岩井俊二監督の一昨年の作品。わたしは岩井監督の作品は「スワローテイル」や 「FRIED DRAGON FISH」をビデオで観たことがありますが, マニアとかファンとかいうものではありません。 なので彼のスタイルがどいういうものか?…とかいうのは わからないで書きます。
観ている最中から,そして観終わってからもかなり強い情動が 自分の中に発生してました。それが感動なのか不快感だったのかは 結局は良くわかりません。正直いうと両方でしょう。 「激しい情動を起こさせて,その中に学生を登場させれば, 自分達の学生時代の想いから誘発されてリアルと 感じてしまうものなのだろうか?…」とか思いました。 また,「強い情動を起こさせるには,嫌悪感が走るような シーン,ストーリ,極めて美しい映像,そしてスケールの 大きい風景等を織り混ぜればいい」とかとも思いました。 皮肉っぽく書いているようですが,これはそれなりに 誉めてます(^^;)。
「14歳のリアル」というコピーが貼られていたようで, ネット上の感想を読むとリアルだ,リアルじゃない…などとの 議論が見られますが,映画で描かれているストーリ的な事件は, 少なくともわたしの学生時代周りでは見受けられませんでした。 しかし,みんなに共通の経験,事件なんていうのは,そんなに あるわけではありません。
ただ,事件があろうがなかろうが,いまよりもより多くの 情動が発生していたのが,思春期だと思います。だから 観てる大人に日常より多くの情動を起こさせることが, 「14歳のリアル」を感じさせることなのかも知れません。
余談ですが,岩井監督は音楽を作品の中でかなり効果的に 使おうとしてるんですね。過去の作品でもそうでしたが, 今回はそれがイマイチ機能してなかったので:-p,かえって 良くわかりました(^^;)。
なんかけなしているようなレビューですが,そういうわけでは ありません(^^;)。個人的には,ここ数日,実生活でかなり いろいろあって情動に振り回されてましたので,こういう作り物の 情動に強烈に振り回されたおかげで,情動メータが振り切れて(笑) ちょっと気分が軽くなりました。