは, 逃してから気づくもののようですが(苦笑), それに気づいてからなおかつ再びそれに復帰できたというのは, 実に幸運だと思ってます。

具体的には,今の職種に復帰して,好きなこの仕事で きちんと何かを達成して,それが,たとえ 会社が変わるようなことがあっても長く続けられるように していきたいと思います。

そして,同じく就職11年目にして,寮を出ての自炊生活, こちらもこれから楽しみたいと思います。

そして,これから…

ここに書いただけではありませんが,いろんな意味で, いろいろが始まった年だったと思います。ここで起きたことだけで 今世紀が占えるわけではありません。また何事もなかったように 元の鞘に納まる可能性もあります。しかし自分のことも,そして 世界のことも,大きく揺るがされた年であり,それゆえに, いろいろと考えさせられる年だったことには違いありません。

これからどうなるのかはわかりません。しかしこの年考え はじめたことは,これからもずっと考えていくことに なるのだと思います。


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02 Jan. 5th

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