読書メモ(2004年9月〜10月)
最近読んだ本から…メモなどを。
書籍編
- 内側から見た富士通「成果主義」の崩壊(城繁幸)(04/09/17)
- 売れてるらしい。会社での研修で話題に出たので読んでみました。
一言で言うと暴露本。嘘は書いてないのだろうけど,良くこんなこと
書けるな…という感じ。著者はすでに会社を辞めている
様ですが守秘義務違反にならないのだろうか?…。
簡単に言うと富士通が10年ほど前に導入した成果主義が10年間で
富士通をどう駄目にしたか?を書いている本です。著者は実際に
富士通で人事を担当していた人です。
そういう内容なので富士通が導入した成果主義が制度的な欠陥から
運用上の欠陥まで含めていかにひどかったかを書いています。
あまりに一方的に批判しているので,読んでいてあまりいい気は
しません。
わたしは会社で管理職をやっていて経営の情報とか育成の情報とかを
知っているせいもあって,ある意味チクチクした感じで読みました。
ただ途中から「社員の立場での意見はわかるけど,経営的視点が
どうもたりないよなぁ」と思って,著者履歴を見るとわたしよりも
ずっと年下,つまり若い社員としての意見というわけ。正直いうと
経営的視点が抜けているので,「あなたがそう思っても,それじゃ
会社はうまく行かないのよ」と思ったりもしましたが,逆を言うと
若い人には組織や制度がそういう風に見えてしまうのね…とも
わかり参考になります。でも人事やっていてもこういう風に
見えちゃうのね…。
わたしが働いている会社も10年はいかないけど,だいぶ前から
成果主義を導入しているし,更にそれを押し進めているような
部分もあります。そしてこの本で「悪い点」として挙げられている
いくつかの部分で似たような点もあり,かなりドキドキしました。
自分のいる会社はだいじょうぶなのだろうか?と…。
ただ一方で「そこまではひどくないなぁ」とか「うちはちがう」と
いう部分もいくつかあり,その辺がまだ希望を持てます(^^;)。
経営的視点がないというのは,社員だから当然と言えば当然ですが,
「働けば金がもらえる」という様な意識がこの本から感じることです。
会社が業績を落しているのに自分の成績にA評価がついてしまうような
目標設定がおかしい気がしますが,本の方ではあたかも評価が
低くて…もしくは良い評価をつけても報われなくて,やる気がなくなって
業績が落下した…という風な視点で書いてます。志気が落ちたから
業績が落下したのか,業績が落下してるからむくわれなく志気が落ちるのか?,
どっちが原因か結果かわからないネガティブなスパイラルですが,
会社ががどういう状態か考えずに個人の評価のことを訴える
感覚は,おそらく個人商店や小さい会社で働いている人から
みるとちょっと甘く感じてしまう気がします。あとひたすら上司を
無能呼ばわりするのも,「感情的になっているのでは?」と感じさせて
ちょっとマイナス印象。全部自分以外のものが悪いという
視点なので…。
そうは言っても失敗例を具体的に挙げてくれたのは参考になります。
うちの改革も失敗例は参考にされているんだろうか?…とか考えます。
人をやる気にさせるのはとても難しいし,しかもそれが組織の
役に立つような方向に向けるのは更に難しい。制度(マニュアル)で人を
うまくコントロールするなんていうのはとても難しいのだけど,
それを何とかしなくてはいけない管理職って結構大変なんのよ。
「わかってくれ」っていうのは甘えだと思いますが,事実そうなのだ…と
思ってしまいました。
- 日本はどう報じられているか(石澤靖治編)(04/09/17)
- 日本が海外の新聞などのメディアでどう報じられているか?という
本。7人の人が分担してイギリス,フランス,ドイツ,アメリカ,
アラブ,中国,韓国のメディアでの日本の扱いを挙げている。
まぁぶっちゃけていうと,教育政策で日本の扱いを決めている中国,
韓国以外については,ほとんど日本なんて扱ってないというのが
現状のようだ。もしくは書かれていてもあまり良いことは書かれていない。
特にバブル崩壊後はそんな感じらしい。当然日本がいつも
注目しているアメリカも,日本のことにはそんなに感心がない様子。
良く書かれているかも…とか思って読むとがっかりします(笑)。
もっとも普通の国は外国のことなんってそんなに報道するもんじゃ
ないのかな?…とすら思ってしまいます。日本ってやたら海外の目とか
海外で行われていることを報道してますが,その辺も日本人に
特有なんでしょうか?。ムラ社会だから,周りのこと気にするし,
周りにどう思われてるかも気になるし…という感じで。
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