Title
As Long As You're Living Yours The Music of Keith Jarrett
Artist
V.A.
Label
BMG
Songs and Musicians
  1. Backhand
    • Bruce Hornsby (p)
    • Tim Green (sax)
    • Clarence Johnson (sax)
    • Percy Miller (tp)
    • Craig Klein (trombone)
    • Reginald Houston (sax)
    • Matt Perrine (sousaphone)
    • Jason Marsalis (dr)
    • Theodore "Bo" Dollis (vocal, per)
  2. U Dance
    • Chucho Valdes (p)
    • Jay Rodriguez (b-sax)
  3. Coral
    • John Scofield (g)
    • Dennis Irwin (b)
    • Ralph Perterson (dr)
  4. Innocence
    • George Garzone (sax)
    • Massimo Biolcati (b)
    • Bob Gullotti (dr)
  5. Book of Ways #9
    • Nadja Salerno - Sonnenberg (vin)
    • Bob James (p)
  6. So Tender
    • Nueva Rumba (per, g, b)
  7. Starbright
    • Mike Mainieri (vib, marimba)
  8. Book of Ways #10
    • Flux Quartet (vin, vin, viola, cello)
  9. The Cure
    • Jimmy Greene with Lord Jamar (sax and prog)
  10. Shades of Jazz
    • Joe Lovano (sax)
    • Tom Harrell (tp)
    • Dennis Irwin (b)
    • Adam Nussbaum (dr)
  11. Somewhere Before
    • Don Byron (cl)
    • Drew Gress (b)
  12. Prism
    • Andy Summers (g)
    • John Nuvello (org)
    • Joel Taylor (dr)
  13. Everything That Lives Laments
    • D.D.Jackson (p)
内容と感想

いつかは出るだろう,と思っていたキースジャレットのトリビュウート アルバムである。キースジャレットはいうまでもなく,現在 生きているジャズミュージシャンの中でもっとも最高の 人の一人である。若い頃からジャズというより即興音楽の 可能性を探求し,ジャズをはじめとしてロック的なバックグランドも 持つ。そしてそのすぐれた演奏テクニックからクラシック作品等も だし,極めて広い範囲のミュージシャンに影響を与えたと 思われる。

さて,メンバーをみてみる。知っている人もいるが知らない人が 結構しめている。このアルバムのプロデューサはMilan Simichと いう人だが,私は良く知らない。このアルバムの成立のいきさつも 良くわからない。しかし全体を通して聴いて,なおかつメンバーを みると,実は(自信はないのだが)いろんな分野の人を集めているのでは? という思いが出てくる。一曲目はBruce Hornsbyを中心とし, 凝ったホーンアレンジやボーカルまでいれポップな ビッグバンドジャズ的にでリッチに仕上げている。 二曲目はバリトンサックスとピアノのデュオ。ファンキーな 感じを出しているが,どこかしらクラシック的な薫りもする。 John Scofiled参加の三曲目は極めてジャズ。キースの 切ないバラードをこんなテンポでやるなよオイ,とかってに 思ってしまった四曲目はほとんどベースが聴えない,サックス 吹きまくり。五曲目は,メロメロのバイオリンソロ。六曲目は ラテン。七曲目はMike Mainieriの多重録音。八曲目は 弦楽四重奏。九曲目はループの上にサックスが歌う形式。 十曲目は,ストレートな2フォーンジャズ。十一曲目は なにか古い映画のようなクラリネットとベースのデュオ,Andy Summers参加の十二曲目は,名曲Prismをロックバラード的に 仕上げている。そして最後はキースのバラード的なピアノソロ。

全く統一感がない。クラシック的なものもあり,ロックや ジャズやラテンもある。しかしここで演奏されている曲は すべてキースジャレットの曲である。聴いてみてあらためて 思ったが,「キースの曲はキースが演奏することにより 生きてくる」という感じで,必ずしもそのテーマを弾いたから キースジャレットの世界やクオリティが再現されるものではない。 この辺は先日出たWeather Report のトリビュウート盤と比べると対照的である。 しかし一方で即興演奏家として評価が高いキースにも 一貫性のあるしっかりとして「」があることがわかる。 それはどこかしら素朴で,ヨーロッパ的な,住んだこと無いので わからないが,そういう西洋の童謡に近いようなそんなメロディ ではないだろうか?。そしてキースはそういう素朴なメロディを 元に,すばらしく複雑で緊張感の高い演奏を行っていたと いう事実を改めて感じさせる。

このアルバムは,おそらくそういうキースの歌を元に, 様々なミュージシャンが,その人なりに演奏したものである。 キースの指から出てくるような神通力をそこから感じることは 出来ないが,いろんな人にいろんな形で愛され影響を与えた キースの音楽とその姿勢のすばらしさ,つまり演奏者のキースに 対する畏敬の念を感じることはできる。

そういう意味ではこれは実に正しいトリビュウート盤の気がする。 キースファンである(普段はいろんな音楽を聴く)我々は, これらの演奏の中から,数曲しっくり来た演奏を見つければいい。 それが自分が聴いているキースジャレットという人の 一面であることを示しているといえる。

総合評価(一言でいうと)
いろんな形のトリビュウートがあり,どれか好きなものに 出会えるかも知れない。
購入日
00/04/07

00 Apr 9th


(C) 2000 TARO. All right reserved