Tribal Techの8枚目のオリジナルアルバム
Tribal Techはスコット・ヘンダーソン(g)とゲイリー・ウィルスの
双頭バンドである。熱烈なファンがいるバンドなのに,なぜか
日本ではCDが手にはいりにくいし,ツアーもしたことがない。
しかし今回はなんと日本先行発売の様だ。なぜか?ヨーロッパも
USAより(Tribal TechはLAのバンド)早く発売される……。まぁ
それはいいのであるが,今回のはビクターエンターテイメントが
なんとディジパックだ(笑)。もしかしたら,力入れてる?(^^;)。
ツアーで来ないかなぁ:-)。
さてアルバム:-)。ライナーノートによると,今回は曲もあまり 持ち寄らず,リハーサルもあまりやらないで,大半をインプロビゼーションで 演奏し録音したらしい。そのせいだろう,複雑なキメや明確なテーマが ない演奏が多い。しかしもともとこのバンドテーマやキメはあったが, ソロの部分はかなりフリーな演奏をやってるので,そういう意味で, 演奏の印象が大きく変わった感じはしない。
そのことより,今回のアルバムで目立つのは,今までも多少あった 生ギターやパンフルート(シンセだろうが)の音色を用いた,ちょっと エスニックな演奏である。それとインプロビゼーションのせいか, リズムが多少ルーズになり,その辺も含めて,演奏全体が 柔らかくなったということである。
だいぶウェザーリポート,もしくはザビヌルの影響を感じさせる フレーズなども多く,以前のウェストコーストぽいサウンドから, ジャズぽいサウンドに変わったような気がする。スコット・ヘンダーソンは 相変わらず,うねうねした独自のラインで,ソロを弾き,まるで エレキギター界のウェインショータの様だ:-)。ゲイリーは 相変わらず,フレットレスでブリブリ弾き,スコット・キンゼイも 独特のコードワークである。以前紹介したゲイリーのアルバム bentと同様なのであるが,やはり, スコットがいるとバンドのバランスが,かなり良くなる。
演奏の緊張感は相変わらずで,現在最高のジャズ・フュージョン グループの一つであるといえる。是非来日してほしい。