Title
everything i love
Artist
eliane elias
Label
BLUENOTE

Songs
  1. Bowing To Bud
  2. Nostalgia In Times Square
  3. The Beat Of My Heart
  4. I Fall In Love Too Easily
  5. Everything I Love
  6. Introduction #1 / If I Should Lose You
  7. They Say It's Wonderful
  8. I Love You
  9. That's All It Was
  10. Introduction #2 / Alone Together
  11. Woody 'N You
  12. Blah Blah Blah
  13. Introduction #3 / Autumn Leaves

Members

内容と感想

イリアーヌというと,昔Steps Aheadというビックな ジャズフュージョンバンドに在籍,その後ソロでボーカルリストと ピアニストと両方の面を見せ現在に至っている。 正直をいうと,私はSteps Ahead以降の彼女の音楽を ちゃんと聴いたことはない,ピアニストというより ボーカルの方が有名になってしまった感があり,私自身が ジャズボーカルをほとんど聴かなかったからだ。

しかし,今回のアルバムはレコードショップのレビューに 「キースジャレットの影響…」という文字があった。思わず キースファンの私としては試聴機に使い数曲聴く。 「なるほど,こういうのがキースジャレット的というのね」と 思ったりしたが(^^;),分からないでもない。そう思うと じっくり聴きたくなり,買ってしまった。

今回のバックのメンバーを見るとなかなかすごい面子である。 しっかりジャズのフォーマット上でなおかつなにか新しいことを やってくれそうな,そんなメンバーである。そのせいも あるのだろうが,演奏自体はアレンジをしっかりした曲というより, インタープレイを重視したフリーなフォーマットのジャズ。 そのうえで,イリアーヌは右手のメロディ主体で,良く歌い ロマチシズムを感じさせるラインを弾く。しゃくりあげるような リズムなども使う。そう,こういうのをキースジャレット的と いうのであろう。もちろん「まるで」という程でもない。 むしろ彼女のキャラクタなのであろうか,もっとリラックスした 感じのサウンドである。

女性的…と言いたいところであるが,実は女性のジャズピアニストは なぜかヘビーなピアノを弾く人が多いので,むしろ女性で ありながら繊細な演奏をするというのは珍しく感じる。 しかしイリアーヌのボーカルを聴くとそれはボサノバの様に 軽く脱力したものであり,そこでのリラックス感を, うまくインタープレイでのピアノにもいかしているように 感じる。

このアルバムはピアノを弾いている曲の他に4曲ほど,その リラックスしたボーカルも聴かせてくれる。 もちろん緊張感のある演奏もしているが,そこは キースジャレットのようなギリギリしたような,厳しさは あまり感じられない。キースのピアノはキレイだと思うけど, あの緊張感が嫌…という人にはお勧めなのではないか?。 そう書くと,このアルバムのクオリティが低いのでは?, と思う人もいるかも知れないが,そんなことはない。 インタープレイとピアノのサウンド・メロディ,いずれも 質は高い。だがその質の中にどこかホッとする物も 同居している,そんなアルバムである。

総合評価(一言でいうと)
ピアノのラインがなかなかしゃれていていい。 バックとのインタープレイもいい感じである。
購入日
00/02/09

00 Feb 17th


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