- Title
- traveling miles
- Artist
- cassandra wilson
- Label
- BLUE NOTE
- Songs
- Run The VooDoo Down
- Traveling Miles
- Right Here, Right Now
- Time After Time
- When The Sun Goes Down
- Seven Steps
- Someday My Prince Will Come
- Never Broken(ESP)
- Resurrection Blues(Tutu)
- Sky and Sea(Blue In Green)
- Piper
- VooDoo Reprise
- Prancing(Japan only)
- members
- Cassandra Wilson(vo,g)
- Angelique Kidjio(guest vo)
- Dave Holland(b)
- Lonnie Plaxico(b)
- Doug Wamble(g)
- Marvin Sewell(g)
- Kevin Breit(g)
- Pat Metheny(g)
- Eric Lewis(p)
- Marcus Baylor(dr,per)
- Perry Wilson(dr)
- Jeffrey Haynes(per)
- Mino Cinelu(per)
- Olu Dara(cornet)
- Steve Coleman(sax)
- Vincent Henry(harmonica)
- Regina Carter(violin)
- Stefon Harris(vib)
- Cecilia Smith(marimba)
- 内容と感想
- マイルスに対するオマージュというのは カサンドラ・ウィルソン本人の弁。
その言葉通り,マイルスとなじみの多い曲を取り上げているが, 決してトリビュウートという感じはしない。 マイルスと同じく,音楽に新しい要素を加えつつ決して作者本意ではなく, ポップというものを良く理解したサウンドである。
カサンドラ・ウィルソンはジャズボーカルを 全くといっていいほど聴かない私でさえ 「ただ者ではない」位は(^^;)評判を聴く人である。 かってJMTというレーベルに所属し,スティーブコールマンや ゲイリートーマスという若手,前衛アコースティックジャズメンらと 名前を連ねたこともあったと記憶している。 またイギリスの前衛サクソホンニスト・コートニー・パインの アルバムにも参加していて,近年出たコートニーの ドラムンベースリミックスアルバムにも, 彼女の声がサンプリングされている。
この作品を聴くと,彼女が上記前衛ミュージシャンと 互角に渡り合えるほどの力量の持ち主なのが良くわかる。 彼女は単なるボーカリストではなく,作詞作曲もするしギターも弾く。 このアルバムにも彼女自身の曲が4曲, それ以外はマイルス関連の曲だが いずれも彼女自身がアレンジし直した様である。
全体的にジャズ的なサウンドであるのは当たり前であるが, 意外にアクゥースティック(ジャズという意味ではなく, カントリーテイスト)なサウンドが多い。 生ギターを多用しているせいもあるだろう。 彼女自身がギターで作曲してるようなので, その時の雰囲気なのかも知れない
そのせいか,このアルバムを聴くと, カントリー(というと語弊はあるが)からジャズにアプローチした, ジョニミッチェル名盤の「ミンガス」のサウンドを思い出す。 それに匹敵するサウンドだと思う。
各曲については細かく述べないが,全体的な統一感はあるが サウンド自体は曲によりかなり違うので,試聴する際は, 数曲聴くことをお勧めする。 特にオリジナルは,かなりバリエーション豊かだ。 マイルス関連の曲もSeven Steps To Heaven, ESPに歌をつけるとこんなになるのだぁーと驚いたり, その他,解釈はかなり非凡である。
ただし,一曲目と最後にやってるRun The VooDoo Downは 曲自身のかっこ良さがにじみ出ていて, マイルス自身の偉大さを感じずにはいられない。 おそらくそれもカサンドラの計らいなのであろう。
最後に一言,このアルバムは一曲だけパット・メセニーが参加していて, 日本語版の帯にもゲストのトップに彼の名前がある。 しかしこのアルバムはパットがいなくても 十分すばらしいアルバムである。 まぁ私もパットの名前があったので買ったから, 偉そうなことはいえないのであるが(^^;)。
- 総合評価(一言でいうと)
- Jazzとポップスの,微妙な境界にいて, 前衛とポップを両方持ち得た希有な音楽。 ジャズサイドからのミンガス(ジョニミッチェル) といえないこともない
- 購入日
- '99 March. ??