先日, 地球交響曲という映画を見たとき,その中で,「生物が, 雄と雌にわかれた時,それと同時に死が生まれた」というセリフを 聞きました。誰か忘れましたが,科学者が言っていた言葉です。
思考実験と言いましょうか…,単なる想像なんですが,時々 地球はどういう風にできたのか?,生物はどういう風に生まれたのか?… とか考えることがあります。以下は上記セリフを聞いたしばらく後に, 地球上で生物が生まれ,雄雌にわかれるまでを,想像してみました。 わたしは考古学も生物学も素人なので,あまり本気にとられても 困るんですが(^^;),まぁせっかく思いついたので…。もしかしたら 当たり前のことを書いてる気もしますが…。
太古,地球の物質からアミノ酸やその他有機物が大量に含まれた海が生じた。 現在の地球では,自然界にアミノ酸があると,細菌等にで腐食するため, 長時間同じ状態では存在しないが,このころは全く生物が存在しないため, いろんな状態でアミノ酸が溶け出していた。いわば肉の素のジュースの 様な物である。
これらの液体が,温度変化や太陽光,雷,マグマ等の様々なエネルギーによって, 化学変化を起こす。そういう中から,合成された幾種類物化合物が,いくつか 組み合わされた。その中には,一見細胞の様な構造を持っていた物も あるだろう。
しかし数種類の有機物がくみ合わさっただけでは,生物とはいえない。 単なる「もの」である。
組合わさった有機物が生物と呼べるようになるには次の特徴を持つ必要がある。 すなわち「自分の複製を作ることが出来る」である。当初単なる物である 有機物は,あたかも生物のように,自分の周りにある他の有機物を吸収して, 自己拡大していくような,ものになった。例えば,ある物質の結晶が, その溶液の中で大きくなるように,生物じゃなくても自己増幅は可能だろう。 ただし,これが割れても複製と呼べない。単物質ならともかく,同じ構造を 維持してないから。
こうしてくると,それまでふんだんにあったアミノ酸のジュースも, ある一つの核となる物の中に取り込まれていく。しかし, そのものは自己複製できないために,ただひたすら大きくなるだけである。 そしてそのサイズが大きくなりすぎたとき,自らの構造を維持できず, 壊れてしまい,また只のジュースになる。しかしこうやって自己拡張する ものが大量に発生し,お互いの死骸であるジュースをひたすら食い合う という状態が,しばらく続いていたと思われる。<
そして,そういう中からある日,突然,拡大しすぎた場合,崩壊せず, 自ら分裂することにより,自己の構造を維持するような物が現れた。 これがいわゆる生物の発生である。この様な原始生物は,突然一個, 完全な形で現れた訳ではなく(これは上記の「もの」そうだが),何度も, 似たような物が発生し,その中から,ある程度(偶然?)完成度が上がったときに, その構造をずっと維持できるような物になったと思われる。
そうやって,細胞分裂をするようなバクテリアが発生したわけである。
バクテリアの発現後,数億年,この状態が続く。バクテリアは自分の周りの 有機物を食べ,どんどん増えていく。自分の死体も有機物になるので, お互い食い合っていく。そうしながらも,自己複製時の変形により, 進化していく。<
生物として次の大きな転換期は「性別の発生」である。性別の発生はすなわち, 自己複製ではないため,「死」の発生ともいえる。
生殖は別の種類の個体の遺伝子が混ざることによって起こるが, 個体全体を合体させて別れるような生殖はない(あるんだろうか? あったら教えて欲しい)。地球上にある生殖はある細胞に別の細胞の核のみ が入り込むことにより起こる。しかもそれは極めて近い種類の個体同士である。
したがって,おそらく二種が混ざると言うことより,現在で言う 卵子と精子でいうところの二種類のものを一種のバクテリアが 出せるところから生殖は始まったと思われる。
つまりこういう事である。進化して分裂を盛んにやっていたバクテリアはある時, 二種類の分裂方法を身につける。 一つは自分自身を二つに分けるという従来の分裂法,もう一つは 自分の細胞核を体外に大量に放射し,他の個体の細胞を 乗っ取ってしまうというやり方だ。細胞核を吐き出し他の個体に入れ込み, その個体の細胞核を殺してしまえば,自分の個体と出来る。 核から周りのジュースを集めて細胞を作るより簡単である。 そうして同種のバクテリアが分割したり,細胞をばらまいたりして 増えたり減ったりする時期が,またしばらく続く。
ある時,そういう中から乗っ取られたバクテリアが,自分の遺伝子を全部放棄せず, 一部残したまま,新しい細胞核に乗っ取られるということが,起こる。 これがすなわち生殖の原型である。この様なことは, やはり幾度も似たような形で起き,そういう中から安定した物が, 最終的に進化へのレールに乗ることになる。 そうして,原始的生殖を得たバクテリアは,その異なる特徴から新しい特徴を 生み出すことに成功したため,いままでの何倍もの スピードで進化し,複雑化していくのである。
それが今へつながる。この過程は最適値ではないと思われる。別の 生物の分裂形態があってもおかしくない。しかし地球上の生物は, いずれも同じような分裂・生殖方法で増えることを考えると, その起源は同じ種類の生物が発生したある場所から,世界中に広まったと 考えられるのではないだろうか?。
ところで,一番原始的な性別がある生物って,単細胞生物でいいんでしたっけ?