最近日本の自衛隊に関していろんな法律が出来て,日本の 軍事という意味では物凄い勢いで様変わりしているように思う。 憲法の改正も相変わらず議論されているが,最近の勢いを みていると下手をすると憲法改正してしまうんじゃないか?,そして その際に軍事力を持つことを記載してしまうのではないか?…と 思ったりもする。
日本が軍事力を持つべき(もう持ってるけど)か?,そしてそれを 憲法上に明記するか?…という事に関しては,わたしもいろいろと 迷う…。確かに現状のように自衛隊を宙ぶらりんな状態に しておくのがいいとは思わない。また隣国に怖い国がある 現状では,なにかしら自衛策を具体的に持っていたいという 気持ちもある。しかしこの恐怖心に刈られて,軍備を増強し, 法律も改正して,海外を攻めることを可能にしてしまったら, テロのパニックで世界中の弱小国を殺し回っている某大国と 同じ行動になってしまう(注意:これはあくまでも,わたしの 悪のりによる皮肉で,本当にそういう理由で戦争をしていると 思っているわけじゃありません。もっと戦略的な理由が あるんでしょうけど,そう見えてしまうところが問題…と いうのはあります。)。わたしは平和原理主義者じゃないが, やはりそういう行動は避けたい。そんなことをすると後世の 歴史で散々言われそうだし,自分でもいい気分ではない。
なのでもう少し現実的に考えてみたくなった。憲法に軍隊を 記載するのに抵抗があるのは,一旦軍事力を認めてしまうと暴走して 太平洋戦争以前の様になってしまわないか?…という危惧があるからだ。 軍隊というもののイメージがどうもそこにいってしまう。 また外国の軍隊をみてもアメリカ等が特にそうなのだろうが, 核や大量破壊兵器を所持して, 戦争をしては民間人を巻き添えにして… と,どうもああ言うのを認めてしまうと,民間人殺しの 片棒を担いでいるようで嫌だ(注意: これもちょっとアメリカを悪く書きすぎてますが, 民間人を殺さすに戦争をするのは,別にアメリカ じゃなくてもとても難しいことでしょう。ただ,だから そういう命題にどっかの国が本気で取り組んでもいいように 思います。)。
であれば,こういうことはできないだろうか?。日本独自の 軍隊観をつくって,その上で軍隊を認めるということを。 自衛隊というのは,「自衛」隊と言うくらいで,ちょっと軍隊とは イメージが違う。湾岸戦争まで海外派遣をしてなかった自衛隊は, 我々にとってどういうイメージだったんだろう?。わたしは陸上自衛隊の ある地方で育って,友人の親が自衛隊出身だったひともいたせいか 良く冗談で「(陸上)自衛隊は日本最大の土建業者だ」とかとか 言っていた(笑)。当時は自衛隊というと災害時等に活躍するのしか 見えなかったからだ。
これも一つの日本的な軍隊観の様な気がする。またわたしが今 住んでいるところは自衛隊が多いが,日本は自衛隊に 嫌悪感を持っている人がいて,彼らに暴言を吐いている酔っぱらいとかも いる。しかし基本的に自衛隊は甘んじてそれを聞き流している。 民間人が軍隊をなじっても,それで捕まったりはしない…というのも 日本的な軍隊観だと思う。
ただ,今はこういう事だけを言っていてはだめだろう。具体的に 隣国に脅威があるわけだから,軍備ということで日本独自の軍隊観を もち,そして軍事行為に日本独自の軍隊観を持つべきだろう。
それがどういうものか?…。言い出しておいてなんだが, 実はわからない(^^;)。
ただ思うことがある,「核兵器はそんなに圧倒的なのか?」 「大量破壊兵器は本当に必要なのか?」と。
北朝鮮は核を切札にしてアメリカと現在交渉しようとしている。 インドやパキスタンも核実験をすることで,お互いの立場を 強めたとしている。わたしが日本の軍隊観で一番必要だと 思うのは「あくまでも防衛のための軍隊」ということだ。 外国を占領する必要などはない。そう考えたときに核は 必要なのだろうか?。北朝鮮はあたかも核を防御のカードとして 使おうとしてるように見える。しかし,国土を壊滅的に 汚染する核は自国に侵入してきた敵を追い払うために使う兵器ではない。 あくまでも外国を滅ぼすために使う兵器だ。そして もし仮に防御のために外国を攻撃する必要があっても, 都市をまるごと滅ぼす核や大量破壊兵器は不要で,確実に敵の軍事施設に あたる高精度なミサイルの方が防御としての軍事力には あっているように思う。
アメリカは平和のための戦争…などといいながら,実際は 核を保有し,そして効率よくものを無差別に破壊できる兵器 ばかりを「最新の装備」と称して開発している様に思う。 これは日本の軍事力としては不似合だと思う。
軍事力として求められるものというのは歴史と共に 大きく変わってきている。歩兵の時代から巨大戦艦の時代に変わって, 今は制空権の時代だし,空からの攻撃も絨毯爆撃よりは ミサイルの時代になっている。
そうであれば,これからも兵器のイメージも大きく変わっていくはずである。 その時に日本は日本独自立場で軍事力を持てば,そうすれば いろんな抵抗がなくなるように思う。
圧倒的に防御に強く,そして敵を攻める場合でもピンポイントで 正確に関係ない人に影響がないような攻撃法。技術立国なんだから, そういう目標で独自の兵器を持てばいいんではないだろうか?。 それが出来たとき初めて,使い方も含めて軍事力を持つことが 議論できるような気がする。今はわたしの中では漠然とした イメージだが,もう少しクリアになるように考えていきたいと思う。
少なくとももし仮に軍事力を憲法で認めたときに「アメリカの 軍隊をお手本にしました」なんて事にならないように願うばかりだ。
ちなみに,わたしは某大国の要請で関係ないような諸外国に 出兵するのは反対です。