最近の音楽を批判する人々
ネットニュースとか読んでると，「最近の流行歌はツマラン」 といったたぐいの投稿をたまに見る。もっと具体的に流行ってる人の 名前を挙げてるのも多い。気持はよーくわかるが，余りに感情的に なってる人見ると，ちょっと引いてしまう(^^;)。そうなると あまのじゃくな私はつい「それは，今のあなたの人生がつまらないからでは ないですか？」と言いたくなってしまう(笑)。 「話をそらすなぁー」と言われそうであるが，そうではない。 そういうことかな？と思っているからである。
「自分はなぜこの曲を好きになっただろう？」「どうして最近の曲は つまらないのだろう？」と考えてみる。そうすると「あの時代，自分が そういう気分だったからでは？」「変わったのは自分では？」という 感触をおぼえるのである。私は基本的に「今が特別」という論調が 嫌いである(^^;)。良くマスコミが「現在は大変な時代である」とか いってるのを聞くと「うそつけ」と思う(笑)。世の中そんなに ドラマチックではない。でも自分はドラマチックな時があるのではないか？ 世の中はずっとたいして変わらず我々の前にある。そして，変化していくのは 自分である。そう感じる。
曲を好きになった時
なぜ，ある曲を好きになったのか？。私の場合ジャズが好きで， なかでもパットメセニーやキースジャレット等が好きである。 それ以外にも，実はニューミュージック世代なので当時の曲や 似たような雰囲気を持ってるのは現在の曲でもわりと好きだ。 当時それらの曲を聴いたときは，一日何時間も聴き続け，あるときなど カタルシスを感じたこともあった。
現在はそういうことは減っている…と言える…正確には， 今は感じることがあるが,一時期減っていた。そのことをやはり 時代性とかでは片付けたくない。原因はおそらく自分である。 だとすると，今も自分がいい曲に出会った時期を思い出してみる。 感受性が豊かといわれる思春期とか青春(っていつだ？^^;)時代に そういうことが多かったように思う。
つまりそういう時期は，いろんな刺激に敏感で，人の方が そういう新しい曲などを受け入れやすくなっていたのではないか？ そう考えられるのである。私の場合音楽を本格的に聴き始めたのは， 中学ぐらいで，現在も継続してるが，現在良く聴くレコードは ほとんど大学時代に聴き始めたものだ。それでも，中学，高校 時代に聴いた音楽はそれなりに今でも好きで，現在流行ってる曲でも 「いいな」と思う曲はその手の音楽に近い雰囲気を持った物が多い。
心が開く時
私はそういう風に，「新しい音楽や，その他のものを受け入れ やすいように自分がなってる時期」を「開いている時」 と呼んでいる。ではどういう時が開いているときなのであろうか？
基本的には「感情が揺さぶられている時」だと思っている。 それは「楽しい時」とは限らない。不幸な時期に聴いた 曲や見た絵も印象に残ることがあるからだ(^^;)。自分の立場が 不安定な時もあるかも知れない。そもそも思春期に感受性が 豊かなのは，成長期で体の変化が激しく，それに応じて，心自体が 変化してるからではないか？。学生時代も基本的に3年程度で， 肩書きが変わる変化に激しいときである。もちろん社会人になっても 誰もが安定ではないのであるが，時間の流れを感じるにつけ， 学生時代の方が激しいのではないか？。それは社会人になると 時間の流れが速くなるということからも感じられる。
暴言かも知れないが，時間の流れが速いのは，中身が薄いからではないか？:-p恋愛をしてる時も，決して安定ではなく，特に初めは，お互いの 関係の変化が激しい。もちろん楽しいことも多いが，痛いことも多い(^^;)。 痛いときに聴いた曲を嫌いになる場合もあるが，それはそれで， その人にとって心の大きな位置を占めているには違いない。
映画を見ると，そのときのサントラを好きになるのも，映画自体が (相乗効果があるのだが)見てる人の感情を揺さぶるからであろう。 ゲームの音楽を好きな人も，そのゲームをやってるとき心が 揺さぶられたからだろう。
されば開かれん
そういうことで，私は「最近の曲がつまらない」というと 「最近の自分はつまらない」と言ってるようで，ひどく 恥ずかしい(^^;)。だからじゃないが，私は最近も結構いい曲が あると思う(笑)。
私自身は，いくつになっても，楽しく変化に富んだ人生を おくりたい。いい人生に出会っただけ，いい音楽に出会えるし， いい人生を過ごしただけ，いい音楽に触れていれると思う。
説教じみた話になったが，わりと本気でそう思っている(^^;)。