人が求める新しいものとは?part2
知り合いの家で,新年早々YMOの昔の曲(約20年前)を聴いた。 「かっこいい」,「全然古くないなぁ」と思った。
実は最近よくこういうことを思う。TVCMで流れているイエスや ラジオでかかるカルチャークラブの曲を聴いても,同じような 感想をもつ。「人が求める新しい ものとは?」を書いたのも,そういう感想がつのった 結果だ。最近あまりにもこういうことをよく思うので, もうちょっと考えてみる。マンガとかをみても,古いのを 再びやってたりして,古いのをかっこいいと思ったりする。
どういうことなのだろう?。一つは我々が最近触れているメインの メディアやジャンルは,テレビだったり,マンガだったり, アニメだったり,ロックだったり,電気音楽だったりする。 これらは既に新しい表現形態として現れて,20年以上経つ…, いや30年以上経つか…。新しい表現形態が生まれたときは, ある意味,一番すなおに表現できる。特に奇をてらったり しなくても,個性を表現できる。しかしそれ以降の人は, 個性を入れるために,ある意味不自然な表現をいれる必要がある。 したがって結局新しい表現形態が生まれない場合,もっとも プリミティブなものがいいということで,初期のものが 見直されるってことになる。それで,現在新しい表現が なかなか生まれず結局古いものが良いってことになっている, という考え方。
これは結局マンガでいうと,手塚作品や石の森作品, 永井作品が今になっても評価され続けているし,ロックでいうと, ジミヘンやビートルズがいつまでたっても評価される。クラシックでは バッハ,モーツアルト,ベートーベン等が評価され続けられるっていう ことである。
他の考え方として,実際に10年以上経たないと,よさを感じない というもの。カルチャークラブの曲なんて,出た当時は, かっこいいというより,ポップすぎて売れ線を狙っているように 感じた。しかし今聴くと,売れ線狙いが,実はその時代を うまく表していて,よく聴こえるというもの。 実際に現在残る名曲の話とかを聞くと,当時は悪評だった,と いうものが多い。時代が後から追い付くものの方が良いということだろうか?。 それとも,前回書いた通り,当時は 聴く方の体勢が出来てなかったということだろうか?。
もちろん,10年以上前の曲でも忘れられてしまったものも多い。 再び取り上げる人がいないというのもある。 それは当時ヒットしていた曲にも,残るべき曲と, 消費される曲があったということだろうか?。 しかし,そんなことは当時はわからない。きっと 今ヒットしている曲も,10年後にヒットするかどうかは 誰もわからないだろう。10年後にヒットするかどうかは,10年後に 誰かが取り上げてくれるか?,「運」によるのだろうか?
さらに別の考え方として,自分がそうなったというものもあろう。 10年や20年以上前に,そのまた10年前の曲なんていうのは, 相当幼少の時代なので,そもそもまともに聴いていない。 10年前に聴いた曲が今聴くとかっこいい,じゃぁ10年前に20年前に 流行った曲をかっこいいと思ったかどうか?,そもそも10年前の 自分と今の自分が同じとは思えないのである。自分の方が, 過去をいいと思うようになった(=歳をとった(苦笑))可能性も ある。 また今から20年近く前から現在においては,それなりに 似たような音楽嗜好が継続しているため,そういう周期で,ある程度 古い曲などが,いい感じに響いてしまうというもの。 つまり,「こう感じるようになったなぁ」ってものは,実は 最近自分がそうなっただけ,なのかも知れない。
さて,実際どれなのであろう?。よくわからない。 リバイバルで流行っているのが,今だけなのか?。 そもそもミレニアムだからなのか?(笑)。TVが最近古い曲ばっかり かけるし。もう数年,自分の嗜好,世の中の動きをみていかないと わからないかもしれない。いや答えはあるのか?(^^;)。