Title
Treasure Island
Artist
Keith Jarrett
Label
Impulse

Songs
  1. The Rich (And the Poor)
  2. Blue Streak
  3. Fullsuvollivus (Fools Of All Of Us)
  4. Treasure Island
  5. Introduction and Yaqui Indian Folk Song
  6. Le Mistral
  7. Angles (Without Edges)
  8. Sister Fortune
  9. Death And The Flower(The Impluse Years1973-1974のみ)

Members

内容と感想

私にとって「宝島」というとこのアルバムである(笑)。
キースジャレットの活動というと,チャールス・ロイド,マイルスバンドの 後は,アメリカンクァルテット,ヨーロピアンクァルテットを経て,ソロ, スタンダーズという印象があり,特にマイルスバンドを除くと, 電気楽器など(特にギター)全く使用せず,また,少人数のバンドしか しなかったという印象があるが,実はアメリカンクァルテットの途中 (というかこのアルバムあたり)までいろいろ画策をしたようで, これより前のアルバムにはいろんなスタイルのものが多い。

このアルバムは小説「宝島」を題材にしたコンセプトアルバムである。 そういうスタイルの作品は今のキースからは考えにくいが,おかげで かなりユニークな作品になっている。

小説「宝島」は私は子供向け小説とか映画・アニメでしか知らないため, このアルバムがどの程度ストーリにそってつくられているのか 判断できないが,タイトルを,酒場にシルバー船長がやってきて, 船を出し宝島に付き宝探しをするという流れになっている。

この様にストーリ仕立になっているため,曲もタイトルの雰囲気を 表したものが多く,また曲数も多い。映画音楽の様な視覚的な雰囲気が あり,全体的にポップである。怪しい曲,ハラハラする曲,美しい曲, 大団円的な曲等,はっきりしている。 またエレキギターを使った曲が1曲ある。キースの曲では非常に珍しい。 一応アメリカンクァルテットがベースのメンバーであるが, ちょっと特殊である。

アルバムの中盤(4曲目と5曲目)に美しい曲が続いているが,実はこれは LPの時代にはA面の最後とB面の最初である。そう思って聴くと 明らかに,ここに一つの区切りがあるのがわかる。CDではこれは 実感としてわかりにくいのが残念だ。この2曲は実に美しい。

あるところから船出をして進んでいくというストーリのアルバムと いうと私はWeather ReportのBlack Marketを思い出すが, このアルバムにも似たストーリを感じる。 キースジャレットのアメリカンクァルテットものは難解という方は 是非聴いて欲しい。

最後に補足だがImpule時代のアルバムを集めたコンプリート盤: The Impluse Years1973-1974にもこのアルバムは入っていて, これにはDeath and the Flowerが入っている。 面白い演奏だが,アルバム自体がストーリ仕立なため 作品のカラーには合わない。逆にキースが,なぜこの曲を いれなかったのかがわかる。その辺を考量して聴いて欲しい。

総合評価(一言でいうと)
キースには珍しい小説を題材とした作品
購入日
不明

99 May 11th


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