本当はどうなのかわからないが、私は”即興音楽”は”即興”で あることを意識して聞くべきだと思っている。即興音楽を”譜面化” された音楽と同等に比較することはナンセンスである。聞くべきポ イントが全く異なるからである。即興音楽はその演奏と同時に音楽 が作られていくその過程を聞くべきである。したがって、完成度な どを必須条件にする必要は全くない。
しかしキースの音楽は美しい。ある時にはまるで書かれた曲のよ うな完成度を持っている場合すらある。しかし、即興独自の緊張感 はすべての曲に含まれている。
キースは抜群にうまい。私はピアノ弾きではないので、細かいと ころはわからないが、最初に聞いた時にも、”こいつはうまい”と 思ったものである。その安定したタッチから奏でられる即興の音楽 はあまりにも美しいのである。
そして何よりもキースの音楽は”そこで作られている”という感 じがするのだ。。といってもこれはどう表現していいかわからない のだが。。確かにキースが天から聞いた音楽を弾いている、って感 じがするのです。不思議だ。
私は基本的に即興だけど美しいというものに、弱いみたいで。パッ トメセニーやヤンガルバレクもその手の魅力ではまっているのです。 しかし、その最右翼がキースですね。