Title
The Koln Concert(ケルンコンサート)
Artist
Keith Jarrett
Label
ECM

Songs
  1. Koln January 24,1975 part1
  2. Koln January 24,1975 part2a
  3. Koln January 24,1975 part2b
  4. Koln January 24,1975 part2c

Members

内容と感想

あまりに有名になり過ぎた一枚ではあるが,やはり名盤である。

まことに私事で恐縮だが,私がはじめて聴いたキースの演奏は これである。15年近く昔,TVのCMでこのアルバムの冒頭が使われた。 当時の私は単に美しいなぐらいの気持ちで,このアルバムの 演奏を聴こうと友人からテープを借りた気がする。確か最初に 聴いたときは寝た(笑)。

その後,インプロビゼーションということを理解するに従い, この演奏にはまっていく。今更説明するまでもないが,この演奏は 完全な即興演奏によるライブ録音である。従って演奏される瞬間まで そのメロディはこの世に存在しないものであり,アルバムは まさに音楽が作られる瞬間をとらえているのである。しかし, その場で作られているにしては,なんともすばらしい曲である。 メロディも美しいし,コードも絶妙だ。複数のラインが同時に 生成されていく。キースのピアノはとにかく横のラインが, すごい。メロディ,リフ,ベース等を追って聴いて欲しい。 複雑なラインが同時に動いていくのがわかるはずだ。

キースの場合,ソロコンサートは幾つかあるが,このアルバムは 一つの演奏の時間が20分程度であり,(彼にしては)コンパクトである。 従って,短い中に多くの展開があり,他のアルバムに比べ, わかりやすい。キースのインプロビゼーションの場合, 時間をかけ,生成していく演奏が時折聴かれるが,このアルバムは あまりそういう過程はない。そういう意味ではこのアルバムは キースのピアノインプロビゼーションを知るのに最も適した アルバムである。だから私はキースのアルバムで最初に勧めるのは これである:-)。

余談だが,聴くところによるとこの演奏をしている時の キースの体調は最悪だったらしい。体調が悪いくらいの方が, いい演奏が出来るという話があるが, やっぱりそうなのかも知れない。

総合評価(一言でいうと)
キースのインプロビゼーションで最もお勧めの一枚。 音楽が作られる瞬間の奇跡を聴いてください。
購入日
不明

99 May 3rd


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