上司はあなたが駄目な理由しかわからない

長年ひとつの会社にいるせいか?,それともひとつの業界にいるせ いか?,はたまた知人友人でいろんな人を見てきたせいか,最近こ の歳になって,なにか成功する人に共通するものが漠然と見えてく るようになった気がします。逆に成功しない,というか例えば会社 で昇格しない人に共通の何かが見えてくるような気がします。つま り,「あぁこういう人は,出世しないよなぁ」とか「出世する人っ てこういう人だよね」みたいな感覚。

こういうのだんだん見えて来て,かつ歳を取ると,会社の若い人と か部下,はたまた学生とかに,「いや,そういう風にやっていたら 駄目だろう」とか思ったりもします。もちろん世の中にはいろんな 世界があって,向き不向きはあるので,あくまでも自分が関わって きた世界に限定の感覚ですが。
とはいえ,じゃぁ成功する条件というのがわかったとします。よく ライフハックとかで語られそうなことです。幾つか頭に浮かぶ条件 があります。性格的なものもありますし,行動的なものもあります。 あることに対する反応や言動とかいうのもあります。でも,じゃぁ それを書き出して「こうすれば成功する」といえるかどうか?を考 えてみた場合,やっぱり違うかな?…と思いました。

おそらくここでいう「条件」というのは必要条件でしかないように 思います。つまり十分条件ではない。成功する人が共通に持ってい る要素かもしれませんが,その要素を持っている人がすべて成功す るわけでもない…ということです。
成功するには,確かにこれらの要素は必要かもしれません。でもそ れに加えてタイミングや環境や対人的なものが関係してきて,これ は一概に条件としてまとめることが出来ません。「運」と一言で言っ てもいいかもしれません。

一方で必要条件がわかるということは,それが出来ないと成功しな いということがわかります。つまり失敗する十分条件はわかるとい うことになります。

さて,いいたいこと。つまり自分も含めてですが,上司や先輩や親 という人生の先輩が,成功するための条件を語ってもそれは必要条 件でしかありません。いわれたことだけをやっていても成功する保 証はないということです。そして「これをやっては駄目,こういう やつは駄目」と言っていたら,それは案外あたっているかもしれな いということです。 そして「じゃぁどうしたら良いんだよ」と言っても,人生の先輩は 正解を言えないのです。
これは別に先輩が成功者ではないからではありません。人生に大成 功した(といわれる)人の体験談や教えは世の中にたくさんあります が,その通りにやっていても成功するとは限りません。その人がた またま運が良かったケースもありえますから。

結局のところ,言われたとおりにやっていても駄目ということです。 ただ,成功の必要条件があって,足りないのが運であれば,とりあ えず条件の方だけをやっていれば,少しは確率は上がります。そし て駄目といわれたことは,案外参考になるのかもしれません。さら に書くと,世の中には,成功しなかった事例がたくさんありますが, 実はそちらの方が,教えられるものが多いような気がします。
世の中,うまくいった話ばかり多いのですが,実は失敗した話のほ うが,役に立つような気がします。ただ失敗した本人は,なぜ失敗 したのかを理解できてない場合も多いので,本人に聞くよりも,周 りで客観的に見てる人の方の話のほうがおそらく正しいです。

まぁ失敗した話ばかり勉強してると元気が出ないので,うまくいく ための必要条件もあわせて学んだほうが良いかな?とは思います。 そして学ぶだけでは成功しない…ということが重要です。

P.S.
なぜこんな文を書いたかというと,「ふと思った」というのがひと つと,これから子供とか学生に「うまくやる手としてこういう風の がある」とか「こういう風にやったら駄目だ」とか教えることが増 えるんでしょうが,結局のところ自分も何が駄目かはわかっても, どうやったらうまくいくかはわからないのだよなぁ…と思ったので 自戒をこめて,書いておきたかったのです。

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'13 Nov 19th


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