注意:思ったことはともかく,やったことは事実ですが かなり脚色が入ってます(^^;)。
あめのなかのすーばるー〜…。会社員たろ(仮名)はビデオをみていた。
ビデオを取り出そうとエジェクトボタンを押したとき,事件はいき なり起った。
ビデオが取り出せない。それどころか画面には巻き戻しの表示が出 ている。不審に思い,リモコンではなく本体の停止ボタンを押した。 動かない。
「故障だ」たろ(仮名)は直感した。
「最悪だ…」。ビデオ本体には貸しビデオテープが入っていた。
「テープか本体か?」迫られる選択。
たろ(仮名)は,とりあえずビデオの天板を開けた。
電源を何度も入れたり切ったりした。リセットボタンも押した。注 油もしてみた。いっこうに事態は改善しない。
ロジック自体がおかしくなってるようにも感じた。
「壊すしかない…」。ココロの中で誰かが叫んだ。「このマシン はもう10年働いた。十分だ。テープを切れば,多くの人に迷 惑がかかる」。そんな声が聴こえた気がした…。
たろ(仮名)はおもむろにドライバーを取り出した。部品一つ一 つのがたつきを確かめながら,ネジを抜いていった。
ネジをとるさいに,いくつか部品が飛んだ…。
おそらく後で組み直しても正常に動くことはないだろう。既に自体 は引き返せないところまで来ていた…。しかし,ネジをはずしていっても,なかなか部品がとれない。部品 をとってもテープ自体がケースに収容されない。天板の次には底板, 次に正面の板,テープはそこに見えている。
しかしなぜかテープがとれない…。「ここまでか…」,たろ(仮名)は天を仰いだ。
…そのときだった…。
テープを保持しているユニットを固定している小さなネジを見つけ た。たった二つの小さなネジだった…。
「これかっ!」,たろ(仮名)は小型のドライバーでおもむろに はずした。
カラン…,ネジがどこかに落ちていく音が聴こえた…。
ガタッ…,ユニットが浮いた。たろ(仮名)はテープを傷付けな いように,ゆっくりとユニットを取り出した。
テープはとれた。無事傷はついていない(再生してないのでわから ないけど^^;)。
「成功だ」たろ(仮名)は,安堵した…。
あれから30分。たろ(仮名)は現在,部屋に散らばった部品を片 付け,掃除機でホコリを吸い取っている。「あのビデオには ずいぶん世話になったな。思えばほとんど毎日電源は入れていた。 機械が本望だったかはわからないが,最後にありがとうと言いたい」。 そう思うたろとであった
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