出雲旅行記(99夏)part.2

旅行二日目,熊野・八雲・松江方面(99/8/25)

熊野へ

朝,ホテルを出て,とりあえずJRの駅にある観光案内所へ行く。 今日は,松江の南にある,熊野大社と八重垣神社を 押さえるのが目的。途中にある風土記の丘,神魂(かもす)神社も 出きれば行きたい。観光案内所で八重垣から熊野へ直接行けるか? とか聞いたりしたら,結局,風土記の丘は熊野へ行く途中へある。 八重垣,風土記の丘間は乗り捨てができる,レンタサイクルがある。 神魂はその途中にある,とのこと。では,まず熊野大社へ 向かうこととした。熊野へは直接のバスはなく,まず八雲村まで バスで行き,そこで村営のバスに乗り換える。

朝10時過ぎに松江駅からバスに乗り,八雲へ向かう。着くと 村営バスが待っていたので,乗り換える。これがすごく小さなバス。 乗車客も私を含めて二人(^^;)。よくやってるなぁ…。たぶん この辺の人は自家用車か,自転車でしか移動しないのであろう。 バスで20分ほど行くと,熊野大社。帰りのバスを確認すると, 今乗ってきたバスが30分後にとおる。その次は2時間半後である。 うーむ,困った(^^;)。

熊野大社

熊野大社はスサノオの尊をまつっている神社だ。古代,大社 と読んで良かったのは,出雲大社とここだけだったらしい。それだけ 権威のある神社である。ただし建物は大正辺りに再建したもの とのこと。元々はこの近くにある天狗山(熊野山)の頂上にあり, それがしばらくして,この付近に移ってきた。それからしばらくは, 今大社がある辺りと,その上流500mのところに二つにわかれて, 祀ってあったらしいが,明治の一村一宮政策で併合されたとのこと。

社は出雲大社と同じ大社構造。形は似ている。ただしこちらは 茅葺きではない。そのためか,出雲のような質感による威圧感は 感じない。むしろ出雲同様の屋根の形とかが威厳を感じさせる。

本殿の周りにはイザナミを祀った社や,稲田姫を祀った社がある。 稲荷とかもあり,様々な時代に神様が増えていったのを感じさせる。 信仰の形は時代とともに変っていくものだなと思う。ここには, 出雲大社の神官が跡を継ぐとき,必要な神器があるらしく, 出雲より上級である感じがする。まぁ,スサノオは,大国主の パパだしね。

本殿をみた後,上流の神社後へ行ってみる。こちらは, 既に鳥居もないが,岩の切り出したところに,階段が 残っていて,ひっそりとしながら,神々しい雰囲気が あって,なかなかよい。その後ろに山道があり,山へ 上れる。これがかなり急な山道。足を滑らせると,崖から 落ちそう。こういう危険なところが平気であるのも, 田舎のいいところだ:-)。

時間潰し

さて,一通りみたが,まだ12時前。バスまでは1時間半 以上ある。うーむ。仕方ないので,となりにあったスパセンターへ 温泉にしばらくはいる。それでも時間が余るので昼食。 鰻寿司を食べる。そういえば松江は鰻も名産のはずだ。 まずまずの味。

そこまでして,バスの時間30前になったので,バス停へ行き, あとはゴロゴロしている。バスは時間通りやってきて, 八雲へ。うーん,ここは車で来るべきだったのかも知れない。 少なくとも道はすかすかであった。ここは正月は十数万の 人が来るらしいが…,どうやってくるんだろう?車が数万 来たらたいへんだと思うが。

風土記の丘

八雲から少し松江に戻る途中に,風土記の丘はある。 ここには公園のようになっていて,周りには古墳が 沢山ある。公園には芝生が植えてあり綺麗である。 ポツンと竪穴式住居の再現したものと,どこかから 持ってきた本物の石棺が転がっている。他のところも そうだったが,基本的にやたら広い原っぱに無造作に, 歴史的意味があるものが転がっているところが多い。 やはりめったに人が来ないのであろう。こんなこと 都会の近辺でやったら大変なことになる。

ちなみに風土記は「ふどき」と読むようだ。ずっと 「ふうどき」と思っていた。風土記の丘には, 博物館のようなものがあり,古墳関係のものを 展示している。もちろん,ここは出雲だから, 大国主や勾玉の話も沢山展示してあるが,やはり 銅鐸や銅剣が多い。銅鐸は思ったより小さかった。 こういうのはやっぱり教科書だとわかない。

古墳というのは3世紀くらいから, 大和朝廷が成立してしばらく続くということから, 神話の世界と時代的には一致するはずである。しかし, 不思議なもので,昨日みてきた出雲大社や,さっきみた 熊野大社と,目の前に転がる石棺や銅鐸,古墳等が あまりリンクしない。実際に出雲王朝の時代は, むしろこちらの方が実際に信仰されてきたものであろうが, むしろそのあと二千年近く,継続的に信仰され続け, 変化して現在に至る神社の方が,なぜか神話を伝えている様に 感じるのだ。神社というものは過去から現在に至るまで, これを信仰してきた人の想いを感じる。 しかし,古墳や銅鐸は当時信仰されたものであっても, そこで打ち捨てられて,子孫へ継承されなかったものである。 オリジナルではあるが,歴史は積み重ねられていない。 やはり信仰はオリジナルものより,それを信仰してきた人の 想いのなかにあることを実感する。

風土記の丘
風土記の丘。
ただっぴろい丘の上に再現した竪穴式住居とかある。

神魂神社,八重垣神社へ

風土記の丘を後にし300mばかり歩くと,レンタサイクルを してくれる場所があるので,そこで借りて八重垣へ向かう。 途中,神魂(かもす)神社がある。ここは現存する本殿が, 出雲大社より400年古いらしく,国宝になっている。 しかし神社自体はあまり大きくないというか,山の 中腹にあって,あまり面積はとれていない。しかし 本殿はなかなか立派である。出雲大社と同じ,大社作り。 こちらはさすがに古いので質感的威厳もある。ただし, 出雲大社の様に雨が降ってなかったためか,生き物の 様に見えるというほどでもなかった。この神社の紋は 「有」であった良くみると,このマークが沢山ある。 ちなみに出雲大社は「大」である。後で八重垣の 茶屋のおばちゃんがいっていたが,「有」は「十月」の ことであり,本来は神在月に神様が来ていたのは, ここだったらしい。で出雲大社があとから,あたかも自分の ところのように言い出した…と,悔しそうに話している おばちゃんが印象的だった。神魂神社で祀っている 神様は,いざなみ,すさのおの母様である。 神魂神社本殿
神魂神社本殿を横方向より。 出雲大社と同じく大社つくりです。

で,神魂神社の後に,八重垣神社へ。自転車を返し, 神社へ祈る。ここは稲田姫を祀っている。稲田姫と スサノオが結ばれた場所らしく,従って縁結びの 神らしい。バスの時間まで30分以上あったので, 神社の裏にある鏡池というのを見に行く。 どうもこの神社,縁結びのため,カップルか, 女性の参拝者が多い。鏡池もちょうどカップルが お祈りしていた。うーむ…。一人で行くと, 少し間抜けだ。その他日本最古の神の壁画などを みて,バスに乗り松江へ帰る。この壁画も 国宝とは思えないくらい,簡単に展示してあった。

松江城・小泉八雲

なんとか,5時前に松江に帰ってくる。というのは, 今日は神社は三カ所なので,余った時間で,松江市内見物を するつもりだったのである。思わぬところで,時間を使ったが, 無事,松江城,小泉八雲記念館等をみて回る。

松江城は本当に当時の木造で,なかなか感動的である。 階段とか狭くて,急でさぞかし袴で上るのは大変だった と思う。

松江城の後はそのまま歩き,小泉八雲記念館や武家屋敷を 回る。そしてそんまま松江市内散策をした。

松江城天守閣
松江城天守閣。 江戸時代のものです。中にはいれます。

郷土料理

今日は松江の郷土料理の店(てれすこ)を見つけたので, そこへ行く。鯉とかを頼もうとしたが, こういうのは冬らしい。 替わりに,川海老やたにし,しじみ等を食べる。 他に鯖の刺身や牛もつ等も食べる。 仕切るママだったが,おかげでうまいものを食べれた。 特にしじみの味噌汁はうまかった。さすが。

というわけでこの日は就寝。

旅行三日目,たたら巡り(8/26)

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