I think about Smart Speaker.

スマートスピーカ

最近ずっと書いておこうか気になってることがある。私は基本的に，新しい潮流や試みを否定するのは嫌い，つまり「水をさす」のは嫌いなのだけど，自分が長年見てきたジャンルだし，音響機器にもこだわりがあるので，やっぱり一言だけ書いておきたいと思う。記録なので，日記じゃなくてこちらにした。

最近スマートスピーカというジャンルの製品が注目を浴びている。もともとはアマゾンがAmazon Echoとして商品を出したもの。スピーカとマイクが一体化した単体の物体。スピーカはネットワーク(クラウド)につながっている。その物体の近くで喋ると音声認識して，クラウドからサービスを供給するという仕掛けのもの。

アマゾンの場合，彼らのクラウドサービスは物販なので，何かを欲しいといえば，それを注文したことになる。あと音楽配信ともつながっていて，音楽を聴くことが出来るようである。

アマゾンが出したこの製品はアメリカではかなりヒットしてるらしく，スマホの次に来る新しい端末ということで注目を浴び，グーグルや，アップルとかも参入しようとしてるし，日本のメーカである，ソニーやオンキョウとかも出そうとしてる。ただしグーグルとアップルは自社のクラウドサービスを使わせる端末としての位置づけで，ソニーやオンキョウとかは，グーグルとかアマゾンとかのクラウドにつながる前提となっている。

ただし，グーグルやアップルはアマゾンの様に物販をすることが目的ではないだろう。それぞれのクラウドサービスだったり，もしくは他のクラウドサービスに案内することをしようとしてるのかもしれない。一方で，スピーカが搭載されているため，音楽を聴く道具としての期待も広がってるようで，音響メーカが製品を出そうとしてるあたりは，その辺の狙いだろう。

それで，そのスマートスピーカの機能とかを見ていてわたしが思うのは，本当にこれ売れるんだろうか?…というか広がるんだろうか?… というもの。正直なところ，あったら便利とあまり思わないのである。

一番に思うのは，クラウドサービスの入り口として考えると，フォトフレームの方が良かったんではないか?というもの。以前フォトフレームをクラウドサービスのポータルにしようという試みはあったけど，こけてます。その頃はまだ音声認識が性能が悪く，画面操作をするというのが主流でした。その他，冷蔵庫をポータルにしようとかいろいろコンセプトが発表されたことはあります。スマートスピーカは音声認識が十分に使用に耐えるようになったので，音声だけで対応できることを強調する意味でも，ディスプレイなしのマイクとスピーカだけにしてるんだろうけど，別に，タッチ画面は要らないから，確認として画面あった方がよくない?…と思う。あと普段写真飾れるし。

一方で，最近ヘッドホンでばかり聞かれて，スピーカで音楽を聴く人が減っているという意味ではスマートスピーカで音楽を聴く人が増えるというのは，オーディオファンとしては期待する。でも，そんなことに喜ぶ一般人がそんなにいるんだろうか?という不安を，むしろオーディオファンだから思うのである。

本来ステレオで再生すべき音楽を一筐体のスピーカで再生するというのは，デメリットのようだけど，これが普及するとステレオという形態自体が変わる可能性がある。それはそれで逆行というより，新しい何かが出てこないかなという期待はある。

期待は大きいが，こけるのではないか?という不安を感じているのである。でもこの予感は外れることを期待する。是非とも成功させて欲しいが…，やっぱり今のところ，そんなにうれしいかなぁと思ってしまうのである。

もどる