音楽が違って聴える
ある日,昔良く聴いたCD(LP)を聴いたら,全く違って聞こえる… といった経験はだれでもあるのではないか?。何年も時間が経っていると 「アレからいろんな音楽聴いたしな聴き方も変わっただろう」 と思うかも知れない。もしくは「人生経験も積んだし 聴き方も変わるだろう」と思うかも知れない。
しかしもっと急激に変わることもある,ある瞬間を境に, 今まで聴いていた音楽が全く違って聞こえる。「あれ?」 と思って他の音楽を聴いても違って聞こえることがある。
以前私は「音楽をいいと思うかどうかはその人がその曲を聴いたときの 心の状態が関係ある」といったことを言った。まぁそうであるが, 心の状態ではなく,音楽の聴き所の変化により, まるっきり音楽が違って聞こえることも多いと思う。
私の場合の聴き所の変化
私の場合はどうであったか?。私は楽器を弾く関係上,自分が 音楽演奏に対しなにを重要視しているかが,関係あったように思う。
最初楽器を始めた頃は,速弾きに興味があったように思う。とにかく 音数が多い音楽をいいと思っていたような気がする。ところが そのうちフレーズが気になり出した。ジャズに傾倒していった 頃である。そうなるとロックのように単純なフレーズを速く弾くだけでは 満足いかなくなった。とにかくユニークなフレーズを追い続けたように 思う。
そして現在は音色を聴いてる。音色を気にすると,もはや どの音程を弾いているかすらどうでもいい時もある(極端な話だが)。 更に最近は急に,音と音の間の音が気になるようになった。 音と音の間とは,残響に近いがちょっと違う。ピアノでいうと 減衰の時の音を聴いているに近い。これを気にする様になったのは かなり急な変化であった,音楽的な経験とは異なるが,とある経験 から瞬間と瞬間の間に気づかない時間があるような気がして, それを気にし出したら,そうなったのである。
#何のことかわからないですね(^^;)。
脳の変化は?
「急に変化する何ていうのはない」,という方もいるかも知れない。 しかし,例えば音楽以外でも,だれかの言葉遣いが気になり出したら 止らなくなったとか,絵のタッチを気にし出したら絵が違って見えたとか 臭いが気になり出したら………(^^;),といった経験はなにかしらあるのでは ないか?。これと同様のことである。
これは,やはりなにかが頭のなかで起きたと思う…。脳のなかで 新しい条件付けが出来たり,検索順序が前に来たり(シナプスの結び付きが 強いともいうう(^^;))なのかも知れない…。
ということは,逆に脳の神経伝達物質に影響を与える経験をし, その時を前後に音楽の聞こえ方が変わるのかも知れない。これは 例えばアドレナリンやドーパミンが出るような,経験だったりするの かもしれない。前回のいい経験の話も,それで説明がつく。 もっと激しくない経験でも新しい条件付けがつけばいいのであるから, やはり変化はあるのかも知れない。
経験と意識
こういう聞こえ方の変化は,経験による場合もあるし, 単なる意識が変わるだけでも十分にあり得る。もっとも 意識の変化には経験が伴う場合が多いが(^^;)…。
音楽の中に含まれるもの
こう考えると,音楽のなかに含まれる可能性というのは, 物凄く多いとおもわれる。それが作者の意図とは全く 関係ない場合も多いと思われる。音楽に限らず,「 本人が全く,気にしてないが,他人からは羨望の眼差しで見られる」 といった事もある。作者が意図してなくても,その点に着目したら 実はすごいというのもあり得るだろう。
もちろん作者の意図を見つけるもの,おもしろいと思う。 言いたいのは,音楽のなかに内包される可能性は無限だ,という 事である。
自分を動かしてみるのも楽しい
聞こえ方が変わるというのは,自分が変わるという事である。 人は自分を不変だと思いたがるが,実際は常に変化している。 通常はゆっくりした変化であるので,意識しないだけだ。 一般的に人が急に変わったりすると,不気味がられる事が 多いが,本来人は変化するものだ。変わっていく自分に 戸惑わず,それを楽しむという事も可能だ。少なくとも 私にとってそれはとても刺激的で楽しい:-)。
ちょっとわけわからない話になったような気がします。すみません。余談であるが,「聴く」と「聞く」の 違いは,英語で言うところの「listen」と 「hear」の違いである。
一応気をつけて書いたつもりであるが,おかしい場所があったら, ごめんなさい(^^;)。