世界中にはいろんな民族がいて,いろんな食習慣があります。 そういうなかに長寿の民族がいると,その原因として 挙げられるものの一つに食習慣があります。つまり その地方(民族)の食べているものが体に良いという ということです。
最近だと体に良いと言われる食習慣をしてる地方として, 沖縄が挙がります。ビタミン・ミネラルを多く取ったり, 低脂肪だったり,繊維が多い食事だったり,そういう 特徴を持っている食習慣がよく良いと言われます。 日本も西洋(特にアメリカ)に比べれば,健康食と 言われているようで,だいぶ前に流行っている…って 話も聞いたことがあります。まぁその場合,寿司や てんぷらだったりするのですが(^^;)。
ところが,そういう沖縄でも,長寿なのはお年寄りだけで, 若い人は,そうならないのではないか?…という予想があります。 それは若い人たちは,そういう沖縄の伝統的な食事を だんだん食べなくなっているからです。戦後のアメリカ文化の 到来とともに,肉やジュース,砂糖を大量に取り始めた結果, 肥満や糖尿の若者が増えている…ということなのです。
こういう話は沖縄だけではなく,場所は忘れましたが, チベットの辺りにもかっては長寿の国だったが,西洋の文化が 入ってきて,皆大量に砂糖を取るようになって,長寿じゃなくなった という話を聞いたことがあります。
どうもこの辺の話を類推すると,西洋の食事(おそらく肉や砂糖でしょう) は,健康には良くないが,人をはまらせるものを持っている 様です。先日TVである年輩の芸能人の話で,戦後はじめてハンバーガーを 食べたときに美味しさのあまり気を失った…という話を聞いたとき, ある意味,食べたことない人でもうまいと思わせるようなポップさが (笑)アメリカの食事(特にジャンクフード)にはある気がします。 「美味しさ」というのは食べなれてわかるものと,一口でわかる ものがあると思うのですが,後者の方が多いという意味です。 もっともわたしの母親ははじめてコーラを飲んだとき「薬みたい」って 思ったらしいですが(笑)。
これもちょっと前に聞いた話ですが,某外資系大手ハンバーガーショップ (日本か本社かは失念)の社長が,子供の頃に好きになった食べ物は 一生食べてくれるという話をしていたそうです。その会社の店舗は子供が 行きやすいような作りになってますが,結局そういう目的で 子供向けに力を入れているのでしょう。この話は,ちょっと 冷静にとらえると,要は「自分達の売り物の中毒に してしまえば,一生売り付けられる」という様に取れます。 もちろん,それが健康に良かったり,安価な(というよりいつでも 手に入れられる)ものだったら良いのかも知れません。しかし ハンバーガの様なもの,またそこで売られるジュース類は, 日本の伝統食に比べれば高カロリーですし,日本で自給できない 材料を使っているという意味では,海外への経済的依存性を 高めるものです。すごい極論をいうとかってイギリスが中国に 阿片を売り付けたのと,同じ構図なのです。
そう考えると,食の西洋化というのは非常に恐ろしい側面も あります。そしてかって長寿の国だったところが,西洋化に よってそうなくなっているのをみると,何がいったい豊かな ことなのか?,というのを考えさせられます。
さて,ここまでは悲観的な話を書きましたが,実はここからが 本題です。こういう食の西洋化というのは西洋の食事のポップさから 止められない流れなのか?…と思うと,どうもそうでない例が, まさにこの日本で起きてる気がします。もちろん 肉食や高カロリーな食事は昔に比べれば断然増えてます。 ところがアメリカ食のもう一つの要である砂糖については どうも日本は他の国に比べ浸透が悪い気がするのです。
実際アメリカの土産でチョコをもらったとします。たいてい 日本人には甘すぎます。わたしは実は甘いものが苦手なのですが, アメリカのチョコは食べるのが苦痛を思えるほどです。 また最近アメリカではバニラ味のコーラが出るらしいですが, これもアメリカ人にバニラシロップをコーラにいれる人が増えている かららしいです。というか,そもそも日本ではコーラは売れてません。 それどころか最近はお茶ブームで,全くノンカロリーの 飲料が売れているのです。
なぜ日本では,みな砂糖中毒にならないのでしょう?。 もちろん,ダイエットとかを意識しているのもあるのでしょうが, 我慢というよりは嗜好の問題のような気もします。 もし我慢なのであれば,日本人は他の砂糖中毒になった民族より我慢強いと いうことになりますが,…まぁたしかにそういう面もあるかとは 思いますが…,ちょっとそう安易に結論づけるのも違和感があります。
そうこう考えると日本の食生活の一つの特徴である「お米という主食がある」ということが このことと関係がないだろうか?…,と思うようになりました。 リンク先に書いてあるように,そもそも主食がある国というのが 実は少なく,そのうえ白米を大量に食べる民族はもっと少ないのです。 もちろんお米を食べる民族は東アジアにいくつかありますが, 日本は御飯とちょっとした漬物だけ…とかいう食生活ができたり, 一方でステーキと御飯,スープと御飯という風に,常に御飯を 食事の中心に置けるという特徴があります。
いうまでもなくお米は炭水化物です。炭水化物という意味では 砂糖と同じです。砂糖に中毒性があり理由として(賛同は得られない かも知れませんが^^;))食べたときに快感があるからというのが あるでしょう。つまり疲れているときとかに食べると,疲れが取れる, 一種の「ハイ」になるわけです。こういうのを繰り返している うちに,中毒になるわけです。この場合「疲れている」状態と いうのは血糖値が下がっている状態でしょう。
ところが,日本人は長年(といっても一般人が大量に白米を食べるように なったのは明治以降でしょうけど)の米の食習慣から,体内で 炭水化物が足りないときには砂糖じゃなくお米をとるという習性が できているのではないでしょうか?。もしくは炭水化物を 大量に取ってるため,上記のように血糖値が極端に下がった状態での 砂糖の接種が少ない,つまり食後に砂糖を食べても,その前に 大量の甘くない炭水化物を取っているため,その高揚が 少ないということです。
というわけで,日本人がそれほど砂糖中毒にならないのは, お米という主食のおかげではないか?…という仮説を振り回して みました。最近,おにぎりをファーストフードとして食べる…という のが,ちょっと流行りつつあるようで,この辺も日本人の 特殊な嗜好を感じます。いずれにせよ,砂糖中毒になるよりは, 高カロリーな食事ばかり取るよりは,お米を中心とした従来の 日本食の方が健康に良さそうですし,そもそも,お米を食べるので あれば変に海外に依存する割合も少ないでしょう。 そういう意味でお米が流行るのは良いことですし,西洋が日本に 西洋の食文化を持ち込んでいる意味,つまり輸入制限を撤廃する 要求をするというのも良く意味を考えた方がいいと思います。
以下余談ですが,お米をたくさん食べたあとでも,甘いものが 取りたいときは,くだものを食べましょう:-)。いや,ビタミンCでも いいです。人間が甘いものを食べたがるのは,一つは糖分(炭水化物)ですが もう一つは,自然界でビタミンCがはいってるものがくだものだったので 身についた本能だと言う人もいます。