四地方比較(東京,関西,福岡,熊本の場合)
はじめに(逃げ道という話も^^;)
地域ねたというのは,内輪では盛り上がるが,他の地方と接触すると
もめ事の種になることが多い:-p。これは会話の大前提となることや常識が
実は地方でかなり違うのであるが,それをうまく擦り合わせず,話を
することが原因になることが多い。とはいえ,他の地方の情報というのを
正確に把握することはほとんど無理である。これは他の地方の人と,
その辺の前提となる部分を突っ込んでみると,結構露呈し,面白かったりする。
そういう意味で,以前から地方問題は書きたかった。ただし,結構卑怯な
逃げ道を用意させてもらう(^^;)。まず,この文章は,熊本,宮崎,鹿児島
等で育ち,福岡の大学に行き,大阪に一ヶ月だけ住み,横浜に8年住んだ私の
主観で書いている。従って他の経験の人から見ると,全然おかしい場合も
ありえる。大阪は知り合いも多いので,良く遊びに行く。しかし基本的には
人からきいて感じたことだ。わざわざ断るのは,この辺の事情が変わるだけで,
ローカルネタは全く意識が違ってるのだ。
こういうことを書くと,「じゃぁおまえにしか
わからない話じゃないか。」と言われそうであるが,残念ながら,
そうである(^^;)。しかし東京にいると,地方のことは本当にわかりにくい。
だから多少でもわかって欲しいというおもいが,これを書かせたと言わせて
いただく。
情報の一方向性
都知事選の時,私は散々全国放送で地方選挙の討論をすることを
非難した。また全国放送で東京にあるわざわざ日本中から行く必要が
あるとも思えないレストランとかの紹介をすることも,コケにした
ことがある。
東京(関東)に住んでいると,地方の情報を把握するのがとても難しい。
最近はwwwのおかげで,なんとか地方新聞や地方情報誌とかのページに
アクセスできるおかげで,以前よりましになったと思うが,それでも
例えば福岡であるコンサートとかのチケットを東京でとるのは,
非常に苦労する。
基本的には情報は東京を上流として地方へ一方通行で流れていく。
地方に蔓延している情報はほとんど東京へは上がってこない。東京にある
地方の情報は,東京の人向けの地方の情報(観光とか)であり,地方にある
情報とは言えない。なんせ地元の人が絶対行かないような場所がほとんど
だったりする。逆に福岡とかで続々とオープンしているデパートとかの
情報は東京では手にはいりにくい。
東京,関西,九州と比べると,方向性をますます感じる。なぜかというと,
関西は東京の情報は持っていても九州の情報は持ってないからだ。
東京は関西も九州も持っていない。九州はどちらもそれなりに持っている。
これはひとえにTVなどの大衆メディアのせいであろう。また,人口が
少ない地方向けに番組などつくる必要はない,ということなのかも知れない。
しかし実際関西は関西オリジナルの番組をつくるし,九州も県単位で
番組をつくったりしている。しかも結構見られている。(この辺がTVK
(関東のローカル局)とかと異なる)。単に東京の人は生活圏としての
地方に興味がないのかも知れない。しかし情報が興味をつくることもあり,
情報がないから興味がないのかも知れない。現に地方に独自のファッションや
文化があると理解してない人は結構いる。
正しく理解されてないから,摩擦が生まれるのは当たり前である。
いや正しく理解されてないことを理解してないから摩擦が
生まれるのであろう。
エリア意識の違い
今回ゴールデンウィークに関西の人とあったり,九州の人にあったり
して,いろいろ話したのだが,そこで「地域をさす言葉」の意識が違う
ことがわかった。関東の人(東京,神奈川,千葉,埼玉あたりか?)は,
「関東の人」と言われるより「東京の人」といわれる
ことに慣れている,もしくは言われるのを好む。逆に関西の人は
「関西の人」といわれるのを嫌がるようである。大阪の人,
神戸の人,京都の人と分けて言えってことなのであろうか?。
もちろん全部を「大阪の人」なんて言われると,もっと
怒られる(^^;)
実は九州も「九州の人」と言われるのは慣れていない。
もちろん「福岡の人」といわれると,全くの間違いである。
これは,九州は交通網が発達してないため,他県に買い物に行くというのは
最近まであまりしてなかった。また先に述べたように,県別に番組が
あったりするせいで,あまり九州全体としてのメンバーとしての
意識はないのだ。
しかし九州は九州だったりもする。それは他の地域と対比されるときは
九州という意識になる。だから九州外に住む九州人は九州人を名乗る。
面白いと思ったのは,関西人は関西から西を西日本と思っている
ということが,今回話で聞けた。九州人は,九州・山口あたりを
西日本と思っていて,関西は関西である。この辺は,「西日本新聞」や
「西日本放送」というメディアが福岡にあるってことが原因かも
知れないが,一方で関西から地方が見えにくいということも
あるのかも知れない。
九州的地域意識の変化
上記で述べてるように,かっては九州は県間移動が少なかったため,
県別の意識が強かった。しかしここ10年程前から,九州をネットした
番組などがつくられ,また福岡が急速に発展したため,福岡を
中心とした文化意識が生まれつつあるようだ。
とはいっても,比較の問題で,実際はどの程度のものかは,わからない。
何せ私は東京にいるので(^^;)。
しかし経済圏としては福岡は関西や東京よりむしろ,韓国や
台湾を相手にしている面もあり,かなり特殊である。街を歩いても,
ハングル文字を良く見掛けるし,そういう人向けの免税ショップもある。
また財界も九州でまとまっており,東京や大阪に本社がある会社よりも
福岡にある会社同士の方が,どうやら結束が強いようである。
以前から九州人の間には,東京のことは関係ないという
意識がかなりある。関西の人が東京を意識したりしているが,
実は九州まで来ると,あまりに遠くて,非現実的なのである。
私はかって東京のことを「TVの国」と読んでいた。
TVで見るどこかの国のようであるからだ。関西もTVの国である。
一般の日本人がアメリカの番組を見るような感覚で,
全国方法を見てるのである。いつか東京に出ようという
意識は今も昔も九州の人の中にはあると思うが,これは
外国に(出稼ぎ)行きたいという感覚なのである。
ファッション
ここで余談であるが,昔熊本は九州の中でもおしゃれな
人が多いという話であった。福岡が急激に発展したので,
もうそんなことないかなぁ…って思ったのであるが,今回
両都市を見て,ファッションの好みが違うことに気づいた。
熊本の方が,やはり前衛的で凝っている。熊本だけの
サブカルチャーぽいファッション誌があったりして,
びっくりした。また路地裏にたくさん小物のショップがあったりして
熊本の方が,アングラな感じである。それに比べると,
福岡は大きなファッションビルとかが多く,大衆的である。
服もカジュアルな軽装が多い。一方熊本はファッション誌を
意識したようなちょっとかわったものが多い。
人口が70万くらいしかいない熊本(市)であるが,それなりに
独自の文化を持っているようである。
大阪も,ちょっと前まで被り物が流行っていたなど,かなり
独自なものが多い。今回大阪,福岡,熊本を見たのち,
東京を見ると,ミニスカート等は東京の方で流行っているのが
わかる(もう過ぎてるんでしょうが^^;)。あと胸が目立つ
シャツとかは実は九州ではほとんど見掛けなかった。
おわりに
ゴールデンウィークに大阪,福岡,熊本と帰省がてらに,旅行したため
このようなことを書こうと思った。本当は,福岡でフォークが流行り,
大阪でプログレやブルースが流行り,ジャズやフュージョンはどうやら
東京でしか根付かないとかいう音楽の地域差を論じるつもりだったが,
全体的な地方論になってしまった。個々の例はファッションだけ
軽く挙げたが,音楽についてはまた書かせてもらう。
あまりだれかの役に立つような話ではなかったと思うが,
以前から気になっていたので書かせてもらった。地方に
旅行に行くときに,観光施設目的で行くのもいいが,
地元の人の目線で見てみるというのもやってみると,
意外に面白いものがあったりすると思う。もし良かったら,
そういう旅行もお勧めしたい。
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99 May. 24th
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