IT革命は本当にやってくるのか?

ちょっといいわけ…

今回の話は,一応いろんなところの情報から感じたことである。 仕事と多少内容がだぶる,というか,コンピュータ関連の仕事を してれば関係あるほど,一般的な話であるが,まぁ無意識に 仕事上で得た情報から受けた印象もあるかも知れないので, もしかしたら,ある日突然この文章を削除する可能性もある。 もしそうなったら,申し訳ないが,あらかじめ書いておく。


世の中はITが将来の産業を発展させる,というようなことを 書いているが,そうなんだろうか?。

現在ITは立ち上がりつつあるが,今一つ勢いに乗らない。 それをマスコミは某電話会社の接続料金の高さが原因の一つ…, との様なことをいう。本当にそうだろうか?。であれば, アメリカは,もう大いに盛んということか?。 確かにアメリカより日本の方が遅れているが,アメリカが 大ブレイクしているか?,といわれると疑問がわく。その辺を 批評する人はきちんと調べて欲しい。

もっともわたしはITの未来がそんなに明るいものとは 思っていない。それは単に接続料(ネットワーク料金)が 問題なのではなく,もっと根本的に複数の課題(勘違いも)を 持っているからだ。

まず一番大事なのが,業界全部が業界の利点でITを進めていて, それを使うユーザがITを使うことによる利点をどう得るかを 厳密に考えている人がほとんどいない。商売の基本を 忘れている。既存のサービスをIT化することにより ユーザがなにが嬉しいか?,ITをすることによりどういう 新しいサービスができるか?,これを議論するべきである。 それなのに現状は「こういうことが可能になった」とか 「既存の業種が持ってるこの利権を頂く」等という 技術主導かつ業界の利権争いをやっていて,ユーザから見た場合 「現状のものと比べどこが便利or安いのか?」というのが ほとんど見えない。

次にITを使うとどこでも小コストでどこでも商売が出来る といういう勘違いがあるが,実はこれが間違いであるのが最近 露呈している。実際ITは初期投資結構かかるし,それに 商売をする上で顔を合わさずにするというのは,特に このように変化が激しい分野では無理である。

もちろん,カルチャーの問題もある。日本人は情報や エンターティメントにお金を払うのを嫌がる傾向がある。 どうしても手元に残るものでないとお金を払いたがらない。 であるから,コンテンツ配信等はどうしてもうまく行かず, 成功しているB to C(業者からお客へ)のITは通販だけだけだといえる。

本来ITは複雑な流通をシンプルしに,経費が削減されて, 結果的にものが安く買えるなどのメリットがあると言われていた。 しかし,実際はシステムの投資額がバカにならないし, 出来てもいない仕組みを使うために,システムの開発費が 膨大にかかり,なおかつ,いろんな会社の仕組みを使うため, その使用料等がバカにならない。変にITに希望を持つため, 多くの企業がその利権を得ようと,参入し,食い合って, 実際にユーザにそのサービスが届く頃には,多くの使用料が 積み重ねられているというおかしな状況になっている。

なにか根本的に間違っているような気がする。この上,今後 ビジネス特許等の問題もたくさん出てくる予感があり,決して ITの将来が華々しいもののようには思えない。

ITを発展させようと思っている人たちは,自分達で利権を 得るのに必死にならず,一歩退いて冷静に頭を冷やして, 考えて欲しい。決してITが駄目だと言ってるわけではない。 ITの特徴を生かした商売方法,そして適切な商売の規模が あるはずである。ITがうまく行かない理由を接続料の問題に する人たちに,その出口は見えないと思う。


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00 Aug. 11th


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