わたしは北野映画って好きでわりと観てます。あっでも HANABI以降のはまだ観てなかったような…。
今回の「座頭市」ベネチア映画祭で監督賞を取り, 話題になってます。…その割にはちょっと映画館, 人少なかった気がしますが…。指定席の映画館って 空いてるときでも席が選べなくて嫌ですね…。
さて,以下はネタバレはあまりするつもりはないですが, それなりに情報を書きますので,白紙の状態で観たい人は 後日お読みください。
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今回はエンターティメント色が強いと評されていた 北野武の座頭市ですが,たしかにそうでしたが,いわゆる 時代劇のエンターティメントとは異なる部分が多く, 結構新鮮でした。まぁ時代劇のお約束も結構あって, それはそれで楽しめましたが。
とにかく座頭市が強すぎて,そういうのには突っ込まないで 単にバッタバッタ人が斬られて行くのを見る映画という気がします。 ストーリ的にはかなり単純で1時間半の映画にするほどのものでも ない気もします。映像的には北野映画らしいところと時代劇らしいところと が入り交じっていて,なかなか不思議な感じです。 人物を映したままカメラを動かすシーンがやたら多いですね。 重要な人でも簡単に死んじゃうところは北野映画らしいです。
この映画を見ていて思いましたが,自分は時代劇を見ていたのが ほとんどTVのため,なんとなく映画の手法でとると豪華すぎる 感じがするのだな…と思いました。ある意味TVでのチープさに 慣れているのだな…と。
最終的な感想を書くと楽しめました。途中何となく中だるみを 感じたんですが,終わってみたらそうでもなかったので終盤の 展開が良かったんでしょう。ストーリ的には極めてシンプルで 1時間半でやるからちょっと中だるみになるのか?…という気もしますが, 中盤には北野武らしい遊びも結構あったので,それはそれで いいのでしょう。
ただ,ちょっと揶揄っぽくなりますが,外国人向の時代劇 という気もしました。まずセリフが非常に少ないです。 登場人物を説明するのに回想シーン多用してます。そう, 回想シーンがやたら多いので,話があまり進まないのです。 ただ言葉がわからなくても何となくわかるだろうなぁ…と 思いました。それから,日本人から見ると誇張と思えるくらいの チャンバラシーン,やたら刀が斬れます。血が派手に 吹き出ますし…。わたしの前の席に外国人が座ってましたが, 人が斬られるシーンで手を叩いて喜んでました(^^;)…。 そういう意味じゃベネチア映画祭で絶賛されたのはわかる 気がします。でも時代考証がめちゃくちゃの映画なので, これが実際だと思われると困りますが(^^;)…。
タップのシーンは楽しめました。たしかにリズムが うまく使われていて,そんなに時代劇に違和感が ありませんでした。この辺はうまいなぁー…と 思いました。
まぁ総評するとわたしは北野映画が好きなので楽しめましたが, 映画祭で賞をとったので…と期待してみると,ちょっと 肩透かしかも知れません。 でもこういう新しい時代劇がこれから作られていくのも いいかな…という気がします。