ふとしたことでせんせいのおしごとというページを知りました。 ちなみにこのページMozillaではうまく表示できません。ご注意を(^^;)。
この中の「かたる」のページ，特に電車のなかでの化粧の 話を読んでいて，いろいろ考えてしまいました。この手の質問は子供から厳しくいう大人に対して良く出るものです。 いわゆる礼儀や作法的な問題，周囲の人に不快に思わせる行動に 対してのクレームに対する疑問です。学校に限らず家庭でも 子供から聞かれる親御さんもいるでしょうし，会社で若い人から 聞かれる上司もいるでしょう。
大人というものは結構いい加減なので，なんとなくそう思っていたり， 「とりあえず，周りに合わせておこう」とか思ってたりしますが， 子供は純粋に疑問をぶつけてきます。そこに「そういう風に決まっているんだ」 と頭ごなしに答えても説得力はありません。こういうときこういう 先生の言い方は参考になります。人間，人の親になるといい加減な人でも，わりとしっかりしたり します。それはやはり自分がそうでなくても子供にはしっかり育って欲しいとか 子供の純粋な疑問に答えられなくてはいけないと思ったりとか いろいろあるからでしょう。確かに自分の子供への対し方と 先生が生徒に対する対し方は異なるものですが，にわかに親になってしまう 親より何年も毎年同じ子供の疑問に答え続けなければいけない 先生という意味では，こういう場合の答え方…というのはわりと 説得力のある形になっているなぁ…という気がします。
さて，上記の電車の中での化粧の話，この先生は「礼儀」という 括りで答えようとしてます。服装の話とかもそうです。 「周りの人がみることを強要されて逃げ場がない」っていう話は 確かにそうですね。しかし，それでも「自分は気にしない」とか 言う人はいるようです。
自分は気にならない…と答える人は自分個人の感覚で言ってるわけです。 周りが不快だ…と答える人は(もちろん得てして自分が不快な 場合が多いんですが^^;)，その社会のマジョリティというか 約束事を言ってるわけで，同じ土台で議論が成立するわけは ありません。ここで議論すべきは，快か不快か?という話よりも， 「なぜ社会のルールを守る必要があるのか?」の方だと思います。 もちろん，「そこまでして守るべきルールか?」という疑問点も ありますが，それは別に「自分は気にならない」という風に否定する 点ではありません。
社会のルールをなぜ守るのか?…という疑問を考えていて，わたしは 同じく最近の子供の中に時々生まれる「どうして人を殺しては いけないのか?」という疑問点と同じ答えなのだな…と思いました。 これに対するわたしの答えはこうです。 つまり，人は社会を作らないと生きていけない，作られた社会を 維持するためには共通のルールが必要，そのルールをある程度 守らないといけない…という流れで守る必要があるのだと思います。 同じ社会の仲間を 殺してはいけないのも，それが守られないと社会が維持できないからです。 自分が死ななきゃ人を殺してもいい社会は，いつか自分も殺されます。 そういう社会では安心して人は生きていけません。 他のルールもそうです。感覚が変わって形骸化しているルールなら別ですが， 社会の大半が不快に思うようなことをどんどんやっていたら，そこに いさかいが起きます。いさかいがしょっちゅう起きる社会は やはり安心して暮せません。
そういうわけで，社会がある以上はルールがあるわけで，それを 守るのは維持のために必要なわけです。自分の感覚と 合うルールは守り，そうではないは守らない…という わけにはいかないわけです。
………とか書いてみましたが，いつものわたしに比べ， ずいぶん頭の堅い話を書いているなぁ…と思われた方も いるでしょう:-)。まぁ上記はあくまでも「原則」と その理由を書いただけです。自分がそういう風に生きてる…って わけでもありませんし。
ただ，原則から外れて生きるのはパワーが必要だし，リスク があります。 それを持ってる人，持てる人はある程度自由に生きられるんだと 思います。なのでルールを守らない…っていうのは「甘える姿勢では ダメだ」という事です。
以前書いたことがあるんですが，「小さな社会がいい」っていうのも 結局大きな社会の方が取り決めが多くなるからなんですよね。 それに同じ構成員が見えないような社会は，見えない相手を 思いやる必要があるわけで，まぁ，それも感覚に合わない人が 出てくるのも当然だなぁ…とか思ってしまいました。
リンクしたページに対する意見というよりは，自分が子供に 聞かれたとき，どう答えられるか?…，自分の中での一貫性は なんなのか?…を考えてしまったという話でした。