私の病気について。その1
病気について書くにあたり…
わたしは去年(2006年)の9月に手術をしたのですが, その原因となった病気についてちょっと書こうかと思います。病気はいわゆる「ガン」にあたるのですが,もちろんガンは 切ってハイおしまいというわけではなく,切ったら切ったで, 再発しないかどうか5年間経過観察をします。ですので, 現在も経過観察中。今後何があるかまだわからないという 意味では,まだまだ結論めいたことは書けず,今の心境で 書こうと思います。あとその病気についてとりあえず, すべてを書くつもりもありません。それは,わたしの病気の 症状とか治療の仕方について,第三者から不用意なことを いわれたくないからです。「治療の仕方を間違っていたのではないか?」とか 「○○をしたほうが良い」とかいうのを言われても,心に 小波を起こさずに聞くことが出来ない状態にもなる場合があります。 もちろん,自分で情報が欲しいと思うときもありますし,自分の 症状を書くことが他の同じ病気の人の参考になることも良くわかります。 ですが,情報は自分で引きたいときに自分からひく(聞く)様に 今のところはしたいし,他の人への情報という意味では,あと 数年たって先行きがはっきりしてから書けばいいかと思います。 自分がガンであると書くと,各方面から怪しい健康食品とかの ダイレクトメイルが山の様に来るといううわさも聞くので, ちょっと警戒していたりもします(^^;)。
そういうわけで,これからおそらく数年にわたり,自分の病気とか そのときの体調とか心情について書くことがあるかと思いますが, 今回はその第一回目ということで書けることを書こうと思います。
わたしの病気について…
わたしの病気は病理検査の結果を書くと膵内分泌腫瘍です。膵臓の腫瘍の中でも2%, 人口10万人に1人程度の珍しい腫瘍のようです。わたしの場合 症状が出てないので無症候性ということになると思います。京都大の膵内分泌腫瘍の解説に書いてるのを見ると, 病理だけでは悪性良性の区別は完全じゃないとか,非機能性は 50〜90%が悪性だとか書いているようですが,わたしの場合も 悪性に分類されてます。 ちなみに一般に言われる膵臓がんとは区別されるようです。 膵臓がんはガンの中ではもっとも厄介(進行が早くて発見時には 手遅れな場合が多い)なガンなのですが,それとは違うようです。わたしの場合症状が出なくて人間ドックの腹部エコーで発見され, その後CTなどの検査を行い,最終的に膵臓の半分以上(と脾臓全部)を 摘出してます。
今回病気についてわたしの書くことはここまで。病理検査の結果は 腫瘍の大きさとかいろいろ細かくは書いてますが,それについては, またいずれ書こうかと思います。
ガンになって思うこと…
わたしの場合,ガンになって,思った以上に精神状態に変化がありました。 正直今のわたしと病気が発覚する前の自分は,全然別の人間の 様に思うこともあります。ショックというよりも,つらい状態が 長く続いた…という感じでしょうか。病気になる前は,病気についてとか死についてそれなりに漠然と 考えたりすることもありましたが,やっぱり現実に病気になり, 手術とかで身体に大きな負担を感じてから,それについて考えたことは, まるっきり違うな…と思います。もちろん健康だけど,病気について 真剣に考えている方も多いかと思いますが,申し訳ないけど, 現実に突きつけられると,それは違う次元で襲って来ます。
まぁそんな風にいろいろ考えましたが,とりあえず,今書きたいのは, ガンといってもさまざまで,ガンの部位の違いもある, 進行度の違いもある,治療の仕方の違いもあり,一緒に それを語ることは出来ないなということです。外科治療を 行った人,抗がん剤治療を行っている人,早期がんの人 末期がんの人,それぞれ違う状況であり,つらいとしても つらさの種類も違い,メタに語ることは出来ないと思います。
そういう意味では,わたしがわたし以外のがん患者について 語るのも,結構見当違いな話があるのだろうとは思います。 ただ数年後に数十%の人が亡くなる病気というのを突きつけられた, ということで,そういう人よりはリアルに感じられることは あるかとは思います。
ただ,だからといって知っている人に「ほっておいてくれ」と 言うのとも違います。病気になって正直,人ともっと関わりたいと 思いました。今年になって「肉体の死と存在し続ける自分」と いうのを書いたのも,病気になってひとりこもりたいというよりは, 人の中に自分をもっと残したいと思ったからです。ただ,病気について 人に励まされるのはいいとして,いろいろ諭されても,まだまだ 飲み込めないときもあるということで(_o_)。
最後に…
とりあえず,今回はこんなところで。 また,時機をみて書こうかとおもいますが,世の中の医療に関する話とか, ちょっとした心境は日記のほうにも書いているので,とりあえず, わたしがどういう病気を身に宿しているという前提で書いているかを 理解いただけたらと思います。それではまた。