読書メモ(2007年3月〜6月)
最近読んだ本から…メモなどを。
書籍編
- まともバカ(養老孟司)(07/6/30)
- 養老先生の本を読むのは何冊目?…ってくらい良く読んでます.
基本的に年寄りのグダグダ感が強いのですが,視点が独自でとても
おもしろいです.まぁ何冊も読んでるので,そんなに読んで
ショックを受けるようなことも既にないのですが.
この本は今までどこかで発表したような文をまとめたようなのですが,
わりかし内容的にそろっている気がするのは,時期が近いからなのか,
同じ内容を集めたからなのか?….それにしても前書きもあとがきも
解説もない…っていうのは,ちょっとやっつけ感があるなぁ(苦笑).
…というわけで,気軽に楽しく読めたのですが,結構意外だったのが,
今回オウムに対するコメントがいくつかあったと言うこと.
いままであまり養老先生のオウムに対するコメントは読んだことが
無かった気がしたので,あぁ,こういう風に思ってるんだ…と.
そこで書かれていたのは,現在の若い人は「知識」と「自分」を
切り放して考えていると.知識を「ノウハウ」みたいなものだと
思ってると.
現代人のわたしは「そりゃーそうだろう?,何がおかしいの?」と
思ったのですが,じゃぁ…ってことで例をあげていたのが,
「自分が病気で寿命を知った前後で自分は変わらないか?」という
設問にたして,「あぁ確かに人間は知ることで変わるよね」と
思いました.ずいぶん極端な例だなぁ…とは思いますが(^^;)….
確かに本来は人間は知識を得ることで変わってるし,世の中に
対してもかわるのだけど,今の人は,知識は知識,自分は自分と
思ってるなぁ…と.
もう一つ,現実にはリアリティとアクチュアリティがあるってことを
書いていて,後者が物理的…というか存在してる現実,後者は
頭で感じる現実世界….この二分は良く理解できますが,
あぁ,こういう言い方なのねと思いました.リアリティを真善美と
訳していてへーぇと思いました.アクチュアリティは日常性らしい.
で,現在はアクチュアリティの方が軽視というか意識されないように
なってるってことですよね.
………今回の本を読んで思ったのは,結構教育論的というか,
それを意識してるなぁ…ってこと.学者というよりは教育者,
しかも専門というより教養の方に意識がいってるなぁと.
北里大で教えていたときに思ったことが,これを書かれた頃
旬だったのかなぁ…という気はしました.
- 赤を見る〜感覚の進化と意識の存在理由(ニコラス・ハンフリー)(07/5/20)
- 読書メモを書くのも久しぶり….というのも,まぁ忙しくて本を
開かなかったのもあるんですが,
ずいぶん読み進むのに苦労した本でもありました.
2ヶ月くらい持ち歩いていたか?….
その手の本を読む人ならタイトルから気づきますように,
「感覚」とか「意識」とか「クオリア」とかそれ系の考察本です.
…ところでなぜこの手の話の時に例としてあがるのは「赤」
なんでしょう?:-p.
まぁそれはいいとして,この本は心理学,実験心理学,哲学等の
教授をやってきた著者が,とある大学での講演を文字に起こした
ものらしいです.講演なので,わかりやすく話しているようなんですが,
なぜか結構理解しづらかったです.翻訳の問題なのか?….
いや,そもそもこの手の本は,読んでいてちんぷんかんぷんに
思うこともあったり,全く逆に「当たり前のこと」の様に
読めたりして,自分のレベルが低いのか,それともいろいろ
読んでいて擦れてるのか…良くわからなかったりします.
それでも読んでいるとタマに…「おっ?」と思うようなことが
書いてあり,それでついつい最後まで手放さずに読んでしまいました.
結局大半は理解できなかったのですが,いくつか読んでいて思った
ことがあるので,それを書いて感想とします.
- この本で序章で取り上げている,サザーランドによる意識の定義は
「意識とは興味深いが
いわく言いがたい現象である.それが何であり,何をなし
なぜ発達したのかを特定することはできない.それに
ついて読む価値のあるものは,いまだ書かれたことはない」
とのことです.意味がわかりにくいですが,有識者に
好評な定義らしい.
- 生き物は外部の状況を感覚によって受容し,行動するのだけど,
意識がない生き物の場合は,反射として行動する.でも
いくつかの感覚から得られる結果に矛盾がある場合,
反射として行動するとどうなるのでしょう?….それを
統合しようとすると…そこには「意識」が必要に
なったりしませんか?.
- うまく読み取れなかったのだけど,どうやら作者は
そもそも意識というのは,理解しがたいもの,不可解なるように
進化したのだから,理解できなくて当たり前…っと
言ってるように感じた.なんか……なるほど…と思った.
- わたしは…意識とか…そういうのって,言語では構造的に
書き下せないのではないか?…と以前から思っていたのだけど,
上記って,そういう意味ですか?.
ということで….
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